真の動物福祉牧場を目指して

女国の子等 その2

 約一万年前にチベット高原で誕生したばかりの「女国(にょくに)」については、世界一厳しい環境に人類が住み着く挑戦にやっと勝利を納めたところまで語りました。 

 しかし未だに生活はギリギリで、「女国の子等」はみんなヒモジサを体験して育ちます。
 日本の私達の世代でヒモジサを知っている人は僅かだと思いますが、私は二十歳の時にチベットの旅でそれを体験したので、まずはそれを語らせて貰います。

 当時はまだ、東チベットへの外国人の入境はそれほど厳しくは規制されておらず、宿に泊まって捕まり罰金を取られ(1/3まで値切れた)、戻りのバスに乗せられたけれども直ぐに降りて、そのまま山越えで検問を突破し先に進めました。

 この旅は「二十歳の冒険(チベット編)」で前に語った通り、ヒッチハイクでラサに到着するまでにお金が尽きてしまい(日本円を両替できる所がない)、人からの施しで一週間ほどを乗り切りました。
 もちろん宿やインターネットカフェに泊まるコトも出来ず野宿で、夏でしたが標高3000mの夜はとても冷え、ロウソク一本の明かりと温もりでなんとか夜を越せました。

 しかし空腹で夜を明かすというのはなかなか厳しいモノで、読書中に居眠りしてコートに焼き穴を作ってしまいました... そんなヒモジイ体験も二十歳の若さではそれほど苦ではなく、チベット人と中国人の双方に助けられてラサまで辿り着けました。

 これは私の人生で最もヒモジイ経験でしたが、「赤貧洗うが如し」の心境を味わえたコトは善かったと思います。
 それは他人への感謝の気持ちを育ててくれ、最小限のモノで生きる姿勢をもたらしてくれました。

 一万年前の「女国の子等」もそんな心境だったはずで、助け合ってなんとか生きて行けました。
 チベットではこうしたヒモジサを「修行」と捉える宗派も誕生し、それはカギュ派と呼ばれ開祖のミラレパは大麦若葉だけで生きたと伝えられています。

 実は日本にも大麦若葉だけで生きている人は居り、鍼灸師の森美智代さんが有名です。
 彼女の本も「赤貧洗うが如し」の心境を語っており、「女国の子等」はそうした物質的な貧しさ故に、精神的な豊かさを追求したと描けます。

 これについては次回に語ろうと思いますが、昨日テレビの正月特番「ハワイ特集」を観て、その「歌と踊りの島」ぶりに感銘を受けました。
 ハワイは明らかに「女国圏」に属し、そこの子等はみんな優しい顔をしておりました。
 
 
 
 
 
 

 

 

 
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