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CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

20-083「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」(フランス・ベルギー)

2020年03月03日 01時25分11秒 | フランス映画
自分の物は自分で守れ
 世界的ベストセラー『デダリュス』3部作の完結編『死にたくなかった男』の出版権を獲得した出版社社長エリック・アングストロームは、世界同時出版することを大々的に発表する。
 さっそく各言語の翻訳者9人がフランスの豪邸に集められ、一斉に翻訳作業を始めることに。しかしそれは、情報流出を防止するため、携帯やPCなどの通信機器を没収された上、広大な地下室に監禁され、完全監視の中で行わなければならなかった。
 ところが、そんな厳重な漏洩対策が施されていたにもかかわらず、ある日ネットに作品の冒頭10ページが流出する。そしてアングストロームのもとには“24時間以内に500万ユーロを払わなければ、次の100ページも公開する”との脅迫メールが届く。
 ごく限られた者しか原稿にアクセスできないことから、翻訳者の中に犯人がいると確信し調査に乗り出すアングストロームだったが。(「allcinema」より)


 世界的ベストセラーの3作目を世界同時出版するため、9カ国の翻訳家が一堂に集められ、ほぼ監禁状態で作業を進めることとなる。

 しかし、その作品の冒頭10ページが何者かによって流出し、出版社社長エリックの元に脅迫メールが届く。

 エリックは、翻訳家の中の誰かが犯人だと考え、それを見つけ出そうと躍起になるが、それを嘲笑うかのように次の100ページが流出する。

 果たして、犯人は翻訳家たちの中にいるのか。

 物語は、監禁された翻訳家たちの様子とエリックの犯人捜しを描きながら、途中、留置場でのエリックと犯人との会話が並行して描かれるようになる。

 もちろん留置場の会話では、最初犯人だという者の姿は映し出されない。

 集まった翻訳家たちも、どこか怪しげな様子を見せており、特にこの作品にのめり込んでいるカテリーナや、一番年少であるアレックスなどは、何かしら目的があるような感じを受ける。

 終盤は、留置場でエリックと面会している者の正体も明らかとされるが、そこから監禁されていた翻訳家たちの運命、そして原稿流出の真実が明らかになっていく。

 出版社の社長がそこまでやるのかという展開になっていくが、更に本当に隠されていた真実の露呈という展開ともなっていく。

 本当に明らかにしたかった真実というのは、最後に明かされたものだったのかもな。

 翻訳家たちが監禁されている中で起こった原稿流出。
 その真実も気になる展開であったが、更にそこから掘り下げられる隠された真実。

 アッと驚く真実の露呈というわけではなかったが、それが明かされるまでの展開は緊迫感を煽って面白い展開だった。

 ベストセラーというのは金を生み出すものであり、悲劇を生み出すものでもあるんだな。

/5

監督:レジス・ロワンサル
出演:ランベール・ウィルソン、オルガ・キュリレンコ、リッカルド・スカマルチョ
   シセ・バベット・クヌッセン、エドゥアルド・ノリエガ、アレックス・ロウザー
   アンナ・マリア・シュトルム、フレデリック・チョー、マリア・レイテ
   マノリス・マフロマタキス、サラ・ジロドー、パトリック・ボーショー
於:ヒューマントラストシネマ有楽町


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