世界は美しいんやろか
湖畔に建つ介護施設で、100歳の老人が何者かに殺害された。事件の捜査を担当する西湖署の若手刑事・濱中圭介とベテラン刑事・伊佐美佑は、施設関係者の中から容疑者を挙げて執拗に取り調べを行なっていく。
事件が混迷を極めるなか、圭介は捜査で出会った介護士・豊田佳代に対して歪んだ支配欲を抱くように。
一方、事件を追う週刊誌記者・池田由季は、署が隠蔽してきた薬害事件が今回の殺人事件に関係していることを突き止めるが。(「作品資料」より)
滋賀県が舞台になっているので、湖は琵琶湖のことだろうな。
その湖畔にある介護施設で100歳の老人が死亡するが、殺人事件と断定され、刑事の濱中と伊佐美が捜査にあたる。
2人はある介護士を容疑者として執拗に取調を行うが、それは人権を無視した過剰なもの。
濱中はそれとは別に介護士の佳代に近づいていく。
佳代を犯人と疑っているのか、女性として興味があるのか。
やがて2人の関係は倒錯的なものになっていく。
佳代が犯人なのかと疑ったところで、週刊誌の記者、池田がかつて隠蔽された薬害事件と施設の事件の繋がりを示唆するものを見つける。
池田は取材を進めていくと、驚くべき事実に突き当たり、それは国家をも揺るがしかねないものであることが判る。
果たして犯人は誰なのかが気になると共に、濱中と佳代の歪んだ関係の行方も気になる展開。
警察署自体が歪んでしまい、それがまるで戦中の頃のような様相を見せる。
これが隠されていた戦中のある事実とリンクしているよう。
大規模な事件なのかと思っていたら、終盤真実を仄めかすような展開になる。
スッキリすることはなく、全てが泥に塗れたような話であるが、面白い作品だった。
どことなく、濱中も佳代も伊佐美も池田も不器用な感が見受けられたな。
/5
監督:大森立嗣
出演:福士蒼汰、松本まりか、福地桃子、近藤芳正、平田満、根岸季衣、菅原大吉、財前直見、三田佳子、浅野忠信
於:シネ・リーブル池袋
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