今日の一枚は、日本でも人気であるオーストリアの画家グスタフ・クリムト(1862-1918)が
1895年に描いた「愛」です。
クリムトといえば愛し合う男女を描いた男女「接吻」が有名ですが、私はこの絵が結構好きなんです。
真ん中の男女はタイトルの通り愛し合ってる関係にあると思われます。
どこかで、「シェイクスピア劇のようなロマンスを感じる」と聞いたような気がします。
ただ、絵の上部には霊のように怪しげな、ぼやけた複数の人影が・・・
この亡霊は、皆左側の女性を現しているのだそうです。
真ん中で輝く少女、右の若々しい女性、左の睨んでいるよな目つきの老婆も、
すべてこの女性の中に眠る思いの表現だとか。
そう考えると、単純明快な「愛」とはいえない様々な事情が
この二人にあるような気がしてきちゃいますね(笑)
クリムトといえば豪華絢爛な金を使った作品ですが
この作品の両側にも金が使われています。
この金の部分を良く見ると、まるで日本画のように金箔が貼り付けてあるように見えます。
これは、実は金箔を貼っているように見せかけて描いているんだとか。
クリムトもまた、ゴッホや多くの画家達と同様、日本の絵画に興味を持っていました。
金部分に描かれたバラの花は上部だけにとどまり、下部は言うなれば余白です。
日本独特といわれる「余白の美」がこの絵で使われているんですねー
この絵はウィーン・ミュージアムに収蔵されています。
ですが、私は2009年に北九州でありました「クリムト・シーレ・ウィーン世紀末展」で実際に見た作品なのです。
最近はオルセー美術館展とかポーランドの至宝展とか、
日本ではなかなかお目にかかれない美術品を集めた特別展が多くてありがたいですね。
そしてそろそろ美術館の年間スケジュールが公開される時期が来ました!
今年の目玉は何かしらー (´ω`*)
<たぬき>
私も好きな作品です。
クリムトのほかの作品のような煌びやかさはないけれど、
派手でないからこそ良いですよね~(*´∀`*)
はじめて絵を見たとき、上の亡霊に気づかなくて「ああ~おとぎ話の世界だあ。」なんて思って上を見たら、ぎょぎょっ
ほかの作品も好きですが、煌びやかを押し出した作品よりも、とても印象に残っている作品です。
あなただったのですか~!
なんとなく、納得しました(笑)
私もクリムトの作品が並ぶ展覧会の会場で一目見て以来、
この絵の印象ばかりが強く残っているんですよ。
桐雨さんと同様に、独特の世界に惹かれたのかも知れませんね(´ω`)