真の動物福祉牧場を目指して

戻って来た兵士達を解任する

 今回は、いきなり物語に入らせて貰います。

 前回、中南海の3つのゲートにはそれぞれ1人の兵士しか残っていなかったとしましたが、他の兵士達も北京が核ミサイルによって消滅しなかったと知ると、いつまでも持ち場を放棄して逃亡している訳には行かないので戻って来ます。

 その人数は各ゲートに10人づつ居たとして、27人が一緒に戻って来ますが、中南海が北京市民によって占拠されている状況を見て、7人は責任を取らされるのを恐れてそのまま逃亡したとします。

 20人の兵士達が戻って来たという知らせは、ゲートを見張っていた学生たちからローラにスマホで伝えられ、彼女が兵士達を迎えに行って秦正堂(最高機密の建物)まで連れて行きます。 因みにローラは中国でもファションモデルとして活動しており、その逞しい容貌から軍隊の男達に特に人気が高かったので、兵士達は彼女を信頼して素直に付き従います。

 泰正堂では北京大学総長の郭沫平(グォ-モーピン)が立派な部屋で兵士達を接見し、逃亡した経緯を問いただします。 沫平は党の中ではかなり地位が高く、中国では文人としても名が通っていたので、兵士達は恐縮して弁解します。 

 沫平は逃亡したコト自体はあまり責めませんが、逃げる際に列車のダイヤを乱して他の列車の出発を遅らせたコトを非難し、そうした「自分達が助かれば他人はどうでもいい」と云った行動が多くの市民の反感を買ったと叱ります。

 更に、下っ端の兵士から日常的なイジメがあったと報告を受けており、そうした卑怯な行為は光沢ある人民解放軍ではあってはならないと叱りつけます。 

 兵士達は厳しい処罰(炭鉱送りなど)を覚悟しますが、沫平はローラの要望に従って寛大な処分とします。 それは1年分の給料(5万元)を払った上での謹慎処分で、まだ逃亡している7人の兵士にも同じ処分とするから、早く帰隊させるようにと付け加えます。

 5万元(近未来では元の価値が下がって50万円程とする)あれば1年は贅沢に暮らせるので、兵士達は喜んで武装解除に応じ、外で様子を伺っている7人にもそうするように促します。

 この1千万円強の出費は沫平の年収に等しく、彼はネットに遺書として共産党批判の文章を堂々とアップしたので、反逆者として資産凍結されるのは覚悟しており、今のうちに下せるだけ現金を手にしていました。

 この「遺書」は学生達に非常に好評で、彼はそれまで学生達から「党の犬」と蔑まれていましたが、一気に評価は逆転して「親愛なる老師」「真の文人」ともてはやされる様になります。

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