真の動物福祉牧場を目指して

理想的な土壌を作る堆肥

前置きが長くなりましたが、とうとう有機農業の核心である土作りについて具体的に述べます。
まず、理想的な土壌とは作物に有効な働きをする微生物が沢山いる土で、これにより土壌は団塊化して水捌けと保水性が上手く調整され、フカフカで根を張りやすい土になります。
さらに悪玉菌が異常繁殖することもなく、根と共生するエンドファイト微生物も増えて、抵抗力とミネラル吸収力を高めてくれます。
因みにファイトとは植物の、といった意味で、エンドなので植物の一番外界に接した所で、動物なら腸内の絨毛に共生する微生物と同じような働きです。
良い土壌には1gに一千万もの微生物群が生活しており、有効な働きの群れは大まかに3通りに評価されます。
それは浄菌系、発酵系、合成系で、浄菌系は乳酸菌が主力でphを酸性(水素イオン即ち陽子の濃度が濃い、酸素とは関わりなく、酸はミネラルの溶出に活用される)にして悪玉菌を大人しくします。
発酵系は酵母が主力で、有機物を酵素分解してミネラルや糖類、アミノ酸、ファイトケミカルなどを利用し易くします。
そして合成系が一番の要であり、これは光合成細菌が一番有効なのですが、扱いが難しいので納豆菌で代用する方法もあります(「現代農業」で推奨)。
光合成細菌は地球で始めに誕生した古細菌やアーキア(海底熱水坑や地底に住む)の仲間とされ、宇宙放射線にも耐える強者です。それは植物の一器官に成り下がった、末裔の葉緑素などよりも遥かに広い幅の電磁波を吸収し、中には最もエナジーの強いガンマ線すら吸収る強者がいます。そうした選ばれたエリート光合成細菌を数種類活用しているのがEMです。

これによって土壌が光合成し、他の微生物群にエナジーを供給して活発に活動できるようにします。
酵母の発酵生成物質や、乳酸菌の多様な生成物質(免疫力増強で有名)が土壌に増え、そうした善玉菌環境(日和見菌は有効菌に協力し、悪玉菌は日和見菌になる)の中でのみ光合成細菌は太古の力を目覚めさせる事ができます。
これは云わば三位一体の有効微生物群と言えるでしょう。
理想的な堆肥とはこの有効微生物群を繁殖させた物で、ミネラルバランスを考えると動物性堆肥と植物性堆肥を混ぜた基質(微生物のエサ)が良く、牛ふんには自然に敷わらが混ざって堆積するので理想的です。
EMは嫌気発酵するので、さっさと袋詰めして流通の過程で熟成させられ、好気発酵させる為に切り返しなどする必要はありません。
好気発酵は熱で悪玉菌を殺すのが目的で、もともと悪玉菌のいない堆肥ならば必要なく、好気発酵は窒素などの肥料分が蒸発してしまうので効きが悪くなります。(一般的な堆肥はこれです)

悪玉菌のいない(大人しくなった)うんこは、動物にEMを飲み食いさせる事で出来、臭いは芳しくなります。
欧米ではEMはプロバイオティクス飲料として売られていますが、日本では光合成細菌が食用に認可されてなく(沖縄や台湾の臭豆腐は明らかに光合成細菌の臭いがしますが)、飼料としてのみ認可されています。

これで暑いインドでも牛ふんは臭わなくなり、農民は差別の対象から尊敬の対象となる筈です。バンダナシヴァ女史もその有機農業推進運動の中で、EM農法の普及に尽力してくれております。

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