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アジアインフラ投資銀行に欧米が前向きになっている訳
2015年03月24日 15:17 小笠原誠治
アジアインフラ投資銀行に対する主要先進国の態度がここにきて大きく変わり始めたようなのです。だって、米国までもが参加の可能性を仄めかしているのです。
米国のシーツ財務次官が次のように述べたと報じられています。
「国際金融の強化につながる新しい金融機関は歓迎する。世界銀行やアジア開発銀行などの既存の機関と共同で融資事業を行うことが高い基準の徹底につながる」
この米国の態度の変化を受けてかどうか知りませんが、麻生副総理の発言も微妙になってきています。
「われわれがこれまで申し上げていることがきちんと確保されるかどうかを見極めないといけない。参加には極めて慎重な立場だ」
「インフラの絶対量が足りないということに関してはみんな認めている。アジアの開発、インフラに関して、両方で一緒にやっていくという関係が最も望ましいが、ルールが全然違えばなかなかそういったことにならない」
「(参加の可否について)マルとかバツとか言える段階にはない」
どう思いますか?
私は、マルかバツかを問われるならば、はっきりとバツと言うべきだと思うのです。だって、マルをつける理由が何も見当たらないからです。
私が、こんなことを言うと、そうなれば日本が孤立化してしまうという人がいると思います。
確かに、欧州勢はこのアジアインフラ投資銀行への参加に積極的になっているのは事実ですが、しかし、それは我が国と全く状況が違うからそのような態度でいられるのです。
つまり、英国を始めとする欧州勢は、このアジアインフラ投資銀行に参加することによって何も失うことがないどころか、もし参加しなければ中国のご機嫌を損なう恐れがあるのです。
では、我が国はどうか? 我が国は、もし、このアジアインフラ銀行に参加するならば、我が国が中心となって運営を行っているアジア開銀の存在意義を薄めてしまい、また、それによって我が国のプレゼンスも大きく低下してしまうでしょう。
そして、その一方で、中国としては、アジアインフラ投資銀行に日本が参加しなくても全然構わない、と。
つまり、中国は敢えて日本の利益を侵害する行為に出ているのに、その中国の利益になるようなことをするのか、ということなのです。
いいでしょうか? 欧州や米国は、アジアインフラ銀行だから、まあ設立を認めてもいいやとなっているのです。これが自分たちの利害に大きく関係する世界銀行やIMFと競合する組織であれば、こんなに容易く賛成するはずがないのです。
つまり、欧米は、日本との関係よりも中国との関係を重視したいということなのです。
ですから、欧米がアジアインフラ銀行に参加するからといって、日本も参加すればいいなんて話にはならないのです。むしろ、アジアインフラ銀行に参加することによって、アジア開銀の存在意義は低下し、日本のプレゼンスも低下する、と。
しかし、麻生副総理は、アジア開銀とアジアインフラ投資銀行の関係は「ゼロサムではない」と言っています。
貴方もそう思いますか?私はそうは思いませんし、誰の目からみても中国の意図は、アジアにおける開発金融のリード役を日本から奪おうとしていることは明らかではないですか。
自分たちが散々お世話になったアジア開銀に対して恩返しをするどころか、その競争相手を作り上げようとしている中国。
これでいいのでしょうか?
こんなことでは世の中益々おかしくなるばかりです。
http://blogos.com/article/108598/
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