空井戸

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読売の「ひどい」と朝日の「大惨事」

2006-11-19 16:09:56 | Weblog
`disaster' をどう訳すかってことだけど。

英首相、イラクの状況「ひどい」と認める : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 【ロンドン=森千春】ブレア英首相は17日放送されたカタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」英語放送のインタビューに答えて、イラク戦争後の同国が「ひどい」状況になっていると認めた。

 英国内では、首相がこれまで以上に率直に、イラクの治安悪化の事実を肯定したと受け止められている。

 アル・ジャジーラ英語放送は15日に開始されたばかりで、ブレア首相の登場は、同放送の重要性を認識している表れだ。

 首相は、イラクの治安悪化について「一方で国際テロ組織アル・カーイダとイスラム教スンニ派武装勢力が、他方でイランの影響下にある勢力と結びついたシーア派民兵が、意図的に引き起こしている」と説明した。英軍駐留については、「イラク政府が必要としている限り続ける」と従来の立場を繰り返し、早期撤退の観測を打ち消した。

 英首相府報道官は、首相の発言について、「ひどい」と自ら表現したのではなく、インタビュアーの質問を肯定した点を指摘。発言の波紋が広がらないように躍起となっている。
(2006年11月18日22時26分 読売新聞)


asahi.com:「イラクは大惨事」英首相認める 戦略失敗は否定 - 国際

2006年11月18日21時22分

 ブレア英首相は17日、中東の衛星テレビ、アルジャジーラの報道番組で、ブッシュ米政権とともに主導したイラク戦争以来の事態を「大惨事」と認めた。1年以内に辞任する意向を表明している首相は、残る任期の最優先課題として中東情勢の改善を掲げており、敵視してきたシリアやイランにも「建設的役割」の期待を表明。与野党からは「対イラク戦略の失敗」を批判する声が強まるばかりだ。首相はイラクの泥沼に足をすくわれたまま、任期切れを迎えそうだ。

 ブレア首相の発言は、アルジャジーラの英語放送の開局を記念して行われた。首相はイラク戦争中、米英に批判的な現地報道を続けた同テレビに繰り返し不快感を表明してきたが、イスラム世界での影響力を念頭にインタビューに応じたとみられている。

 同テレビの看板記者から「イラクへの介入はこれまでのところ大惨事をもたらしたのではないか」と問われ、ブレア首相は「そうだ」と回答。その上でイラクの混乱は、米英側の戦略に問題があったから広がったのではなく、責任は「戦争を望む少数派の(国際テロ組織)アルカイダと協力するスンニ派武装組織と、イランを後ろ盾とするシーア派民兵」にあると主張した。

 またシリア、イランに対してはテロ支援をやめ、イランには核不拡散の国際的な義務を守って中東で「建設的な役割」を果たすよう求めた。

 こうした発言に対し、イラク戦争に反対してきた第3党、自由民主党のキャンベル党首は「首相はようやく、イラクに対する武力行使を大罪と認めた。戦略を誤ったのは明らかだ」と批判。英議会と国民に対し謝罪を求めた。

 政府や与党労働党にも対イラク戦略への批判は広がっている。17日付の英地方紙によると、ホッジ閣外相(貿易担当)は党の内輪の集会で、首相のイラク外交は「大きな過ちだった」と語り、物議を醸している。

 また、英軍はイラクの約7000人に加え、アフガニスタンにも4000人以上を派遣しており、要員や装備の不足も顕在化。陸軍トップのダナット参謀総長が、英軍のイラク駐留長期化によりかえって治安が悪化していると異例の警告を発するほど不満が募っている。

 そんな中、ブレア首相の後継候補であるブラウン財務相は18日、初めてイラク入りし、英軍の駐屯地を訪問した。サレハ副首相との会談では追加経済支援を約束。財務相の職責を超える外交や治安などの分野でも積極的に発言し始め、「ブレア後」を見据えて徐々に存在感を増している。

最後に、`FROST OVER THE WORLD' という Al Jazeera の番組で David Frost が Tony Blair に対して行った実際のインタビュー記事はこちら。

Interview with Tony Blair - FROST OVER THE WORLD - Al Jazeera English - Programmes


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