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私は猫になりたい

昔の特撮やドラマを紹介します。

「スケバン刑事3 少女忍法帖伝奇」 第1話

2024-01-27 19:52:54 | スケバン刑事3 少女忍法帖伝奇


 第1話「登場!謎の三姉妹」(1986年10月30日)

 記念すべき第1話である。

 冒頭、妖しく輝く陰星(かげぼし)に向かって、不気味な手が落葉の堆積から突き上げられる。

 土の中から現れた忍者ふうの人たちが、意味もなく野を越え山越え、そこらじゅうを嬉しそうに駆け回る。

 続いて、護摩壇のようなものを焚いて「なんとかんかんとかソワカー」などと、呪文を唱えている修験者ふうの男。

 左右の崖の上には、たくさんの男たちが松明を掲げて並んでおり、修験者の声のあとから「なんとかかんとかソワカー」と、おずおずした調子で唱和している。

 男「陰星あらわれるとき、天下麻の如く乱れる。今こそ我ら陰に忍びしものたちが天下を取る時ぞ!」

 およそ「スケバン刑事」らしからぬ、おどろおどろしいシーンから始まるのだが、

 
 次のシーンでは、こんなふざけたキャラが登場して、視聴者の腰を見事に砕いてくれる。

 真面目にやらんかコラ

 九州は宮崎県のただっぴろい農地で、部下を引き連れ人待ち顔で佇んでいるのは、西郷隆と言う西郷隆盛の子孫である(註・ありません)

 西郷「女じゃちうて、油断しちゃなりもはん」

 が、既に頭上の枝の上に、彼らが待っている人物が腰掛けていた。

 ドラマのヒロイン、後に三代目スケバン刑事を名乗る風間唯(浅香唯)である。

 西郷の目の前に飛び降り、木の棒で脳天に不意打ちを食らわす唯。

 
 唯「古手川高校大日向分校スケバン、風間唯、○○総番、西郷隆、討ち取ったーっ!」

 過去のヒロインと比べると、いかにも野性的でエネルギッシュなキャラクターである。

 その後、彼らと大立ち回りを演じ、最後は手製のバズーカ砲をお見舞いする唯。

 次回作「少女コマンドーいづみ」のバズーカ砲は、ひょっとしてこれから来てるのかなぁ?

 が、その後、高い木の枝に吊るされて、彼女が「じいちゃん」と慕う育ての親、帯庵和尚(田中浩)から厳しく折檻される唯だった。

 ここは、ちゃんと女優さん本人が吊るされているのが偉い。

 唯「放せー、くそ坊主ぅー、おろせーっ」
 帯庵「喝っ! このバカタレが、花火を盗み出して喧嘩に使うとは、何事かっ!」

 その帯庵、本堂で勤行していると、意外な人物が会いに来る。

 
 シリーズを通して登場する唯一のキャラ、暗闇指令(長門裕之)その人であった。

 暗闇「お久しぶりです」
 帯庵「やはり、現れましたか、暗闇殿」
 暗闇「今、世間の人々が計り知れないところで、恐ろしい何かが動き出しております。力を貸して頂けませんか」
 帯庵「三日待ってつかあさい、三日後には唯を東京へ」
 暗闇「かたじけない」

 二人は昔からの知り合いらしい。

 しかし、二人ともいい年こいた大人なんだから、真顔で「暗闇殿」とか言わないように。

 ずっと宮崎の田舎で暮らしてきた唯は、突然、東京にいる父と、二人の姉のところへ行けと言われ、激しく反発する。自分が捨て子だと信じていた唯は、初めて家族がいると知らされ、驚きを隠せない。

 それでも、結局粘り負けして、東京へ行くことに同意する。

 
 唯(わちに父ちゃんがいたなんて、わちの身寄りは母ちゃんの形見の雛人形だけとおもうちょったのに……母ちゃん、どんなすればえっちゃろうか)

 コテコテの宮崎弁で思い悩む唯。

 そう、今回もヒロインが聞き取りにくい方言をしゃべると言う、レビュアー泣かせの設定なのだ。

 そしてこの変哲のない雛人形、これが、ストーリー終盤まで引っ張られる大きな謎を解くアイテムであると、この時点で誰が知り得ただろう。

 東京へ発つ唯に、帯庵は新しい高校の制服、その下に着用する鎖帷子、そしてスケバン刑事っぽい各種プロテクターを与えるのであった。

 さて、こちらは東京の風間家。

 
 学校に行く前に、きちんと正座して母親の仏壇に手を合わせる結花(大西結花)。

 高3だが、彼女はのちに「留年」と言う、学園ドラマのヒロインとしてはありえない経験をすることになる。

 
 その妹で高2の由真(中村由真)。

 見れば分かるように、三姉妹の名前はすべて役者の名前と同じになっている。

 今ではまずありえないネーミングだが、昔のアイドルドラマでは珍しいことではない。

 2の南野陽子も、五代陽子と言う名前を持っていたし、この少し前に始まった「セーラー服反逆同盟」の中山美穂も、ミホと言う役名だった。さらに言えば、「少女コマンドーいづみ」では、五十嵐いづみが、五条いづみ役。

 それはさておき、唯も含めて三姉妹は仲が悪く、朝っぱらから結花と由真が喧嘩を始める。

 小太郎「コラッ! 結花、由真、お前たちに話がある」

 厳格な父・風間小太郎(伊藤敏八)は二人を叱りつけると、

 小太郎「今まで黙っていたが……実はお前たちには妹がいる」
 結花「えっ」
 由真「まーた、朝っぱらから冗談やめろよ」
 小太郎「わけがあって、今まで九州で育てられていたんだが、今度上京してくることになった」
 結花「ちょっと待ってよー、いきなりそんなこと言われても困るわ」

 
 小太郎「そうかもしれん」

 いや、「そうかもしれん」て……

 そんな、他人事みたいな口調で言われても困るんですが。

 小太郎「わけは後で話す。今は黙って妹を迎えてやってくれないか」
 由真「由真はやだよ、絶対にいやだ、ふざけんじゃねえよ!」
 結花「サイテー!」

 当然の反応だが、二人は父親に軽蔑の目を向ける。

 一方、唯は、東京に住むまだ見ぬ父と姉たちに会う為、在来線の駅へやってくるが、この間戦った番長連合のみんなが、逆に唯を激励して送り出してくれるのだった。

 田舎の不良は、純朴なのである。

 
 だが、そんな唯の姿を、物陰から見ている謎めいた美女がいた。

 1話では台詞もないが、前半の準レギュラー、城戸礼亜(福永恵規)である。

 その名前は、ずばり、「スターウォーズ」のレイア姫から来ているのだが、終盤のエピソードにも、「スターウォーズ」(4~6)の影響が歴然と見られる。

 福永恵規さんは、2にもおニャン子の一員としてゲスト出演している。

 当時のことなので、寝台車で東京へ向かう唯。同じ列車に乗り合わせた礼亜は、さりげなく、歴代スケバン刑事の手に握られてきた特製のヨーヨーを唯に渡すのだった。

 父親の言いつけなので、渋々ながら、唯を出迎えに来た結花と由真。

 唯「こんにちは、わー、二人ともわちと同じセーラー服じゃ、結花姉ちゃん、由真姉ちゃん」

 由真、初対面の唯をいきなり平手打ちする。

 唯「こらー、なんでいきなり人のこと叩くとやーっ」
 由真「ふん、鼻っ柱は強そうだな、いいか、人のこと気安く姉ちゃんなんて呼ぶんじゃないよ!」

 初っ端から険悪なムードが漂う。

 さらに、家に向かう途中、結花と由真を狙って、数人の不良男子生徒が木刀を持って待ち伏せしていた。

 恐ろしいことに、結花は星流高校の裏番、由真は総番なのだった。

 逃げるどころか、進んで喧嘩を買おうとする二人だったが、

 
 唯「待ったぁ、待った待った、この喧嘩、わちが買うた!」
 不良「なんだてめえは」
 唯「風間結花、由真の妹で九州にこの人ありと言われた大スケバン、風間唯じゃ!」

 元気一杯に名乗り出る唯。

 その方言丸出しの喋り方と風采を見て、不良たちは大声を上げて笑う。

 結花「子供は引っ込んでなさい」
 由真「待て、姉貴、そいつにやらせて見ようよ」
 唯「やる、やるやるやる!」

 唯は貰ったばかりのプロテクターを身に付けると、張り切って不良たちの群れに突っ込んで行く。

 無論、まだヨーヨーを武器として使う技は学んでいないのだ。

 ここでも、浅香さん、高いところから飛び降りたり、かなり高い金網をよじのぼったり、自らアクションに挑んでおられる。

 多勢に無勢で、最後は押さえ込まれてフクロ叩きされそうになるが、すかさず、結花が金属で折った鶴を手に取り、宙を滑らせて不良のひとりに命中させる。

 
 由真「しょうがねえなぁ」
 結花「風間結花、ひと呼んで、折鶴の結花!」
 由真「風間由真、またの名を、リリアンの由真!」
 結花&由真「勝負!」

 それぞれの得意武器を手に、ポーズを取って名乗る二人。

 さすがに初回と言うことで、どちらも腹に力が入っていない発声だ。

 それにしても、折鶴はともかく(ともかくでもないが)、リリアンて……

 あっという間に不良たちをぶちのめして歩き出す二人の姉を見て、唯は「東京のスケバンがこんげに強かったとは知らんかったわ」と、しきりに感嘆の声を上げながら付いていくのだった。

 
 そんなことをやってる間に、三人が家の近くまで来た時はすっかり暗くなっていた。

 由真「あれー、オヤジの奴、手なんか振ってやがる」

 ベランダに、三人を待っていたように小太郎の姿があった。

 妙にぎこちない動きであるが……

 生まれて初めて見る父親を前に、どんぐりのような目を大きく開く唯。

 唯「あれが父ちゃんね」
 結花「本人はそう言ってるわよ」
 唯「父ちゃん!」
 小次郎「唯!」

 唯も、手を振りながら駆け出すが、

 
 次の瞬間、

 
 家が爆発する!

 
 茫然とする三人の目の前で景気よく燃え上がる我が家。

 初回から、笑っちゃうほどインパクトのあるシーンをぶち込んできました!!

 無論、爆破炎上シーンは、本物の住宅地とは別のところで野外セットを使って撮影しているのだ。

 小太郎の影も、手だけ動くように作られた人形である。

 最初の小太郎の動きがぎこちなかったのは、その人形の動きにシンクロさせる為の苦肉の策だったのだ。

 燃え盛る自宅を前に、「こりゃえらいこっちゃ」と、当たり前過ぎる反応を漏らす唯であった。

 そりゃ、そうだよね。

 と言うところで、2話へ続くのであった。

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
強烈 (翔様ファン)
2024-01-28 09:23:07
おー、管理人様、スケバン刑事3を再び取り上げて下さりありがとうございますm(__)m

最後の自宅の爆発は、「1」の爆弾人形に匹敵するくらいの火力があり、爆発力だけが両方記憶に残っています。
今ではなかなか見かけなくなりましたね。その分、CGが多いイメージ。
当時はとにかく爆破シーンが多かった。
それこそ、バイクで爆破を避けながら走りぬける定番のシーンとか。
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Unknown (管理人)
2024-01-28 19:42:06
やっぱり本物の爆発は迫力がありますよね。

「スケバン刑事」のメイキングでもやってましたが、今は住宅地での爆破は無理なんでしょう。
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Unknown (百日紅)
2024-02-10 17:40:50
昔、三姉妹3人がドライブする番組で言ってましたが、浅香さん曰くオーディションで木登りできるかとかそう言うこと聞かれたりしたので他の二人もそういうオーディションあったのかと思ったら違ったのでびっくりしたって話されてましたよ。
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Unknown (管理人)
2024-02-10 19:49:42
貴重な情報ありがとうございます。運動神経の良さも、彼女が選ばれた理由でしょうね。
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