お隣さん

昨日、帰ると我が家のドアノブに袋が
なんだろ？
恐るおそるあけてみる。
お菓子だ。
小さなメモが入っている。
”棟上で餅投げをしました。少しですが食べてください。※餅は生餅だったらしくカビが生えています。形だけ入れています。”
お隣さんだ。


数日前、餅投げをしたということは聞いていた。
あの日以来、声がかからなかったことに少々困惑していた私。

カビが生えた紅白の餅。
どうしても渡したかったに違いない。
不思議とそれさえ愛おしく感じる。


去年の火事で焼けてしまったお隣の家。
あの日以来ほとんど会ってなかったRちゃん。
去年お母さんを亡くし、その上、家まで。
どんなにか辛かったろうに。

私は彼女に何を求めていたのだろう。
そんな自分が恥ずかしくなった。


もう一度メモをみる。
たった何行かの文章にハートが熱くなったのを感じた。