真の動物福祉牧場を目指して

「シッコ」と社会主義

今回は趣向を変えて、社会主義を擁護しているマイケル-ムーアの「シッコ」から入ります。
彼の作品も「妙なる映画」と呼ぶに値し、特にこの医療をテーマにしたドキュメンタリーは感動しました。

この映画はまず、アメリカ資本主義医療の「腐敗と惨禍」を暴いています。
アメリカでは医療保険会社が市場で権力を握っており、なるべく保険料を支払わずに利益を最大化する競争が行われ、その為に医者も政治家も裁判官もみんな買収されて、患者を搾取する国になっている現実を見せ付けられます。

これによって貧しい人々は、適切な医療が受けられずに屈辱的な最後を迎え、医療費が払えないと判った患者を病院は放り捨てているのも現実です。

しかし、ムーアの住むデトロイトから車で一時間のカナダでは、国民の医療費は完全無料です。
その為アメリカ人が治療の為にカナダ人と擬装結婚するブームが起き、それを取材しています。

このカナダの医療制度をアメリカは、「社会主義医療」だと強く非難して来ましたが、カナダ人に言わせれば医療で金儲けをする方がずっとに非難に値します。

「シッコ」の舞台はイギリス、フランスと「無償医療」を提供している国々に移って行き、そこの「社会主義医療」がとても上手く機能しているシーンを映し出します。
ムーアは現地に住むアメリカ人達の意見も多く取り入れており、彼等は一様にアメリカ医療の「アンフェア(不平等)」さを軽蔑していました。

この「グローバル時代の医療」を巡る物語のテーマは「愛国心」で、如何に国民が互いに助け合えるかがポイントとされます。
そのハイライトはなんと言ってもキューバで、彼はそこに「9.11」の救助活動にボランティアで参加し、その過酷なミッションから体調を崩したのに医療保証が受けられずに苦しんでいる人達を連れて行きます。

キューバで彼等は優れた無償医療を受けられ、現地の消防隊員達からも最高の敬意を表されて、アメリカでは「廃人」のように扱われていた「命」が蘇ります。
これほど感動的な「医療モノ」はまず無いかと思え、社会主義の理想はコト医療に関しては、「美」の領域にまで到達しておりました。

しかし一方、「愛国心」を強調する中国の医療制度は「腐敗と惨禍」にまみれております。
共産党は既に社会主義の理想を捨てて金儲けに走っているので、「共産」の名に値せずドン(党)だけで充分でしょう。
そもそも実質1つしか政党の無い国なので、ドンと言えば誰もがその意味を解します。

しかしドンとは一体何で、誰なのか?
真に理解しているのは「習皇帝」ただ1人とも言われます。
これは昔の「大日本帝国」と似ており、独裁体制が誰を代表し、天皇は何者なのか? 本人ですら分からなかった様です。

「愛国心」にはある程度の「幻想」が必要かも知れませんが、それは長続きせずに結局は外国への「恐怖」が「愛国心」の柱になると、ル-グィンの優れたSF小説「闇の左手」では語られています。

しかし私はもっと建設的な「愛国心」を描きたいと思うので、次回からは「日本の妙なる法」シリーズを描いて行きます。


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