真の動物福祉牧場を目指して

79. 春菊とランディ

いよいよ漫画を卒業して文学に入ります。
まずは漫画家としても名が通っている内田春菊からとし、彼女は「性の諧謔」で日本のトップを走る作家と言えます。

因みに中国の「和諧政策」は「性」にも及んでおり、北朝鮮のように自慰行為が見つかっただけで刑務所に入れられる様なコトはありませんが、ポルノの所持は犯罪です。

しかし中国人民は逞しく、売春業はアンダーグラウンドで沢山営まれており、やはり「性の諧謔」は人間にとって必要なモノなのでしょう。

春菊の漫画はKindleで無料ダウンロードでき、今朝サラッと読みましたがなかなかクールだと思いました。
そこでは女性と男性の「性」への執着度の格差が描かれており、妊娠して子供まで産む女性にとって「性」や「恋」はとても重要なテーマだというコトが伝わります。

私が本で春菊さんの代表作「ファザーファッカー」を読んだのはだいぶ昔で、22才でユーラシアを横断した時に、テヘランの日本大使館で借りて読みました。
イランにはけっこうな数の日本人妻が嫁いでおり、それは昔イラン人の出稼ぎが大勢日本に来ていたからです。

ペルシャ人にはスラブ人の血が混ざっていて若い男はカッコ良く、昔の日本女性は冒険心が強くて積極的に海外へ嫁いで行きました。
しかしペルシャの男は男性ホルモンが強くて直ぐに禿げ、髭は濃くモジャモジャになって、それに対し女性が口出しできる社会ではないので、些か後悔しているフシも観られました。

それはともかく、テヘランは気に入って1月ほど滞在し、日本大使館に日本人妻達が寄贈した本を読み漁りました。(海外を永く旅してると日本語に飢える)
そこで「ファザーファッカー」とも出会え、その文学的な「美しさ」に感銘を受けた思い出があります。

この物語は春菊さんの実体験から綴られていて、「ファザー」は母の再婚相手なので法律的にはまあ問題ありませんが、最初は少女の頃で無理やりだったので問題作と言えます。
しかし徐々に立場は逆転して行き、春菊さんは「ファザー」を手玉にとる存在に成長していく、とても逞しい物語です。

続いてこれも逞しい女性作家、田口ランディを紹介します。
彼女の代表作は「コンセント」で、これはコンセントが抜けた様に無気力になって衰弱死した、実の兄について綴った物語です。
ランディの作品には他にも「死の諧謔」をテーマにしたモノが多く、そうしたヘビーな物語に「明るさ」と「救い」を齎す逞しい手腕が評価されています。

また彼女は旅行記でも人気を博しており、「忘れないよ!ヴェトナム」や「オラ!メヒコ」では実に活き活きと現地人と渡り合っており、日本女性の逞しさを象徴する存在と言えます。

ランディさんはブログも良く書かれており、その口語体の文章は流石に作家と言える鮮やかさで参考になります。
このベートーベンの第九は私も小学校で合唱し、ドイツ語の歌詞は今でも少し覚えています。
その意味までは教えて貰えませんでしたが、彼女のおかげで知るコトができて嬉しく思います。

これは偶然なのですが、私のブログでかなり前に「深遠なる第九」と題して栄養学の発展を論じたコトがあり、これはけっこうアウトスタンディング(特出してる)な回なので、良かったら読んでみて下さい。

最後にもう一作、Kindleで無料ダウンロードできたランディさんの本を紹介します。
それは「パピヨン(蝶)」という変わった題名の本で、第一章はラダックの旅行記になっています。
そこで彼女は重篤な高山病に罹り、朦朧とした意識の中で瞑想体験を得ます。

ラダックでの体験は、「死」とはサナギが蝶に孵って羽ばたくコトだとする「死の物語」を語り始めるのに良くマッチしており、物語は「死ぬ瞬間」という世界的ベストセラーを書いた、「死の研究者」エリザベス-キューブラー-ロスの生涯へと続いて行きます。

これはランディさんの本が初めての人にもお勧めで、彼女の逞しい文章は私達に勇気を与えてくれます。


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