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私は猫になりたい

昔の特撮やドラマを紹介します。

「機動刑事ジバン」 第3話「へんな男とおばけ野菜」

2025-03-26 19:58:40 | 機動刑事ジバン
 第3話「へんな男とおばけ野菜」(1989年2月12日)

 冒頭、若い主婦が、八百屋で買い物をして自宅に帰り、結婚式の定番ソング「てんとう虫のサンバ」を口ずさみながら台所仕事をしている。

 主婦は二つレモンを買ったのだが、そのレモンがひとりでに増殖し、4つになってしまう。

 主婦「八百屋さん、間違えたのかしら? もうけ、もうけ」

 主婦はレモンの数が合わないのに気付くが、不審に思うどころか、ラッキーだと喜ぶ。

 そんなさもしい根性を懲らしめるように、4つが8に、8が16に、16が32に、32が64に、64が128に、128が、えーっと……とにかく倍々ゲームであっという間に大量のレモンが出現する。

 まさに、リアル「バイバイン」である。

 しかも、ただ増えるだけではなく、その野菜は自ら動いて人を襲ったり、毒ガスを吐いたりと言う、はた迷惑なオプションまでついているのだ。

 サブタイトル表示後、空き地で直人が子供たちを相手に野球のコーチをしている。

 直人「ボールは両手でキャッチしなきゃ駄目じゃないか」

 真冬と言うことで、その吐く息が白いが、冷静に考えたら、ロボットである直人が白い息を吐くと言うのは変だよなぁ。

 
 と、土手の上に赤いブラウスにレザーのジャケットとタイトスカートで決めた洋子先輩が車を停め、こちらにやってくる。

 洋子先輩、普通の特撮ヒロインと違って、いつも同じ服を着ず、頻繁に服装が変わるのも好ましい。

 洋子「どう、元気してる?」
 直人「冗談じゃないっすよ、なんで僕が野球のコーチなんかしなくちゃいけないんですかっ」

 直人が早速不満を漏らすが、洋子は課長の真似をして腕を組み、

 洋子「課長いわく、我がセントラルシティ署は市民との信頼の絆を強くする為に、ママさんバレーや、少年野球のコーチを定期的に買って出ている……」
 直人「ゆえに捜査同様、命をかけてコーチをやってこい、あーあー」

 洋子先輩の台詞を引き取って、溜息をつく直人。

 それはそれとして、赤いブルマを履いてバレーのコーチをしている洋子先輩の姿を是非見たい!!

 
 洋子「あら、まゆみちゃん、こんにちは」
 まゆみ「こんにちは!!」
 洋子「わあ、可愛い、手乗り文鳥?」
 まゆみ「うん、一郎君の飼ってるチャコ、練習している間だけ預かってるの」
 洋子「わあ、可愛い」

 洋子がしゃがんで文鳥を可愛がってると、その一郎少年が来て、

 一郎「まゆみちゃん、僕のチャコ、大事にしてよ、命の次に大事なんだから」
 まゆみ「うん」

 安い命だな、オイッ!!

 ちなみにチャコと言う変な名前、「スカイライダー」33話に出て来たハムスターと同じだが、何か関係があるのだろうか?

 直人がノックを再開しようとすると、さっきの主婦が慌てた様子であらわれ、直人たちに助けを求める。

 その主婦こそ、一郎の母親だった。

 半信半疑で直人たちが一郎の家に行き、直人が玄関のドアを開けると、家に入りきらなくなった大量のレモンが溢れ出て、直人の体に降り注ぐ。

 まゆみ「レモンが笑ってる」
 直人「そんなバカな……」

 さらに、レモンのひとつが人間並みの大きさになり、直人たち目掛けて白いガスを噴射する。

 直人「毒ガスだ、みんな逃げろ!!」

 さらに、別の方角から悲鳴が聞こえて来たので行ってみると、今度は大量のタマネギが坂を転がり落ちていた。

 他にもかぼちゃ、大根、ピーマンなど、ありとあらゆる野菜が増殖してガスを撒き散らし、生き物のように人や車を襲い、街はパニック状態に陥る。

 
 洋子「みなさん、すぐに避難して下さい、野菜が出しているガスは有害です、早く逃げないで吸ってると、命に関わります!!」

 直人と一緒に、暢気に見物している近隣住民に呼びかける洋子タン。

 ほどなく、セントラルシティ署の刑事たちも駆けつける。

 
 村松「情けないねえ、セントラルシティ署きっての名刑事が野菜退治なんて……はい、かぼちゃちゃん、トマトちゃん、動いちゃダメだよ」

 ガスマスクをつけて網を持ち、ぼやきながら野菜の群れに近付く村松たちであったが、野菜は空を飛んで逃げ回り、エイリアンのように強酸性の毒液まで吐いて反撃するので手に負えず、尻尾を巻いて退散するしかなかった。

 レポーター「東京の一部の地域で発生した野菜の異常増殖はその後勢いが止まらず、毒ガスや強い酸のため、住民たちが避難するなどの状況が出ています」

 危機感もあらわに現場から状況を報告するテレビレポーターであったが、

 レポーター「政府では、異常増殖している地域が北落合と富士見町の一部と限られているところから、この現象は長くは続かないだろうと言っています」

 最後に、政府の楽観的な憶測を垂れ流して締め括る。

 ジバン基地でそれを見ていたまゆみは、

 
 まゆみ「なにのんびりしたこと言ってんの、バイオロンの仕業だったら、長く続かないどころか、このまま放っといたら、東京中、野菜に占領されちゃうじゃない」

 政府の見通しの甘さに、呆れ果てたような声を上げる。

 無論、今度の一件も、バイオロンの仕業であった。

 野菜に襲われて逃げ惑う人々の様子を、楽しそうにモニターで鑑賞しているギバたち。

 
 ギバ「見ろ、愚かな人間ども、バイオロンの恐ろしさを思い知ったか」
 マーシャ「さすが、ギバ様、野菜で町ひとつを占領しちゃうなんて、もう翔んでる!!

 エクスタシーに達したような声を上げ、ギバの作戦を絶賛するマーシャ。

 「翔んでる」か……今となっては懐かしくも恥ずかしいフレーズだなぁ。

 ギバ「やがて野菜が東京を覆い尽くし、毒とガスで誰も住めなくなる、無血占領とはまさにこのことだ」

 一方、直人と洋子は、怪しい野菜の流通経路を辿って、郊外の農作地にやってくる。

 聞き込みをすると、野良仕事をしていた女性から耳寄りな情報を得る。

 女性「この先のビニールハウスに変な男がいたわよ」
 直人「えっ、変な男を見た?」
 女性「たーくさん野菜を作って運び出してたわよ」

 いや、農家なんだから、当たり前なのでは?

 ともあれ、二人がそのビニールハウスに行くと、ハウスのそばの畑に農家らしい男がぽつんと立って何かを燃やしていた。

 
 洋子「すいません、このビニールハウス、使ってないって聞いたんですけど」
 男「ああ、十分休ませたんで、また作り始めたよ」

 男の台詞、いまひとつ分かりにくいのだが、ビニールハウスの土地を十分休ませたので、ハウス栽培を再開したと言うことなのだろうか?

 それに洋子の質問もなんかピントがずれてるよね。

 彼らはビニールハウスで野菜を作っている「怪しい男」を捜しに来たのだから、

 洋子「すいません、このビニールハウスで野菜を作ってるって聞いたんですけど」

 or

 洋子「すいません、このビニールハウスの所有者を知りませんか?」

 などと言わせるべきだろう。

 また、男の曖昧な答えを聞いた洋子が、何の追及もせず、

 洋子「別に変わったことはないようね、空振りかぁ」

 実際にハウスの中を調べようともせず、さっさと引き揚げようとするのもなんか変である。

 それはそれとして、「空振りかぁ」と言う言い方が、なんか子供っぽくて可愛いと思いました。

 だが、直人は男からバイオロンの臭いを嗅いだのか、男の動きをマークする。

 男は野菜で埋まった普通のビニールハウスの中を通り抜けると、別のビニールハウスに入り、何やら複雑な装置の前に腰掛けると、自分の頭にコードを繋げる。

 コードの先には、小さな電波塔のような機械が立っていた。

 男「育て、育て、私の可愛い野菜たちよ、もうじきこの超音波発信機の数十倍、いや、数百倍の出力タワーが完成する、そのときにはこんなちっぽけな畑の中じゃない、日本中で暴れさせてやるぞ」

 今回の怪人ドロノイドの人間態を演じるのは、「ジャッカー電撃隊」や「メタルダー」でもお馴染みの林家源平さん。

 そのタワーは、ドロノイドから発せられる特殊な超音波を増幅して放射する役目を果たしており、実際に、洋子たちの目の前で、それを浴びた野菜が次々と増殖していく。

 ただ、のちの説明では、ただの野菜ではダメで、あらかじめバイオテクノロジーで改造されている必要があり、ドロノイドの電波だけではこの現象を引き起こすことは不可能のようにも解釈でき、この辺のメカニズムの曖昧さが、今回のストーリーのつまらなさに繋がっているような気がする。

 つまり、改造された野菜は都内のいたるところに流通しているが、一部の地区だけで異変が起きたのは、そこが、実験用の電波発信機の及ぶ範囲だったからなのだろう。

 それはともかく、二人はすぐにビニールハウスに踏み込む。

 直人「貴様、バイオロンだな」
 洋子「警察よ、大人しくしなさい。逮捕します!!」

  
 洋子「うっ!!」

 無論、バイオロンの一味が大人しく縛につく筈がなく、物凄い勢いで突進して、洋子先輩の首を掴んで持ち上げる。

 そのまま投げ飛ばされ、野菜の中に埋まる洋子先輩。

 男は掴み掛かった直人も投げ飛ばし、逃走しようとするが、一瞬でジバンになった直人が追いすがり、洋子先輩のお返しとばかりに喉輪でその体を持ち上げる。

 ジバンによってビニールハウスの基地は破壊されるが、男には逃げられてしまう。

 気絶していた洋子、直人に起こされて目を覚ます。

 洋子「一体どうなったの」
 直人「敵は逃げました」
 洋子「うっ」

 立ち上がろうとした洋子の肩に激痛が走り、思わず呻く。

 直人「大丈夫ですか、先輩は一旦署に戻って下さい、僕は捜査を続けます」
 洋子「うん……」

 素直に直人の指示に従う洋子先輩が可愛いのである!!

 その後、逃げ出したチャコを探して、避難命令の出ている場所に入り込んだまゆみたちであったが、偶然、あの男が言っていた巨大な出力タワーが地面からそそり立つのを目撃する。

 正直、放っておけばいいと思うのだが、バイオロンは子供たちを捕まえ、地下のアジトに連れて行く。

 CM後、直人が持ち帰った野菜の分析結果が出る。

 ボーイ「このかぼちゃはバイオテクノロジーで遺伝子を組み替えたものと判明、超音波を照射すると活動を開始、細胞分裂して増殖します」
 直人「と言うことは、あの男の頭が超音波を発信していて、機械で増幅していたと言うことか」

 と、そこへ、ひとり逃げ延びたまゆみから電話があり、友達が攫われたこと、タワーが出現したことを知らせるが、電話の途中で戦闘員に見付かり、捕らえられる。

 そして地下のアジトに連れて行かれ、一郎たちと一緒に縛られる。

 そこへマーシャ、カーシャ、ドロノイドがあらわれ、

 まゆみ「私たちをどうするつもり?」
 マーシャ「どうするって? あんたたちが見たのはついさっき完成したばっかりの、超音波発信タワーなのよ、ごめんね、あれを見た以上、帰す訳に行かないのよ」

 まゆみの質問に、にこやかな顔で恐ろしい答えを返すマーシャ。

 しかし、あんなでかいもん、まゆみたちが発見しなくてもじきにジバンに見付かっただろうから、無理して口封じする必要があったか、甚だ疑問である。

 それに、最初から殺すつもりだったのなら、なんで見付けたその場で射殺しなかったのか?

 カーシャ「この町で野菜が増殖しているのはほんの小手調べで、あの巨大なタワーから超音波が出たらどうなると思う? 日本中にばら撒いた野菜たちが一斉に増殖し始めてたちまち誰も住めないガスの海になるのよ。じゃ、あとは頼んだわよ、私たち、こういうじめじめしたところ苦手なのよ」

 悪の幹部なのに、ギャル気質を多分に持つ二人は、そう言ってさっさと引き揚げる。

 その後、ジバンがアジトに突入し、男にサーチバスターを浴びせて、その正体を暴き出す。

 ま、それは良いんだが、これからラス殺陣だと言うのに、BGMが、宇宙刑事シリーズで、主人公が事件の探索中にかかるようなサスペンスフルな曲なのは、明らかに選曲ミス。

 色々あって、ジバンがドロノイドを倒し、タワーもアジトも粉砕して事件解決。

 エピローグ、一郎少年の家で、直人や洋子も参加しての食事会が開かれている。

 一郎の母親の手作りのご馳走が並ぶテーブルを囲んで、まずはジュースで乾杯する。

 洋子「一体今度の事件、どうなってんのかしら?」

 開口一番、素朴な疑問を口にする洋子先輩。

 
 洋子「私の分かんない間に解決しちゃうんだもん!!」

 膨れっ面でそっぽを向く洋子先輩が可愛いのである!!

 直人「でも、毒野菜はなくなるし、ガスはなくなるし、良かったじゃないですか」
 洋子「うん!!」

 直人の言葉に、素直に頷く洋子先輩が可愛いのである!!

 母親が運んで来た野菜サラダを、

 「俺、サラダ大好き」「ビタミンいっぱい」

 などと、心にもないことを言いながら頬張る子供たち。

 無論、教育上の配慮と言う奴である。

 
 まゆみ「お兄ちゃんもにんじん食べなきゃ駄目よ。はいっ」
 直人「ええっ、僕、馬じゃないぜ」

 生のにんじんを差し出されてしかめっ面をする直人であった。

 以上、滑り出しはそこそこ有望だったが、中盤以降の盛り上がりに欠ける凡作であった。

「機動刑事ジバン」 第2話「大好き!ナオトお兄ちゃん」

2025-03-03 20:08:12 | 機動刑事ジバン
 第2話「大好き!ナオトお兄ちゃん」(1989年2月5日)

 冒頭、バイオロンのアジト。

 ギバ「ジバンめ、この私に楯突くとは良い度胸だ。マーシャ、カーシャ、奴の手がかりは掴めたのか?」
 マーシャ「それが、全然なの」
 カーシャ「情報が足りないのよ、ね?」
 ギバ「むぅううう……」

 ギバ、トイレで踏ん張っているような顔になり、手にしたワイングラスを握り潰すと、

 ギバ「良いか、私の辞書に全然とか、足りないとか、そんな文字はないのだ、奴が刑事なら警視庁の何処かに基地があるかも知れんぞ」

 バイオロン、世界征服の前に、まずは目障りなジバン抹殺作戦を始動する。

 タイトル表示後、洋子先輩が直人を乗せて、愛車のRX-7をぶっ飛ばしている。

 直人「あいたっ、洋子先輩、安全運転、安全運転、どぅわーっ!!」

 クラーク・ケントのごとく、洋子の前ではことさらに情けない後輩を演じて見せるジバンこと田村直人。

 直人「あ、危ない、先輩ーっ!!」
 洋子「意気地なし!!」

 怯えまくる直人を、ピシャリと叱り付ける洋子先輩。

 洋子「そんなことしたらホシに逃げられちゃう」

 彼らは銀行強盗発生の知らせを受けて、現場に急行しているところなのである。

 二人は強盗を発見、走って追いかけるが、強盗が銃で反撃してくる。

 洋子、地面を転がってかわすと、機敏に立ち上がり、

 
 タイトスカートの裾を少し持ち上げてから、

 
 お股を広げて腰を落とし、愛用のコルトガバメントを構える。

 洋子先輩を代表するポージングであったが、どうせなら、スカートはもっと豪快に引っ張り上げた方が良かった。

 別にスケベ心で言っているのではなく、手の動きが控え目なので、いまひとつ何をしているのか分かりづらいからである。

 
 それはそれとして、銃を構える、凛とした洋子先輩のお顔。

 もうこのショットだけで、一生先輩についていきます!! と叫びたくなる。

 洋子の撃った弾は見事に強盗の銃を弾き飛ばす。

 直人「さっすが洋子先輩」
 洋子「ぼやっとしてないで早く捕まえて」

 なおも逃げる強盗、歩道橋を降りたところで出会いがしらにトラックに激突して宙を舞い、近くにあったドラム缶にぶつかって路上に落ち、動かなくなる。

 直人「おい、しっかりしろ」

 駆け寄って抱き起こす直人であったが、男は不意に目を見開くと、直人の体を凄まじい力で投げ飛ばす。

 直人「なんだこいつは……」

 と、反対側から別の刑事が駆けつけ、

 池田「銀行強盗の現行犯で逮捕する。警視庁の池田だ、手伝いご苦労」
 直人「何するんですか」
 洋子「その男は私たちが捕まえたのよ」
 直人「横取りなんてひどいですよ」
 池田「先に手錠を打った方が勝ちなんだよ」
 直人「なんだぁ……」

 当然、洋子たちが抗議するが、相手は聞く耳を持たず、強盗を車に乗せてさっさと走り去ってしまう。

 ショカツの刑事が命の危険を冒してまで確保しようとした犯人を、本庁の刑事に掻っ攫われてしまうという、リアル系刑事ドラマにありがちな展開である。

 そして、手ブラ、いや、手ぶらでセントラルシティ署に戻って来た洋子たちを待っていたのは、鬼より怖い坂東課長の怒声であった。

 
 坂東「馬鹿、本庁に手柄を横取りされやがって!!」
 直人「でも、課長、ボクと戦ってるときは凄い力だったのに、警視庁の連中が来たら急に大人しくなっちゃったんですよ」
 坂東「あのな、言い訳するんならもっと上手に言い訳しろ」

 宮本信子と吉田日出子と初井言榮を足して三で割ったような顔と声の坂東課長を演じるのは、歌手が本業の渡辺マリさん。

 個人的には嫌いなキャラじゃないが、やはり子供たちにはウケが悪かったのか、たったの4話で降板してしまう。

 バットを振り上げる坂東を、眼鏡をかけた、いかにもエリート風の刑事がなだめるように割って入り、

 村松「課長、直人に何言っても無駄ですよ、こいつ、ほんとに図体がでかいだけなんですから」
 直人「洋子先輩、何とか言ってくださいよ」

 直人、恥も外聞もなく洋子の小さな背中に隠れて、その袖に縋ろうとするが、

 洋子「知らない、直人がグズグズしてるからいけないんでしょ!!」

 洋子は、ポニーテールの頭をぶんぶん回して拒絶する。

 坂東「ああ、私は頭が痛い、なんと言って署長に報告したらいいんだ、私の立場はどうなるんだ、くのやろ、どけっ!!」

 坂東、バットを振り上げたままぐるぐる直人を追いかけていたが、さすがにほんとに殴るわけにも行かず、散々喚き散らして部屋を出て行く。

 村松「我がセントラルシティ署きっての拳銃の名手・洋子さんも、こんなのと組んでちゃ形無しですね」
 直人「こんっ……」
 村松「やっぱり、洋子ちゃんにはボクみたいな腕利きじゃないと」

 洋子たちの同僚で、一見クールだが実は三枚目キャラである村松清志郎が、洋子の相棒役に立候補するが、

 洋子「ふんっ、清志郎さんとコンビを組むくらいなら、死んだ方がマシよ

 洋子、グズの直人以上にインテリの清志郎を嫌っているのか、最大級の嫌悪感を示して断る。

 
 直人「ぐしっ」
 村松「厳しいお言葉……どけっ」

 凹んだ村松が、直人の体を突き飛ばしてその場を離れるが、

 直人「洋子先輩!!」

 洋子はニコッと笑って見せると、素早く体を翻し、直人を置いて何処かへ行ってしまう。

 洋子を追いかけようとした直人の目の前に、お盆に載ったお茶が突き出される。

 
 直人「ありがと」
 美智代「直人さん、元気出して」

 松本美智代と言う、刑事ドラマにしか出て来ないお茶汲みの女の子に励まされる直人。

 演じるのは岡崎ゆきえさんだが、榎田さんに負けないくらいの美少女である。

 直人、なおも、強盗が急に大人しくなったことに拘っていたが、本庁では、池田たちがその強盗の取調べを行っていた。

 だが、男は完全黙秘を貫き、池田たちも手を焼く。

 と、池田と二人きりになると、まるでそれを待っていたかのように、男が不気味な笑い声を立て始める。

 顔の割りに小心の池田、ギョッとして思わず立ち上がると、強盗も立ち上がり、

 
 中川「ふっはっはっはっはっ……」
 池田「貴様ぁっ!!」

 池田、カッとなってその襟首を掴むが、逆に投げ飛ばされる。

 中川は両手を叩きつけてデスクの足をへし折ると、その上に池田を乗せてのしかかり、馬鹿でかい顔を近付けて呻いていたが、その姿がネコノイドの姿に変わる。

 そう、予想されてしかるべきだったが、強盗はバイオノイドの化けたものだったのである。

 と、今度はその姿が、押さえている池田刑事そっくりになり、代わりに、池田刑事の体が強盗の姿に変わる。

 ニセ池田「はっはっはっはっ」

 攻守逆転して、今度は池田(ネコノイド)が中川(池田)の襟首を掴み、ポイと投げ捨てる。

 簡単に言えば、外見はそのままで、二人の人格が入れ替わってしまった訳である。

 しかし、このシーン、ちょっと納得が行かない。

 バイオノイドが自らの体を自由に変えられるのは分かる。でも、その能力と、相手の体を別人に変えてしまうのとは、全然違う話ではないかと思うからだ。

 ニセ池田「ドクター・ギバ、計画通り警視庁に潜入しました」

 それに、ニセ池田の台詞でその目的が警視庁に入り込むことだと分かるが、そんな能力があるのなら、こんな七面倒臭い計略を行わずとも、最初から池田刑事に狙いをつけて拉致し、その顔と体をコピーしてしまえば済む話ではないか。

 一方、直人は下宿先の五十嵐医院に戻ってくる。

 庭では、五十嵐夫婦が仲良くテニスの練習をしていた。

 
 母親「お帰りなさい」
 父親「日曜日なのに仕事? 大変だねえ」
 直人「どうも」
 母親「今日は何か事件あった? 強盗とか、殺人とか」
 父親「おいおい、物騒なこと言うなよ」

 屈託なく直人と世間話を交わす、いかにも人の良さそうな五十嵐夫妻。

 美人の奥さんを演じるのは、バイオロンのマスコット・ムクの声も演じている太地琴絵さんである。

 なお、彼らは、直人の正体がジバンであることも、自宅の地下にジバン基地があることも知らないのだ。

 ……いや、家からVTOLのスパイラスが出撃したらさすがに気付くだろ。

 と、建物の陰からまゆみが顔を出し、慌てた様子で直人を呼ぶ。

 直人がジバン基地に行くと、都内で爆弾事件があったとのことで、

 
 アナ「爆破される直前、警視庁や各テレビ局に犯人から予告電話があり、その中でジバンに爆破したことを伝えろという謎の言葉があり現在警察で言葉の意味の解明を急いでおります……」

 女性アナウンサーの説明と共に、記者会見している警察幹部の姿が映し出されるが、

 幹部「ところで、このテーブル、狭くね?」

 会見の途中、重大な事実に気付く警察幹部であったが、嘘である。

 狭いのはほんとだけど。

 まゆみ「どういうこと、お兄ちゃんに伝えろって」
 直人「恐らくバイオロンの仕業に違いない、しかし、なんのためにこんなことを?」

 と、たまたまテレビに映っていたニセ池田刑事が、頬についたハチをむしゃむしゃ食べるという、それこそ、前回の岩城さんではないが、カマキリ奇械人みたいなことをして、図らずもその正体を暴露してしまう。

 しかし、カエルやカメレオンとかならともかく、猫の怪人であるネコノイドがそんなもん食べるだろうか?

 気になった直人は、直ちに警視庁に行き、留置されている中川の姿をした池田に会うが、

 
 池田「君、来てくれたか、聞いてくれ、俺は犯人じゃない、刑事の池田だ、池田なんだ。中川は怪物で、俺と入れ替わったんだ。信じてくれ!!」

 必死で訴える池田であったが、さすがのジバンにも、見ただけではそれが池田なのか、中川なのかは分からなかった。

 その後、直人とまゆみが喫茶店でケーキを食べていると、洋子がやってきて、

 
 洋子「何よ、直人、こんなところに呼び出して」
 直人「あ、紹介します。僕が下宿してる大家さんのお嬢さんで、まゆみちゃん」
 まゆみ「よろしく」
 洋子「よろしく、可愛いわね」
 まゆみ「ありがとう」
 洋子「ところで、大事な話ってなんなの」
 直人「それそれ」

 直人、洋子のそばに移動して、池田のことを耳打ちする。

 洋子「えっ、怪物と人間が入れ替わった?」
 直人「今の刑事はバイオロンの怪物で、捕まってる強盗が本物の池田刑事だと思うんですよ」
 洋子「ちょっと待って、バイオロンの怪物って一体何のこと?」
 直人「もぉ覚えてないんですか、この間洋子先輩を捕まえた悪い奴らですよ」
 洋子「でも、池田刑事がバイオロンの怪物だとして、警視庁に潜入して何をするつもりかしら」
 まゆみ「警視庁の爆破じゃないかしら」
 洋子「そんなことしたら世の中混乱するじゃない」
 直人「それが狙いだと思うんです。そうすればバイオロンはますますやりやすくなる……でも、それだけかな?」

 直人が考え込んでいると、店内のテレビで喋っていた女性アナウンサーが急に苦しみ出したかと思うと、

 
 アナ「見ているか、ジバン、今日の午後三時ちょうど、警視庁を爆破する!!」

 ただいま27連勤!! みたいなやつれメイクになり、声もドクター・ギバの声になってジバンに対する挑戦状を叩き付ける。

 まゆみ「大変、三時までにあと20分しかないわ」
 洋子「グズグズ出来ないわ、直人」

 即座に警視庁に向かおうとする洋子を呼び止め、

 直人「おかしいと思いませんか、いくら爆弾を仕掛けても、警視庁の力をもってすれば、必ず発見すると思うんです、先輩、ニセモノの池田刑事を調べてください」
 洋子「オッケイ」

 いささか物分かりが良過ぎる気もするが、洋子は直人の指示に笑顔で応えると、爆弾の発見ではなく、池田刑事をマークするために警視庁へ行く。

 CM後、爆弾の捜索をしている警官たちを尻目に、洋子は地下の機械室に降りて、挙動不審の池田刑事を発見する。

 洋子「やっぱりあなた、バイオロンだったのね」
 池田「はっはっ、何を言う、俺は警視庁の池田だ」
 洋子「それじゃあ、ちょっと痛いけど、試させて頂くわ」

 
 洋子、コルトガバメントを抜くと、銃口を池田に向ける。

 で、いきなり相手の体に何発も弾丸をぶち込むのだが、さすがに無茶過ぎるのでは?

 もし池田が本物の人間だったら、殺人罪になるではないか。

 せめて、手とか足とか、当たっても死なない場所にして欲しかった。

 ま、それ以前に、池田がニセモノと言うのは、直人の証言だけで具体的な証拠があるわけでもないのに、この状況で洋子が池田をバイオロンだと決め付けるのは、明らかに変である。

 ドラマとしても盛り上がらないので、ここは、直人の話を信じずに洋子が池田と一緒に爆弾の捜索をするが、その途中で池田自ら正体をあらわす……みたいな感じのほうが良かったと思う。

 それはともかく、ニセ池田は銃を撃たれても平然としており、洋子先輩の綺麗な顔に掌底を食らわして逃げ出す。

 床に倒れた洋子であったが、その視線の先に問題の爆弾があるのに気付く。

 無論、これは、ニセ池田がわざと爆弾が見つかるよう仕向けたのだろう。

 洋子「誰か来てーっ、爆弾を発見したわーっ!!」

 洋子の叫びに、爆発物処理班が駆けつけ、爆弾の解除に取り掛かる。

 ギバの狙いは、爆弾騒ぎでジバンを警視庁におびき出し、そこに長距離ミサイルをぶちこんで建物ごと撃破するというものだったが、いつまでたってもジバンが現れないので痺れを切らし、予定より早くミサイルを発射させる。

 レーダーでミサイルの接近を知った警官たちは、刑事ドラマではまずありえないことに、爆弾を放置してさっさと逃げ出してしまう。

 無論、責任感の塊のような洋子先輩がその尻馬に乗る筈もなく、ひとり現場に踏み止まる。

 洋子「待って、この爆弾はどうするのよ、もうーっ、どうなっても知らないからっ!!」

 洋子、やむなく自分の手で爆弾を解除しようとする。

 ジバンはスパイラルを発進させてミサイルを追跡、安全な場所に誘導した上で撃ち落とす。

 洋子も、残り一秒で見事に時限装置を止め、警視庁を救う。

 この後、「あぶない刑事」にも良く出てきた廃墟に場所を移し、ラス殺陣となる。

 ジバンがネコノイドを倒すと同時に、留置場の池田刑事が、本来の姿に戻ったことは言うまでもない。

 言うまでもないが、よくよく考えたらこれも変だよね。

 ネコノイドの力で中川の姿に変えられたとしても、ネコノイドが死んだからって元に戻る訳がないからである。

 毒蛇に噛まれた人が、その毒蛇を殺したからって助からないのと一緒である。

 ラスト、お手柄の洋子を直人がねぎらい、洋子が「ああーん、怖かったよ、直人ーっ!!」と、前回のようにツンデレモードに入って直人に抱きついてくれると嬉しかったのだが、何故か洋子先輩ではなく、まゆみと踊りながら勝利を喜んでいる直人の姿が映し出されて終わりです。

「機動刑事ジバン」 第1話「僕のかわゆい少女ボス」

2025-02-13 20:07:48 | 機動刑事ジバン
 第1話「僕のかわゆい少女ボス」(1989年1月29日)

 冒頭、東都工科大学のキャンパスに一台の車が乗り付け、大学教授のような雰囲気の初老の男性が降り立つ。

 男は大学の理事長であったが、その正体はバイオロンの怪人カメレノイドであった。

 何の説明もないのだが、本物の理事長は別にいて、この理事長はカメレノイドが化けた偽者だったようである。

 男は警備員を殴り倒して研究室に向かうが、どういう仕組みか、そのことは直ちにジバン基地のコンピューターがキャッチし、本作のヒーローであるジバンが、レゾンと言うハイテクマシンに乗って大学へ急行することになる。

 しかし、別にジバンはセコムのバイトしてるんじゃないんだから、この段階で異変を察知して出動するというのは、さすがに手回しが早過ぎるような気もする。

 それはともかく、男は超伝導研究室に侵入し、金庫からフロッピーを取り出し、ドライブに差し込む。

 
 そう、当時はまだフロッピーディスクが主流だったんだよなぁ。

 今のヤングも、知識としては知っているかもしれないが、防塵シャッターをカシャカシャ動かす楽しみまでは知るまい。ふふふ。

 男はフロッピーを盗み出して逃走するが、途中、レゾンに見付かって追跡される。

 ジバンはレゾンに搭載されている兵器でジープを粉砕すると、倉庫の中に逃げ込んだ男を追い詰める。

 
 なお、ニセ理事長を演じるのは、カマキリ奇械人の人間態でお馴染み(註・お馴染みじゃねーよ)、名バイプレーヤーの岩城力也さん。

 
 初登場シーンと言うことで、車から降りたジバンの体のパーツをカメラがねっとりと映し出し、最後に字幕付きで正面からのバストアップとなる。

 しかし、ヒーローの初登場シーンが変身済みの姿と言うのは珍しいのではあるまいか?

 もっとも、ジバンは「メタルダー」同様、人間ではなくロボットなので、こちらが本来の姿と言うべきなのだが。

 なお、過去のメタルヒーローシリーズのキャラと比べても、よりメタリック感と重量感が増し、動きもロボットのようにややぎこちないものになっている。

 
 メイン武器のマクシミリアンも、右太腿の中に内蔵されている。

 なんか、どっかで見たことあるような……

 
 マクシミリアンを銃モードにして、移動中の戦闘員を狙うジバンの主観映像。

 この辺も、まるっきりロボ……いえ、なんでもありません、

 ま、少なくともロボな警官より、ジバンの方がデザインとしては優れてると思うけどね。

 偽理事長「貴様、誰だ」
 ジバン「警視庁秘密捜査官、警視正・機動刑事ジバン!!」

 偽理事長の問い掛けに、初めてジバンが口を利く。

 ジバンの声は、人間態と同じく日下翔平さんが当てている。

 ジバン、お腹の中に収納されているハイテク警察手帳を取り出して相手に翳すと、

 ジバン「対バイオロン法第一条、機動刑事ジバンはいかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することが出来る。第二条、機動刑事ジバンは相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することが出来る。第二条補則、場合によっては抹殺することも許される」

 容疑者に対して権利を読み上げる刑事のように、敵を懲らしめる法的根拠を朗々と読み上げるという、この作品における名物シーンとなる。

 もっとも、ジバンがバイオロンを逮捕することなどまずないので、第一条は死文化しており、もっと簡単に言うと、「相手がバイオロンなら即殺しちゃってOK」と言うことなのである。

 ま、この辺も、ロボなコップに課せられているルールのパクリなんだろうけどね。

 ともあれ、ここで偽理事長がその正体をあらわし、バイオロンの怪人バイオノイドの第一号カメレノイドの姿となる。

 バイオロンの幹部マーシャとカーシャも加わって激しいバトルとなるが、結局カメレノイドを取り逃がしてしまう。

 マーシャとカーシャは、地底深くに作られたバイオロンのアジトに舞い降りる。

 
 首領ドクター・ギバのデスクの前で擦れ違うと、

 
 一瞬で若い女性の姿に変わる。

 
 マーシャを演じるのは河合亜美さん。

 
 カーシャを演じるのは古川明美さん。

 
 ドクター・ギバを演じるのは、忘れたくても、その名前がどうしても頭にこびりついて離れないレオ・メンゲティさん。

 ただし、声は飯塚さんの吹き替えである。

 ギバ、デスクのコントロールパネルを操作して、ジバンの姿をモニターに映し出す。

 ギバ「機動刑事ジバンと名乗ったのだな」
 マーシャ「この男のお陰でせっかく盗み出したディスクフロッピーも消失しました」
 カーシャ「新しく開発された超伝導の技術、あれさえあればバイオロンの力ももっと凄くなって地球征服も簡単だったのに」

 作戦をジバンに邪魔され、悔しがる二人。

 しかし、「ディスクフロッピー」って、斬新な言葉だなぁ。

 ギバ「心配するな、チャンスはいくらでもある、我がバイオロンで誕生した怪物たちも着々と人間社会に潜り込みつつある。手荒い真似などせずとも、必ずこの地球は我が手中に転がり込んでくる」

 自信たっぷりに断言するギバであったが、その言葉とは裏腹に、彼らは今後もずーっと「手荒い真似」を続けることになるのである。

 なお、ギバの台詞から推測して、あの偽理事長はずっと前から本物の理事長と入れ替わっていた可能性が高い。

 よって、本物の理事長はとっくに殺されているものと思われる。

 カーシャ「素敵ぃ、その時はギバ様、私にアメリカを頂戴」
 マーシャ「私はヨーロッパ」

 人間態の時はまるっきりギャルの二人は、ギバの言葉に目を輝かせて、パパ活中の女子大生のようにおねだりする。

 
 マーシャ「パリコレを全部着ちゃうんだぁ」
 カーシャ「あら、ティファニーの宝石」
 マーシャ「わかってないわね、ファッションはやっぱりパリよ」
 カーシャ「ううん、宝石よ」
 マーシャ「パリコレよ!!」
 カーシャ「宝石!!」
 マーシャ「パリコレ!!」

 ミニスカから伸びるスラッとした足を見せ付けつつ、ギバの前で不毛な言い争いをする二人。

 他にむさ苦しい男性幹部がいるわけでもなく、バイオロンって、オヤジ的には天国のような「悪の組織」と言えるだろう。

 もっとも、完全に三人きりではなく、

 ブビ「ええーい、うるさい、黙れ、パリコレだの、宝石だのって……」

 ブビとムクと言う、ペットくらいの大きさの合成生物がいて、二人のお喋りにたまりかねて何処からともなくあらわれ、口を挟む。

 要するに、「シャイダー」におけるヤーダのような、マスコット的存在だが、今回のように、作戦に参加することもある。

 ギバ「もうよい、愚かな人間どもめ、何を作ろうと我がバイオロンに勝てる筈がないのだ。奴がコンピューターマシンなら、バイオウィルスを餌にするのもいいかもしれん、町中を混乱に陥れるのだ」

 舞台は一転、閑静な住宅街に飛ぶ。

 
 元気が溢れて体がはち切れそうな……ほんとにはち切れそうな体格をした小学高学年の女の子が、ランドセルを背負ってドタドタ走っている。

 本作のヒロインのひとり、五十嵐まゆみである。

 演じるのは人気子役の間下このみ。

 ……

 ボク、帰っちゃダメですか?

 ダメ? そうですか。

 ま、ほんとにヒロインが彼女しかいなかったら、迷わず実家に帰らせて頂くところだが、洋子先輩の笑顔を心の支えにしてレビューを続けよう。

 彼女の実家は五十嵐医院と言う個人病院で、優しいパパとママの三人暮らし。

 他に、田村直人と言う下宿人がいるのだが、その正体こそジバンなのである。

 まゆみ、庭にいた両親にランドセルを預けると、自分の部屋に寄ることもせず、まっすぐ地下室への階段を降りる。

 まゆみがジバン基地に入ると、ジバンが修理用のベッドの上にもたれ、自らの体を修理しているところだった。

 まゆみ「お兄ちゃん、大丈夫?」
 ジバン「大丈夫」

 ジバンは、修理しつつ、自分の体にコードを繋いでさっきの戦闘記録をモニターに映し出す。

 まゆみ「わー、気持ち悪い、何あれ?」
 ボーイ「分析の結果、主成分は爬虫類のカメレオンの細胞と判明……バイオテクノロジーで作られた生命体に間違いありません」

 カメレノイドの姿を見て眉をひそめるまゆみに、ジバン基地を統括するAIのボーイが抑揚のない声で答える。

 と、けたたましく警報ブザーが鳴り響き、コンピューターウイルスの出現を知らせる。

 ボーイ「現在、増殖しながら北関東から都心に向かって侵食中、あと1時間で東京のコンピューターはすべて破壊されます」

 それによって信号機が狂い、交通事故が多発、さらには、たくさんの子供が行方不明になると言う別の事件も起き、盆と正月が一緒に来たような騒ぎとなる。

 
 坂東「直ちに捜査開始」
 村松「出動!!」

 ついで、直人が勤務しているセントラルシティ署の映像。

 主人公がロボでありながら警察署に所属していると言う設定も、ロボなコップから来てるんだろうなぁ。

 もっとも、同僚たちは直人がジバンとは知らないのだが……

 ま、そんなことはどうでも良くて、全国8兆7000億の洋子先輩ファンの皆さん、大変長らくお待たせしました、本作の真のヒロイン、片桐洋子の出番なのです!!

 
 洋子「猛、直人ったら、何処行っちゃったのかしら、こんな忙しい時に限って姿を消しちゃうんだから!!」

 ポニーテールが可愛い洋子先輩だが、演じるのは「ポニーテールはふり向かない」の榎田路子さん。

 まゆみ「警察も行方不明の子供を捜すために動き出したみたいよ」

 ジバン基地、どうやら都内のあらゆる施設をハッキングしているようで、警察の動きは直ちにまゆみたちの知るところとなる。

 しかし、今優先すべきはコンピューターの誤作動による混乱への対処であって、子供の行方不明事件は後回しにすべきじゃないかなぁ?

 CM後、

 
 何処に向かっているのかさっぱり分からないが、洋子がひとりで車を走らせていると、前方に突然戦闘員があらわれ、あえなく拉致されてしまう。

 冷静に考えたら、めちゃくちゃ不自然なシーンである。

 この時点では、バイオロンが洋子のことを知っている筈がなく、大勢いる刑事の中から、あえて彼女ひとりを狙った理由が全く見当たらないからである。

 一方、ジバンはウイルスの発生源を辿ってレゾンを走らせ、人気のない山にやってくるが、

 
 たまたま落ちていた洋子の警察手帳を拾う。

 これも、物凄い偶然だが、これによって、洋子が昭和39年5月16日生まれ、すなわち、現在24才であることが分かる。

 ちなみに演じている榎田さんは洋子より少し若く、当時ちょうど二十歳になったばかりである。

 もっとも、第1話の撮影時点では、まだ19歳だったと思われる。

 ジバン「洋子先輩のだ」

 見上げれば、山の向こうに、明らかに人工物と思われる甲羅状のドームが聳えていた。

 ジバンはその中に入り、次々と襲ってくるバイオロンの罠を排除しながら奥深くに進むが、

 洋子「きゃああーっ、助けてーっ!!」

 案の定、巨大なツタor触手のようなものに縛られた洋子が空中に持ち上げられ、必死に助けを求めていた。

 ジバン「洋子先輩!!」

 そして、彼女の足元には、同じく触手に縛られた子供たちの姿があった。

 ジバン、彼らに近付こうとするが、左右から伸びてきた触手にからめとられ、ギリギリと締め上げられる。

 ギバの声「バイオロンに楯突くとは見上げた根性だ、ジバン、どうせ貴様もそこにいる連中もここで命を落とすのだ」
 洋子「助けてーっ!!」

 我々の知っている男勝りの洋子先輩とは別人のように、ひたすら助けを求めるだけの洋子。

 ま、パイロット版と言うことで、キャラクターの性格描写までには手が回らなかったのだろうが、これはこれで萌えるので良し!!

 続いて、両足がびょーんと伸びた、まるで大道芸人みたいな姿のカメレノイドがあらわれ、身動きできないジバンに向かってくる。

 ジバン、カメレノイドの剣で良いように切り刻まれるが、なんとか触手を振りほどくと、マクシミリアンソードでカメレノイドに反撃する。

 ついで、洋子を捕らえていた触手を切断し、落ちてきた彼女を受け止める。

 子供たちのいましめも解くが、今度は、巨大化したブビが壁の向こうからあらわれ、ジバンたちに襲い掛かる。

 ジバン、ブビの口の中に吸い込まれ、その中でカメレノイドと戦うが、そうこうしているうちに、再び捕まった洋子たちがブビに食われそうになる。

 
 洋子「助けてーっ!!」

 ここでもひたすらか弱い被害者として振舞う洋子先輩。

 ジバンはハイテク警察手帳を取り出して、遠隔操作でレゾンを呼び、その武装でブビを攻撃させ、ブビの体内から抜け出す。

 洋子「ありがとう!! あなたは?」
 ジバン「さ、早く逃げるんだ」

 
 洋子「ええ、さ、早く!!」

 場合が場合なので、洋子はそれ以上追及せずにジバンに従い、子供たちをせきたてる。

 洋子先輩の魅力のひとつは、この可愛いポニーテールだよね。

 首を激しく回転させると、まるで別の生き物のように揺れ動き、洋子先輩の活発なキャラクターを象徴しているようである。

 ジバン、マクシミリアンガンでカメレノイドを撃つ。カメレノイドはそれをかわすが、背後にあったウイルスの発生源に命中し、ウイルスの侵食がストップする。

 それと同時にドームの崩壊が始まったので、レゾンに乗って脱出するジバン。

 この後、カメレノイドとのラス殺陣となり、マクシミリアンソードで相手を斬る「ジバン・エンド」で仕留める。

 吹き上がる黒煙の中、ガチャッガチャッと言う、ロボ的な足音を響かせながらジバンがこちらに向かって歩いていたが、

 
 その姿が、いつの間にかスーツ姿の青年のものに変わっていた。

 ジバンの人間態にして、セントラルシティ署の刑事・田村直人(演・日下翔平)である。

 そう、最後の最後に主人公があらわれるという、特撮ドラマの初回にしては珍しい構成になっているのである。

 直人は、岩陰に隠れていた洋子たちに声を掛けながら駆け寄る。

 直人「洋子先輩!!」
 洋子「直人、怖かったわ、いきなり怪物に捕まったと思ったら、ここへ連れて来られちゃったの」

 泣きそうな目をして、直人に縋りつかんばかりの勢いで心細さを訴える洋子先輩。

 
 直人「もう大丈夫ですよ、悪い奴らは全滅しましたから」

 底抜けに明るい笑顔で、洋子と子供たちを安心させる直人。

 洋子、ふと気付いたように、

 洋子「どうして全滅したなんて知ってるの?」
 直人「いや、それはそのぉ……」
 洋子「どうして私達がここにいることを知ってるの? それに私達を助けてくれたロボットみたいな人、あれは一体誰なの?」
 直人「そんなの知りませんよ、夢でも見たんじゃないですか」
 洋子「夢なんかじゃない、絶対に変よ、ねえ、どうしてなの?」

 洋子の質問攻めに直人が困っていると、ちょうどそこにサイレンを鳴らしながらパトカーがやってくる。

 直人「もうそんなことどうでもいいじゃないですか、仲間も来ましたし、さあ、署に帰りましょう、先輩」
 洋子「……」

 それをきっかけにして強引に追及をかわすと、逃げるように仲間の下へ駆け寄る直人と、それを茫然と眺める洋子。

 以上、パイロット版と言うことで、そのほとんどが主要キャラクターやメカやギミックの紹介、及び気合の入ったアクションシーンで占められ、ドラマらしいドラマのない特殊なエピソードであった。