東京お散歩ムービーだなんて言うので、東京の名所旧跡を
ぶらぶら歩きするサザエさんのオープニング的な内容を
予想していましたが、少し違っていました。
一見するとどこにでもありそうな住宅街や下町商店街の
風景なのですが、実はこんな風景がごった煮になっている
街並こそ東京の特徴だということをうまく引き出していました。
こんな平凡な日常の中を借金取り立て屋の福原(三浦友和)と
大学8年生の文哉(オダギリジョー)が霞ヶ関目指して歩いて行く。
道中ではコントみたいなバカバカしい事件や奇妙な出来事に
遭遇するんだけど、観ているこちらもあんまり考えても仕方ない
映画だと気づき、力を抜いて安心して笑ってしまうのです。
そしてうまく力が抜けたならば、最後は少しほろりとさせられる
ことでしょう。なんだかその”もっていき方”がうまい映画でした。
それを意図してやってないようで、実は術中にはまってるんじゃないか
というところも。
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