普段のワタシは仮面をかぶっている。
ただ一人だけ気づいた人がいる。
「ぴょん吉さんは普段はとても優しいけれど、本当はとても冷たい人だ」
昔一緒に働いた仲間だ。
あまりに時間にルーズなのでちょっと忠告らしき事を言った。
たぶんそれでだろう。
会社というところは一人ではやっていけない。
団体行動によってともなう集団だ。
スムーズにこなすにはやはり誰かが言わねば…本人が困るだろう。
周りの人が気づき始めたので仕方なく私が率先して言っただけだ。
最近その彼女が近所のスーパーに勤めている。
入社した時からの大の仲良し、だと思っていた。
私が退社してから一度の電話も来なかった。
ようするにアッシーにされただけだった。
彼女は歩きで通勤している。今も変わらないそう。
当時からタクシー代わりに利用されているのではないのかと疑っていた事は事実。
当の本人はそう思っていない。たぶん自然の行動と見受けられた。
おっちょこちょいで人はいいがやはりそこだけが気になった。
会話をしてもほどほどにして切り上げる。
当時から若干太めだった彼女の健康診断書。体脂肪率が多すぎて数値不可能…?
今はさらに太った。声をかけられるまで気づかなかったくらいだ。
誰にでも似合うように出来ている紺色のカーディガン。
何故か彼女にだけは似合わなかった。
こんなに鮮明に思い出すという事はやはり友人であってほしい、
という願望がどこか心の片隅に残っているらしい。
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