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私は猫になりたい

昔の特撮やドラマを紹介します。

「超獣戦隊ライブマン」 第5話「暴走エンジン怪獣」

2025-04-17 17:53:53 | 超獣戦隊ライブマン
 第5話「暴走エンジン怪獣」(1988年3月26日)

 冒頭、パトロールの途中だろう、勇介たち三人が道端にバイクを停めてハンバーガーを食べていると、小学低学年くらいの可愛らしい男の子がその前に立ち、おずおずとリーゼント勇介に話しかけてくる。

 
 武志「天宮勇介さんでしょう?」
 勇介「そうだけど、君は?」
 武志「矢野武志、矢野卓二の弟です」
 勇介「卓二の?」

 その名を聞いた途端、三人の顔色が変わる。

 同時に、数年前、ドクター・ケンプこと月形剣史に撃ち殺された彼らの親友、卓二と麻理のことがありありと三人の胸に去来する。

 勇介「卓二の弟……君が?」

 次のシーンでは、早くも小さな自動車整備工場のようなところへ連れて来られている勇介たち。

 何の説明もないが、この後、勇介たちが勝手に作業していることから見て、武志の実家なのだろう。

 武志は、生前、兄・卓二が書いたという特別な車の設計図を見せると、

 武志「どれだけこの車を作りたがっていたか……でも、兄ちゃんは戻ってこなかった」
 勇介「……」
 武志「作って欲しいんだ、兄ちゃんの代わりに」

 卓二の一番の親友である勇介にそんなお願いをするのだった。

 そばで聞いていためぐみは「ちょっと……」と、勇介の腕を引っ張って武志に聞こえないところまで移動すると、

 
 めぐみ「気持ちは分からないではないんだけど……私たち、そう言うことしてる暇ないでしょ?」

 ここは、心を鬼にして断るべぎだと主張するめぐみであったが、男気に溢れる勇介がそんな忠告に従う筈もなく、武志を助手にして、早速その車の作製を始めるのだった。

 なにしろ、勇介はジェットファルコンを一から自分の手で作り出してしまうほどの卓越したエンジニアである。既にある設計図をもとに車両を作ることなど朝飯前であったろう。

 一方、その卓二の仇でもあるボルトの幹部ドクター・ケンプも地上に降り、車のスクラップ置き場へガッシュと共にやってくると、

 
 そこに転がっていた車のエンジンを素材にして、頭脳獣エンジンヅノーを作り出す。

 ケンプ「エンジンヅノーよ、お前にふさわしい車を探しに行け」
 エンジンヅノー「任せておけ」

 で、エンジンヅノーが選んだのが、案の定、完成間近の卓二設計の車なのだった。

 エンジンヅノー、その車のエンジンをビームを放って消すと、エンジンが納まるべき部分に、自分がエンジンとなって潜り込む。

 丈「まったくもう、ひでーよなー、俺たちにばっかりパトロールさせてさあ」
 めぐみ「今日と言う今日は、首に縄をつけてでも連れ戻しますからね」

 翌朝、丈とめぐみは、ブツブツ文句を言いながら勇介のいる工場へ向かっていた。

 任務とは関係のないマシンの製作にかまけてライブマンの仕事を疎かにしている勇介にお灸を据えに行くところなのだ。

 ちょうどその頃、勇介たちは遂に、卓二設計の車両を完成させていた。

 パッと見、ただのピックアップトラックにしか見えなかったが、回想シーンで卓二が弟に自慢げに話していたことから、普通の車両にはないさまざまなハイテクメカが組み込まれていたと思われる。

 ところが、勇介が試運転を始めようとすると、またエンジンをかけてないのに勝手に車が走り出す。

 工場を飛び出すと、ちょうどこちらに向かっていためぐみたちに突っ込んでいき、危うく二人を轢き殺しそうになる。

 
 派手に尻餅をついて、豪快なパンチラを炸裂させるめぐみ。

 無論、見せパンなのだが、見せパンと言えども、80年代では貴重なチラなのは変わりない。

 ま、どうせなら、さやかのように白いアンスコにして欲しかったところだが、贅沢は言うまい。

 一旦通り過ぎた車は、引き返してきてなおも丈たちを追いかける。

 
 丈「勇介、俺を殺す気か?」
 勇介「バカ野郎、俺だってお前の汚ねえ尻なんて追いかけたくねえんだっ」

 まるでアメリカ映画のような台詞で応酬する二人。

 勇介「でも、言うこときかねえんだよ」
 エンジンヅノー「当たり前だ、誰も俺も止められん、ふっふふふっははっ」

 何とかハンドルを操ろうとする勇介だったが、足元のあたりから、誰かの声が聞こえてくる。

 結局、丈を追いかけながら猛スピードでコーナーを曲がった際、勇介も座席から放り出されてしまう。

 めぐみ「勇介、これは一体どういうことなのぉ?」

 問題の車は、いささかトウの立った暴走族風の若者たちの前で停まり、彼らがあれこれ言いながら車に乗り込んだところで再び走り出し、激しく蛇行運転しながら次々と放り出していく。

 

 

 
 その車が暴走し、あちこちで混乱と破壊を引き起こしている様子を、ヅノーベースのモニターで見ているビアスたち。

 
 ビアス(最後にちらっと映ったのは、なんなのかしら?)

 それは、この手のスペクタクルシーンで嫌と言うほど使いまわされている「ジャイアントロボ」の1シーンなのです!!

 しかし、何も20年前に放送されたドラマの映像を使い回さなくても、もっと新しいバンク映像がいくらでもあるんじゃないと言う気がする。

 オブラー「エンジンヅノーは車を走る悪魔と化すのだ」
 マゼンダ「人間社会は車社会と呼ばれている、ドクター・ケンプはたった一台の悪魔の車でその車社会を混乱させようとしている」

 珍しくライバルのマゼンダたちが、ケンプの作戦を褒めるような発言をするが、今のところは単に車が一台暴走してるだけなので、それだけで「車社会が混乱」すると言うのは、いささかオーバーなのでは?

 が、基本、褒めて伸ばすタイプのビアスは、

 ビアス「見事な作戦だ、ドクター・ケンプよ、大いにアクセルを吹かしたまえ」

 と、いかにもビアスらしい表現でケンプを鼓舞する。

 一方、ボルトの仕業とは知らないめぐみたちは、勇介があんなものを作るからだと散々責め立てるが、

 
 武志「勇介さんのせいじゃないよ」
 めぐみ「えっ」
 武志「兄ちゃんは勇介さんのことをドジな人だと言ってた」
 めぐみ「ふんふんふん」
 武志「でも、最後には頼りになる人だって……兄ちゃんが一番信じてる人だって」
 勇介「卓二が俺のことを?」

 仲間に叱られて凹んでいた勇介であったが、武志の発言にたちまち目に生気を蘇らせる。

 勇介「おい、聞いたか」
 めぐみ「は、はひ」
 勇介「信じるものの言葉、汚れなき少年の魂……それに比べて」

 
 勇介「丈、めぐみーっ!!」
 めぐみ「は、はいっ、はい」

 形勢逆転、今度は勇介が今までのお返しとばかり、めぐみたちを叱る番となる。

 勇介「仲間を疑うとは……」
 めぐみ「いやいや……」
 勇介「お前らの目は濁ってる」
 めぐみ(丈に)「濁ってる、濁ってる」
 勇介「心まで濁ってる!!」
 めぐみ「ああーっ、ごめんなさい、ごめんなさい、まーまーまー」

 いつもは二人を叱り飛ばすのことの多いめぐみが、ここではひたすら低姿勢で小さくなっているのが、普段とのギャップも相俟って、萌え死にしそうなほど可愛いのである!!

 CM後、レッドファルコンに変身した勇介は、なおもあのチンピラたちを乗せて走っている車にモトファルコンで追いつき、その運転席に入り込む。

 ファルコン「エンジンがおかしい」

 ファルコン、ボンネットを開けてから、

 
 窓から身を乗り出し、

 
 ライブラスターでじかにエンジンを撃つ。

 漸く車が停まり、エンジンが車から飛び出して、エンジンヅノーの姿に変わる。

 ファルコン「頭脳獣の仕業か」

 そこへケンプがあらわれ、

 ケンプ「頭脳獣エンジンヅノーだ。エンジンヅノーを止めることはできんぞ」

 エンジンヅノーと共に、何処かへ瞬間移動してしまう。

 その後も別の車に乗り移ったエンジンヅノーの暴走は続き、勇介たちは、グラントータスに戻ってその対抗策に取り掛かる。

 勇介「あいつらの車に対抗するには、もっと新しい車が必要なんだ。卓二の設計した車は素晴らしいものだ。だからこれを原型にしてもっとパワーアップするんだ」
 めぐみ「勇介、本当は凄いのね」
 勇介「当然だろ、だってジェットファルコン作ったんだぜ」
 丈「よし、急いで作ろうぜ」

 ちなみに、卓二の車をパワーアップしたと言う車の設計図が、卓二の車とは似ても似つかぬ車種なのが、格好の突っ込みどころとなっております。

 色々あって、ケンプが最初の車と同じようなピックアップトラックの荷台に乗って、何故か、狭苦しい洞窟のようなトンネルの中を進んでいると、

 
 その行く手を塞ぐように、早くも完成したライブマンのニューマシンがその全貌をあらわにする。

 ケンプ「ライブマン、な、なんだ、その車は?」
 ファルコン「ライブクーガー」
 ケンプ「ライブクーガー?」
 ファルコン「お前に殺された矢野卓二の車を元に俺たちが(原型をとどめぬほどに)改造、パワーアップした車だぁっ! 兄を慕う少年の思いと友情が作り上げた挑戦を受けてみろ!」

 こうして、新生マシンとエンジンヅノー車とのカーチェイス&バトルとなるが、三人が、いや、卓二と武志を含めて5人が心血を注いで作ったライブクーガーのパワー&火力は凄まじく、あえなくエンジンヅノーの車は破壊され、ケンプも吹っ飛ばされる。

 エンジンヅノー「おお……」
 ファルコン「エンジンヅノー、暴走の青春は終わったぜ」

 この後、既に戦意喪失しているエンジンヅノーをトリプルライブラスター及びバイモーションバスターで惨殺し、巨大ロボットバトルをこなして一丁上がり。

 
 武志「すげーや、兄ちゃんの車がこんなになって……」

 ラスト、勇介たちと並んで塀の上に腰掛け、完全に別の車種になってしまった兄の車を見詰めて感嘆とも落胆ともつかぬ声を上げる武志少年。

 勇介「卓二兄ちゃんの設計図があればこそさ」
 武志「あの車、勇介さんたちに使ってもらうのが一番だ。みなさん、兄ちゃんの分も頑張って!」

 さて、今回のシナリオが、勇介たちの掛け合いを除いてあまり面白くないのは、この武志と言う少年があまりに素直で聞き分けのよいところに起因していると思う。

 つまり、「僕、卓二の弟です」→「兄ちゃんの設計した車を作ってください」→勇介が車を完成→車が暴走→「勇介さんは悪くない」→勇介たちがライブクーガーに改造→「その車は勇介さんたちが使って下さい」と言う風に、武志の不気味なほどの物分りのよさと、勇介の男気によって、話がぜんぜんよじれることなく進んでしまうのが、逆に物足りなく感じてしまうのではないかと。

 だから、最初は武志が卓二の死について勇介に責任があると思い込み、勇介に悪戯したり反発したりするが、最後は真相を知って和解し、勇介と一緒にライブクーガーを作る、みたいな展開にしたほうがドラマとしては断然面白くなっていたと思う。

「超獣戦隊ライブマン」 第4話「暴け! ダミーマン」

2025-03-24 19:47:46 | 超獣戦隊ライブマン
 第4話「暴け! ダミーマン」(1988年3月19日)

 4話目にしてやっとメインストーリーとは関係のない単発エピソードとなる。

 ヅノーベースにて、前回、自らの体を改造して化け物のような姿になった尾村豪ことオブラーをビアスがねぎらい、賞賛している。

 
 ビアス「ドクター・オブラー、見事な自己改造だ、これで我が武装頭脳軍ボルトの陣容は、名実共に揃ったと言う訳だ」
 オブラー「……」

 もっとも、今回の作戦を指揮するのは、オブラーではなくマゼンダである。

 マゼンダ「私が素晴らしい作戦を考えました」

 マゼンダが指を鳴らすと、背後の扉が開いて、なんの変哲もないジンマー(戦闘員)が入ってくるが、

 
 体を一回転させると、一瞬で作業服を来た人間の姿に変わる。

 マゼンダ「ダミーマンと申します」

 初代ダミーマンを演じるのは、「ハングマン」や「悪霊島」に出ていた氏家修さん。

 ビアス「ダミーマン?」
 マゼンダ「身も心も完璧な人間として振舞うことが出来ます」
 ビアス「身も心も……とくと見せてもらおう!」

 地上に降りたマゼンダは、海岸近くの洞窟の奥に作られたアジトへダミーマンを連れて行く。

 テーブルの上にあった独特の匂いの香水を自分の体に吹きつけながら、

 マゼンダ「お前は栄光のダミーマン1号、しっかりやるのだぞ」
 ダミーマン「うっ、ぐっ」

 マゼンダに息が掛かるほど迫られたダミーマン、人間臭い仕草で咳き込んで、口に手をやる。

 マゼンダ「どうした?」
 ダミーマン「いえ、あまりに素敵な香水なものでつい……」

 さすが人間そっくりと言うだけあって、ダミーマン、咄嗟にマゼンダの機嫌を損なわないよう取り繕う。

 別にジンマーがその匂いに特別敏感だと言うことではなく、後のめぐみの述懐からも分かるように、アンドロイドが怯むほど、物凄い匂いだということなのだろう。

 一緒にいるケンプたちも、内心ウンザリしていたと思われるが、

 マゼンダ「でしょうね、これは世界にひとつしかない香水、マゼンダ・ナンバー5」

 本人にとっては実に良い香りらしく、誇らしげに言うと、ダミーマンの顔の前でもう一度噴霧する。

 マゼンダ「頭脳獣デンソーヅノー、電送開始」
 デンソーヅノー「はっ、電送ーっ!」

 マゼンタの命令に、背後に控えていたデンソーヅノーが左手を掲げてダミーマンにエメラルドグリーンの光を当てると、その体が一瞬で遠く離れたガス会社のコンビナートに電送される。

 無論、このデンソーヅノーもマゼンダが作ったものであり、ダミーマンと言い、この電送システムと言い、マゼンダが自分の頭の良さを誇るのも無理はないという感じはする。

 あらかじめ会社の作業服を着ていたダミーマンは、警備員にも怪しまれることなく動き回り、東京北西地区に供給されているガス管の中に、石鹸の塊のようなものを落とし込む。

 一方、その頃ライブマンは、都内のレストランで暢気に昼飯を食っていた。

 ただし、実際に食べているのはめぐみだけで、勇介と丈はその様子を羨ましそうに見ながら、なかなか来ない自分たちの料理を待っていた。

 メインディッシュを平らげた後、デザートのメロンに取り掛かるめぐみであったが、勇介たちのビーフシチューは依然として厨房から出てこない。

 
 めぐみ「パトロール中に食事する時はカレーとか、早くできるものを注文するのが心得ってものよ」
 丈「うるせえなー、その優等生ぶって説教するクセやめてくんない?」

 めぐみがお姉さんぶってアドバイスするが、空きっ腹の丈にはただのイヤミにしか聞こえない。

 めぐみ「丈、事件はいつ起きるかわかんないんだからね!」
 勇介「まーまーまー、うまいものをすっかり食ってこそエネルギーも出るって言う考えも一理あるわけだから……」

 勇介が適当に二人を仲裁していると、厨房のほうからけたたましい騒ぎが聞こえてくる。

 
 何事かと二人が行ってみると、コックやウェイトレスたちが腹を抱えて笑い転げているではないか。

 無論、ダミーマンがガス管に仕込んだ物質のせいである。

 丈「ああーっ、俺たちのビーフシチューが焦げちゃってるよ」

 最初は怪訝な顔をしていた勇介も丈もガスを吸った途端、ゲラゲラと笑い出す。

 同じガスを使っている同地区内の一般家庭でも同様の騒動が起きていた。

 めぐみ「うっ、笑いガスだわ!」

 最後に入ってきためぐみはすぐに気付くと、勇介たちを無理矢理厨房から押し出し、その顔に水をぶっ掛けて正気に戻す。

 しかし、マゼンダともあろうものが、なんで笑気ガスなんていう生温いガスを混入させたのか?

 わざわざダミーマンや電送機能を使って行うような作戦ではあるまい。

 これが、致死性のガスであったら、一気に勇介と丈を始末できていたかもしれないのに……

 まだぼんやりしている二人には構わず、めぐみは愛用のスポーツサイクルを飛ばしてガス会社に直行する。

 警備員たちは不審者の侵入はないと断言するが、めぐみは、近くを通り過ぎた作業員の体から漂う独特の香りに気付いていた。

 やがて、勇介たちもめぐみを追って駆けつける。

 めぐみ「これはマゼンダの仕業よ」
 勇介「あの、いくら科学アカデミア時代優等生だったとは言え、その推理はちょっと突飛過ぎるんじゃありません?」
 めぐみ「ねえ、気付かない? この香水の匂い……」

 ここで、毎度お馴染み回想モードに入っためぐみが、科学アカデミア時代、同じ部屋に寝泊りしていたマゼンダこと仙田ルイが、今嗅いだのと同じ、独特の香水を常用していたことを思い出す。

 めぐみ「マゼンダが自分で作った香水よ、この匂いが残ってるってことは、マゼンダがなんらかの関係がある筈」

 めぐみの説明を聞いても、勇介たちはいかにも気が乗らない様子でだらだらついていくだけだった。

 めぐみはさっきの作業員に追いつくと、その体に鼻を近付けてクンクン言わせる。

 
 ダミーマン「何か?」
 めぐみ「あ、いえ、その香水は?」
 ダミーマン「香水? いやだなぁ、オーデコロンですよ。つけ過ぎたかな?」

 勇介たちは興味をなくす……と言うより、最初からなかったが、めぐみはなおもしつこくダミーマンを尾行してその正体を暴こうとする。

 会社を出たダミーマンは、何を思ったか、大きな荷物を抱えて階段を登ろうとしていた老婆に優しく声を掛けると、その手を引いて歩き出す。

 ダミーマン「おばあちゃん、だいじょぶ? 足元に気をつけて」

 アンドロイドとは思えない人間らしい態度に、一旦はめぐみも自分の勘違いかと行き過ぎようとするが、それを見たダミーマンが老婆の手を持ったまま急ぎ足で階段を登ろうとしたのが痛恨のミスであった。

 めぐみは階段を一気に駆け上がると二人の前に出て両手を広げ、

 めぐみ「本当の親切とは、手を引いてあげることじゃないわ、大きな荷物を持ってあげることのほうが思いやりってもんよ」
 ダミーマン「……」
 めぐみ「親切な人を演じようとして、かえってボロを出したわね」

 
 めぐみ「その上、マゼンダの香水を漂わせるお前、一体何者なの?」

 うーん、しかし、「親切の方法」が間違っていたからって、即座にボルトの一味だと決め付けるのはいささか乱暴なような気もする。

 それに、めぐみが、「人間らしい行動」→「自分の勘違い」だと判断したということは、最初から相手がロボットか何かだと疑っていたようにも聞こえるので、なんとなく変である。

 この場合は、とても人間には運べないような重たい荷物を軽々と運んでしまい、それでロボットだとバレる……と言うほうが分かりやすかったかな。

 それはともかく、正体をあらわしたダミーマンを追いかけてきためぐみの前に、空から流星のような光が飛んできて空中でマゼンダの姿に実体化して華麗に着地する。

 当然これも、デンソーヅノーに電送されたものであろう。

 マゼンダ「よくもダミーマンを見破ったわね」

 めぐみ、素早く両手を構えながら、

 
 めぐみ「やっぱりお前の仕業……どんなに人間そっくりに作っても人の心を失ったものが作ったダミーマンは本当の人間にはなれないのよ」
 マゼンダ「……」
 めぐみ「それに、あんたの香水は強過ぎるわ!」

 めぐみ、ブルードルフィンに変身してマゼンダと戦い、やがて勇介たちも到着するが、マゼンダの電磁ムチにからめとられたところを、デンソーヅノーの能力によって何処かへ電送されてしまう。

 丈「ああやってダミーマンを送り込んだのか、勇介、こりゃ大変なことになるぜ」
 勇介「もっとめぐみを信じていればこんなことにはならなかったのに……」

 CM後、一瞬意識を失っためぐみが次に目を覚ました時には、既に変身も解け、マゼンダのアジトで敵の捕虜となっていた。

 マゼンダ「ふっ、科学アカデミアでは私と張り合ってたつもりかもしれないけど、今じゃ私の足元にも及ばぬこと、思い知ったでしょ?」

 グラムロッドと言う棒状の武器で、めぐみの顔をクイッと持ち上げ、勝ち誇った笑みを浮かべるマゼンダ。

 余裕ぶっこいてないで、即座にめぐみの息の根を止めていれば、マゼンダの大殊勲であったろうに……

 マゼンダ「あれをご覧」
 めぐみ「あっ」

 マゼンダに促されて壁面のモニターを見れば、レッドとイエローがバイクでこちら(?)に向かっている様子が映し出される。

 
 マゼンダ「めぐみ、ひとりで地獄に行くのも淋しかろう。仲間と一緒に送ってやるわ」

 マゼンダ、グラムロッドの先でめぐみの胸元を押す。

 マゼンダさんには是非、その万年筆のような先端で、めぐみの乳首を責めて欲しかったと思う管理人であった。

 
 マゼンダ「爆弾電送!」
 デンソーヅノー「電送!」

 マゼンダの命を受けたデンソーヅノー、テーブルの上にあったたくさんの爆弾を左手で吸い込むと、右手でレッドたちの周囲に電送し、

 
 その足元で連続的に激しい爆発を起こす。

 ま、確かに便利ではあるが、やられるほうにしてみれば、戦闘機による空爆などと大して変わらないと思うのだが……どうせ当たらないんだし。

 何故、ライブマンの強化スーツの中で実体化させて内側から破壊するとか言う発想できないのだろう?

 あるいは巨大ロボットバトルの際、ライブロボの体内に送り込んで破壊するとか……

 しかも、この何の効果もない攻撃によって、本部にいるコロンに電送発信源を突き止められるというミスを犯してしまう。

 マゼンダ「今度はお前の処刑だ、デンソーヅノー!」
 めぐみ「あっ、ああっ」

 マゼンダ、デンソーヅノーに命じてめぐみの体を羽交い絞めにさせる。

 マゼンダ「デンソーヅノーは電気椅子にもなれるのだ」
 めぐみ「こんなことになるなんて……」
 マゼンダ「ふふふふ、観念したようだねえ」

 さすがのめぐみも変身できなければその拘束を解くことはできず、特撮ヒロインらしからぬ後ろ向きな台詞を吐いてマゼンダを睨みつけることしか出来なかった。

 ちなみに、電送能力と言い、人間電気椅子になれることと言い、デンソーヅノーって、「スカイライダー」に出てきたシビレイジンを思い出してしまうのは管理人だけだろうか?

 さて、まさかの4話目にして殉職と言う、初代イエローフォーのレコードを破りそうになっためぐみであったが、そこへ、世紀末に良く見るモヒカンにサングラス、むさ苦しいコートを着た二人の男が入ってくる。

 マゼンダはてっきりダミーマンかと思い、

 
 マゼンダ「どうしたのだ、お前たちは?」
 勇介&丈「壊れちまっただ」

 うかうかと彼らの接近を許してしまう。

 二人はサングラスを外してめぐみにウィンクして見せてから、

 勇介「俺たちのめぐみちゃんを抱っこすんじゃねえ!」

 いきなりデンソーヅノーを突き飛ばし、めぐみを救出する。

 
 マゼンダ「勇介、丈、生きていたのか」
 勇介「こんな僕たちですけど、これからもやっていけます?」
 めぐみ「勿論よ!」

 三人はアジトの中で暴れ回ると、洞窟の外へ出て岩場の上に並んで立つ。

 勇介「めぐみのオツムと俺達のパワーがあればお前たちには負けやしないぜ!」

 この後、ラス殺陣&巨大ロボバトルをこなして事件解決。

 ちなみに巨大化したデンソーヅノー、まったく電送機能を使おうとしませんでした。

 トホホでやんす……

 
 めぐみ「お待たせ」
 コロン「お待たせ」
 めぐみ「私とコロンで腕によりをかけて作ったビーフシチューよ」
 丈「ビーフシチュー、やっとありつけたぜ」

 グラントータスで、めぐみとコロンが手製のビーフシチューを勇介たちの待つテーブルに運んでくる。

 あの騒ぎで結局ビーシチューを食べられなかった二人への、めぐみの粋な計らいであった。

 で、食ってみたらまずかったという、「バトルフィーバーJ」的なオチにはならず、勇介たちはうまいうまいと舌鼓を打つ。

 
 めぐみ「うん、美味しい」

 自分でも食べてみて、思わず叫ぶめぐみタン。

 それにしても、ほんと、マゼンダは笑気ガスを都市ガスに混ぜて、一体どうするつもりだったのだろう?

 うー、まあ、今回の目的は、あくまで人間そっくりのダミーマンの性能を試すことだったと考えれば、十分成功していると言えるのかな?

 電送能力はこれっきりでパーになってしまったが、ダミーマンは今後の作戦に活用できる訳だからね。

「超獣戦隊ライブマン」 第3話「オブラー悪魔変身」

2025-02-28 18:20:10 | 超獣戦隊ライブマン
 第3話「オブラー悪魔変身」(1988年3月12日)

 地球の静止衛星軌道上に浮かぶ、ボルトの本拠地ヅノーベース。

 透明なスクリーンの向こうに青く美しい地球が見えるブリッジで、大教授ビアスが何かのファイルに目を通している。

 
 豪「いかがでしょう、私の実験計画は?」

 その前に緊張した面持ちで跪いていた尾村豪が、おずおずとおうかがいを立てる。

 
 ビアス「へりくだりながらも、君は自分の計画に酔いしれ、自惚れている」
 豪「……」
 ビアス「自信たっぷりだな」

 中田譲治さんの深みのある声が実にセクシーなのです!!

 ビアスに自分の気持ちを見抜かれて、豪は言葉に窮するが、

 ビアス「良いのだ、いや、そうでなければならん。この計画は我が武装頭脳軍ボルトの科学力を証明する素晴らしい計画だ」

 ビアスは豪の計画を褒め称え、計画書を返す。

 ビアス「愚かな人間どもとライブマンとやらに思い知らせてやるが良い」

 深夜、団地の一室で女子高生が勉強していると、体のあちこちにペットボトルを生やしたロボットタイプの頭脳獣ウイルスヅノーが乱入してきて、その体にチューブを刺され、緑色の液体を注入される。

 同じ頃、変身済みのライブマンは、自分たちと同じ動物のモチーフの専用バイク・モトレーサーに乗って夜間パトロールを行っていた。

 
 フロントカウルが、それぞれハヤブサ、ライオン、イルカの頭部の形をしているのだが、ヘッドライトを点灯させる時は、それら動物の口がパカッと開くのが、めっちゃ可愛いのである。

 彼らは偶然、ウイルスヅノーに同じ液体を注入されたランニング中のボクサー青年の顔が、皮膚病にでもかかったように醜く爛れているのを、豪が興味深そうに観察しているところに出くわす。

 ファルコン「豪、どうするつもりだ?」

 三人は豪を捕まえようとするが、ウイルスヅノーの放ったビームを浴びてもんどりうって倒れる。

 それでも、仰向けのまま撃ったファルコンのライブラスターがウルイスヅノーの体から生えたボトルのひとつを砕き、その破片に付着していた液体をグラントータスに持ち帰って分析することにする。

 星博士の遺産とも言うべきグラントータスとコロンの分析能力は極めて高く、あっという間に液体の正体を突き止める。

 
 コロン「見て、このウイルスが人間の体を変化させたの」
 めぐみ「地球にはないウイルスね。人工的に作り出したものだわ」
 コロン「でも、培養実験の結果、二時間以内にこのウイルスの働きを止めれば元の体に戻ることが分かったの」
 勇介「コロン、大至急そのウイルスの働きを止める方法を開発してくれ」
 コロン「任せてコロン」

 コロン、女性型アンドロイドとしてはなかなか可愛いのだが、やっぱり、「マスクマン」の東ちゃんのように、生身の女優さんに演じて欲しかったなぁ。

 モニターには、被害に遭った二人の若者が病院のベッドに横たわっている映像も映されていた。

 丈(こんなひどいことをしでかして、一体あいつは何を考えてんだ?)

 勇介「そうか、わかったぞ!!」

 丈の心のつぶやきに答えるように、不意に勇介が何かに気付いたように叫ぶ。

 丈「ん?」
 めぐみ「何が?」
 勇介「あれは二年前、やつらが宇宙に飛び出す前のことだった。科学アカデミアのアスレチックでトレーニングをしていた時……」

 たまたま通り掛かった豪を見て、勇介は割りとガリガリの体で「たまには汗でも流したら?」と勧めるが、豪は心底人を馬鹿にしたような笑い声を放つと、

 
 豪「君は人の体はこの世で一番美しく最高の存在だと信じているようだ。でもそれは大いなる勘違いだ。僕のウイルス進化論によれば、ウイルスの影響によって突然生命体は変化する。人間だって例外じゃない。いつの日か必ず証明して見せる。人間はもっともっと凄い生命体になれるんだ!! これまでの人間なんてくだらない存在さ!! そんな体、くだらないね、実にくだらない!!」

 何かに憑かれたような異様な目つきで滔々と語る豪の姿を、勇介はありありと思い浮かべる。

 勇介「あいつは、そのウイルスの進化論を証明するために、人体実験を始めたに違いない。そしてその究極の目的は尾村豪が完璧に人間を捨て去ることだったんだ」
 丈「あいつまで人間でなくなろうとしているのか?」

 いくら裏切り者であっても、かつての学友がそんなことを考えていると知って、やるせない顔になる丈であった。

 勇介は、豪を探そうと言い出すのだが、正直何の手掛かりもないのに不可能だろうと思いきや、彼らがとある雑木林に踏み込むと、どこからか豪の叫び声が聞こえてくる。

 彼らは林の奥に隠れるようにして建っている洋館を見付け、直ちに走り出す。

 勇介が睨んだとおり、豪はその一室で、ウイルスヅノーに命じて自らの体に大量のウイルスを投与させるという、悪魔のような実験を行っていた。

 その最中に三人が入ってくるが、再びウイルスヅノーの攻撃を受けて吹っ飛ばされる。

 その隙に豪はチューブを引き抜いて逃げ出し、追いかけようとした三人は戦闘員たちに襲われる。

 戦闘員たちは相変わらず強く、思いっきり投げ飛ばされた丈の体は、窓を突き破って枯れ葉の積もった斜面を転がり落ちて行く。

 だが、丈が落ちてきたところに倒れていたのが、ウイルスのせいで動けなくなった豪であった。

 丈、咄嗟に馬乗りになってその顔面にパンチを叩き込もうとするが、

 
 豪「あ、あ……」

 豪、両手を合わせて、哀れみを請うように目を閉じる。

 
 根は優しい丈、その姿を見て思わず拳を止めると共に、アカデミア時代に見たある光景を脳裏にフラッシュバックさせ、戦意を喪失してしまう。

 豪「助けてくれ、苦しい……助けてくれ」

 丈、何も言わずに豪の体を背負うと、グラントータスに向かって歩き出す。

 それを見た勇介たちが、丈の前に立ちはだかり、その真意を問い質したのは当然であった。

 勇介「丈、そいつをどうする気なんだ?」
 丈「助けてやりてぇんだ」
 めぐみ「えっ」
 勇介「なんだって?」
 丈「コロンが言ってたじゃねえか、2時間以内にウイルスの働きを止めれば助かるって」
 豪「……」
 勇介「正気か、お前? 二年前、こいつは俺達の仲間を殺したんだ!!」

 勇介、信じがたいと言った顔つきで詰め寄り、丈に背負われた豪の襟首を掴むと、腹立たしげに投げ飛ばす。

 勇介たちの脳裏に、二年前の悲劇、そしてつい最近、アカデミア島に加えられた殺戮の嵐が蘇る。

 
 めぐみ「アカデミア島を全滅させ、多くの人たち、科学アカデミアの仲間たち!! 星博士の命まで奪ったのよ」

 めぐみ、まだ記憶に新しい惨劇に思いを馳せ、目を真っ赤に泣き腫らしながら叫ぶ。

 勇介、なおも地面に横たわる豪に掴みかかろうとするが、それを丈が必死に止める。

 丈「待ってくれ、こいつだってはじめからこうじゃなかったんだ」
 勇介「何言ってんだ」
 丈「みんなは知らないだろうけど……科学アカデミアに入学したばかりの時だった」

 ここで丈も、科学アカデミア時代のことを回想して、その時の様子が再現される。

 それは、アカデミア島の海岸で子犬が溺れていたのを見て、泳げない筈の豪が夢中で海へ飛び込んで助けようとしたと言う意外な逸話だった。

 結局、その場に居合わせた丈が豪を岸へ引っ張り上げて事なきを得たと言う。

 豪「ありがとう、丈君」
 丈「よせやい」

 今の豪からは想像もつかないが、その後、浜辺で焚き火をして冷えた体と衣服をあたためている二人が、そんな麗しい友情のエールをかわしたこともあったのだ。

 丈「俺は子犬を助けようとした時の尾村豪に戻って欲しいんだよ」
 勇介「甘いぜ、丈、こいつはもう悪魔に魂を売ったんだ」
 丈「でも……」

 丈と比べると現実的な勇介は、そんな丈の願いを一蹴する。

 と、そこへ、ウイルスヅノーと戦闘員たちがあらわれる。

 丈はもう一度豪の体を背負うと、さっさとその場から逃げ出す。

 やれやれと言った顔をしながら、

 勇介「めぐみ、丈のお陰で俺たち苦労させられそうだぜっ」
 めぐみ「覚悟は出来てるわ」

 ハリウッド映画のような気取った台詞をかわすと、丈たちのために敵を食い止めようとする二人。

 なんだかんだ言って、彼らはそんな丈の「甘さ」を好ましく思っているのだろう。

 
 なお、ここでめぐみが枯れ草に覆われた地面を転がるアクションを見せ、やっとスカートの中がはっきり見えるが、しっかりと青い見せパンを履いておられたのが大変悲しいお知らせです。

 CM後、川辺に辿り着いた丈と豪はその場に倒れ込んで一休みするが、丈が、豪の求めで水を汲みに行って戻ってくると、

 
 豪「はぁーっ!!」

 その僅かな間に、豪の口元は、カッパのような、おぞましい怪物のそれに変化していた。

 豪「このチャンスを待っていたんだ」
 丈「騙したのか?」
 豪「あの時、子犬を助けようとしたことは……俺はどうかしてたのさ、あれは俺にとって唯一の恥ずべき過去の汚点」
 丈「……」
 豪「それを見たお前は絶対に殺さねばならぬ」

 おそらく、豪自身、そんな自分の行為をすっかり忘れていたのだろうが、丈に言われて思い出し、改めて丈の命を奪う機会を狙っていたのだろう。

 豪の変身は見る見る進み、指から鋭く長い爪が伸び、胸の筋肉が盛り上がって服を引き裂き、

 
 最終的には、人間の面影などかけらもない、恐ろしい怪物と成り果ててしまう。

 これが、ボルトの大幹部・尾村豪あらためドクター・オブラーなのである。

 ちなみに変身すると同時に、声も森篤夫さんのものに変わる。

 ケンプたちと違って彼は常にこの状態なので、演じている坂井徹さんの出番も、実はそんなにないのである。

 ちょうどそこへ勇介たちが駆けつける。

 丈、勇介の顔を見て、自分の甘さをほろ苦く噛み締めるが、その肩を励ますように叩いてやる勇介であった。

 と、豪の計画が気になったのだろう、そこへケンプとマゼンダもあらわれる。

 オブラー「ドクター・ケンプは美獣に変身した、ドクター・マゼンダも自己改造した。しかし君たちは人の姿を残している」
 ケンプ「……」
 オブラー「愚かな人間を否定するものが、人間の姿を残すなんて恥ずかしいと思わんのかね? 人間を乗り越え、人間以上の存在になるとは完全に人間を捨て去り、私のようになることなのだ」

 三人の中では一番背が低くて子供っぽく、一人前扱いされていなかった豪に痛いところを指摘され、能弁家のケンプも、高慢なマゼンダも悔しそうに唇を噛むだけで、一言も言い返せない。

 オブラー、生まれもつかぬ体になったことを微塵も後悔していないようで、その異形の肉体を川面に映して悦に入る。

 丈「おめえって奴は……」

 思わずオブラーに駆け寄り、熱血する丈だったが、ひ弱だった豪とは思えぬパワーで吹っ飛ばされる。

 丈「おめえって奴は、もう尾村豪じゃねえ、もう友達でもなんでもねえっ!! イエローライオン!!」

 怒りに声を震わせて吠えると、ツインブレスをクロスさせてイエローライオンに変身する。

 この後、ラス殺陣となり、新生オブラーとウイルスヅノーを相手に苦戦するライブマンだったが、一瞬の隙を逃さず、バイモーションバスターでウイルスヅノーを倒し、戦いはひとまず決着する。

 ラスト、豪に裏切られていまだに憤懣やるかたない丈が、公園の池に空き缶を蹴り込んでいると、

 
 勇介「よおっ、元気出せ」

 勇介とめぐみがあらわれ、ぶっきらぼうに声を掛ける。

 小柄なめぐみの白いタイトスカートがめっちゃ色っぽいのです!!

 この辺りからかなぁ、80年代になって一旦長くなったスカート丈が、また徐々に短くなり始めたのは?

 丈「すまん、俺が甘かった。あの時、あいつを倒してさえいれば、あいつまで恐ろしい敵にしなくて済んだのに……」
 勇介「いや、誰も防げやしなかったさ」

 自分の非を認めて男らしく頭を下げる丈であったが、勇介がリーダーらしく笑って慰める。

 めぐみ「でも一体何が……何があの人たちを変えてしまったのかしら?」

 最後にめぐみが、視聴者もその答えを知らない根本的な疑問をつぶやくと、勇介たちも一様に考え込むのだった。

「超獣戦隊ライブマン」 第2話「命に誓う三つの力」

2025-02-11 19:47:21 | 超獣戦隊ライブマン
 第2話「命に誓う三つの力」(1988年3月5日)

 前回、武装頭脳軍ボルトに身も心も売り渡してしまったかつての仲間たちの襲撃を受けた勇介たちは、超獣戦隊ライブマンに変身して立ち向かう。

 戦闘機の編隊を相手に苦戦するイエローライオンの乗るランドライオンであったが、レッドファルコンの乗るジェットファルコン、ブルードルフィンの乗るアクアドルフィンも参戦し、なんとか彼らの第一波攻撃を撃退する。

 
 ボルト軍に破壊し尽くされ、まだあちこちで黒煙がくすぶる、生々しい廃墟と化したアカデミア島の施設跡に立ち尽くす勇介たち。

 めぐみ「ひ、ひどい、あんまりよ……死んでしまった、みんな死んでしまった。星博士も……」

 悲しみのあまり、その場に崩れるように膝をついて泣きじゃくるめぐみを勇介が励ます。

 勇介「めぐみ、星博士は生きてる。だから希望は捨てるな」

 
 めぐみ「……」

 勇介の言葉に、無理に微笑んでみせるめぐみ。

 まるで仔犬を擬人化したような、凶悪なまでの破壊力を秘めた可愛らしさである。

 三人はとにかく歩き出すが、どこからか、星博士の呻き声が聞こえてくる。

 博士は瓦礫の下に埋もれつつ、なんとか生きていた。

 三人は博士を助け出すと、手頃なソファの上に寝かせる。

 星「君たちか……会えて良かった」
 めぐみ「静かに!! 喋ってはいけません」

 気遣うめぐみの手を振り解くと、

 
 星「いやぁ、伝えねばならんことがある、今すぐ秘密基地へ行くんだ」
 勇介「秘密基地?」

 二年前、月形によって卓二たちが殺された事件に激しいショックを受けた博士は、勇介たちがその後ひそかにジェットファルコンなどのハイテクメカを開発して卓二たちの仇を取ろうとしていることを知ると、彼らの手助けをすべく、秘密基地を完成させていたと言う。

 星「今のままでは負けてしまう。しかし勝たねばならん」
 勇介「博士!!」
 星「いいか、三つの力を合わせるんだ」

 小さなトンネルを通って移動中、博士は倒れながらも、彼らに謎めいた言葉を伝える。

 めぐみ「どういうことですか? 博士」

 博士がさらに何か言いかけたとき、彼らの周囲で小さな爆発が起きる。

 星「希望岬の沖1マイル、ゆけ、はやく!!」

 そんな彼らをそそりたつ壁の上から冷たく見下ろしている男がいた。月形改めケンプである。

 勇介「貴様、博士まで殺す気か?」
 ケンプ「俺が師と仰ぐのは大教授ビアスおひとり!! そのビアス様から授かった科学で死ねるとは幸せな奴だ。ガードノイド・ガッシュ!!」

 ケンプの声に、トンネルの向こう側から、重々しい足音を響かせてシルエットが近付いてくる。

 
 ビアスが自分の護衛用に科学の粋を集めて作った、漆黒のアンドロイド戦士ガードノイド・ガッシュである。

 劇中では単にガッシュと呼ばれることが多い、寡黙なキャラクターである。

 ケンプ「カオスファントム放射!!」

 なんだか良く分からないが、人工の脳髄と脊髄のようなパーツをコアにして、ガッシュが特殊なエネルギーを放出してくるむと、それが骨格や肉となり、頭脳獣バラバラヅノーと言う異形の戦士が誕生する。

 頭脳獣と言うのは、要するに、この番組における「怪人」である。

 
 ケンプ「ことごとく破壊し尽くされた廃墟の中、全ての物質が原子に分解されてカオスを作っている。そのカオスの中から、カオスファントムエネルギーが新しい生命を賦与する。これが頭脳獣だ!」

 自分のテクノロジーに酔いしれたように、頭脳獣の仕組みをまくし立てた後、少し面映そうな顔で笑うと、

 ケンプ「ま、お前たちにいくら講義したところで分かるまいがな」

 まさにクラスの秀才が、バカを見下すような勝ち誇った視線を向ける。

 勇介が戦闘員たちを食い止めている間、めぐみたちは星博士を安全な場所へ移動させる。

 
 と言っても、島は完全に破壊されてしまったので、使えるのはこんな廃墟同然の建物しかない。

 それでも、元々ここは病院だったのだろう、ベッドに横たわる博士の腕には点滴の管が挿されていた。

 やがて、傷だらけになりながら、勇介が戻ってくる。

 勇介「博士は?」
 丈「今応急処置をしている」

 ほぼ同時に博士が意識を取り戻し、めぐみは愁眉を開くが、

 
 星「バ、バカモノ!!」

 状況を把握した博士は、感謝するどころか、逆に勇介たちを怒鳴りつける。

 常に温厚な博士に怒鳴られたのは、勇介たちにとって最初で最後の経験であった。

 星「何故行かん? うっくっ、希望岬の沖1マイル!! 急げ!!」

 などとやっていると、すぐ近くで女性の喘ぎ声が聞こえる。

 良く見れば、フロアの片隅に、臨月の、それも出産間近と思われる若い女性が隠れるように横たわっていた。

 見たところ一般市民のようなので、アカデミア島には生徒以外の住民もいたのだろう。

 まあ、学術都市と言えども、教授や技術者や生徒たちだけで生活が成り立つ筈がなく、食堂のおばちゃんをはじめ、彼らの世話をする労働者がいても不思議はない。

 と、早くも居場所を嗅ぎつけたボルトの戦闘機が攻撃を仕掛けてくる。

 博士はその女性は自分が守ると言い、勇介たちには秘密基地へ急行するよう指示する。

 CM後、全力疾走して浜辺に辿り着いた三人であったが、

 
 ケンプ「ここから先は通さん!! こういう知性を感じさせない言葉は言いたくないのだが……」

 その前に、既に美獣ケンプとなったケンプが立ちはだかり、額に手を当て、目をつぶって哲学者のように重々しくつぶやいたあと、

 
 ケンプ「くたばれ!!」

 カッと目を見開いて吼える。

 そして胸の目の部分から電撃ビームを放ち、

 
 三人のまわりを火の海に変える。

 三人はともかくライブマンに変身して応戦するが、ケンプとバラバラヅノーの連携攻撃は凄まじく、猫にもてあそばれる鼠のように、一方的に痛めつけられる。

 
 星「しっかりするんですよ」
 女性「あ、ああ……」

 一方、星博士は、重傷の身でありながら、ストレッチャーに女性を乗せて、必死にその廃墟から運び出そうとしていた。

 ライブマン、それでも反撃に出て相手が怯んだところを、

 レッド「バイモーションバスターだっ」

 レッドの掛け声に応じて、三人のヘルメットの「目」が光ると、頭上に「チェンジマン」から定番となった必殺武器の大砲バイモーションバスターが出現し、それを三人で担いで撃ち、バラバラヅノーを見事撃破する。

 だが、ホッとしたのも束の間、

 
 ガッシュ「ギガファントム!!」

 ガッシュが抱えた巨大な筒状のアイテムから特殊なエネルギー波が発射され、一度死んだバラバラヅノーを巨大化させて復活させる。

 つまり、ガッシュは、過去のオケランパやギョダーイなどと同様、怪人を巨大化させる役割も担っているのである。

 ケンプ「この島には愚か者どもの命のかけらも残してはならん」

 ケンプ、博士たちの存在に気付いており、バラバラヅーにその抹殺を命じる。

 レッド「そうはさせん!!」

 レッドたちはその場でジャンプして、果敢にも巨大化したバラバラヅノーに戦いを挑むが、三人は敵の体に触れることさえできず、その右腕のひとふりで吹っ飛ばされ、岩場の上に落ちて変身も解けてしまう。

 と、痛みに顔をしかめていた丈の視線が、希望岬に立つ灯台をとらえる。

 
 丈「希望岬の沖1マイル……博士の秘密基地」
 勇介「よし、いくぞ」

 三人はウェットスーツとアクアラングをつけて(何処にあったんだ、そんなもん?)海へ潜り、指定された場所の海底にあったグラントータスと言う移動式の秘密基地の中に入る。

 
 そこで彼らを待っていたのは、クーニャンをイメージしたようなアンドロイド・コロンであった。

 めぐみ「あなたは?」
 コロン「私の名はコロンです。星博士に作ってもらったロボットです。さあ早くこちらへ」

 詳しい話はあとにして、コロンは三人を壁のモニターの前に呼び寄せる。

 コロンがボタンを押すと、それらのモニターに、彼らの作ったメカの設計図が表示される。
 
 めぐみ「私たちのメカにこんな合体システムがあったなんて!!」
 勇介「博士が言ってた三つの力を合わせると言うのはこのことだったんだ」

 三人を陰ながら支えようとした星博士は、グラントータスやコロン以外にも、三人が開発したメカに、こっそり合体システムを組み込んでおくと言うサプライズを仕掛けておいたのだ。

 いや、どう考えても無理だと思うんですが……

 でも、基地や合体システムは別にして、ライブマンって、強化スーツはおろか、メインのメカまで自前で用意しているのだから、戦隊シリーズ史上、一番優秀なメンバーだと言えるのではないだろうか。

 それはともかく、コロン、左胸の蓋を開けると、そこからあるものを取り出す。

 コロン「このフロッピーディスクで合体システムが作動します」
 勇介「これで?」

 
 めぐみ(いや、これ、コンパクトディスクなのでわ……?)

 思わず心の中でツッコミを入れるめぐみだったが、嘘である。

 間違ってもフロッピーには見えないのは事実だけど。

 一方、地下道(?)をストレッチャーを押して懸命に避難中の星博士であったが、バラバラヅノーや戦闘機の激しい攻撃で、天井が割れ、巨大な鉄骨が降って来る。

 星「ああっ!!」

 その鉄骨がまともに背中に当たり、歯を食い縛って激痛に耐える博士。

 
 星「頑張るんですよ、生まれてくる命のために……」
 女性「博士、博士!!」

 星博士、最後に女性にそう語りかけると、その場に崩れるように腰を下ろし、一瞬微笑むと、そのまま息を引き取る。

 その笑みは、自らを犠牲にして女性と生まれてくる命を守った満足感からであったのだろう。

 この後、ライブマンがなんとか「初めての合体」を成功させ、巨大ロボット・ライブロボとしてバラバラヅノーと戦い、これを撃破する。

 戦いの後、どこからか赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。

 見れば、あの女性が、生まれたばかりの赤ん坊を抱いてこちらに歩いてくるではないか。

 どうやら自力で分娩したらしいが、なかなかワイルドな女性であった。

 めぐみ「生まれたんですねっ」
 丈「あの、博士は?」
 女性「……」

 丈の言葉に、つらそうに俯くと、博士の最期の言葉を脳裏に思い描きながら、

 女性「自分の命と引き換えに、私とこの子の命を守ってくださったのです」
 勇介「博士……」

 勇介が悔しそうに呻くと、コロンも、なんとなく悲しそうな目で海上を飛ぶ海鳥を追いかける。

 
 勇介「ありがとう博士、命を守ることがどういうことか、教えてくださったんですね」
 丈「俺たちは地球を守ります、生きとし生けるものの全てを守り抜きます」
 めぐみ「誓います……この小さい命に」

 ひとりひとり悲壮な顔で決意を口にした後、三人揃って海の彼方を見詰めているところで「つづく」のだった。

「超獣戦隊ライブマン」 第1話「友よ君達はなぜ?!」

2025-02-01 20:02:16 | 超獣戦隊ライブマン
 第1話「友よ君達はなぜ?!」(1988年2月27日)

 冒頭、太平洋のど真ん中に浮かぶ小さな島、アカデミア島の衛星画像、ついで科学アカデミアの外観、海岸をランニングしている様々な人種で構成される若き研究者たちの様子が映し出される。

 
 ナレ「島にある科学アカデミアでは、世界中から選ばれた優秀な若者たちが星博士のもと、地球の未来を担う、最先端科学を学んでいる。そして学ぶ傍ら、若者たちは国連科学省の巨大プロジェクト・巨大衛星スペースアカデミア号建造計画に若い夢を燃やしていた」

 アカデミアの中心人物と思われる星博士を演じるのは、特撮界のレジェンドのひとり、伴直弥さん。

 だが、そんなある日、

 
 月形「星博士、こんな宇宙衛星の設計なんて馬鹿馬鹿しくてやってられませんよ」

 授業中、月形剣史と言う生徒が不意にそんなことを言い出し、プリントアウトした設計図を博士の前で破り捨てて見せる。

 勇介「月形!!」

 と、尾村豪と仙田ルイと言う生徒も立ち上がり、月形の意見に賛成であることを示す。

 
 尾村「そうです、確かに馬鹿馬鹿しい」

 
 同じ教室にいためぐみと丈が、険しい視線を三人に向ける。

 このめぐみのクールな横顔、綺麗過ぎる……

 だが、星博士は穏やかな口調で、

 星「月形君、スペースアカデミア号での宇宙実験が可能になれば地上では出来ない様々な成果が期待される。新しい薬や新しい食料、病気や飢えに苦しむ人たちがどれだけ救われることか」

 諄々と、スペースアカデミア号の意義を説いて聞かせる。

 
 卓二「そうだ」
 麻理「そうよっ」

 準レギュラー(……と言うほど出番はないが)の矢野卓二と相川麻理が、立ち上がって月形たちを非難する。

 星「それをみんなでやるんだよ、人々の幸せのために」
 ルイ「愚かな人間のことなど考える必要はないわ」
 尾村「僕たちはもっともっと高度な科学を極めたいのだ」

 星博士の言葉にも耳を貸さず、三人は敵意に満ちた眼差しを向け、勝手に教室を出て行く。

 それからも三人はアカデミアに在籍していたようだが、ある夜、VOLTと言う謎の組織からの誘いを受け、人知れず校舎から出て行く。

 一方、勇介たちと卓二たちは、共同で、船外活動用強化スーツの実証実験を行っていた。

 背中合わせになった装着用カプセルには一度に二人しか入れず、卓二と麻理が、丈とめぐみを押し退けてその中に入ってしまう。

 卓二「やったー、船外活動強化スーツの実験第1号は俺たちに決まり」
 丈「卓二、そりゃねえよ」
 麻理「うふふ、情熱の差よね、めぐみ、どうしてもスペースアカデミア号に乗りたいって言うこの熱いハートの差!」

 と言う訳で、早速実験が開始されるが、

 
 設計ミスか、操作ミスか、高速で回転していたカプセルはまばゆい光を放ったかと思うと、激しい爆発を起こしてしまう。

 その衝撃でまたしても吹っ飛ばされる三人。

 見れば、背後の壁に大穴が開いて、カプセルが消えていた。

 三人は慌てて駆け寄り、心配そうに穴から下の地面を覗き込む。

 丈「卓二、だいじょぶかーっ?」
 めぐみ「麻理ーっ!!」

 三人が大声で呼びかけていると、やがて、銀色のスーツをまとった卓二と麻理が意識を取り戻して立ち上がる。

 
 卓二「見てくれ、このスーツを」
 麻理「成功したよーっ!!」

 三人に向かって得意気にピースサインを作る卓二たちだったが、これを成功と言って良いのだろうか?

 確かにスーツは装着されてるけど、カプセルもバラバラに壊れているのだが……

 と、急に強い風が吹き出したかと思うと、彼らのそばにあった時計が物凄いスピードで逆回転を始める。

 ついで、三角形の翼を持った飛行機が学校の敷地内に着陸し、ハッチが開いて地面に固定され、スロープ状のタラップとなる。

 そして、あらかじめそれを知っていたかのように、いそいそとタラップを駆け上がったのが、月形たち三人であった。

 
 勇介「月形!!」
 月形「……」

 勇介の声に立ち止まって振り返る三人。

 勇介「一体君たちは?」
 月形「……」

 月形は勇介の問いに答える代わりに、懐から特殊な形をした銃を取り出し、彼らに向けて撃ってくる。

 
 卓二「あぶないーっ!!」

 咄嗟に卓二と麻理が両手を広げて前に飛び出し、勇介たちを庇ってその胸にレーザーを受ける。

 強化スーツが爆発し、二人はその場に倒れる。

 月形たちは科学アカデミアのメンバーの証であるワッペンを引き千切ると、さっさと飛行機の中に入り、あっという間に虚空の彼方へ飛んでいく。

 勇介たちは、地面に横たわっている卓二と麻理に駆け寄るが、二人とも、既に絶命していた。

 勇介「何故こんなひどいことを……」
 めぐみ「麻理!! どうして、どうしてーっ!!」

 親友の遺体を抱き締めて慟哭するめぐみたち。

 天も、前途ある若者の非業の死を嘆いているのか、にわかに雷鳴が轟き、沛然と強い雨が降ってきて、生者と死者の体を冷たく濡らす。
 
 騒ぎを聞きつけたのか、そこへ星博士もやってきて、突然の悲劇を目の当たりにして、言葉もなく立ち尽くすのだった。

 彼らは知る由もなかったが、月形たちの乗った飛行機は宇宙船であり、一気に大気圏外に飛び出すと、静止衛星軌道上に我が物顔で居座る、漆黒の宇宙ステーション、ヅノーベースに帰還する。

 月形たちの身に何が起きたのか手掛かりすら掴めないまま、瞬く間に二年の月日が流れ、早くも勇介たちの卒業式の日がやってくる。

 ま、卒業式と言うか、正確には、完成したスペースアカデミアの打ち上げが行われる日が到来したのだ。

 星「これよりスペースアカデミア号の乗組員を発表します。飯塚秀夫、メアリー・チャールズ……」

 セレモニー広場に並んだ制服姿の生徒の前で、壇上の星博士がひとりひとり名前を読み上げていく。

 
 名前を呼ばれた生徒は、ガッツポーズをしたり叫んだり、思い思いの方法で喜びを爆発させる。

 無論、勇介たちも列の中にいたのだが、何故か彼らの名前は読み上げられず、三人もそのことをあらかじめ知っていたかのように険しい表情を崩さない。

 星「……サミー・フォー、山内俊哉……以上の人たちです」

 星博士の言葉が終わるや否や、アメリカの学生のように帽子を空に向かって投げ、大いに盛り上がる生徒たち。

 続いて、ブラスバンドの演奏で、彼らの旅立ちを祝うパレードが行われるが、

 
 勇介たち三人は人知れず広場から去り、賑やかな演奏を遠くに聞きながら、悲しみに満ちた面持ちで、海を見下ろす眺めの良い丘に建てられた二基の墓地に花を供えていた。

 無論、卓二と麻理の墓である。

 勇介「遂にアカデミア号が完成したよ。でも僕たちは君たちの仇を取ることを決して忘れちゃいないから」

 と、そこへ星博士があらわれ、

 星「やあ、私も報告に来たくてね」

 墓の前にしゃがんで、静かに手を合わせる。

 
 めぐみ「博士、この二人をスペースアカデミア号に乗せてください。この二人どれだけ乗りたがってたことか……」
 星「そうか」

 涙で目を赤くしためぐみが、掠れた声で、墓碑に飾られていた二人の写真を博士に託す。

 その後、いよいよスペースアカデミアの打ち上げシークエンスが開始される。

 星博士や管制担当官たちの見守る中、無事にスペースアカデミア号は、轟音を響かせて大地から飛び立つ。

 
 めぐみ「あっははっ」

 制服から、番組内でのコスチュームに着替えた三人も、丘の上からその瞬間を目撃し、感動していた。

 だが、それも束の間、突然上空に数機のトンボのような形をした戦闘機があらわれ、上昇中のスペースアカデミア号に襲い掛かる。

 何の武装もないスペースアカデミア号は戦闘機のレーザービームの餌食となり、炎に包まれながら落ちて行く。

 めぐみ「みんなが、みんながっ!!」

 人類の夢と希望を乗せたスペースアカデミア号は発射からわずか数秒で無残な鉄の塊となり、都市部に落下して大爆発を起こす。

 
 戦闘機は地上にも攻撃を開始し、平和な学術都市は、一瞬にして戦場と化してしまう。

 丈「勇介、奴ら一体何者なんだ?」

 と、丈の問いに答えるかのように、一機の戦闘機が彼らの前に着陸すると、二年前と同じようにハッチが開いて、その奥に三人の人影があらわれる。

 
 彼らはゆっくりとタラップを降り、廃墟と化した地上を征服者のように闊歩するが、衣装は違っても、それは紛れもなく月形たちであった。

 勇介「月形!!」
 ケンプ「ほお、下等生物は生命力が強いな」

 月形も勇介たちに気付き、足元の花を踏みにじりながら感心したようにつぶやく。

 勇介「黙れ!! 貴様らこそ、それでも人間かーっ!!」
 月形「あの日から俺たちは人間を捨てたのさっ」

 ここで、二年前のヅノーベースの映像が映し出され、

 
 月形「あなた様は……大教授ビアス!!」

 三人が、ビアスと言う謎の男に感激の対面を果たした様子が描かれる。

 本作のボスであるビアスを演じるのは、「フラッシュマン」のサー・カウラーこと、声優の中田譲治さん。

 
 ケンプ「俺は武装頭脳軍ボルトのドクター・ケンプとなったのだ」

 大幹部のリーダー格であるケンプを演じるのは、これまた「フラッシュマン」のレー・ワンダ役の広瀬匠さん。

 
 マゼンダ「そして私はドクター・マゼンダ!!」

 マゼンダ役は、来栖明子さん。

 
 オブラー「ドクター・オブラー」

 ひとりだけあまり変化のない尾村豪ことオブラー役は、「スケバン刑事3」にも出ていた坂井徹さん。

 勇介「お前たち……」
 ケンプ「地球は真の天才、大教授ビアスを中心とした天才だけによって支配されねばならん」
 マゼンダ「そのためにお前たちのようにクズを掃除しに来たのさっ」
 マゼンダ「フィンガーガン!!」

 全身武器女と化したマゼンダ、右手の人差し指を伸ばすと、その先端からマシンガンを撃つ。

 丈「どうなってんだ?」
 マゼンダ「あーっはっはっはっはっ」
 ケンプ「美獣ケンプ!!」

 ついで、ケンプが叫んで体を一回転させ、全身を痙攣したように細かく震動させると、徐々にその体が異形の怪物の姿に変化していく。

 
 なお、完全に変身する前の段階のこのポーズが、

 ケンプ「ま、ま、皆さん、ここは一旦落ち着きましょう!!」

 と、盛り上がり過ぎた忘年会の幹事が、みんなを静かにさせようとしているように見えてしょうがない管理人であった。

 
 最終的に、美獣ケンプと言う怪人になってしまうケンプ。

 丈「バケモンか、てめえ?」

 それを見て、身も蓋もない反応を示す丈。

 ケンプ、背中の数珠のような部位からレーザー手裏剣のようなものを飛ばして三人の周りで爆発させる。

 ケンプ「見たか、大教授ビアスのもとで二年間身につけたこの科学力を?」

 だが、勇介、取り乱すことなく、ゆらりと立ち上がると、

 
 勇介「お前らに二年の月日があったなら、俺たちにも二年の月日があったんだ」

 勇介を演じるのは、リーゼント界のカリスマ、嶋大輔さん。

 
 めぐみ「二年前、あなたたちが宇宙へ消えてから私たちは外敵の存在を確信した。そしてひそかに準備してたのよ」

 めぐみを演じるのは、説明不要の森恵さん。

 
 丈「卓二と麻理、そして多くの仲間や人々の仇を今晴らしてやるぜ」

 丈を演じるのは西村和彦さん。

 勇介「俺たちはな、生きとし生けるものを守る戦士!!」

 ここでひとりずつ変身ポーズを決め、超獣戦隊ライブマンとしての姿となる。

 
 三人「超獣戦隊ライブマン!!」

 この、敵だけでなく、視聴者の意表もつくサプライズ、鳥肌が立つほどにカッコイイ!!

 三人が、祝典の間も険しい表情を崩さなかったのも、このための伏線だったと思えばますます燃える名乗りシーンとなるのです。

 ファルコン「この強化スーツ、二年前のものとは違うぜ」

 また、定番の強化スーツが、例の船外活動用の宇宙服を改造したものだというのも、実に説得力のある設定である。

 さすがに驚くケンプたちであったが、とりあえず戦闘員(ジンマー)を呼び寄せて戦わせる。

 だが、実戦は初めてとなるライブマン、腕や首を切られても襲ってくるロボット戦闘員を相手に苦戦する。

 イエローライオンがケンプに吹っ飛ばされた後、レッドファルコンとブルードルフィンは、マゼンダが体のいたるところから繰り出す強力な砲撃に手も足も出ない。

 ケンプ「ライブマン、これまでだな」
 マゼンダ「死になさい」

 1話目にして早くも絶体絶命のピンチが訪れるが、この時突然大地が揺れ動いたかと思うと、どこからか、巨大な四本足のライオン型ロボットが疾駆してきて、その震動でケンプたちを「なーんやそれーっ!」的なポーズで引っ繰り返す。

 合体して、戦隊ヒーローには欠かせない巨大ロボになるメカのひとつ、ランドライオンである。

 操縦しているのは勿論、イエローライオン。

 戦闘機はイエローライオンと空中戦を繰り広げる一方、執拗にレッドたちに空爆を加える。

 と言う訳で、今回は決着がつかないまま、勝負の行方は第2話へ持ち越されるのであった。