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真の動物福祉牧場を目指して

或る女子突撃隊の物語

女子突撃隊というのは、大躍進時代に全国で組織された十代後半から二十代前半の若い女性達の仕事班の名称です。

女子は農村ではとても大切な働き手で、農業を明るく行うコツを体現してくれます。 植物や動物との共感力という面でも女性は男よりも優れており、農業を愛する心も男性より高い傾向が観られます。

集団化されて軍隊生活のようになった農村でも、女子突撃隊は概ねそうした変化にいち早く適応して、党の政策の看板娘として実によく働きました。
若い女性は周りから評価されたい気持ちが特に強いので、それを党が上手く利用したとも言えます。

彼女達は党の農業政策を信じて熱心に働きますが、ムダな努力ばかりの素人農業政策(ロシアの間違った農業理論を適応してた)からは成果が上がらす、報告でばかり大成果が上がって農業をねじ曲げました。

国のトップはその大豊作を信じて海外に思いっきり成果をアピールした為、食糧援助をずっと続けるハメになりました。
国民にも既に食糧問題は中国に無くなったと宣伝し、公共食堂(家での炊事は禁止された)では始めは農民に食べ放題で肉なども供出していました。

元々は自分達のモノだった豚などは、以前は貴重な財産だったので大事に食べてましたが、国にモノにされて食べ放題になると早い者勝ちでやたらに食い散らかす様になりました。
こうした浪費も、集団化二年目からの飢餓を招いた原因の一つとされています。

60年の秋、全国の農村からは全ての収穫物が国によって収奪されました。
公共食堂の食事は人間には不適切な代用食(トウモロコシの芯とか芋の葉など)ばかりとなり、元気で従順だった女子突撃隊も飢えて落ち込み、党の政策に疑問を持つようになって来ました。

実際に、福建省の或る女子突撃隊ではそれが反乱事件にまでエスカレートしました。
それは農村を支配する共産党の幹部が、僅かな食糧で娘を買収して好き放題にしていた事が発覚し、女子突撃隊の隊長がその腐敗幹部の金玉を握りつぶした(村中が参加してる政治集会で)、という事件です。

この女傑は当然、労働改造所に送られる事となり、その後の消息は伝わっておりません。
彼女には労改でサイオンのアシスタントになって貰おうと思うので、名前を授けます。
中国では女性の名前に華の名を付ける事が多く、蓮華が特に人気です。
革命前は白蓮(パイレン)が人気の名前でしたが、白は資産階級を指す色なので嫌われるようになり、革命後はもっぱら紅蓮(ホンレン)となりました。

祭恩諧と結ばれる女性の名も紅蓮とし、その名のように情熱的な女傑として描こうと思います。
因みに祭恩が労改送りとなった原因は、彼が収穫量の水増し報告に頑として反対したからで、彼は農村で特別な人望を持っていたので、党は彼を反動勢力のリーダーとして追放しました。
こうして良識のある農民は皆追放されて、党の素人農業政策が支配する農村は壊滅的な飢餓を迎えます。
数千万人が餓死した農村では当然人肉食も行われましたが、そうした惨事は書きずらいのでブログでは省略します。それでも歴史の過ちと向き合うのがテーマの物語なので、ここではその気概を短歌として記しておきます。

魂の 故郷てのは 何処にある 失った郷(シャン) 蘇らせるか


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