妄想と戯言2

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プロローグ(ガロ金家族パロ)

2024-05-19 10:30:00 | ガロ金家族パロ


-プロローグ-



「うっし、準備はいいか?」

 晴天が広がる青空を背に、黒髪の青年が振り返る。小さな瞳が四つ、キラキラと輝いて勢いよく頷いているのを確認して、青年は口角を上げて手に持つ鍵を掲げてみせた。
 一歩進み、石垣の塀を潜る。子供たちの後ろに控える銀髪の男が、その様子を見守るように眺めていた。その視線を背に、青年は玄関の鍵穴にゆっくりと鍵を差し込み、そして回していく。

-ガチャリ、

 無事に開いた鍵をゆっくりと引き抜き、玄関のドアノブを回す。その一軒家は、様々な事情により同居することになった4人を、歓迎しているかのように新築の匂いで充満している。

青年が振り返り、頷く。

「今日からここが我が家だ!」

 青年が言うと同時に、今まで見守っていた少女と少年が「やったー!」と嬉々とした声をあげ、家の中へと駆け出していった。それを、眩いものでも見るかのように銀髪の男が目を萎めて眺めてる事に気づいた青年が、息を吐くように笑って口を開く。

「ガロウ」

 呼ばれた男がゆっくりと青年を見据える。

「どうした?」
「ああ、いや・・・いい家だなと思ってよ」
「おまえの家でもあるんだぜ、はやく上がれよ」

 優しく口角をあげた青年がジェスチャーで男を手招きした。そして先に家の中を探検しだした子供たちの微笑ましい喧騒が響いてきて、それに振り返り、苦笑を溢している。優し気な横顔を焼き付けるように、ガロウと呼ばれた男はもう一度目を萎めながら青年に向けて叫んだ。

「今日から世話になるぜ、金属バット!」

 一瞬、驚いたような瞳を向けた青年だったが、すぐにニカっと笑い、おう!と返す。



 これは、とある事情から共に暮らすことになった4人の、ほんの些細な日常物語である。







続くかは未定ですが書けそうなときに小ネタなどを投稿していきたいです!


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