日々草創

「清く、楽しく、気持ち良く」、、、アホのままでもいいんです。

セレブ犬

2009-03-08 | 日記
現在日本では5世帯に1世帯の割合で、犬が飼われていると言われている。
計算すると随分の数になる事だろう。

実際に僕の実家でもシーズー犬が飼われていて、両親の可愛がり様には目を覆いたくなる程に溺愛しているのだが、昔に比べるとペットとしての家庭内での地位は随分と変わってきたようにも思えるのは僕だけではないだろう。
しかし、そんな度を過ぎた愛犬家が、時に他人を大変困らせる事がある。

先日僕が天気のイイお昼頃に公園でのんびりしていた時、その“大変困る”ような出来事に遭遇したのである。

ハードな仕事を一段落し、一旦休憩を取ろうと雰囲気が良い公園をみつけた僕は、駐車場へ車を停めて缶コーヒーを片手に灰皿が設置してあるベンチへと座った。

穏やかな日差しの中、とても優雅で品のある大型犬が、いかにも楽しそうに走り回っている。

“きっとあの犬、セレブな家で飼われているんだろうなぁ・・・”

そんな事を考えていた時、一匹の犬が尻尾を振りながら僕の座っていたベンチへと近寄ってきた 。

「よ~しよし、お前キレイな毛並みしてるな~」
「オーホホホホ!その子ここが大好きなのよぉ~!」
「うわっ!」

僕は突然の背後から声にビックリし、慌てて振り返った。
すると僕の真後ろには、その犬のオーナーらしき厚化粧のおばさん。

「この子、いつも突然ここに来たがるから、いつも困っちゃうのぉ~」
「そ・・・そーなんですか。。」

突然に馴れ馴れしく話しかけてくるオバサンに思わず苦笑いを浮かべつつも、少しぐらいなら・・・という安易な気持ちで相手をする事に。

「この子はねぇ、去年のブリーダーの大会で賞を穫ったのよぉ~」
「へぇー、そーなんですかぁ」
「ふせっ!○○ちゃん、マテだからねぇ」
「あ、すごく言う事聞きますね」
「オホホホ。この子ねぇ、ごはんの時なんかに・・・・」

“しまった!犬自慢が始まっちゃった!”

時既に遅し。である。
そしてその犬自慢が10分程経った時、また1匹のワンちゃんが現れた。

「あらららぁ、ダメよぉ。お兄ちゃんの服が汚れちゃうでしょぉ」

新たなセレブ出現。

「この子ねぇ、カッコイイお兄さん見つけると、すぐ寄って行っちゃうのよぉ~、はいっお座り!」
「あはは・・・・・」
「この子はねぇ・・・・」

また新たな犬自慢が始まる。

ここはヒマにまかせて耐え切ろうと、僕は適当に相づちを打ちながら周りを見渡した。
するとそこには、思わず唖然とするような光景が広がっていた。

“セ・・・セレブな犬達が沢山いる・・・”

僕は焦った。
早くこの場を抜け出さないと、また次の犬自慢が始まってしまう。
そんな恐れを感じた僕は抜け出す為の会話の流れを必死で探した。
しかし二人のセレブは競うように自分の犬の自慢を途切れなく繰り出す。

「うちの子はねぇ、・・・」
「うちの子なんてねぇ、・・・」
「わんわんっ!」

新たなセレブ犬がセレブを連れてやってきた。


“しまった!! 囲まれたっ!”


「あらぁ~、お兄さん も犬飼ってるのぉ~?」
「い・・・いえ、飼ってません・・・」
「可愛いわよぉ~、アナタも飼いなさ~い」
「はぁ・・・」
「ほら、うちの子なんてねぇ、・・・・」

約1時間後。

僕は冷えきった缶コーヒーを片手に、充電する為に立ち寄った筈の公園で全てのエネルギーを吸い取られたかのよう抜け殻になっていた。

犬が大好きなのは良く分かる。僕も大好きだ。

しかし空気を読め!
明らかに僕は“もう聞き飽きた”という顔をしていた筈だ。
たしかに自分が飼っている犬はどこの犬より可愛いと感じるだろう 。
だからと言って、そう感じた事を言い争うアナタ達!
あんたらは非常に醜い。
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