24-172「魔界転生」（日本）

エロイムエッサイム、我は求め訴えん

　寛永十五年、徳川幕府のキリスト教弾圧に端を発した島原の乱は、天草四郎時貞を中心に、二万人近い信者が惨殺された。

　その夜、四郎の首は雷鳴とともに甦った。怨みをはらそうとする四郎は、やはり、生前に裏切られたり夢を果たせなかった人々を集めて、幕府に復讐を企てた。細川ガラシャ夫人、宮本武蔵、宝蔵院胤舜、伊賀の霧丸、柳生但馬守宗矩たちが集まった。

　頻繁に起る不思議な事件を、柳生十兵衛は魔界から甦った化者たちの仕業とつきとめた。（「作品資料」より）

 

　１９８１年製作、公開された作品。

　「うる星やつら２　ビューティフル・ドリーマー」に続いて〝新宿東口映画祭〟にてリバイバル公開され、初鑑賞。

　島原の乱によって命を落とした天草四郎が、魔界の力によって蘇り、徳川幕府に復讐を果たそうとするオカルト時代劇。

　天草四郎は、同じようにこの世に未練、怨みを残したまま死んだ細川ガラシャや宮本武蔵を蘇らせ、幕府に立ち向かっていこうとする。

　魔界の力を察知した柳生十兵衛が、天草四郎たちに立ち向かう。

　天草四郎が蘇らせた者たちは、自分たちが残したままの未練を成就すべく行動する。

　ガラシャは夫で裏切られた細川忠興の代わりに将軍家綱を妖艶に誘い込み、政が進まぬように仕掛ける。

　武蔵はまだ剣を交わしていなかった柳生十兵衛親子との対決を望む。

　天草四郎は百姓たちを扇動、江戸に向かわせ、幕府の崩壊を目論む。

　細川ガラシャの肢体などエロティックなシーンも多かった。

　魔界の力で蘇った者たちだが、刀で斬られたりすると普通に死んでしまうんだな。

　最後は柳生十兵衛が江戸城に攻め込んできた天草四郎たちと対決。

　ラストはこれで終わるのかという最後で、今なら続編を考えての締めだと思ってしまうな。

　千葉真一や緒形拳、若山富三郎など今は亡き俳優たちも出演している１作。

　オカルト風味の時代劇で、エンターテイメントとして面白い１本だった。

/５

監督：深作欣二

出演：沢田研二、千葉真一、真田広之、若山冨三郎、緒形拳、佳那晃子、室田日出男、松橋登、成田三樹夫、神崎愛、丹羽哲郎

於：新宿武蔵野館