放浪独り旅Ⅳ

おばんでがんす

何処かで道を想定外の処へ出てしまった、行き止まりである

然しそこはかなり有名な「苗名大滝」と言う処だ、せっかく見たことのない場所へ運よ

く来たのだから見物してきた

観光地だからダムの表面も凝灰岩風にできている、かなり贅沢な設計のダムだ

対岸に山女魚や岩魚と言った奥山の渓流に棲む魚たちの為の魚道がとても良く考えられていた

擬木の柱、踏板、手すりなどができている廻り階段を何度か回るとダムの天頂に出る

たぎ落ちる水の飛沫が霧状に成って全身に懸る、寒いくらいだ

岩を噛み砕く水流と水量の多さにびっくりした

滝までは４００ⅿ程の山道だ、かなりきつい途中の崖や岩の上にも沢山の山野草が生えている

川霧が適度の湿潤さを与えているのだろう、皆元気が良い

岩の上の矢車がとても元気良く伸び出している

大痛取り.寒菅、董、雄羊歯、蔓紫陽花、の藤、イワガラミなど等沢山の花たちが崖を飾っている

見えて来た、大きな滝だ

飛沫の霧が舞い上がっている，柱状列石の岩を噛み砕き段段滝の落ち口を整えたのであろう

とても良い形に真ん中が窪くなっている、此岸の急登を昇って滝口と同じ高さまでゆき撮影してみた

足元が飛沫で滑る

此の滝より左手上流には水がなく、もうすぐに山に成る谷の呑詰まりだ

然し大量の水だ、、この遥上流に乙女湖と言う湖がある其処から流れ出して来る水だ

妙高山系の山は奥が深いので必然的に水量も雪量も多いから豊かなと言うより恐ろしささえ感じさせる

水量だ、多少方向音痴になってしまい山道を二巡したが何とか日本海へ躍り出た

それはまさしく細い山道が開けたなと思ったら日本海で有ったので吃驚した

海なし県に住むものには、母なる海は憧れがある

日本海を撫でてくる海の風はまだ少し冷たい厚手のシャツとジャンバーを着込んで海岸に立つ

海岸一面に浜豌豆と浜菫が乱舞している、直ぐ傍にビニールハウスが立ち並んでいる後の影に駐車して

浜豌豆を撮影し写生した

浜菫も海風に揺れながら頑張っている、見事な色だ

、

写生を見に来た小父さんが声をかけて来た、私と同年配かと見たが一つ先輩で有った

ビニハウスの中でお茶を如何かと言われてお邪魔した。

ビニハウスの中は南国だとても暖かい見ると大きな西瓜の様な黄色い瓜が沢山なっている

大きい一つⅠ，5K以上で出荷するそうだ、惜しげもなく割って御馳走してくれた

薄味だがさっぱりとしたこ高尚な味だしメロンの薫だ、何とかメロンと言ったが忘れた

何時もの様に車の倉庫から名産のカリカリ梅を出して来てお礼をした

はなしがはずんで、本音が出た浜豌豆を何時か絵にしたいと思っていたが自分ではできないのでその

板絵を頂戴したいとのことだ

こんなもので良ければと差し上げたが喜ばれた、、そして梅と絵とメロンの物々交換が成立した

マッチの大きさから想像がつくのではないだろうか

此のカリカリ梅二袋では悪いような気がしたがこれも縁だ

色色な話から今宵は海風に当たりながら潮騒ホテルに宿泊することにした

                   そんじゃあ又話すべえ

遊童子