![]() | 硫黄島からの手紙を観てきました。 いい映画だと思います。それ以外の形容詞が思いつきません。「面白い」とか「悲しい」とか「感動した」とか、そんな言葉は、この映画の感想としては、ふさわしくないかなと思います。戦争映画って、映画に込められたメッセージが押し付けがましいものが多いけど、この映画は、そういう感じはなくて、観た人それぞれが色々な捉え方をするのではないかと思います。 |
私はこの映画を観て、靖国参拝が問題になっているけど、やっぱり時代に翻弄されて犠牲になった戦没者を弔う気持ちを彼らの犠牲の上に成り立つ現代に生きる私たちが持つことは、大切なんじゃないかなと、思いました。彼らの手紙が戦後の調査によって見つかっているのも、過去の事実が葬り去られることなく、未来に残してほしいというメッセージなのかと。
ところで、この映画、渡辺謙ばかりが脚光を浴びているけど、登場が多いのは、むしろ二宮和也のほう。でも、二宮君についてはあまり触れられていないのは、やっぱり演技力がイマイチだからなんだろうなと感じました。私は、人様の演技をああだ、こうだ語れるほど演技には詳しくないけれど、やっぱり、観ていて何だかシックリこないんだな。二宮君は、一家の主で、奥さんと生まれたばかりの子供がいるという設定なんだけど、その立場としては、ちょっと子供っぽ過ぎる気がしました。確かに、昔の人はずいぶん若くして父親になったのかもしれないけれど、人間的に子供っぽいというか・・・軽いというか・・・現代っ子っぽさが消せないまま役作りをしている感じがしました。ミスキャストかなと思います。
渡辺謙のほうは、もう貫禄あってとても素晴らしかった。あの表情から湧き出る力が凄い。顔力ってやつ?! 時には穏やかで優しい人間の顔、時には合理的で知的で厳しい閣下の顔を自然に演じていて、決してわざとらしくなく、すごく良かったと思います。
ところで、中村獅童の役は何だったんだろう・・・よく分からん。パッとしない感じだったことは確か。