夕顔のスケッチブック

~やさしい気持ちなれる風景をみつけに行こう~

満明寺~雲仙でミニ八十八霊場巡り

2017年10月26日 | 雲仙の旅

奈良時代の僧侶行基が開山したと言われる

由緒あるお寺の

裏の木立を縫うように続く小径に

八十八体の小さな石の仏像が点々と並ぶ

不思議な空間があります。

聞くとそれは

「四国八十八霊場巡り」のミニチュア版というのです



高野山や比叡山より100年も早い701年に

満明寺は開山しました。

雲仙は当時から日本有数の修験道の霊山で

僧坊は千余りに達し

 島原半島は雲仙の支配下の如く繁栄していました。


 

しかし16世紀半ばキリスト教が島原半島に伝来。

領主の改宗により神社仏閣の破壊。

貴重な仏像のほとんどが焼き払われましたが

焼失・再建を繰り返しつつ

 満明寺は今も雲仙温泉街を見守り続けています。



本堂前の行基菩薩様がご覧になる先には

ミニ八十八か所霊場巡りの入り口があり



大日如来様が見守ります。



鐘楼の鐘をつき「同行二人」のお遍路が始まります。


第1番札所 霊山寺 釈迦如来


四国八十八霊場を訪ね歩いた先代御住職が

それぞれの御本尊様を形どった石仏を作り

それぞれの寺から持ち帰った砂を

仏様の下に埋めたそうです。


 第13番札所 大日寺 十一面観音菩薩



小鳥の囀りを聞きながらの清々しいお遍路の旅


第48番札所 西林寺 十一面観音菩薩


第54番札所 延命寺 不動明王


第55番札所 南光坊 第通智勝如来



 木漏れ日の中の石仏様達の優しいお顔に心和みます。


第66番札所 千手観音


第70番札所 本山寺 馬頭観音


 

八十八か所の心地よいミニ巡礼は

20分ほどの短い旅でした。

 

 

行基菩薩様のわきに立てたお線香が

ちょうど終わろうとしていました。

 

あの夏の日に迷い込んだ不思議な空間は

四国に行けない病気の人でもこの地で

お遍路さんと同じご利益がいただけるように作られた

心温まる場所だったのですね。