礼譲(れいじょう)を以て国を為(おさ)めん
「子曰わく、能(よ)く礼譲を以て国を為(おさ)めんか、何か有らん。能く礼譲を以て国を為めずんば、礼を如何にせん。 」
■その意味は?
① 礼の根本である譲る心を以て国を治めれば、なんの難しいことがあろうか。その譲る心を以て国を治めなければ、礼制がいかに整っていてもどうしようもないであろう。
(「論語」一日一言より)
② 〔人間の社会なのだから〕人間社会の規範(礼)、そして〔礼の根核である〕謙譲の精神、これによって政治を行ってみよ。〔国政に〕困難があるだろうか。規範・謙譲をもって政治を行うことができなかったならば、礼があっても〔これを活かすことができず〕何の役にも立たない。
(加地伸行全訳注「論語」より)
■感想
その相手が、如何に自分よりも劣る人であっても、きちんと礼を尽す。そして難儀な人在れば、譲る気持ちを忘れない。
日本古来の「侘び寂び」を感じさせられる句といえる。