本日で今の会社最後の日。
送別会は表に繰り出さず、酒やらつまみやらを買い込んで
社内で行われる。
いつも寡黙だった支社長は、常に自分がどうあるべきか
を考えなさいと熱く語ってくれた。
一ヶ月前に提出した退職願を、もう少し考えなさいと
預かってくれていて、それでも辞めて新たな一歩を
踏み出そうとするボクを誰よりも心配し、
誰よりも応援してくれたのもこの人だ。
実は同じ大学だった下ネタ大好きな体育会系の先輩は、
早くカノジョ作れ、早く結婚しろと、浅黒い顔で
目を真っ赤に潤ませて追い出してくれた。
涙の一粒も見せやしない隣のデスクの彼女とは
完璧にフラれて終わってしまったけれど、
池袋で朝日を眺めたのも、今日のランチにこっそりワインを
飲んで送別会を前倒ししたのも二人だけの秘密だ。
短期間だったけれど、思い入れのある職場ってあるもんだ。
1年前、設計事務所を退職して疲労と空虚感で絶望的な
気分になっていたけれど、何かの縁でこの会社に入って
この仲間たちと出会った。
だからここでまた違う場所へ旅立とうとするのも、
こうしなさいという何か運命的な力が働いたからなんだろう。
そう思いたい。
明日から少しのんびりと旅に出る。
少しの充電の後、新しい職場が待っている。
♪Heavy Rotation♪
「終わりなき旅」/Mr.Children