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どうも
腐女子の ゆゆ
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京介「桐乃が太っちまった…」

2013-05-25 13:09:59 | 俺の妹がこんなに可愛いわけがない

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 00:39:47.08 ID:icGwIzzH0

―――高坂家リビング

京介「桐乃、おまえ最近ちょっとデブったんじゃねえ?」

桐乃「はあ!?どこが!」

京介「いや、腹の辺りとかさ……プヨンとしてんぞ」

桐乃「こ、これは……違うの」

京介「なにが?あきらかに腹出てきてんだろ」

桐乃「だから、違うって言ってんじゃん!」

京介「んじゃ、その腹はなんだ」

桐乃「えぇと……これは、その…」

京介「これは?」

桐乃「……あんたに関係ないっしょ」

京介「いや、そりゃそうだけどよ……モデルの仕事とか大丈夫なのか?」

桐乃「うっさいなー!ほっといてよ!」

スタスタスタ
ガチャ…バタンッ

京介「なんだ、あいつ?」




9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 00:44:13.00 ID:icGwIzzH0

――――

俺の名前は高坂京介。自分でいうのもなんだが、ごく平凡な男子高校生である。
平凡を愛し普通の人生を送るため、なるべく無難な選択肢を選んできたつもりだったのだが………
去年の夏、妹からされた人生相談をきっかけに俺の人生は大きく変化することになる―――

ところで最近、桐乃の様子がおかしい。
さっきの腹のこともそうなんだが、何か隠してるような………
あいつ……俺に隠さなきゃいけないことでもあるのか?

………よし。
桐乃のことなら、あいつに相談してみるか。



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 00:47:49.21 ID:icGwIzzH0

―――公園

京介「よう、あやせ久しぶりだな」

あや「お久しぶりです、お兄さん」

あや「わたしに聞きたいことがあるんですよね?」

京介「おう、そうなんだ。えと…桐乃のことなんだけどさ、」

あや「桐乃がどうかしたんですか!?」

京介「お、落ち着け!首が絞まって、る……グェッ」

あや「あっ、すみません……大丈夫ですか?」

京介「はぁはぁ………こ、殺す気か!?」

あや「謝ってるじゃないですか!」

京介「逆ギレ!?」

あや「で、どういうことなんです?」

京介「いや、桐乃の様子が最近おかしい気がしてさ」

あや「と、言いますと?」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 00:51:16.34 ID:icGwIzzH0

京介「あいつ…最近太ってきてる気がするんだよ」

あや「……なるほど。そのことですか」

京介「何か心当たりがあるのか?」

あや「心当たりというわけではないんですが………それと太ったというのは少し違うと思います」

京介「そうか?太ったわけじゃないんなら、モデルの仕事もちゃんとやってるってことなのか?」

あや「いいえ、休んでますよ。………部活も、モデルのお仕事も」

京介「部活も休んでるのか!?」

あや「はい……桐乃ってば太ったわけじゃなくてお腹だけ出てると思いませんか?」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 00:52:00.89 ID:ebJQONOM0

まさか・・・



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 00:54:48.29 ID:icGwIzzH0

京介「そう言われてみると………たしかに」

あや「学校では元気なんですけど、あの娘何か隠してるんだと思うんです」

京介「隠してる……やっぱりおまえもそう思うか?」

あや「はい。わたしたちにも言えないようなことを隠してると思います………お兄さん」

京介「ああ、わかってる。……なんとか調べてみるよ」

あや「お願いします……お兄さんのご相談だったのに、逆にわたしがお願いすることになってすみません」

京介「なに、気にするな。桐乃のことは俺に任せてくれ」

京介「さくっと解決してみせるさ」

あや「はい、お願いします!」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 00:58:39.44 ID:icGwIzzH0

――――

俺に任せろ――なんて言ったものの、あやせからはこれといった情報が手に入らなかったな………
あやせの言うとおり、桐乃は太ったというより腹だけぽっこり出ているのも気になる。
さて、こうなったらやっぱり直接本人から聞くしかないか。

しかし、あいつが素直に教えてくれるとも思えない。
この前も逃げられちまったし、どうしたもんかな………
よし……まずは探りを入れてそこから聞き出してみよう。

そうして俺は妹の部屋に足を運ぶのだった――――



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:02:29.11 ID:icGwIzzH0

―――桐乃の部屋

コンコン

ガチャ…

桐乃「……なに?」

京介「よう、おまえ今なにしてんの?」

桐乃「エロゲー」

京介「相変わらずだな……あのさ、俺も一緒にやっていいか?」

桐乃「な、なに……?興味あんの………?」

京介「まあな」

桐乃「……ふうん。んじゃ、入れば」

京介「おう」


よし……ひとまずは作戦成功か。
あとはタイミングを見計らって切り出せばいいだろう。

それまではエロゲーに付き合うとしますかね。



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:05:54.74 ID:icGwIzzH0

京介「んで、今回はどんなゲームやってんだ?」

桐乃「にひひ~……これ!」

京介「えーと、なになに………【妹孕ませっくす】……」

桐乃「略していもはら!」

京介「ひでえタイトルだなぁ、おい!」

桐乃「これはね15日の限られた期間に新しい命を宿さないといけないの」

京介「……妹にか」

桐乃「うん!」

京介「はぁ……」

桐乃「なに?文句でもあるワケ?」

京介「いや、そんなことはないぞ?んじゃ始めてくれよ」

桐乃「オッケー!あんたも絶対ハマるよ、これは!」

京介「ハマりたくはねえな……」



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:07:24.52 ID:foWQdaDe0

知ってるエロゲーのタイトルが出てきましたwww
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0078YX0U8/



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:08:59.31 ID:icGwIzzH0

そこから3時間ほどぶっ続けでエロゲーをプレイする俺たち兄妹。
俺はもうすっかり慣れちまったが、はたから見れば異様な光景だろうな………。

そして、エロゲーに区切りが付いたところで俺は本題を切り出すことにした―――


桐乃「うんうん、やっぱこれは当たりゲームだったね~!」

京介「……そうかい」

桐乃「面白かったっしょ?」

京介「ま、まぁまぁかな……ところで桐乃」

桐乃「ん?」

京介「おまえ最近、モデルの仕事も部活も行ってないらしいじゃねえか。あやせが心配してたぞ」

桐乃「………ん、ちょっと忙しくてさ」


嘘吐け!
エロゲーやってたじゃねえか!!



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:12:15.14 ID:icGwIzzH0

京介「ふうん…いつまで忙しいんだ?」

桐乃「……わかんない」

京介「なんだそりゃ?おまえ、このまま仕事も部活も辞めちまうつもりじゃねぇんだろ?」

桐乃「そうじゃないけど!………たぶん卒業するまではできないかな」

京介「おいおい、大事だな。何か悩みがあるなら言ってみ」

桐乃「悩みっていうか……その…」

京介「もしかして、その腹と何か関係があるのか?」

桐乃「………あんたには関係ない」

京介「あるんだな?相談があるなら乗るぞ」

桐乃「……あんたには話すつもりないから」

京介「はぁ……そうかよ」

桐乃「ふん……もう、いいから出てってよ」

京介「へいへい……」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:15:49.36 ID:icGwIzzH0

俺は桐乃に部屋を追い出され、夕飯までの時間を自分の部屋で過ごしていた。

桐乃からは結局なにも聞きだすことができなかったな。
あの様子だと何かあるのは間違いなさそうなんだが………やれやれ。

ウチの妹様は一度こうなると頑固だからな……聞き出すのは難しいだろう。
どうすっかな………

と、そこで俺は桐乃の様子に詳しそうな人物に思い当たった。
お袋なら桐乃のこと何か知ってるんじゃないか?
よし、聞いてみるか……

俺はさっそくリビングへと降りていった。



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:18:56.69 ID:icGwIzzH0

―――高坂家リビング

京介「お袋ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいか」

佳乃「なあに?夕ご飯ならカレーよ」

京介「またカレーかよ……って、そうじゃなくて!桐乃のことなんだけどさ……」

佳乃「桐乃がどうかしたの?」

京介「最近のあいつなんか様子がおかしい気がするんだよ。お袋なんか知らねえ?」

佳乃「うーん、そうねぇ……少しお腹が出てきたかしら」

京介「やっぱりお袋もそう思うか?」

佳乃「あんたが気付いてたことの方が意外だけどね」

京介「なんかストレスでもあんのかね」



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:22:29.17 ID:icGwIzzH0

佳乃「年頃の女の子には色々あるのよ。今までが痩せ過ぎてたくらいなんだから別にいいんじゃないかしら」

京介「痩せ過ぎだったのはそうだけど、あいつ部活も仕事もしてないみたいなんだよ」

佳乃「うーん……忙しいって言ってたけど」

京介「なにが忙しいのか聞いてねえか?」

佳乃「聞いてないけど…うーん、そうね……恋人でもできたとか」

京介「はぁ!?あいつに恋人なんてありえねーよッ!」

佳乃「なんであんたが断言するのよ?」

京介「いや!それは……なんとなくだけど、さ」

佳乃「あんた、まさか本気で桐乃のこと……」

京介「ちげーって!!……じ、じゃあ飯できるまで部屋に戻ってるから!」



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:26:03.72 ID:icGwIzzH0

――――

ふう、やべえやべえ……お袋にまたあやしまれると厄介だからな。
気をつけねえと………
実は俺と桐乃はお互いに恋人を作らないという約束をしているのだ。

まあ……ほとんど俺のエゴみたいなもんだけどな。
妹に彼氏ができるなんて考えたくもねえ………
それにしても、お袋も知らないみたいだし桐乃の件は暗礁に乗り上げちまった感じだな。
……しばらく様子を見てみるとするか。

そうして数ヶ月が過ぎたある日、俺たちは家族会議をしなければならなくなった―――



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:30:22.83 ID:icGwIzzH0

―――高坂家リビング

桐乃「…………」

佳乃「………はぁ」

大介「…………」

京介「………ゴクリ」


空気が重い………窒息しちまいそうだ……
そんな重苦しい空気が続く中、お袋が切り出した。


佳乃「桐乃……言いたいことは分かるわよね」

桐乃「……はい」

佳乃「誰の子なの?」

桐乃「………」

大介「……教えなさい」



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:31:01.25 ID:KaqylPSB0

俺にも教えなさい



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:31:25.69 ID:tmAbKVyy0

俺「私だ」ガラッ



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:32:24.37 ID:OeenE5vr0

>>51
お前だったのか



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:33:43.44 ID:goBYqxju0

>>51許さない

さぁ尻をこちらへ向けろ



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:34:46.78 ID:icGwIzzH0

桐乃「……えっと、好きな人の……子」

京介「………ッ!」

大介「……そうか」

佳乃「はぁ……どうするつもりなの……って、そんな大きくなってからじゃ選択肢は一つしかないけど」

桐乃「産みたい……最初は一人じゃ無理かもしんないけど……ちゃんと育てる」

佳乃「………とにかく、誰の子かはっきり教えなさい」

桐乃「………」

京介「……桐乃」

桐乃「……言いたくない」

大介「言いなさい」

桐乃「やだ!あたしがちゃんと育てるからほっといて!!」

ガチャ…バタン!
ダンダンダンダンッ

京介「おい!」

大介「ふう……京介、後はおまえに任せる」

京介「………わかった」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:36:12.24 ID:goBYqxju0

い、妹孕ませっくすぅううう



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:38:56.29 ID:icGwIzzH0

――――

はぁ……とんでもねーことになった。
あいつが妊娠してるなんて……考えただけで相手の男をぶち殺したくなる。
しかも、好きな男だと?
………約束が違うじゃねえかよ。

誰の子なのかはっきりと問いただしてやる。
俺は重い足取りで桐乃の部屋を訪ねた―――



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:42:17.99 ID:icGwIzzH0

―――桐乃の部屋

コンコン…

京介「桐乃……開けろ」

ガチャ…

桐乃「……なに」

京介「なにって……とりあえず中に入ってもいいか」

桐乃「……好きにすれば」

京介「おう」


桐乃の腹をよく見ると、かなりでかい……。
ここまで大きくなると出産するしかないんだろうということくらいは俺にも分かった。



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:46:20.53 ID:icGwIzzH0

京介「………で、俺がなにしに来たかわかってるな」

桐乃「フンッ……あんたには教えない」

京介「あのな……そんなことが通ると思ってんのか?」

桐乃「………」

京介「だいたい、おまえ俺との約束はどうなったんだよ?俺との約束やぶってまで付き合いたかったのか?」

桐乃「……それは!」

京介「子供まで作って、そんなにそいつのことが好きなのか!?」

桐乃「好きだけど……って、そうじゃなくて!!」

京介「………おまえが約束やぶるとは思ってなかったよ」

桐乃「だから、それは!」

京介「けっ!……色んなことに悩んでたのが馬鹿らしくなってきたぜ」

桐乃「だぁーーーー!違うっつってんじゃん!!このバカッ!!」

京介「はぁ!?馬鹿はてめえだろうが!付き合ったらすぐ股開きやがってこのクソビッチ!!」



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:50:47.82 ID:icGwIzzH0

桐乃「ビ、ビッチ……!?あたしは誰とも付き合ってないっての!!」

京介「付き合ってないのに子供作ったってか!?てめーは誰にでも股開くような女だったんだな!」

桐乃「だから違う!」

京介「なにが違うってんだ!!」

桐乃「あ、あたしが好きなのはあんたなのっ!」

京介「ッ………じゃあ、なんで他の男と寝たりしたんだよ!?」

桐乃「だ、だから……それはね…」

京介「俺だっておまえが好きだ!おまえを誰にもやりたくないくらい好きだ!」

桐乃「……ほんと?」

京介「おう、だからムカついてんだよ……その男をぶっ飛ばしてやりたいくらいにな」



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:54:47.54 ID:icGwIzzH0

桐乃「……そんなに知りたい?」

京介「ああ、教えろ」

桐乃「できれば、この子のお父さんをぶっ飛ばさないで欲しいんだけど……」

京介「悪いな桐乃、それは約束できん」

桐乃「……そっか」


正直言って殺さずにいられる自信がないぜ……!
俺の妹に手を出しといてただで済むと思ってんのか?

少なくともボコボコにしてやる……それで別れさせて………それから…


桐乃「あんた」



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 01:58:52.86 ID:icGwIzzH0

京介「は……?な、なんだって……?」

桐乃「えと……この子のお父さんはね………あんたなの」

京介「………はい?」

桐乃「だからっ……あたしのお腹の子は、京介の子なの!」

京介「はぁ!?な、なんでそうなるんだ!………さすがにありえねえだろ!?」

桐乃「だって、ほんとのことだもん……」

京介「え……マジで俺の子?」

桐乃「……うん」

京介「ちょ、ちょっと待ってくれ……」


えええええええええええぇぇぇぇぇ―――――ッッッ!?!?
なにがどうなってるんだ……俺が桐乃の子供の父親……!?

お、落ち着け……円周率を、円周率を数えるんだ………ッ!!



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:03:10.81 ID:icGwIzzH0

桐乃「あの、大丈夫?顔色真っ青だけど……」

京介「真っ青にもなるわ!!お、俺はおまえと子作りした覚えはねーぞ!?」

桐乃「そっか、やっぱ覚えてないんだ……あたしのことは遊びだったんだ……」

京介「なにその俺がチャラ男みたいな言い方!?」

桐乃「まあ、半分冗談だけどさ――この子のお父さんが京介なのは本当だよ」

京介「すまんが……その時のことを詳しく教えてもらえるか?………まったく覚えてないんだ」

桐乃「しょーがない、あの日起きたことを教えてあげる」

京介「はぁ……お願いします」

桐乃「えっとね……あんたが寝てるときにあたしが部屋に忍び込んだ時にね、」

京介「ちょっと待て」

桐乃「なによ」

京介「なんだ、忍び込んだって…いったいどういう……」

桐乃「それは、まあいいじゃん?」

京介「よくねーよ!?」



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:08:14.74 ID:icGwIzzH0

桐乃「もう、細かいなぁ……あたしが京介とちゅーするために毎晩部屋に忍び込んでたのっ!これでいい!?」

京介「………俺、もうファーストキス終わってるの?」

桐乃「ま、まあ、そう……なるかな」

京介「相手はおまえってことか……?」

桐乃「そ、そう……」

京介「……はぁ」

桐乃「な、なによ……嫌だったわけ…?」

京介「いや、そういうんじゃなくて……なんで寝てる間にするんだよ」

桐乃「だって……起きてる時にしたら嫌われると思ったんだもん………」

京介「ビックリはするだろうけど、嫌いになったりしねえよ」

桐乃「ほんとに?」

京介「おう……てか、寝てる間にされてたことのほうがショックだ」

桐乃「………ゴメン」



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:12:47.63 ID:icGwIzzH0

京介「いいけどよ……今度は起きてる時にしろ」

桐乃「いいの?」

京介「まあ、おまえがしたいんならな」

桐乃「わかった……にひひっ」

京介「……で、肝心な部分はどうなったんだ?」

桐乃「えっとね……あんたのスウェットを下ろそうとしたらね、ぱんつも一緒に脱げちゃったの」

京介「……それで?」

桐乃「でね………しちゃった」

京介「………」

桐乃「い、言っとくけど!あたしは先っぽ入れただけなんだからね!?」

京介「嘘吐け!」



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:15:57.22 ID:icGwIzzH0

桐乃「ウソじゃないっ!あ、あたしが抜こうとしたら……あんたがっ!」

京介「お、俺が?」

桐乃「桐乃ー、桐乃ーって腰を動かし始めたの!」

京介「マジかよ!?」

桐乃「マジ、マジ!あんた寝ぼけて、あたしの初めてを奪ったんだよ?」

京介「寝てる間に初体験を済ませただけじゃなく、俺は妹の初めてまでをも奪ってしまったというのか……ッ!」

桐乃「うんうん、チョー痛かったんだからね?」

京介「もしかして、おまえの歩き方がおかしかったのもそれが原因か?」

桐乃「そのとーり!妹の初めてを奪うなんて、とんだシスコンだよねー!」

京介「すまん、桐乃………って、ちょっと待て」



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:19:58.76 ID:icGwIzzH0

桐乃「ん?」

京介「なんか俺が悪いみたいな流れになってねえか?」

桐乃「だって、あたしを妊娠させたのはあんたじゃん?」

京介「いやいや!夜ばいしようとしたのはおまえだろ!?」

桐乃「うッ……まあ、そうだけどさ」

京介「それにどうしてもっと早く言わないんだよ?そんな大きくなるまで秘密にして……」

桐乃「だって!………京介の子、産みたかったんだもん」

京介「………」

桐乃「……イヤだった?」

京介「……そんなわけない」

桐乃「ほんと?」

京介「ああ、本当だ」



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:22:04.85 ID:htUagZom0

つまり俺も童貞じゃない可能性が…
でも姉しかいなかった



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:27:04.05 ID:icGwIzzH0

桐乃「そっか……よかった」

京介「お腹、触ってみてもいいか?」

桐乃「ん……いいよ」

トクントクン…

京介「暖かい……生きてるんだな」

桐乃「うん」

京介「………これから親父たちに話してくるよ」

桐乃「それはダメだって!絶対反対されるに決まってるし!」

京介「だろうな」

桐乃「このまま秘密にしてた方がいいって……」

京介「桐乃、おまえとそのお腹の子は俺が必ず守ってやる………俺に任せろ」

桐乃「………うん」

桐乃「京介……大好き」

京介「俺もおまえが大好きだよ」



101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:29:41.52 ID:okcC1R0l0

あやせたん発狂ですねわかります



102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:29:56.16 ID:ObR3S234I

オナティッシュ漁って使ったら妊娠したんだと思ったのに



104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:31:04.79 ID:okcC1R0l0

>>102
ありえないだろwww



106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:32:28.84 ID:ObR3S234I

>>104
今考えたら届かないかもな
どう見ても童貞です、本当にありがとうございました



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:30:28.17 ID:icGwIzzH0

――――

なんつうかホッとしたけど、あいつの腹の子供が俺の子だったなんてな。
嬉しいような、驚いたような……やっぱ、嬉しいかな。
俺が父親になるのか。実感ねえな。

つうか、初体験の記憶が寝ぼけててないとか……哀しすぎる。
………絶対に今度は起きてる時にしてやるからな。

よし、あいつと腹の子を守るためにその覚悟を親父たちに伝えに行くとしよう。



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:34:55.28 ID:icGwIzzH0

―――高坂家リビング

ガチャ

大介「京介か」

京介「親父、桐乃と話してきたぜ」

大介「そうか…」

京介「お袋は?」

大介「母さんなら夕飯の買い物だ。……で、どうだった」

京介「桐乃のお腹の子は、親父もよく知ってる奴の子だったよ」

大介「なに…!?教えろ、どこの馬の骨だ!?」


お、おっかねえ……!やばいぞ……下手したら、俺殺されるんじゃねぇか!?
一瞬ひるんだ俺だったが、桐乃のために親父を説得してみせる。



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:39:12.86 ID:icGwIzzH0

京介「親父……落ち着いて聞いてくれ」

大介「いいだろう」

京介「えっと、桐乃を妊娠させたのは………俺なんだ」

大介「………すまん京介よく聞こえなかった……もう一度言ってくれるか?」

京介「桐乃の子の父親は、俺なんだよ」

大介「………京介、貴様」

京介「俺は!桐乃と俺たちの子を守ってみせる!!」

大介「……言いたいことはそれだけか?」

京介「ああ」

大介「………」

京介「……親父」



115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:44:55.34 ID:icGwIzzH0

大介「俺はおまえに桐乃を任せると言ったな」

京介「おう」

大介「……どうしてこうなった?」

京介「………俺が、桐乃を愛してるからだ」

大介「………」

大介「………はぁ…」

京介「すまん親父……でも俺は、」

大介「もういい……」

京介「……わりぃ」

大介「桐乃はもう腹の子を降ろすことはできん」

大介「………こうなってしまった以上、おまえが責任を取れ。一生をかけてな」



116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:46:00.54 ID:F40hePqR0

なんというあっさり



119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:47:43.00 ID:htUagZom0

言い訳しないところは男らしいと思います



120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:47:44.82 ID:icGwIzzH0

京介「ああ……かならず桐乃を幸せにする」

大介「……信じるぞ」

京介「任せてくれ………でも、親父いいのか?」

大介「なにがだ?」

京介「正直言うとさ、俺……殺されるんじゃないかなーと思ってたんだよね」

大介「そうしてほしいのか?」

京介「い、いやいや!そうじゃねえって!!ただ、やけにあっさりしてるなと……」


親父のことだからもっと修羅場が待ってると覚悟してきたんだが………
………ちょっと拍子抜けしたって感じだ。



123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:51:45.04 ID:icGwIzzH0

大介「……おまえをどうにかして解決する問題ではあるまい」

大介「それに、父親となるおまえが居なくなっては桐乃が困るだろう」

京介「………そうだよな。桐乃も、産まれてくる子も絶対に俺が守ってみせる」

大介「口ではなんとでも言える。行動で結果を示してみせろ」

京介「……わかった」

大介「母さんには俺から話しておく……おまえはこれからできるだけ桐乃の側にいてやれ」

京介「親父……」

大介「早く行け」

京介「おう…!」



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:55:06.68 ID:icGwIzzH0

――――

こうして、親父との話し合いは意外にもあっけなく決着がついた。
腕の一本くらいは覚悟してたんだけど………
あれから親父がお袋に話をしてくれて、お袋も折れたようだ。

お袋からは強烈なビンタを一発喰らったけど、結局は応援してくれるってことらしい。

それにしても何か忘れてるような気が………あ。
………あやせのことをすっかり忘れてた。

このことを報告したら俺、死ぬかもしれない………。



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 02:59:52.53 ID:icGwIzzH0

―――公園

京介「――――ということで、あいつの腹の原因は俺だったわけだ」

あや「………」

京介「あや、せ…さん?聞こえてましたか……?」

あや「……ふふふ、桐乃に手を出したんですね?」

京介「いやっ!これには海より深い事情がありまして!!」

あや「お兄さん……覚悟はできていますか?」

京介「ま、待て!早まるんじゃないっ!その鞄から出そうとしている銀色のモノをしまえ……!」

あや「お断りします!」



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:03:57.42 ID:icGwIzzH0

京介「お、落ち着け!俺を殺せば桐乃が一人で子供を育てなきゃいけなくなるぞ!いいのか!?」

あや「わたしが一緒に育てますから安心してください」

京介「俺が死んだら桐乃が哀しむぞ!?」

あや「……くっ、この卑怯者…!」

京介「たしかに俺は取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれん………でもな、俺は桐乃を愛してるんだ」

あや「………知ってます」

京介「だから、俺がちゃんと桐乃を幸せにできるか見ててくれないか?」

あや「………」

京介「桐乃を哀しませることがあればその時には切腹でも何でもしてやる。……だからさ、あやせ信じてくれないか?」

あや「……いいでしょう。ずっと監視してますから」

京介「おう」

あや「お兄さん……桐乃のこと、お願いしますね」

京介「ああ、任せろ」

あや「ふふ……頼りにしてますよ」



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:06:03.63 ID:E7ga6zRm0

しかし兄妹で2人きりで暮らすことはできないよな
つまり



138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:06:52.24 ID:BMKiYWQq0

>>136
俺暮らしてるけど…



140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:08:44.24 ID:icGwIzzH0

――――

文字通り命がけであやせを説得することに成功し、俺はホッと胸をなでおろすのだった。
危うく桐乃をシングルマザーにしてしまうところだったぜ………

これからも大変なことが起こるだろうけど、桐乃と二人なら乗り越えていけると俺は確信している。
あやせと親父たちも力になってくれるってんだから尚更だ。
俺たち兄妹の未来にはきっと明るい物語が続いているはずだ。


そして、数年の歳月が流れた――――



141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:10:19.55 ID:htUagZom0

黒猫ぇ…



142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:11:27.70 ID:zqVqX2I+0

黒猫氏は来世編がありますから



143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:12:44.92 ID:icGwIzzH0

―――寝室

京介「………寝たか?」

桐乃「うん……寝たみたい」

涼介「……すぅ、すぅ」

京介「お疲れさん、桐乃」

桐乃「ふぅ……子供を育てるのって大変だね」

京介「はは、そりゃ…な」

桐乃「でも可愛いよね?」

京介「ああ……おまえに似て自慢の息子だぜ」

桐乃「ええ~?どう見てもあんたに似てんじゃん?」

京介「いーや、絶対おまえに似てるね。よく言うだろ?息子は母親に似るってさ」



144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:16:17.50 ID:icGwIzzH0

桐乃「あたしは絶対に京介似だと思うケド……」

京介「そうかぁ?」

桐乃「うん!にひひ……可愛いよねぇ」

京介「………まあ、桐乃のほうが可愛いけどな」

桐乃「ば、ばかじゃん!?……ったく、これだからシスコンは…」

京介「へっ…シスコンで悪かったな」

桐乃「あんた開き直ってきてるよね?」

京介「おう、シスコンであることをむしろ誇らしく思ってるぜ?」

桐乃「……バカなんだから」

京介「ハハッ………えっと、涼介も寝たしさ……そろそろいいか?」

桐乃「……だめ」

京介「な、なんで!?」

桐乃「あのね……できたみたい」



151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:21:17.73 ID:icGwIzzH0

京介「……マジで?」

桐乃「……うん、嬉しい?」

京介「おう……すっげぇ嬉しいよ。今度は女の子だといいな」

桐乃「絶対女の子だよ!ひひっ……実はもう名前考えてあるんだぁ~!」

京介「おいおい、気が早いな。男だったらどうするんだ?」

桐乃「大丈夫!絶対女の子に違いないから!」

京介「……なんか、おまえがそう言うと俺もそんな気がしてきたよ」

桐乃「でしょ?ねぇねぇ――それよりさ、名前聞きたい?」

京介「ああ、聞きたいね」

桐乃「にひひっ!しょーがない、特別に教えてあげる!えっとね―――」


数ヵ月後、俺たちには家族が増えたのだが……桐乃の予想通り可愛い女の子だったよ。
きっと、これからも俺と妹は騒がしく楽しくやっていくのだろう。

その先には幸せな未来が待っているに違いないのだから――――


              ~fin~



152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:22:17.13 ID:BMKiYWQq0

おつ



156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:24:52.30 ID:+TgcJV2R0


すごい面白かった
また書いてくれ



157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:25:23.73 ID:icGwIzzH0

支援くださった方々ありがとうございました。



153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/22(火) 03:22:21.11 ID:zqVqX2I+0

乙!
やはりきりりんは可愛い!!


真奥「うおお!恵美ぃぃ好きだー」恵美「きゃああああ」

2013-05-25 13:04:57 | はたらく魔王さま
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 20:35:56 ID:Io7+H5W90
芦屋「な、何ですって!?」

漆原「焼き肉無料食べ放題チケット!?」

千穂「ええ。たまたま貰っちゃって…その良かったら皆さんで行ってきてください」

芦屋「」


千穂「あ、あれ?」

漆原「気にしなくていいよ。芦屋はたまにこうなるんだ」

千穂「え?」

漆原「予想外の収入があった時に固まるようになっちゃったんだよ。まったくどれだけ貧乏なんだか」

芦屋「主に貴様の支出のせいだがな」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 20:38:52 ID:Io7+H5W90
千穂「あっ、帰ってこれました?」

芦屋「佐々木さん!本当に嬉しいのですが、このような物を頂く事はできません」

漆原「え?ちょっ!何を言ってるんだよ!?魔王城に住んで初めての高級お肉なのに!」

芦屋「うるさい。お前にはさっき鈴木さんから頂いた、わらびをごちそうしてやる。安心しろ」

漆原「いやいや。肉と雑草ってレベルが違いすぎるんだけど」

芦屋「というわけで、居候もいらないと申してますので、是非ご学友と一緒に行ってきてください」

漆原「ちょっと!僕の分!せめて僕の分だけでも!」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 20:43:38 ID:Io7+H5W90
千穂「え?あっ。いえ。その…できれば、その…芦屋さんと漆原さんと…お隣の鈴乃さんも一緒に…行って欲しいんですけど」

芦屋「え?」


漆原「…ふ~ん。なるほどね~」

芦屋「ん?どうかしたのか?」



漆原「佐々木千穂はね、こう言いたいんだよ『たまには私と真奥さんの二人っきりにさせて下さい』って」

千穂「漆原さん!?」

芦屋「なるほど。そうでしたか。確かにそう言われると、ここ数ヶ月で色んな人が増えてお二人になれる機会が減っていましたね」

千穂「あ…あの…はい」

芦屋「それは気が効かず申し訳ありません。おい!ルシフェル」

漆原「焼き肉か~。楽しみだな~」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 20:48:43 ID:Io7+H5W90
芦屋「何を言っている。数時間席を外すだけだ」

漆原「え?焼き肉は?」

芦屋「佐々木さんにはいつもお世話になっているんだ。タダ券を頂いたりできるものか」

千穂「いえ!せっかくですので。特に芦屋さんは普段頑張ってるんですから、これを機会に栄養を取ってきてください!」

芦屋「佐々木さん…そこまで私の事をわかってくれるのは、あなただけです。アルシエル感動するばかりです」

千穂「じゃ、じゃあ」

芦屋「ですが、それとこれとは…」

漆原「あーもう行こうよ!話が進まないし、佐々木千穂に無駄な気を使わせるだけって何でわからないんだよ!」

芦屋「だったら、このタダ券は今度魔王様と…」

漆原「おーい。ベルー!焼き肉のタダ券が手に入ったんだー。食べに行こうよー。聞こえてるんだろうー?」


ダダダダダダダダ


バーン

鈴乃「焼き肉と聞いて!!」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 20:53:41 ID:Io7+H5W90
千穂「鈴乃さん!?」

芦屋「貴様!そんなキャラだったか!?」

鈴乃「勘違いするな!私はただこの世界の料理に興味があるだけだ!」

鈴乃「聞いたところの話によると、焼き肉とは肉を焼くだけと言うではないか!」

鈴乃「しかし、ただ焼いただけなのに絶品と聞く!」

鈴乃「その美味しさを解明し、エンテ・イスラに情報を持ち帰れば、エンテ・イスラの食文化の発展に繋がるだろう!」


鈴乃「本当は貴様たち悪魔などと一緒に行くのは嫌だが…」

鈴乃「一期一会という言葉ある用に、せっかくのチャンスを物にしたいと思いやってきた」

漆原「でもね。せっかくのタダ券があるのに、芦屋のヤツが換金しようとか言うんだよ?」

鈴乃「何!?」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 20:53:59 ID:Io7+H5W90
芦屋「言ってない!…がそういう手段もあるのか…なるほど」

千穂「芦屋さん!?」

鈴乃「せっかくの千穂殿の好意を…ぐっ。これだから悪魔は」

漆原「というわけで、ほらベル?」

鈴乃「そうだな。行くか」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 20:58:51 ID:Io7+H5W90
芦屋「って、何をする!?私を引きずるな」

鈴乃「堪忍しろ。今日は焼き肉だ」

漆原「真奥が美味しいって言ってたけど、どれくらい美味しいのかな~」

芦屋「わかった!行くから引きずるな!離せ!」

鈴乃「早く行くぞ。私も悪魔なぞ触りたくもないからな」


芦屋「それはこちらのセリフだ。ところで佐々木さん。魔王様はもう少ししたら帰宅されるのでお留守番をお願いします」

千穂「ええ。それでは焼き肉楽しんできてくださいね♪」

芦屋「はい。本当にありがとうございます」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:03:43 ID:Io7+H5W90
千穂「焼き肉食べ放題チケット…自腹だったけど…うん!今日の為ならこのくらいはしないとね!」

千穂「これであとは真奥さんが帰ってくれば………えへへへへ」



千穂「あっ!そうだ!あれの準備をしないと!」


\ジャジャーン/


千穂「ほれ薬ー」

千穂「サリエルさんが、木崎さんの件のお礼にって私に…」

千穂「効果は約12時間……これを真奥さんが飲んでくれれば…」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:08:55 ID:Io7+H5W90
■妄想中☆~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


真奥「ぐっ。か、体が熱い!」

千穂「真奥さん!?どうしたんですか!?」

真奥「ちーちゃん!」

千穂「え!?」


ギュウウウウウ


千穂「えっえぇ!?真奥さん!?」

真奥「ごめん、ちーちゃん。急に抱きついちゃって…嫌だったかな?」

千穂「び、びっくりしただけで…その、別に嫌って訳じゃ…」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:14:48 ID:Io7+H5W90
真奥「…ちーちゃんからいい匂いがする」

千穂「きゃぁ!」


真奥「可愛い声だね」

千穂「真奥さんのバカ!匂いなんて嗅がないでください!」

真奥「ごめん。でもとてもいい匂いだから我慢できなくて」


千穂「そ、そんな事ありませんよ。今日は体育の授業で汗かいちゃって…ちょっと匂うかも…」

真奥「俺はちーちゃんの匂いとっても好きだよ」

千穂「真奥さん!?」

真奥「俺はちーちゃんの全部が好きだ」

千穂「ぇぁぇぁぇ//」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:20:04 ID:Io7+H5W90
真奥「結界を張った…これで邪魔者は誰もいない」

千穂「で、でも」

真奥「ちーちゃんを俺のものにしてやるよ」

千穂「も、もうっ。真奥さんったら強引なんだから…」

真奥「魔王だからな」

千穂「優しくしてくれないと嫌なんですからね//」

真奥「ああ。任せてくれ…」


■妄想終了☆~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

千穂「真奥さんったら大胆なんだから~」

千穂「えへへへへへへへ~」

千穂「そ、そうだ!ほれ薬を冷茶に混ぜて…」

千穂「完成~♪」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:26:08 ID:Io7+H5W90
千穂「あとは、真奥さんが帰宅した後に飲ませれば………ふふふふふ」


ガラララララ


真奥「戻ったぞー」

千穂「」ビクッ

真奥「おー。ちーちゃん来てたのか」

千穂「真奥さん!おつかれさまです!」

真奥「おう。おつかれ」

千穂「最近、暑いですよね~」

真奥「え?うんそうだな。デュラハン弐号に乗ってると汗かいちゃってさ」

千穂「えへへ~。これどうぞ♪」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:31:58 ID:Io7+H5W90
真奥「おお!わざわざ冷たいお茶を用意していてくれたのか!ありがとうさっそく頂くよ」

真奥「」グビグビ

千穂「ふふふふふふふふ」


真奥「ぷはーっ」

千穂「ま
恵美「来たわよー。まったくこの部屋は相変わらず暑いわねー」

真奥「ああ。恵美。実は用事が……っ!?」

真奥「…………」

千穂「……………………………………………え?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:37:41 ID:Io7+H5W90
恵美「ん?何?早く要件を言ってくれない?電話より直接会いたいって言うから、わざわざ来てあげたのに」

真奥「…………」

恵美「あなた…顔真っ赤よ……………ぷっ。まさか悪魔の頂点の魔王さまが風邪をひいたんじゃないんでしょうね?」

恵美「これはいいネタを頂いたわ。一生笑ってあげるから覚悟しなさいよ」

千穂「あぁぁl」

恵美「千穂ちゃんもこんにちは。まったくこんなバカと二人っきりでいたら危険よ?まぁ、狼になるような度胸はないでしょうけど」

千穂「真奥さん!?真奥さん!こっちを向いてください」

真奥「…確かに俺は病にかかっているようだ」


恵美「え?そうなの?じゃあ私帰るわ。風邪がうつると嫌だし」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:38:48 ID:Io7+H5W90
真奥「恋と言う名の病に」

恵美「ほら千穂ちゃんも一緒に帰りましょう……………………って、はあ!?」

千穂「真奥さん!?」

真奥「俺は何でこんな事に気付かなかったんだ?こんな素敵な女性が隣にいたと言うのに」

千穂「も、もしかして」

恵美「あ、あれ?私お邪魔だったかしら」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:42:47 ID:Io7+H5W90
真奥「恵美、俺の妃になってくれないか?」

恵美「…………………………………………は!?私!?」

千穂「やっぱり」

真奥「エミリア・ユスティーナ。俺の側にいろ。俺の生涯をかけてお前を幸せにしてやる」

恵美「な、ななななななななななななっ!」

真奥「ふっ。髪の色と同じくらい顔が真っ赤だぞ。可愛いな…」

恵美「ああああああなななななたたたたた何を言ってるののののののののの!?」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:48:14 ID:Io7+H5W90
真奥「恵美…愛してるぞ」

恵美「え?顔が…顔が近い!?」

千穂「真奥さん!?や、やめてーーーーー!」

恵美(え?私…キスされるの…え?)


真奥「優しくしてやるから安心しろ…」

恵美「くっ」

真奥「ん?」

恵美『空突閃!!!!!!!!』








真奥「」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:53:39 ID:Io7+H5W90
千穂「あ、あの…大丈夫なんでしょうか?」

恵美「これは単なる拳法よ。大丈夫。聖剣を使ってないからアラス・ラムスは寝ているわ」

千穂「真奥さんの事です!」

恵美「あー、こいつには失望したわ。まさかこんな軟派者とはね」

千穂「違います!真奥さんはこんな人じゃありません!」

恵美「これが悪魔の…魔王の本性よ。ちょっと調子に乗れば女の子を襲う。今のを見たでしょう?」

千穂「違います!これは私がほれ薬を使ったか…ら……………いえ。何でもないんですよ?」

恵美「へ?」


千穂「それにしても芦屋さん達、どこに行ったんでしょうー」

恵美「千穂ちゃん?『ほれ薬』って何?…私とっても気になるんだけど」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 21:57:05 ID:Io7+H5W90
千穂「うっ…」

恵美「お説教はほどほどにしてあげるから…ね?」

千穂「その…サリエルさんから貰った、12時間しか効かない『ほれ薬』を真奥さんに使いました」

恵美「はぁ…だから、さっきあんな状況になったのね」

千穂「すいません」

恵美「本心じゃなかったんだ…」ボソッ

千穂「え?」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:01:16 ID:Io7+H5W90
恵美「う、ううん。それよりも!もし私が来なかったらどうなっていたと思うの!?」

千穂「え?」

恵美「私が来なかったら、危険だったて言うことよ!こいつもこう見えて男よ。二人っきりなんて危険よ!」

千穂「あ…その…別にそれはそれで…」

恵美「?」


千穂「き、既成事実とかできちゃえば…いいかな~。なんて」

恵美「だ、ダメよ千穂ちゃん!」

千穂「あはははは。ですよねー」

恵美「キスは結婚式まで取っておかないと!」

千穂「へ?」

恵美「確かに日本は進んでいると思うけど、せめて結婚式までは取っておかなきゃ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:05:40 ID:Io7+H5W90
千穂「あ、あの遊佐さんって…その純真って言われたりしません?」

恵美「え?そ、そうね…そういわれれば」

恵美「エメラダが『エミリアは純真すぎます~。私はこんなにいっぱい求めてるのに~』ってよく宿屋でぼやいてたっけ」

恵美「ふふっ。それを見たアルバートが『薄い本の作業が捗るな』って私達の絵をたくさんスケッチしてくれてたのよね~」

恵美「あの頃は大変だったけど、エメラダ、アルバートとのやり取りは」

恵美「今思えばちょっとだけいい思い出かな…って、私何を言ってるんだろう…ん?」

千穂「゜д゜」

恵美「あのー千穂ちゃん?」

千穂「ハッ!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:09:11 ID:Io7+H5W90
恵美「どうかしたの?」

千穂「い、いえっ!色々衝撃的な事がわかって、ちょっとびっくりしちゃって!」

恵美「え?」

千穂「あははは。何でもないんです。何でも」

真奥「恵美は今時珍しく幼稚園児くらい純真だって言いたいんだよ。ちーちゃんは」

恵美「あなた!いつから気付いていたの?」

真奥「『空突閃!!!!!!!!』って所から」

恵美「気絶してなかったの!?」

真奥「いや、体が痛くて声が出せなかっただけで」

千穂「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

恵美「千穂ちゃん!?」

千穂「全部聞かれちゃった…どうしようどうしよう」

恵美「あっ、既成事実ってやつ?」

千穂「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:14:17 ID:Io7+H5W90
真奥「あー。ちなみにもう薬の効果切れたから」

千穂「え?」
恵美「え?」

真奥「まぁ、普通のやつなら12時間効くんだろうが、俺は悪魔だしな。もう効いてないわ」

千穂「そ、そうなんですか…またサリエルさんから貰おうと思ってたんですが…なんかガッカリです」

恵美「良かった。本当によかったわ。千穂ちゃんはあとでベルとお説教ね」

千穂「…うっ」



真奥「そうだ!恵美!大切な話があるんだ!」

恵美「そういえば、そうだったわ。私そのためにここに来たのよ」


真奥「恵美、大好きだ。愛してる。結婚してくれ」

恵美「っ~~~~~~~~~~!?」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:18:21 ID:Io7+H5W90
千穂「真奥さん!?遊佐さんも何で真っ赤になってるんですか!!!!!何でポーって乙女の顔になってるんですか!!!!!!!」

恵美「ち、違うの!不意打ちだったから。つい」

真奥「おう。照れてる恵美も可愛いぞ」

恵美「って、あなた!薬の効果切れてないじゃない!」

真奥「違う!これは俺の本心だ!薬は関係ない!信じてくれ!」


千穂「真奥さん!真奥さん!私は?私は?」

真奥「ちーちゃんはその…もうこんな時間だし、帰った方がいいんじゃないかな?」

千穂「が、がーん」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:22:53 ID:Io7+H5W90
恵美「わ、私帰る!」

千穂「ダメです!」

恵美「こいつとこれ以上、一緒にいたくないわ!」

千穂「ダメです!絶対に真奥さんが遊佐さんのマンションに突撃します!」

恵美「ま、まさか…」

真奥「さすがちーちゃん。勘が鋭い」

千穂「こんな形で褒めてもらっても嬉しくないです」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:26:28 ID:Io7+H5W90
恵美「でも鍵をかければ…」

真奥「大丈夫だ。ほんのちょっぴり魔力があるから、鍵ごとき」

恵美「私の部屋に来てなにをするつもりよ!」

真奥「ふふふふ。それはだな。暗闇に乗じて…」


恵美「ま、ままままままままままさか!?」

真奥「そうだ。お前の考えている通り」

恵美「手を繋いだり、あまつさえ頭をナデナデしてきたりするつもりじゃないでしょうね!」

真奥「そう…手を繋いだり…はあ?」

千穂「遊佐さん…そこまで来ると、ちょっと引きます」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:31:31 ID:Io7+H5W90
恵美「え?え?な、なによっ!」

真奥「お前まさか…俺と手を繋ぎたいのか?」

恵美「ななななななにを!確かにそんな事を思ってたりなかったりって、ないに決まってるじゃない!」


ギュウウ


千穂「あああああっ!!!!!何で手を握ってるんですか!!!!!」

恵美「ななななななななななななななななな」

真奥「あと、ナデナデだったな」

ナデナデ

恵美「……」

千穂「遊佐さん!なんで顔真っ赤なんですか!なんで目がちょっとウルウルしてるんですか!?」

真奥「…やばい。恵美…お前かなり可愛いぞ」

恵美「っ~~~~//」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:35:38 ID:Io7+H5W90
千穂「離れてください!ちょっと遊佐さん!?正気に戻って!相手は真奥さんですよ!?」

恵美「でも…ここまでされたら…責任とって貰わないと…」

千穂「遊佐さん!?」

真奥「ああ。どれだけでもとってやるさ…お前の為なら俺は何だってしてやる」

恵美「真奥…」

千穂「きゃーーーーーーーーーーーー!!助けてーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:35:59 ID:Io7+H5W90
 
ガララララッ


芦屋「大丈夫ですか!?悲鳴が聞こえたのですが!?」

漆原「ただいまー。焼き肉は天界よりすっごく天国だったよー」

鈴乃「ああああ。私の天界への信仰心が崩れて…って、今の悲鳴は何だったのだ!?」


恵美「//」

真奥「おう。帰ったか」

千穂「…」グスグス


芦屋「」

鈴乃「」

漆原「え?どういう状況?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:40:16 ID:Io7+H5W90
 
……………………………………………………


真奥「離せーーーー!アルシエルー!ロープを解け!!!」

芦屋「うっうううううううううう」

芦屋「すいません。こればかりは聞けない命令でして」


真奥「離せ!俺はエミリアの頭をナデナデするんだーーーー!!!!」

芦屋「うわああああああああああああ。魔王様がああああああああ」ダダダダダダ



鈴乃「行ったな」

漆原「逝ったね」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:43:55 ID:Io7+H5W90
鈴乃「さて、これからどうするか…」

漆原「もう面倒だし、このまま寝ようよ」


スルスル


真奥「ふぅ…」

鈴乃「エミリア!?なぜ紐を解く!?」

恵美「だって、苦しそうだったから」

真奥「ありがとう恵美…さすがは俺が最愛する妻だ」

恵美「う、うん」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:48:34 ID:Io7+H5W90
恵美「えーと、あのね…」モジモジ

真奥「なんだ、ご褒美が欲しいのか」



ナデナデ


恵美「えへへ~」

真奥「恵美は本当に可愛いな」


鈴乃「…千穂殿は…?」

漆原「気絶してるよ?」

鈴乃「私も気絶したくなってきた」

漆原「同感。僕もだよ」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:52:05 ID:Io7+H5W90
恵美「ねえ…その…ギュッとして?」

真奥「ああ。それがお前の望みなら」


ギュウウウ



恵美「えへへ~。真奥の匂い~」

真奥「何を言ってるんだ?お前の匂いの方がすごくいいぞ」

恵美「ううん。あなたの方が…」

真奥「違う。お前の方が…」


鈴乃「」

漆原「」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 22:55:57 ID:Io7+H5W90
■次の日


恵美「あれは!あなたのほれ薬の効果が私にも効いただけなの!」

恵美「だから、絶対に忘れなさい!あと死になさい!」

真奥「俺だってあれはほれ薬のせいだからな!」

真奥「だから、絶対に忘れろ!あと俺を殺そうとするな!」


恵美「うるさい!うるさい!うるさい!うるさーーーーい!!!!!!!」

恵美「あなたは私に…私にとんでもない事をしでかしたのよ!」

恵美「もうみんな死ぬしかないじゃない!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 23:00:15 ID:Io7+H5W90
真奥「あれはお前が望んだから!」

恵美「望んでない!あれは全部薬のせい!!!」

真奥「そもそも飲んでないのに効くわけないだろ!」

恵美「悪魔のくせに!魔王のくせに!なんで薬が効いているのよ!」



鈴乃「ほらほら。夫婦喧嘩は止めろ」

恵美「夫婦じゃ」
真奥「ない!!」

千穂「へー。そうですかー。息ぴったりじゃないですかー」

恵美「千穂ちゃん!元はと言えばあなたが!」

真奥「そうだぞ!ちーちゃん!今度ばかりはすっごいお説教するからな!」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 23:04:04 ID:Io7+H5W90
千穂「はいはい。私バイトがありますので、失礼します」

真奥「あっ、もうそんな時間か…ちーちゃん!バイト任せたぞ!夜には俺も行くからさ」

千穂「はい!頑張ります」


千穂「あっ、あと…遊佐さん?」

恵美「え?なに?」

千穂「真奥さんの事、絶対に負けませんから!」

恵美「なっ!?」


タタタタタタ


漆原「はぁ~。何で最後に爆弾発言を残すかな」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 23:08:01 ID:Io7+H5W90
恵美「あなたのせいで勘違いされちゃったじゃない!」

真奥「あーはいはい。悪かった悪かった。俺が悪かった」

恵美「はぁ!?何よそれ!全然謝られている気がしないわ!」

ぽふっ

真奥「だから悪かったって…」

真奥(って、俺は何で恵美の頭の上に手を!?)

恵美「あ…」

真奥「えーと…」

ナデナデ

恵美「んっ…」

真奥(か、かわいい…?)



芦屋「ま・お・う・さ・ま?」

真奥「ひぃっ」
恵美「ひゃあ」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 23:12:02 ID:Io7+H5W90
芦屋「なぜ、エミリアにナデナデを?それになぜ頬が赤くなっているのでしょうか?」

真奥「ち、ちがう!これは暑いからだ!」

鈴乃「ほほう。暑いからエミリアも顔が赤いのか?」

恵美「ああー暑いわーこの部屋は何でこんなに暑いのかしら~」


漆原「はぁ~。二人とももっと素直になればいいのに」

真奥「お前!何を言っている!」

恵美「そうよ!殺すわよ!」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 23:16:25 ID:Io7+H5W90
芦屋「魔王様そんな事より昼食を」

恵美「そんな事って何よ!」

芦屋「…そんな事じゃないなら、何なんだ?」

恵美「なっ」

鈴乃「察してやれ。魔王との楽しいお喋りを『そんな事』と言ってほしくないのだろう」

恵美「ベルまで!」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17 23:20:33 ID:Io7+H5W90
真奥「もういい。ほら恵美も飯食うぞ。飯」

恵美「あんたも何かいいなさいよ!」

真奥「面白がってるだけだろ。どうせ飽きるさ。そんな事より飯だ」

恵美「…ふんっ」


漆原「あれ?遊佐は何で真奥の隣に座るの?」

鈴乃「察してやれ。愛する者の隣に座りたいんだろう」

芦屋「ぐっぐぐぐぐぐぐ!魔王様の隣は私…私なのに!」


真奥「お前ら…」

恵美「あーもう!なんなのよ!これーーーーーーーー!!!!!」





       終わり


真奥「月が綺麗だな」鈴乃「!?」恵美「?」千穂「!!」

2013-05-25 12:57:40 | はたらく魔王さま

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:11:31 ID:mWfCogR90
漆原「うどんは飽きた」

芦屋「魔王城は財政難だ。ありがたみを持って食べろ」

漆原「だからって、昼も夜もうどんはやりすぎだよ」

芦屋「元はと言えば貴様が8000円分もピザを頼むのが問題であって」

漆原「だって、たまにはパーっと食べたいじゃん」

芦屋「やりすぎだ!」


鈴乃「まったく静かに食べられないのか…って、魔王は何をしている?うどんが出来上がったぞ?」

真奥「…ああ。月が綺麗だなって」

鈴乃「!?」


■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~


鈴乃「という事があったんだ」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:14:49 ID:mWfCogR90
恵美「へぇ~…で、今の何が問題なの?」

千穂「『月が綺麗ですね』は『アイラブユー』って意味なんですよ」

千穂「ちなみに今回は『月が綺麗だな』だから、ギリギリセーフです!セーフなんです!」

恵美「なっ!?」

鈴乃「まったく魔王め…」


恵美「で、で、でで!返事はどうしたの!?プロポーズ受けちゃったの!?」

鈴乃「何を慌ててる…そんな事あるはずなかろう」

恵美「そ、そうよね」

千穂「私にも言って欲しいな~」


恵美「え?」

千穂「い、いえ。何でもないです。あはははは」


恵美「まったくデリカシーがない男よね…そういえば、私の時もこんな事があったわ」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:18:54 ID:mWfCogR90
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


真奥「あーたまにはもっと具が入った味噌汁とか食べたいなー」

芦屋「そうですね。今は余裕がありませんが、もっと収入が増えたら私も食べたいものです」

恵美「味噌だけって…せめてネギくらい入れなさいよ!ネギくらい!」

芦屋「貴様!ネギは意外と高いんだぞ!」

恵美「はぁ~…それくらい買いなさいよ」

芦屋「魔王城の家計の状況を舐めて貰っては困る!貴様の髪以上に真っ赤なんだぞ」

恵美「ちなみにうちの今日のお味噌汁は、豆腐、ネギ、しいたけ、大根を入れて作ったわ」

芦屋「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:24:35 ID:mWfCogR90
真奥「恵美!」

恵美「何?ああ、悔しかったかしら?もっと悔しがっていいのよ?味噌だけの汁なんて味噌汁と呼べないしね」

真奥「お前の味噌汁が食いたい!」

恵美「は、はぁ!?」

真奥「俺はお前の味噌汁が食いたい!」

恵美「あ、あなた何を!?」

芦屋「魔王様あああああああああああああああ」

真奥「芦屋!?」

芦屋「私じゃダメなんですか!?私が毎日作っている味噌汁では!」

真奥「たまには具が入ってるのを食べたい」

芦屋「わかりました!なんとかしますから!お願いですから、他の女性…ましてや勇者にそんな事を言わないでください!」

真奥「…ん?あ、ああ」

恵美「…」


■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:29:51 ID:mWfCogR90
鈴乃「ほう、そんな事が…」

千穂「そういえば、今日真奥さんが味噌汁に玉ねぎが入ってたって大喜びしていました」

恵美「…その程度で大喜びする魔王って…」

鈴乃「はぁ~」



千穂「って、何ですか!それ!私言って貰ったことありません!」

恵美「いや、別に私は言ってほしかったわけじゃないし」

千穂「でも、さっきの話をしている遊佐さんの顔は…」

恵美「え?私の顔がどうかした?」


鈴乃「嫌というより、自慢話をしているような顔だったな」

恵美「そんなわけないでしょう!」

千穂「じ、じゃあ!私だってとっておきの話!とっておきの話をします!」


恵美「う、うわぁ~、聞きたいわぁ~」

鈴乃「ど、どんな話なんだろうな~。気になるぞ~」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:34:03 ID:mWfCogR90
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

千穂「真奥さん、今少し時間大丈夫でしょうか?」

真奥「今店もすいてるし。大丈夫だぞ」

千穂「あの、ここってこれがやりづらいじゃないですか」

真奥「ああ、前よりはよくなったけど、やっぱり無駄が多い気がするよな」

千穂「ですので、ここをこうやって、あーやれば…」

真奥「え?…ああっ!おおー!」

千穂「ってな感じで、効率化できると思うんですけど」

真奥「さすがちーちゃん!よし!さっそく木崎さんに提案してくる。もちろん、ちーちゃんの案としてな」

千穂「は、はい!」

真奥「じゃあ、レジは任せるから」

千穂「はい!任せてください!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:39:14 ID:mWfCogR90
真奥「オッケーだ。後日時間を作ってから、一度試みてみるって」

千穂「あ、ありがとうございます!」

真奥「それはこっちのセリフだっての」

真奥「でも、俺もうかうかしてられないなー」

千穂「え?」

真奥「うかうかしていると、ちーちゃんにすぐ追い抜かれちゃうかもしれないなって」

千穂「そ、そんな事ありません!それに別に順位とかどうでもよくて」

真奥「そうだよなー、誰が凄いとか関係ないよな」

千穂「そうです!みんなでこのお店を凄くしていく事が大切だと思うんです」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:44:32 ID:mWfCogR90
真奥「そっかー。やっぱりちーちゃんから学ぶ事は多いなぁ~」

千穂「そんな事ありません。私だって真奥さんが凄過ぎて、毎日いっぱい教えてもらってますし」


真奥「そうだな。そうだ。よし!ちーちゃん?」

千穂「はい?」

真奥「これから、一緒にもっと楽しい職場にしていこうな」

千穂「はい!」




■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~


千穂「えへへ~。って事が」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:50:02 ID:mWfCogR90
恵美「…ん?」

鈴乃「えーと…魔王が清く働いているというのしか伝わってこないんだが?」

千穂「よく考えてください」

千穂「『一緒にもっと楽しい職場にしていこうな』の職場を家庭に置き換えると」


千穂「『一緒にもっと楽しい『家庭』にしていこうな』になるんですよ!真奥さんったら……きゃー」

恵美「!?」

鈴乃「何というか…千穂殿は妄想力が逞しいな」

千穂「女子高生では必須スキルです♪」


千穂「あと、あれはまだバイトを始めたばかりの頃なんですが…」

恵美「はいはい」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:54:39 ID:mWfCogR90
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


真奥「スマイルが難しい?」

千穂「はい。正直今まで無理矢理笑顔を作った事がなくて」

千穂「その…どうやったら自然な笑顔が作れるんでしょうか?」

真奥「ああー。そういえば、俺も最初はずっと自然な笑顔でいるのが難しかったな~」

千穂「そ、そうなんですね!」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 22:59:52 ID:mWfCogR90
真奥「うーん、じゃあ一般論から教えるね」

千穂「はい!」

真奥「イーってやってみて」

千穂「いー」

真奥「はい、口を閉じて」

千穂「んー」

真奥「そ、そんな感じ。目は笑ってないけど、最低限な笑顔かな?」

千穂「え?こんなんでいいんですか?」

真奥「いいや。あくまでも最低限ね。他の手段としては、あいさつ」

千穂「あいさつですか?」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:05:06 ID:mWfCogR90
真奥「うん。佐々木さんがバイトを始める時、みんなに挨拶するでしょ?」

千穂「は、はい」

真奥「その時の笑顔、俺は好きなんだ」

千穂「そ、そうでしょうか?」

真奥「だから、みんなに挨拶をしているつもりで、声には出さずに顔だけやってみて」

千穂「はい!」


千穂「…」ニコッ

真奥「おお!まだちょっと不自然だけどさっきより全然いいよ」

千穂「やった…ありがとうございます!」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:09:59 ID:mWfCogR90
真奥「じゃあ、最後に俺がやった事を教えるね」

千穂「はい!お願いします!」


真奥「幸せな時の事を思い浮かべる…かな?」

千穂「え?あっ…なるほど」

真奥「あっ、今普通だな~って思ったでしょう?」

千穂「すいません。でも、幸せな時…って、例えば真奥さんはどんな事を思い浮かべるんですか?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:13:45 ID:mWfCogR90
真奥「俺は…飯の時かな?」

千穂「へ?」

真奥「ああ、前に住んでた所は、こんなに食文化が進んでなかったから」

真奥「飯ってこんなに美味しいんだって感動しちゃってさ」

真奥「だから、恥ずかしい話、毎晩の飯が楽しみでさ」


千穂(真奥さんって英語もペラペラだし、外国に住んでたのかな?)

真奥「だから、どんなに疲れている時でも、飯の事を思い浮かべれば楽しみで楽しみで笑顔になっちゃうんだ」

千穂「そうなんですね。でも、私…まだそういう思い浮かべるだけで笑顔になれるような、思い出が…」

真奥「これから作っていけばいいよ。俺の方が佐々木さんより長く生きてるけど、そんな幸せを見つけたの最近だし」


千穂「は、はい!がんばります!」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:17:52 ID:mWfCogR90
真奥「うん、がんばって」ニコニコ

千穂「あっ、もしかして、今…考えてます?」

真奥「はははは。わかるかな?」

千穂「だって、今すっごい笑顔してますよ?」クスッ

真奥「佐々木さんだって今笑顔だよ?」

千穂「え?あっ……私決まりました!」

真奥「え?何が?」


千穂「真奥さんのすっごい笑顔を思い浮かべます!」

真奥「え?えぇ!?」

千穂「だって、真奥さんのすっごい笑顔はすごいです!私も笑顔になっちゃうくらいですから!」

真奥「はははは。それは恥ずかしいなぁ~」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:23:10 ID:mWfCogR90
 
ピロリン♪


真奥「え?写メ?」

千穂「はい!脳裏に焼き付けていつでも笑顔になれるように特訓します!」

真奥「恥ずかしいな~。でも、無理せず頑張ってね」

千穂「はい!」


■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~


鈴乃「外面の魔王を想像するだけで気持ち悪い…」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:27:52 ID:mWfCogR90
千穂「で、で、で!これがその時の真奥さんの写メなんです!」

恵美「…」

千穂「あと、勉強の為と思って、この時の会話を録音していたんですが…」


真奥『その時の笑顔、俺は好きなんだ』


恵美「なっ!?」

千穂「さらに、これを編集した音声が…」



真奥『俺、ちーちゃんが…好きなんだ』



恵美「あいつ!な、ななんて事を!」

鈴乃「編集とは…さすがにやりすぎだ…」

千穂「えへへ~。毎晩聞いて寝てるんですよ~。もう幸せで寝不足です」

恵美「ぐぬぬぬぬぬぬ!」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:33:25 ID:mWfCogR90
鈴乃「エミリア?ドン引きするのはわかるが…顔がひどいぞ?」

恵美「え?そ、そうだったかしら?」

千穂「せっかく勇気を出して言ったのに、ドン引きしないでくださいよ!」

鈴乃「い、いや。想像以上でな。恋する少女はすごいな」


千穂「む~。そんな事言うんだったら…実は私、鈴乃さんのあれ知ってますよ?」

鈴乃「ん?何がだ?」

千穂「この前、漆原さんとちょっとだけいい雰囲気だったの…」

恵美「!?」

鈴乃「なぁ!?」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:38:35 ID:mWfCogR90
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



千穂「こんにちは。芦屋さん…って、魔王城の前で何をしてるんですか?」

芦屋「佐々木さん。静かに…これを…」

千穂「え?何を…って鈴乃さんと漆原さん?」

芦屋「静かに聞いていてください」

千穂「は、はい」



漆原「大丈夫だって。僕だって将来の事ぐらい考えているよ」

鈴乃「そうだな。考えるだけなら誰でもできるぞ?」

漆原「そうだ。考えるだけなら二流。それを実行できてこそ一流」

漆原「僕はそのうちやるから、一流予備軍なんだ」

鈴乃「ほら、訳のわからんことを言ってないで、今やれ」

漆原「えぇ~」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:42:00 ID:mWfCogR90
鈴乃「別にそんな大きい事をやれとは言っておらん」

鈴乃「まずはできる事…そうだな。掃除をやってみないか?」

漆原「無理」


鈴乃「そうか。では今すぐこのパソコンの電源を抜いても問題ないな?」

漆原「はあ!?何でそういう話になるわけ?問題ありまくりだよ!」

鈴乃「じゃあ、掃除をしろ。何、難しい事は言わない。アルシエルがいない時にちょっと掃除機をかけるくらいだ」

漆原「どこの母親だよ。まったく…僕はやらないからね!」


鈴乃「母親……ほう…私はそういう冗談は嫌いなんだが?」

漆原「え?あっ包丁!?ご、ごめん。悪かったって。ほら若妻というか」

鈴乃「そうだ。私はまだ二十代…それを忘れるなよ」

漆原「はいはい。じゃあ帰ってね。僕忙しいから」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:47:12 ID:mWfCogR90
 
スッ


漆原「首に包丁が!?」

鈴乃「さあ、選べ。死ぬか掃除するか?」

漆原「なんでその二択なんだよー。わかった。やるよ!やればいいんでしょう!」




………


漆原「はぁ~。終わったよ」

鈴乃「まぁ、六畳だからすぐだったな…ほらこれを見てみろ」

漆原「なに?」

鈴乃「普段アルシエルが綺麗にしているからわかりづらいが…どうだ?綺麗になっただろう?」

漆原「…」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:52:17 ID:mWfCogR90
鈴乃「掃除とはいいものだ。やるのは大変だが、やった後に何かこう達成感がある。身も綺麗になった気がする」

鈴乃「…どうだ?綺麗にした感想は?」


漆原「…別に悪くはないかも」

鈴乃「ふふふ。だろう?」


漆原「あーでも、しんどい。疲れた…あっ」

鈴乃「ルシフェル!」


ギュウウウ


千穂(疲労で倒れかけた漆原さんを鈴乃さんが、抱くようにして助けた!?)

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/18 23:56:19 ID:mWfCogR90
漆原「うぅ…頭が回らない…」

鈴乃「体力がなさすぎるだろう…」

漆原「…ねぇ、離してくれない?」

鈴乃「しかし、離したら倒れるだろう?」

漆原「じゃあ、そこの隅でいいから、そこに寝かせて」

鈴乃「はぁ~…元天使のくせに情けない」

漆原「ほっといてよ」





鈴乃「よし、ここでいいか?」

漆原「ありがとう」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:00:43 ID:K77BZPeH0
鈴乃「疲れた。主に精神的に」

漆原「ベルもやっぱり女なんだね。ギュってして貰った時、柔らかかったよ」

鈴乃「なっ!?」

漆原「最近、布団で寝てないからさ。そういう感覚が新鮮だったんだ」

鈴乃「そ、そうか」

漆原「僕は疲れたから寝る。おやすみベル」

鈴乃「え?あ、ああ…おやすみ」


漆原「Zzzz」ぐー


鈴乃「…天使のような寝顔しよって…」

鈴乃「さっきの事は…不意打ちだ…卑怯…だぞ」




千穂「…鈴乃さん、顔真っ赤…」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:04:40 ID:K77BZPeH0
芦屋「うぅぅぅ…」ポロポロ

千穂「芦屋さん!?」


芦屋「まさか漆原が掃除をしてくれるとは…」

千穂「ええ!?そこですか!?」

芦屋「うぅぅぅぅぅぅ」ポロポロ

千穂「もう泣かないで下さいよ。はい。これハンカチです」

芦屋「あ、ありがとうございます…」


■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~


鈴乃「の、覗きとは卑怯な!」

恵美「へぇ~」

千穂「でも、元々魔王城は真奥さんと芦屋さんの物ですし、芦屋さんが了承を出せば卑怯も何も…きっと」

鈴乃「ぐ、ぐぅ」

恵美「へぇ~、そんな事がねぇ~」ニヤニヤ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:08:24 ID:K77BZPeH0
鈴乃「な、なっ!え、エミリア!なぜニヤニヤしている!」

恵美「いえいえ、普段はルシフェルの事を馬鹿にしてるけど、本当は………………なのかな~って」

鈴乃「そんな事あるわけがないだろう!信頼はしている!頼りにはしているが!」

鈴乃「断じて恋愛意識があるはずがない!」

恵美「うん。そういうことにしておいてあげるわ」

鈴乃「ぐっ、だったら私も言わせてもらうぞ!」

恵美「え?なに?」

鈴乃「先日…偶然見かけてしまったのだ」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:13:16 ID:K77BZPeH0
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ガタンゴトン


鈴乃(それにしても、この電車という機械はなぜこのスピードで走れるのだろう…)

鈴乃(…)

鈴乃(ん?あれはエミリアと魔王じゃないか?)

鈴乃(そういえば、先日魔王が『アラス・ラムスの服を一緒に買いに行きたい』と駄々をこねていたな)

鈴乃(なるほど、それで買いに来たというわけか…)



鈴乃(ちょっと混雑しているが、どうにか近くに行って声をかけるか)

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:16:35 ID:K77BZPeH0
鈴乃(……ん?)


恵美「…」

真奥「…」グーグー

恵美「…」キョロキョロ

真奥「…」グーガー


ススッ


鈴乃(なっ!エミリアが寝ている魔王の肩に寄り添っただと!?)

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:20:31 ID:K77BZPeH0
恵美「…」チラチラ

真奥「…」ガーグー


コトン


鈴乃(なにっ!?今度は魔王の肩に頭を!?)


真奥「…」ガーガー

恵美「//」カァー



■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~


恵美「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああ」

千穂「遊佐さん!?どういう事ですか!?やっぱり真奥さんの事が!?」

恵美「違う!違うの!違うのよ!!!!」

鈴乃「まったく、何がどう違うのか?教えてほしいものだな」ニヤニヤ

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:24:41 ID:K77BZPeH0
恵美「見間違い!そうよ!これはベルの勘違いよ!」

鈴乃「ほう?」

恵美「実は私はあの時に寝ていたの!だからあれは寝相よ!」

恵美「寝ていたら隣の人の肩に頭を置くのは必然的な事よ!」


鈴乃「そうか…あくまでも真奥が好きとは言わないな?」

恵美「当たり前じゃない!あいつは私の倒すべき敵!」

千穂「そうですよね!私、遊佐さんを信じます!」



鈴乃「そういえば、先日こういう事があってな」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:28:38 ID:K77BZPeH0
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


鈴乃「はぁ~…雨か…傘を持ってくるのを忘れた」


ザーザー


鈴乃「うどんグランプリというイベントがあると聞いて飛んで来たのが失敗だった」

鈴乃「やはり天気予報ぐらい確認するべきだったか」


真奥「おう。何してるんだ?」

鈴乃「魔王か…傘を持ってくるのを忘れてな」

真奥「あー、この雨だと濡れて帰るのは大変だな」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:32:54 ID:K77BZPeH0
 
\バッ/


鈴乃「ほう…良い傘を持ってるじゃないか」

真奥「へへ。とある奴に貰った5000円くらいする傘なんだぜ」

鈴乃「ふむ。がっしりしていて、大きくてデザインも良いな」

真奥「だろう?ほら、一緒に帰るぞ」

鈴乃「なに!?」

真奥「別に一緒に入るのが恥ずかしい間柄じゃねーだろう?」

鈴乃「確かに…そうだが」

真奥「ほら、濡れて帰るぐらいなら一緒に…な?」

鈴乃「ああ。今回ばかりは礼を言うありがとう」


■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~




恵美「」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:37:00 ID:K77BZPeH0
鈴乃「まぁ、いくら大きめの傘とは言え、やはり肩を密着させて帰ったわけだが」

千穂「私を!」

鈴乃「ん?」

千穂「なんで私を呼んでくれなかったんですか!」

千穂「呼んでくれれば、真奥さんと一緒にあいあいがさ…相合傘できたのに」

鈴乃「いや、さすがに魔王がそこまで待っててはくれないだろう」

恵美「…ふっ。ふふふふふふふふふふふふ」

鈴乃「え、エミリア?」


恵美「あいつあの傘で…ふ~ん。別に誰かとイチャイチャするためにあげたわけじゃないんだけどなー」

恵美「許さない!許さない!許さない!許さない!許さない!」

恵美「魔王のくせに!魔王のくせに!魔王のくせに!魔王のくせに!魔王のくせに!魔王のくせに!!!!!」

千穂「ゆ、遊佐さん?」


鈴乃「ちなみに今のは嘘だ」


恵美「絶対に許さない………………え?」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:40:56 ID:K77BZPeH0
鈴乃「まぁ、魔王が入れてくれようとはしたんだが、ちょうど雨が止んだ。だから未遂だ」

千穂「そ、そうだんったんですね!…はぁ~。よかったぁ~」

恵美「…あっ、そうなんだ」


鈴乃「で、エミリア。何でそんなに怒ってたのだ?何で今はホッとしたような顔をしているんだ?」ニヤニヤ

千穂「…遊佐さん」

恵美「え?べ、別に悪魔の魔王が女性を襲うとしたのが許せないだけで」

鈴乃「しかし、相手は私だ…魔力が完全な魔王ならまだしも、今の魔王が私に敵うわけないだろう?」

恵美「ぐっ」

鈴乃「ほら、エミリア…素直になったらどうだ?」

恵美「違う…そんな事ない…ええ!そんな事あってたまるものですか!」

千穂「そ、そうですよね!遊佐さんは勇者!真奥さんは魔王ですもんね!」

恵美「そうよ!その通りよ!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:45:31 ID:K77BZPeH0
鈴乃「じゃあ、あれはどういうことだ?」

恵美「え?」

鈴乃「聞くのも恥ずかしかったから黙ってはいたのだが…」



■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

漆原「…」

恵美「ちょっと客にお茶も出ないの?」

漆原「もう少ししたら真奥と芦屋が帰ってくるから自分でだせば?」

恵美「はぁ~。ったく、魔王城ってろくでもないわね」

漆原「うるさいなぁ~」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:47:36 ID:K77BZPeH0
鈴乃(ん?エミリア魔王城に来ているのか?)

鈴乃(そうだ、ちょっと相談したい事が…窓から顔を出して声を掛けてみるか…)

鈴乃(って何!?)


恵美「んっ」

鈴乃(エミリアが…魔王城の洗濯物を取り込んでいる…というより、タオルだけを取っただと!?)


■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~



恵美「ち、違うのよ」

鈴乃「そのあと、なぜかエミリアはさっさと帰宅し、アルシエルは『魔王様のタオルが一枚なくなった』と泣いておったぞ」

千穂「…え?ど、どういう事ですか?」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:52:17 ID:K77BZPeH0
恵美「違うの!窓の外に手を伸ばして、手のひらをぐーぱーぐーぱー運動していたら、なぜか手の中にあいつのタオルがあっただけで!」

恵美「そして、運動して汗をかいたから、ついでに使ってやっただけ!」

鈴乃「…じゃあ、なぜ返さない?」

千穂「遊佐さん、さすがにそれは…」

恵美「うっ…」

鈴乃「本当は匂いを嗅いだりしていたんじゃないのか?」

恵美「違うわ!」



真奥「何だ、持っていったのお前だったのか」

恵美「そうよ私が持って行った…って、なぁ!?」

千穂「真奥さん!?」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 00:56:14 ID:K77BZPeH0
鈴乃「まったく、があるずとおく中に顔を出すとは無粋なやつだ。があるずとおく中に」

真奥「いや、俺もそう思ったんだが、何か険悪なムードを感じて…声だけかけておこうかと思ってな」

恵美「はぁ!?別にあなたに心配してもらうような事は何もないんですが!?」

真奥「つーか、お前はタオル返せよ」

恵美「っ!」


バンッ


真奥「痛っ!おいテメェ!何しやがる…?ん?」

鈴乃「リボンがついた箱?…プレゼント?」

恵美「見ればわかるでしょ。中身はタオルよ。あれはダメにしちゃったから…」

真奥「え?そうだったのか…だからと言って、わざわざ買わなくても良かったんだが」

千穂「あれは今有名な『昔治タオル』の包装紙ですよ!」

真奥「え?『むかしばりタオル』?」

千穂「タオルで有名なブランドです!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 01:00:07 ID:K77BZPeH0
恵美「い、言っておくけど!」

恵美「これはあまりにも安いタオルを使っているあなたを惨めに感じたからで」

恵美「勇者に施しを受ける魔王の屈辱的な姿を見たいだけなんだからね!」

真奥「あ、ああ」


真奥「恵美…ありがとうな。こんな高そうなブランド物…ありがたく使わせてもらうぜ」

恵美「ありがたく?何を言っているの。屈辱的に使いなさい」

真奥「ったく、どういう使い方だよ。それ」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 01:04:08 ID:K77BZPeH0
千穂「ああっ、もうこんな時間!すいません、私バイトがあるんで」

恵美「じゃあ、今日はこの辺でお開きにしましょうか。邪魔者も来たしね」

真奥「おい」

鈴乃「千穂殿、私と一緒に行こう。今日の夕飯の買い物がしたかったのでな」

千穂「はい!…では、真奥さん、遊佐さん失礼します」

恵美「うん、またね」

真奥「バイト頑張れよ。ちーちゃん」

千穂「はい!」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 01:07:11 ID:K77BZPeH0
 
…………………………………

鈴乃「そういえば、エミリアはなぜタオルを持って帰ったんだろうな?」

千穂「う~ん、私が思うに。きっと…」

鈴乃「ん?」

千穂「遊佐さんが汗を拭いたタオルを、真奥さんに使って欲しくなかったんじゃないでしょうか?」

鈴乃「ふむ…なるほど。確かに男には使ってほしくないな」

千穂「たぶん、そんな単純な理由だと思いますよ」

鈴乃「単純…そうだな、まさに単純だ。自分の嫌な匂いがついた物を普通使ってほしくない…」


鈴乃「あの時はエミリアに対して熱くなりすぎた。今度会った時に謝っておこう」

千穂「ええ。それがいいと思います」

鈴乃「そもそも勇者が魔王に惚れるという発想がどうかしていた。私もまだまだだな」

千穂「…たぶん…きっとそうだったらいいんですが」ボソッ

鈴乃「ん?」

千穂「い、いいえ」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 01:09:56 ID:K77BZPeH0
 
…………………………………



恵美「あなた今日は暇なんでしょう?だったら夕食に付き合いなさい!」

真奥「嫌だ。そんなお金はない!」

恵美「近くにカレー専門店がオープンしたの。一回行ってみたかったのよね」

真奥「一人で行け」

恵美「馬鹿ね。こういう店は一人で入りにくいのよ。ほら奢ってあげるから」

真奥「おお!じゃあ行く!カレーなんて高価な物は普段食べねーから楽しみだ」

恵美「ふふ♪どんなカレーがあるのかな~♪」

真奥「カッレェ~♪カッレェ~♪」




       終わり


真奥「勇者エミリアを無視し続けたらどうなるか」

2013-05-25 07:57:53 | はたらく魔王さま
真奥



芦屋



漆原



恵美



千穂


鈴乃


主なキャラクター


1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:08:53.83 :K77BZPeH0

漆原「わかったよ。勇者エミリアを倒す手段が」

芦屋「何だと!憎っくきエミリアを倒す手段だと!?」

真奥「くだらないような気がするが…一応聞いてやるよ」


漆原「遊佐を無視すればいいんだよ」

芦屋「…」

真奥「ハァ?」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:11:16.11 :K77BZPeH0

芦屋「なるほど…一理ある」

真奥「それでどうやったら恵美を倒せるんだよ?」

漆原「まぁ、実際は倒すっていうか弱らせるなんだけどね」

芦屋「人間は精神的ダメージに非常に弱いといいます」

芦屋「それに昔、エミリアが初めて魔王城に来た時に…」

真奥「そういえば、その時に閉めだしたら、あいつ…」

芦屋「ええ。心に深くダメージを負ったようでした」


真奥「なるほど…それで無視か…」

芦屋「ええ。やってみる価値は高いかと」

真奥「おう。じゃあさっそく今度会ったときにやってみるわ」

恵美「来たわよー。まったくこの部屋は相変わらず暑いわねー」


漆原「うわぁ。もう来たよ」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:12:09.18 :4l2fnZeb0
可哀相だろ!続けろ!


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:15:18.00 :K77BZPeH0

芦屋「貴様!一体何をしに来た!」

恵美「はぁ?私はあなた達が何か悪い事をやっていないか?見張りに来たのよ」

漆原「だからって部屋の中に来なくてもいいじゃんか」

恵美「何を言ってるの?魔王城を攻略するのは勇者の仕事よ」

真奥「…」


恵美「…まぁ、今日も何も悪い事はやってないみたいだし…」

恵美「あっ、って言ってもあなた達にできる悪い事なんて、たかが知れてたわね。貧乏って罪よね~」

芦屋「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ」

恵美「ほら、500円よ。屈辱の渦に巻き込まれなさい」

芦屋「なっ!?貴様!魔王様を愚弄するつもりか!」

漆原「真奥ー、これでアイス買ってきてよ」

恵美「大元帥の一人は喜んでいるみたいよ?」

芦屋「ぐぬぬぬぬぬ!」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:19:21.10 :K77BZPeH0

恵美「って、あなたは何も言い返さないの?ああ、言い返せないのかしらね?」

芦屋「なんだと!?」

恵美「アルシエルじゃないわ。こいつよ。こいつ」

真奥「…」

芦屋「貴様!魔王様に『こいつ』呼ばわりとは…」

恵美「…ふんっ、魔王なんかこいつで充分よ」

恵美「ね?あなたもそう思うでしょう?」

真奥「…」

恵美「…」

真奥「…」

恵美「ちょっ、ちょっと!何とか言いなさいよ!」

真奥「…」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:23:29.35 :K77BZPeH0

恵美「そう…言葉が出ないほど屈辱的と言うことね。いい気味だわ」

真奥「…」

恵美「…」

真奥「…」


恵美「ね、ねえ?体調が悪いの?まさか声が出ないとか?」

芦屋「そんなことはない。今日も魔王様は快調だ」

恵美「そう…」

芦屋「ああ」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:27:32.75 :K77BZPeH0

恵美「…」

真奥「…」

恵美「…」

真奥「…」

恵美「…」

真奥「…」

恵美「ご、ごめんなさい」

芦屋「!?」
漆原「!?」

恵美「そ、その…そんなに気を悪くするなんて思わなかったの」

真奥「…」

恵美「だから、その…あのね」

真奥「…」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:31:01.07 :0UxF+CDHO
ウヒョ-!!!!!


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:31:32.79 :K77BZPeH0

恵美「うぅ…」ポロポロ

芦屋「お、おい、エミリア?」

漆原「どうすんの?これ」

真奥「…」


恵美「確かに私の態度も悪かったけど、元々あなたが悪いのよ」

恵美「あなたがあんな酷い事ばっかりやってたから、私も仕方なく…」

恵美「…日本の生活だけを見れば…悪い人…むしろいい奴だけど…」

恵美「それでも、私は勇者であなたは魔王なんだから…」グスグス


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:35:34.92 :K77BZPeH0

恵美「そうよ…私は勇者だから魔王の世界征服の上で、絶対に邪魔になる存在のはず」

恵美「だから、だからね…無視しないでよ…」グスグス


真奥「恵美…」

恵美「!?」

芦屋「魔王様!?」

真奥「すまん、集中したくて耳栓していた。聞いてなかったわ」

恵美「…………………は?」

真奥「だから、もう一回言ってくれないか?」

恵美「…………………………………し」

真奥「し?」

恵美「死ねええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:39:42.45 :K77BZPeH0

 
……………………



真奥「痛い…」

芦屋「魔王様動かないでください…もう少しで包帯が巻き終わりますので」

漆原「耳栓なんて嘘をついたあげく、即刻無視をやめちゃうなんて魔王サタンも甘くなったもんだね」


真奥「仕方ねえだろ…あんな顔されたんじゃ」

芦屋「…」

漆原「…まぁ、ぶっちゃけ僕も同意かな。決着はエンテ・イスラでつければいいわけだし」

芦屋「魔王様がそう仰るなら、私は何も言うことはありません」


真奥「まあ、今回はこっちも怪我した訳だから、痛み分けって事だな」

芦屋「はい」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:39:45.27 :M2XYyKnx0



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:43:43.46 :K77BZPeH0

■後日

真奥「おい恵美!無視すんなよ!」

恵美「…」

真奥「ぐっ!これはきつい!悪かった前日の事は俺が悪かった!」

真奥「謝るから、口を聞いてくれ!な?ほ、ほらカレー奢るから一緒に食べに行かないか?」

恵美「…」プイッ

真奥「おいこれが勇者エミリアのやる事かよ!」

恵美(まったく好き勝手言ってくれるわね)

恵美(でも、反省しなさい。私は勇者、あなたは魔王。決着は正々堂々全力でつけなきゃね)

真奥「おい!俺泣くからな!泣いちゃうからな!」


恵美「~♪」


       終わり

続きまして
恵美「え?真奥の好みのタイプ?」千穂「は、はい」
をお送りいたします


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:47:44.60 :K77BZPeH0

恵美「ん~…そもそも悪魔の魔王が女性に興味を持ったりするのかしら?」

千穂「それも含めて相談したかったのですが…」

恵美「ねえ、芦屋はどう思う?」

芦屋「くっ、私はなぜ椅子に縛られているのだ?」

恵美「あなたが逃げるからでしょう?…でどうなの?」

芦屋「そもそも魔王様が人間の娘なぞに恋愛感情を持つわけがなかろう」

千穂「え…やっぱり…そうなんですね。そうですよね…」

芦屋「うっ」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:51:54.55 :K77BZPeH0

恵美「ねえ?本当なの?地球では人間なわけだし、女性に興味を持ったりするわけじゃないの?」

芦屋「もしかして、お前は男性に興味を持っているのか?」

バンッ

恵美「はあ!?私の話じゃないでしょ!あいつの!魔王サタンの話をしているのよ!」


千穂「芦屋さんは女性に興味ないんですか?」

芦屋「ありません。私は魔王様一筋ですので」

恵美「うわぁ~。予想していたけど、聞きたくない事を聞いてしまったわ」

芦屋「…しかし魔王様は……いや、何でもない」


恵美「え?なになに?とても聞きたいんだけど?」

千穂「芦屋さん!どうなんですか!お願いします!明日も唐揚げとサラダを持ってきますから!」

芦屋「はい。実はこの前こんな事が…」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 20:55:54.50 :K77BZPeH0

■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

真奥「いやー、今日の洋画劇場も面白かったなー」

真奥「特にあのネイトって奴がラザレビッチを倒すシーンは燃えたぜ!」

芦屋「本当に魔王様は映画が好きなんですね」

真奥「ああ!やっぱり、面白い作品ってすげーよな!感動するぜ!」

漆原「そういえば、真奥ってさー、やっぱり女に興味あったりするわけ?」

真奥「ん?」

漆原「だって、序盤のHシーン、目が泳いでたよ。あまり見てなかったよね?」

漆原「恥ずかしくて見れなかったんでしょう?」

真奥「なっ!」

芦屋「ふざけるな!魔王様が地球の小娘などに興味を持たれるわけないだろう!」

漆原「ちなみに、芦屋はどうなの?」

芦屋「ふんっ!私は魔王様一筋だ!他の奴に心が揺れるものか!」

漆原「うわぁ~。聞きたくなかった…」

芦屋「そういう貴様はどうなのだ?」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:00:08.78 :K77BZPeH0

漆原「ん?僕?…そうだな~」

漆原「面倒を見てくれて、退屈にしてくれない人ならいいかな~」

芦屋「面倒見がいい人か…確かに貴様にぴったりだな」

真奥「そうだな…俺は…」

芦屋「魔王様!?」


真奥「俺はアラス・ラムスが好きだ!」

漆原「…いや、そういう事じゃなくて」

真奥「それか、猫もいいな猫!」

芦屋「それは同感ですね」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:04:01.62 :K77BZPeH0

真奥「うーん、ついでに言うと…そうだな、木崎さんみたいに目標になる人は好きだな」

芦屋「なるほど。追い越す、壁になるような人ですね」

真奥「ああ、さらに俺を高めてくれる…そういうのはいいと思う」

漆原「いや、僕が言いたいのは女に興味があるのかな?って意味で」

芦屋「黙れ!魔王様は貴様の考えなどでは、到底及ばない事を考えていらっしゃるのだ!」

漆原「そうなのかな~」


■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~


千穂「…えーと」

芦屋「すみません、やはり有益な情報ではありませんよね」

恵美(あの映画の序盤のHシーンって確か…)

恵美(胸が大きい…スタイル抜群………ちっ!魔王めっ!)


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:08:20.84 :K77BZPeH0

千穂「『さらに俺を高めてくれる人』ですね…私、一度ちゃんと考えてみます!」

芦屋「え?」

千穂「私!真奥さんを高められるような人になれるよう!頑張ります!」

芦屋「佐々木さん…いえ、頑張ってください。何か分かり次第また連絡しますので」

千穂「はい!ありがとうございます!」


真奥「おう。珍しいメンバーだな…って何で芦屋は縛られてるんだ?」

千穂「真奥さん!?」

真奥「ここの喫茶店の横を通り過ぎたら三人がいるのが見えたからさ」

芦屋「魔王様!これは憎っくき勇者の陰謀です!私の事など気にせずに早く逃げてください!」


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:12:27.67 :K77BZPeH0

千穂「あ、あの真奥さん!」

真奥「ん?ちーちゃん?」

千穂「わ、私!真奥さんを高められるような人に頑張ってなりますから!」

真奥「へ?」

千穂「あっ、もうバイトの時間!じゃあ、私はこれで!」

真奥「え?あ、ああ。頑張れよ」

千穂「はーい!頑張ります!」


タタタタタタタ


真奥「え、えーと?どういう状況なんだ?」


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:16:23.12 :K77BZPeH0

芦屋「あ、あの…」

真奥「というか、恵美は何で俺を睨んでいるんだ?」

恵美「私をあまり甘く見ない事ね!私はまだまだ成長期なんだから!」

真奥「はあ?」

恵美「ふんっ、じゃあ私も帰るわ」

真奥「あいつ何を言ってるんだ?」

芦屋「さあ…?」


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:19:15.93 :K77BZPeH0

芦屋「はっ!」

真奥「ん?」

芦屋「エミリアー!貴様!お金はどうした!ここの喫茶店のお金は!これが勇者のやることか!」

真奥「…しまった、恵美の奴、行っちまったぞ…」

芦屋「…魔王様…お金は持たれていますか?」

真奥「さ、300円なら…」

芦屋「私は拉致されたので、持っていません」


真奥「ちくしょうー!勇者に関わるとろくな事がねーな!!!!」




千穂(高めれる相手…今現状だと…真奥さんの相手は勇者の遊佐さんのみ)

千穂(最近、遊佐さんも真奥さんに対して怪しい感じだし…)


千穂(私、絶対に負けませんから!)


       終わり


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:22:07.05 :6zUPcTW60



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:23:11.95 :K77BZPeH0

■真奥「愛してるよちーちゃん」千穂「夢みたいです」

\バッ/

千穂「って、本当に夢!?」

千穂「まったく真奥さんったら、昨日は寝かせてくれなかったから…眠い」

千穂「いい夢見れますように」

千穂「Zzz」グー

木崎「…」

真奥「…」

木崎「体調が悪いようだから、控室で休ませていたら…」

木崎「まーくん?これはどういうことだ?」

真奥「知りません。知りません!知りません!!」

千穂「えへへ~。真奥さんったら…もう激しいんだから…」ムニャムニャ

真奥「ちーちゃん!?」

木崎「…やはり若い女性クルーは当分雇わん。まったく……」


       終わり


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:27:19.79 :K77BZPeH0

■鈴乃「え、エミリア…貴様何を…」恵美「違うの!」


恵美「お、落ちついて。ベル…これは全部勘違いなのよ?」

鈴乃「では、なぜ貴様は…」


鈴乃「魔王のパンツを手に持っているのだーーーー!?」

恵美「違うの!って大声でそんな事を言わないで!」


鈴乃「何が違うんだ!というかエミリア…なぜパンツをかぶっているのだ?」

恵美「これはパンツパラダイスを…違うの!パンツと言ったら被る物…いえ、違うのよ!」



鈴乃「!?」

恵美「違うの!信じてベル!これには深い訳が!」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:31:35.18 :K77BZPeH0

鈴乃「ち、近寄るな!」

恵美「べ、ベル…?」

鈴乃「今…そのスカートの隙間からチラっと見えたのだが…

恵美「え?」


鈴乃「貴様…ま、まさか…魔王のパンツを穿いて!?」

恵美「ち、違うわ!たまたまあいつと同じパンツだっただけで!」

鈴乃「そんなたまたまがあるか!貴様は男物の下着を着ているのか!?」

恵美「ご、ごめんなさい…実は私…」


鈴乃「…」

恵美「女物の下着と男物の下着の区別がつかなくて…」

恵美「だってエンテ・イスラの時はそんなのなかったし」


鈴乃「普通にあったと思うが…」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:35:26.49 :K77BZPeH0

恵美「だから、よかったらベル…どんなものが良いか教えてくれない?」

鈴乃「すまん。それはできない」

恵美「え?」


鈴乃「和服は下着を着けなんだ」

恵美「…そうなのね」

鈴乃「ああ、だからわからない」


ギュウウウ


恵美「ベル!私達仲間ね!」

鈴乃「ああ仲間だ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

漆原「って夢を見たんだ」

真奥「お、おい!?」

芦屋「ふむ。魔王様のパンツでパンツパラダイスか…中々見る目があるな勇者エミリア」

恵美「そんな事するか!!!!」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:39:30.82 :K77BZPeH0

漆原「これってさー、正夢なのかな~?」

恵美「へ、へぇ~…それを聞くって事は…つまり…」

鈴乃「私達は…その小さいから…女性物の下着が必要ないと言いたいのか?」


漆原「ひ、ひぃ!?そ、そんな事は言ってないって」

真奥「おい!落ちつけ二人とも…その普通だから怒るような事はないと思うぞ?」

恵美「え?何?その憐れみのような目?殺すわよ」

鈴乃「殺れ。私が許す。全員斬れ」


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:39:47.37 :K77BZPeH0

真奥「おい!漆原!ってあいつ逃げやがった!」

鈴乃「大丈夫だ。誰も逃がしはせん」

芦屋「」
漆原「」


真奥「うおおおお!いつの間に!?」

恵美「魔王、覚悟ーーーーーーー!!!!!」






       終わり


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:43:35.70 :K77BZPeH0

■アラス・ラムス「おはなー」恵美「そうね」

千穂「今日は本当にいい天気ですね」

恵美「ええ。『近くにコスモスがたくさん咲いているから行こうぜ』って…あいつもたまにはいい事言うのね」

アラス・ラムス「うー。きれい」

恵美「ふふっ。そうね。綺麗だわ」

千穂「アラス・ラムスちゃんも機嫌良いみたいですね」

恵美「ええ。本当に」


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:47:38.51 :K77BZPeH0

真奥「よっしゃーできた!」

アラス・ラムス「ぱぱ?」

恵美「静かって思ってたら…そっちで何を作ってたの?」

真奥「じゃーん。アラス・ラムス!ほらプレゼントだー」

アラス・ラムス「ゆびわー?」

真奥「ああ。花の指輪…よし!似合ってるぞ!」

アラス・ラムス「ありがと♪」

真奥「ああ、可愛いぞ」

恵美「へぇ~。意外と器用ね」

真奥「ああ、恵美の分もあるぞ」


恵美「…」


恵美「へ?」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:52:11.72 :K77BZPeH0

千穂「真奥さん!?」

真奥「ほら、『まま』とお揃いの方がアラス・ラムスも喜ぶだろ?だから作った!」

アラス・ラムス「ままぁとおそろいー」

恵美「ななななななななななななななな!?」

真奥「ん?どうかしたか?仕方ないな。俺がつけてやるよ」


スッ


恵美「ああああああああああああああ!!!」

アラス・ラムス「ままとおそろい。いっしょ~♪」

真奥「よかったなー」ナデナデ

アラス・ラムス「うー♪」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 21:55:43.84 :K77BZPeH0

千穂「ま・お・う・さ・ん?」

真奥「ち、ちーちゃん…怖い顔してるぞ?」

千穂「もちろん、私のも作ってくれますよね?」

真奥「え?でも、結構面倒でさ」

千穂「作ってくれますよね?」

真奥「は、はい。じゃあ、ちょっと良さそうなの探してくる」


千穂「頑張ってください!」

真奥「え?あ、ああ」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:00:25.88 :K77BZPeH0

恵美「…」

千穂「遊佐さん!?」

恵美「え?なに!?あ、あれ?あいつは!?」

千穂「何でウットリした目で指を見ていたんですか…」

恵美「へ?べ、別にそんな事ないわ」


恵美「ただ、アラス・ラムスとお揃いで嬉しいな~って」

千穂「本当にそれだけですよね!」


恵美「あ、あたりまえでしょう!誰があんなやつなんかを!」

千穂「私、遊佐さんを信じますから」

恵美「…………ええ」


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:04:09.62 :K77BZPeH0

アラス・ラムス「ぱぱぁ」

真奥「おっ?どうした?」

アラス・ラムス「おっきくなったら、ぱぱとけっこんするね」

真奥「ああ。そりゃ楽しみだ」


恵美・千穂「!?」

千穂「ダメです!真奥さんは…その…」

恵美「魔王が何の約束しているのよ!!」



真奥「まったく騒がしいな」

アラス・ラムス「うー♪」

真奥「そうだな。楽しいな」

アラス・ラムス「ん♪」



       終わり


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:08:06.95 :K77BZPeH0

■恵美「体が…」真奥「入れ替わった!?」


恵美(真奥)「何で俺が恵美になってんだよ!」

真奥(恵美)「私が知ってるわけないでしょう!」


真奥「やっぱり、頭がぶつかったせいかしら…」

恵美「ああ、お前が階段から転んで俺にぶつかったせいだな」

真奥「そもそもあなたがあんなボロアパートに住んでいるのがいけないのよ!」

恵美「はぁ!?毎度毎度転ぶのはお前だろうが!やーい。運動音痴の勇者ー」

真奥「くっ!言わせておけば…死ねーーーー…ってあれ?」

恵美「…俺の体で聖剣が出るわけないだろ?」

真奥「な、なんて事…」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:11:56.39 :K77BZPeH0

恵美「と、ということは…」

真奥(し、しまった。聖剣が魔王の手に!これは…!!)

恵美「アラス・ラムスと遊び放題じゃねーか!」

真奥「…は?」

恵美「アラス・ラムス!」

ドロン

アラス・ラムス「んん…ん?ぱぁぱ?」

恵美「ああ、ぱぱだぞー♪」

アラス・ラムス「ん?ままぁ?」

真奥「ええ、ままよ」


恵美「って、もうこんな時間!バイトに行ってくる!」

真奥「はいはい、行ってらっしゃい…………って行かせるかーーー!」

恵美「なんだよ!早く行かないとダメだろ!」

真奥「はぁ~…その格好でどこに行くのよ…」

恵美「…あっ」


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:15:52.28 :K77BZPeH0

真奥「今日は仕事を休みましょう。対策を練らないと」

恵美「だ、ダメだ!皆勤賞がなくなっちまう!」

真奥「だからと言って、その格好でバイト先に行ってなんて説明するつもり!?」

アラス・ラムス「けんか…めっ」

恵美「あ、ああ。そうだよな。ケンカはダメだな」

真奥「冷静になった?」


恵美「よし!恵美はマグロナルドに行け。俺はアラス・ラムスと遊んでいるから!」

真奥「ああ!?私も仕事があるんですけど?」

恵美「じゃあ、俺はお前の仕事先に行く!」


真奥「…そうね。最近色々あって休んでたから…って、うまく働けるわけないわ…」

恵美「お前が弱気になるなんて珍しいな」

真奥「なっ!」

恵美「俺は魔王でお前は勇者だ。この最強の二人が協力すれば怖いもの無し!だろう?」

真奥「……ぐっ。何で私が魔王なんかと協力を…」


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:20:08.94 :K77BZPeH0

恵美「ほら、行くぞ。何か問題があったら連絡を取り合う。…でいいな?」

真奥「ええ。わかったわ」


真奥「じゃあ、私は先に行くわね」

恵美「ちょっと待ってくれ!」

真奥「ん?なに?」


恵美「俺はお前の職場がどこにあるか知らんぞ」

真奥「…先が思いやられるわね」


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:21:55.56 :M4NyBT80i
最近のはたらく魔王様のSS書いてる人って同じ?
pixivにVIPのSS載ってるけど本人か?


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:24:04.48 :K77BZPeH0

 
………………………………………………


アラス・ラムス『うわぁぁぁぁん。ままがいないーーーー』


恵美「はい。はい。ですからスリムフォンは乾電池では動かなくて」


恵美「…え?アイポンは当社では取り扱っておらず…」


恵美「説明書が英語ではない?すみません。当社は日本語の説明書しか扱っておらず…」


恵美(うおおおおお。何だよこれ!客は無茶苦茶だし、アラス・ラムスは泣いてばかりだし!)


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:25:23.67 :K77BZPeH0

>>78
>最近のはたらく魔王様のSS書いてる人って同じ?
全部把握できてないから知らん

>pixivにVIPのSS載ってるけど本人か?
YES。昔要望が数回あったから乗っけてる


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:28:23.88 :K77BZPeH0

 
………………………………………………


店員A「まーくん、塩がいつもの所にないんだけど、どこの棚にあるのかな?」

真奥「え?えーと、塩は…」



店員B「真奥さん…その私…ここでやっていく自信がなくて…」

真奥「う、うん?そうね…」



木崎「まーくん?今日の売上がこのままのペースだと、今月最低値になってしまう。何か案はあるか?」

真奥「え、えーと…」


真奥(な、なによ!時間帯責任者だからってみんな聞いてこないでよ!少しぐらい自分で何とかする気概はないの!?)


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:32:09.17 :K77BZPeH0

 
………………………………………………

恵美「疲れた~…」

真奥「ほ、本当ね…」

恵美「ふぅ…」


真奥「ねえ?アラス・ラムスは?」

恵美「寝てる…仕事中たくさん泣いてたから」

真奥「そう…大変だったわね」


恵美「…なあ、恵美」

真奥「ん?なに?」


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:36:23.58 :K77BZPeH0

恵美「今日はすまん。お前の仕事があんなに大変とは思ってなかった」

恵美「しかも、アラス・ラムスが頭の中にいるのが、こんなに大変なんて…」

真奥「だからって、何で謝るのよ」

恵美「お前が言った通り、休めば良かったと思ってる。失敗はしてないと思うが、もし失敗していたら、お前に迷惑をかけるからさ…」

恵美「だから、すまん」


真奥「…そうね。私は…あなたの事を見直したわ」

恵美「え?」

真奥「と言っても、本の少しよ。ほんのちょっぴりよ!図に乗らないでよね!」

恵美「あ、ああ」


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:40:22.61 :K77BZPeH0

真奥「時間帯責任者なんて肩書だけだと正直思ってた」

真奥「…でも、想像以上にみんな頼ってきて…私……ちゃんとやれたか…」

恵美「大丈夫だ」

真奥「え?」

恵美「お前なら大丈夫。下手な失敗はやってないさ。魔王の俺が保証してやるよ」

真奥「はぁ!?あなたに保証してもらっても安心しないんですけど!」


恵美「へへっ。やっぱりお前はすごいな。俺もお前の事を見直した。さすが勇者エミリアだ」

真奥「当たり前でしょう!」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:44:25.61 :K77BZPeH0

恵美「それに…まぁ、いざとなったらまたお互いサポートすればいいさ」

真奥「元の体に戻れれば一番なんだけどね」


恵美「戻れるさ」

真奥(…って、仕事で忘れていたけど、私って…真奥の体!?)

真奥(っ!?)

真奥(わ、私、なんでドキドキしてるの!?)

真奥(こんな体…硬いだけだし…臭いし……でも…)



恵美「恵美?」

真奥「え?な、何でもないのよ!べ、別に匂いなんか」

恵美「そうか…そのさ……………いや、やっぱり…」

真奥「ん?それでも悪魔を統べた魔王なの?」

真奥「さっさと言いなさい。聞くだけは聞いてあげるわ」


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:48:21.65 :K77BZPeH0

恵美「よかったら、一緒に…いや、うちのアパートの203号室に引っ越してこないか?」

真奥「は、はぁ!?」

恵美「いや、今回の件でお前が一人で苦労しているのがわかってさ…」

恵美「ほ、ほら、俺には芦屋やちーちゃん、鈴乃…まぁ漆原?がいてくれてるけど、お前には…」

真奥「はぁ~?」

恵美「い、いや。そのな、鈴乃がお前と仲がいいのは知っているが、遠いから…いざとなった時に頼れないだろう?」

恵美「だから、引っ越してこいよ」


真奥「…まったく、馬鹿ね」

恵美「おい。人がせっかく気をきかせてやったのに」

真奥「私は勇者。誰かが私を想ってくれてるだけで、私はずっと戦えるわ」

恵美「そうか…」


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:52:34.04 :K77BZPeH0

真奥「だ、だから、あなたは私をずっと想っていなさい!そうしないと私は…」

恵美「ははは。わかった」

真奥「ちょっと…簡単に言ってくれるわね?」


恵美「そもそも俺はずっとお前を…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

チュンチュン

恵美「…は?」

恵美「ゆ…め…?」

恵美「…」

恵美「きゃああああああああああああああああ!!!!」

恵美「って、私どんな夢を見ているのよ!なんであんな夢を!」


恵美「…」

恵美「今日は仕事休み。たしかあいつも休みのはず!」

恵美「気晴らしに一発殴ってやるわ!」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 22:56:41.63 :K77BZPeH0

 
……………………………………



真奥「よう。朝早いな」

恵美「っ!?」

真奥「どうした?顔が赤いぞ。風邪か?」

恵美「な、何で駅前にいるのよ!」


真奥「いや、なんとなくお前が来る気がしたからさ」

恵美「はぁ~…なんなのそれ…魔王の第六感とか?」

真奥「昨日、変な夢見てさ…それでな」

恵美「はぁっ!?あなたもなの!?」

真奥「お、お前もなのか!?」


94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 23:00:35.51 :K77BZPeH0

恵美「ち、違うわ!何で私があなたと同じ夢を!」

真奥「…まぁ、ありえるかもな」

恵美「へ?」

真奥「俺は魔王でお前は勇者だ。違う意味で強力な繋がりがある。だから可能性は高い」

恵美「あなたは…どんな夢を見たのよ?」

真奥「…」

恵美「…何よ?」

真奥「べ、別に何だっていいだろう!」

恵美「ははぁ~ん。何か恥ずかしい夢でも見たのかしら?」ニヤニヤ

真奥「ちげーよ。ほらせっかくだからうちに寄ってけ。アラス・ラムスの顔も見たいしな」


95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 23:04:45.05 :K77BZPeH0

恵美「そういえば、夢で俺と一緒に暮らそうぜ的な事も言っていたわね?」

真奥「言ってない!俺は断じて言ってないぞ!」

恵美「実はアラス・ラムスと言いながら、私に来て欲しいんじゃないのかしら?」

真奥「はぁ!?そんな訳ないだろう!だが、ほら鈴乃とか喜ぶだろ」

恵美「私はあなたに喜んで欲しいんだけどな…」ボソッ

真奥「なっ!?」

恵美「冗談よ。何で赤くなってんのよ」


真奥「何なんだよ…今日のお前は…」

恵美「さあ?ちょっと機嫌がいいだけよ?」

真奥「機嫌がいいと俺を弄ったりするのかよ…とんだ勇者だな」


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 23:08:39.07 :K77BZPeH0

恵美「ええそうよ。私は勇者。あなたは魔王」

真奥「ああ、そうだな。そうだったな」

恵美「ええ、『今』はね♪」

真奥「へ?え?…ど、どういう意味だ?」



恵美(私とあなたは敵…でも、もし…夢の中みたいに…一緒に…)


97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 23:08:59.37 :K77BZPeH0

真奥「え?おい、恵美?」

恵美「バーカ。自分で考えてみたら?」

真奥「なんだよ…可愛い笑顔しやがって…」


恵美(私は勇者。想いが強ければ強いほど強くなれる)

恵美(だから、魔王である真奥が、現実でも私を想ってくれるようになれば…)


恵美「ぜったいにあなたを仕留めてあげるんだからっ」

真奥「あー。はいはい」

恵美「ふふふふふ♪」






       終わり


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 23:09:18.52 :K77BZPeH0

これにて終わりになります。
支援&見てくれてありがとうございました!
また機会があればよろしくお願いします!


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 23:10:34.81 :zTcFzlePP
乙!


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/19(日) 23:13:25.98 :NvDdGImi0
なんでちーちゃん不憫なんや。ええ子すぎてフックが無いんか?





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