このタイトルは現在ウイグルで起きているコトを表したモノで、伝統社会とはイスラームの教えに則った社会で、近代社会は共産党が支配する一風変わった資本主義社会を指します。
因みに日本社会ではこの「伝統と近代」がわりと相克(相争う)するコトなく共存しているとされ、それで経済発展を遂げた例は珍しいので外国人旅行者に人気があります。
このコラムではフランスと日本を対比しており、どちらの社会も「伝統と近代の相克」を経て来たけれど、日本の方がずっと伝統的な価値観を保っているとしています。
この意見にはわたしも賛成で、ヨーロッパの中枢部はかなりコスモポリタン的で進歩的な感じがし、それはアメリカナイズされていてツマラナイとすら思えます。
やはり旅行者が見たいのはヨーロッパの伝統であり、それは島国のイギリスやイタリアの半島部にまだ残っております。
ここでウイグルに話を戻しますと、そこでの「伝統と近代の相克」は歴史上稀に見るほどに近代の圧勝となっており、伝統の要になっているイスラームの教えは否定されて、それを信仰するコトすら違法とされています。
しかしこうした弾圧はしばしば宗教的な渇望を強めて、逆に人々の宗教心を高める結果につながっています。
近未来の物語「Sun」でもそうした「伝統と近代の相克」を描こうと思い、現在は近代社会が圧勝していますが、近未来の中国では薄っぺらくて味気ない近代社会なんかよりも、重厚で味わい深い伝統社会に人々はより深くアイデンティティを求めるようになると描きます。