真の動物福祉牧場を目指して

77. 「ヘルプマン!」

日本の映画と音楽から「妙なる命」を紹介して来ましたが、次に日本ならではの漫画に移りたいと思います。

まずはやはり女性作家からとし、くさか里樹(りき)さんの「ヘルプマン!」を紹介します。
これは私が福祉の道に進むキッカケを与えてくれた漫画として、これまで何度か触れて来ました。
今回はその代表作を挙げようと思い、ブレークスルー的な発展を見せた第3巻の「介護虐待編」をフィーチャーします。

ここでは「虐待」の中で最も悲劇的な「セルフ ネグレクト」が描かれており、それは「生き甲斐」を失った老人が自分を放棄してしまうコトです。

その原因となるのは父と息子の対立で、ずっと父が権威を握って来たのに寝たきりとなり、息子に介護されるコトでその権威が損なわれて、気力を失ってしまいます。

これを救うコトは行政の介護システムでは出来ず、息子の幼なじみ友達と、フリーランス的な活動に力を入れる主人公の介護士「桃太郎」によって「救い」が齎されます。

物語の筋書きとしてはこんな所ですが、女性漫画ならではの登場人物達の非常に豊かな感情表現が、この作品を傑作にしております。
「ヘルプマン!」の1、2巻は高校を出たばかりで進路に迷う桃太郎の物語で、迷い無く介護の道に突き進むもう一人の主人公「仁」に導かれ、この世界に入ります。

しかし老人ホームに勤めてみるものの肌が合わず直ぐに辞めてしまい、目標を失って自堕落な青春を送るようになります。
それでも、困っている人を助けたいという熱い気持ちを持つ桃太郎は、ホームヘルパーに復帰して「水を得た魚」の如く活躍する様になります。

私も「桃太郎」と同じく老人ホーム勤めはあまり肌に合わずに転々とし、その間ホームヘルパーはずっと続けられました。(掛け持ち登録制)
地方都市が舞台の「ヘルプマン!」と新宿区でのホームヘルパーではだいぶ趣(おもむき)が違ますが、多くのお年寄りと個人的な交流を持て、人生を豊かにしてくれました。

私もけっこうフリーランス的な活動に力を入れる介護士で、それは枠にハマったホームヘルパーの仕事以外にも、要望に応じてサービスするコトを指します。
介護職の醍醐味はここにあるかと思え、ダイレクトなサービスは利用者との絆を特別なモノにしてくれます。

ホームヘルパーとして一人暮らしのお年寄りの為に料理する様になってから、私は「栄養学」を本格的に勉び始めて、サービスで「EM-X」(微生物代謝物質のカクテル、免疫力を高める)を入れたりもしました。

これはフリーランス的な「炊き出し」にも活用し、この15年前頃の新宿区の公園ではまだ、多くのホームレスがダンボールハウスで生活している時代でした。
因みに新宿駅西口地下のダンボール村は私が中高年の頃まで在り、そこでも私はけっこうホームレスとコミュニケーションを取り、色んな人生を垣間見るコトが出来ました。

「ヘルプマン!」に話を戻しますと、この桃太郎と仁の成長物語はまだ続いており、3巻以降ますますそのボルテージ(熱)を高めて行ってます。
私的には「認知症編」と「介護企業編」がお勧めで、これは日本一「熱い」漫画だと私は思います。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る