妄想と戯言2

完全自己満足なテキストblogです。更新不定期。
はじめに!を読んでください。

電話2(ガロ+金バ)

2024-05-13 12:32:00 | ガロ金夏シリーズ
恋慕の小話になります!
書きたいシーンは多いのに書けない技量がもどかしいです!!







 その日の夜、善は急げよろしくさっさと電話した俺たちの会話は、どこかたどたどしく、おう、と電話に出た金属バットの短い言葉から始まった。

「よぉ、ちゃーんと登録はしたかよ?」
『し、したし・・』
「嘘くせぇなぁ」
『う、うるせーな・・それで?』
「おう、2日目の夜はどーよ?」
『2日目?』
「タレオが花火見てぇって言っててな、2日目がいちばん派手なんだと」
『ふーん。ちょっと待ってろ』

 一呼吸おいた後、通話口から「ゼンコぉ!」と優しい声色が響いた。遠くから、なーにぃ?と間延びした声が続く。

『祭り、2日目の夜はどうだって』
『やったぁ!わたしユカタ着たい!』
『いいけどよぉ、着付けとか分かんねーぞ俺』
『お兄ちゃんもいっしょに着ようよぉ!』
『いやだから、着付けできねぇって・・』
『わたし調べるからぁ!』

 金属バットに浴衣・・・悪くない。
ニヤリと口角をあげて、電話越しに何やら揉めている兄妹に声をかけた。

「なあ、おい」
『あン?』
「妹、ジジイに着付けしてもらうか?」

 ピタリと空気が止まったのが分かって、たぶん悩んでるんだろうなと伝わってくる。そしてしばしの沈黙後。

『・・・頼むわ』

 絞りだすような声に思わず笑いが溢れた。こういう所が、どうにも憎めないというか何と言うか。まあ、可愛いというか。

「当日14時にジジイの道場集合な」
『お、おう』

 本当にコイツが浴衣を着るのかは微妙なところだが、一応ジジイに伝えておくか。万が一って事もあるしな、うん。

 その後、さっさと通話を終了しやがった金属バットの浴衣姿なんかを想像しながら、ジジイに事の経緯を説明した。
 笑顔で任せろ、と親指を立てたジジイに向かって鼻を鳴らしながら「連れてきてやるよ」と言うと、驚きながらも「楽しみだぜ」と微笑んだ。

 ジジイがヤツを見て、腰を抜かして驚く様を想像して自然と口角が歪む。

「何じゃい、その顔は」
「いーや、別にぃ?」

 これは今朝の仕返しになりそうだ、と肩を揺らして、来たる夏祭りまでの幾日に想いを馳せた。









リメイク版での、バング先生には変なところで素直なガロさんが好きです!


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