今日の一枚は、アメリカの画家エドワード・ホッパー(1882-1967)が
1942年に描いた「ナイトホークス」です。
ホッパーは「アメリカン・シーン」と呼ばれる、絵画におけるアメリカ的なことをモチーフに書き続けた画家です。
タイトルである<ナイトホークス>とは日本語で夜行性の、夜型の人間という意味。
周りが皆寝静まった、深夜のカフェテラスで過ごす人々の姿が描かれています。
カフェテラスはあかあかと夜の闇を照らしていますが
もの静かで物音も聞こえてこないような雰囲気を漂わせています。
この画像だとあまり感じませんが、実際はもう少し夜の闇の色が深く、
暗闇に飲み込まれてしまいそうな色をしています。
客とバーテンダーの決して近くない距離感が
そのまま大都会の疎外感、孤独感につながるすこし物寂しい絵です。
ホッパー自身も、この絵に関し「無意識のうちに大都会の孤独を描いていた」とコメントを残しています。
この寂しさは誰でも一度は感じたことのある寂しさなのではないでしょうか。
私はといえば、深夜0時を回った時の、外の澄んだような空気感と静けさが結構好きなので
この絵になんだか惹かれてしまうのかもしれません。
「ナイトホークス」は、アメリカのシカゴ美術館にあるんだとか。
ホッパーの描いた数々の作品は、映画のワンシーンを切り取ったかのような
構図の美しさと明暗の効果が特徴です。
映画好きはきっとホッパーの作品を気に入ると思いますよ(・∀・)ノ
<たぬき>