真の動物福祉牧場を目指して

子供映画 5選

 音楽の次は映画を通して、「子供について」語ろうと思います。
 「子供映画」と言うと「ハリー・ポッター」のような「お子様向け」を想像されるかも知れませんが、ここではかなりシリアスなのを紹介させて貰います。

 まずは文芸作品を元とした「アラバマ物語」('62)からとし、これは後に作家となる少女の視点で描かれた「回想文学」です。
 その美しい自然描写とは対照的に、彼女が育ったアメリカ南部の社会はドロドロしており、レイプ事件の汚名を着せられた黒人青年を彼女の父親が弁護するストーリーです。
 この父親はグレゴリー・ペックで、彼はディランが歌にしている程の「特別なヒーロー」です。 そんな素晴らしい弁護士が着き、しかも明らかに冤罪であるにも関わらず黒人青年は有罪とされて、リンチを受け殺されます... この経験はまだ幼い少女にはヒドク堪え、後に「物語」として総括し作家への道を歩ませます。

 次はトム・ハンクスの出世作「ビック」とします。 これも小説を元とした作品ですが、子供がいきなり体だけ大人に成るというファンタジー作品です。
 その変な大人をハンクスが演じるのですが、その彼が実に魅力的で女性にモテまくります。 これは日本と韓国でもリメイクされた程の名作なので、まだ観てない方はぜひご覧下さい。

 レオナルド・ディカプリオの子供時代の映画も素晴らしく、ここでは「マイ・ルーム」を挙げます。 これの前作「ギルバート・グレープ」でディカプリオは知的障害の弟役でしたが、今作では十代前半の兄を演じています。 しかしこの兄は自分の家に火を着けて、捕まってもまるで反省の色が見られないという、手の付け難い問題児でした。
 そんな彼を救ったのは余命いくばくも無い天使のような叔母で、とても魅力的なヒューマンドラマを展開しております。

 続いて邦画に入りますと、日本を代表する「子供映画」と言えばやはりジブリ作品かと思います。 その中でも「火垂るの墓」は格別に文学的で、作者の野坂昭如さんは自分の体験を元にして書かれました。
 これは人気作なのでストーリーを紹介する必要はないかと思いますが、戦中戦後の食糧難はそれを生き残った子供たちの心にも大きな傷を残し、そのトラウマを克服する為にガムシャラに働いて、豊かな日本を創ってくた祖父母の世代に感謝します。

 ラストはロシア映画からとし、「父、帰る」を紹介します。 この映画はロシアの荒んだ片田舎が舞台で、長年外国に行っていたヤクザな父ちゃんが帰って来て、男の子供二人との絆を作ろうと三人で旅をするストーリーです。
 兄の方は頼もしいヤクザな父ちゃんに親しもうとしますが、弟はだいぶ神経質で「あんな悪者が父ちゃんな訳ない」とナツキません。 結局最後にこの旅は破局を迎えて父ちゃんは死にますが、二人の子供を大きく成長させます。
 この映画がヴェネチア映画祭で最高賞を取れたのは「子供の心」を見事に描いているからで、ロシアのキビシイ現実も心に残ります。 そうしたキビシさに曝された子供たちが今ウクライナで戦わされており、彼等にも太陽の様に輝いた子供時代があったコトを知るのは、意義があるかと思います。
 
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