YS_KOZY_BLOG

History, Strategy, Ideology, and Nations

12月1日

2009年12月01日 | NEWS & TOPICS
 鳩山首相が早速、やつれ気味だと言われている。
 官邸での記者会見においても、確かに就任当初よりも覇気が失われてきているように見える。
 だが、それは自分で播いた種でもあるのだから、殊勝に受け止めるしかないだろう。
 しかも、これだけメディアが鳩山擁護に傾いていることを思えば、
 むしろ幸運な状況にあると考えるべきである。
 麻生前首相の時は、ホテルのバーで飲食しただけで批判されていたのである。
 かたや「恵まれた環境で育った」と放言しても、誰もそれを問題視しないのだから、
 時代が変われば民心も変わるといった感を拭えない。

 とはいえ、鳩山首相が発した過去の言動は、現在の自らの立場を危うくしていることは間違いない。
 インターネットの世界では、それを「ブーメラン効果」と呼んだりするそうだが、
 その言動が今後、前言との整合性を説明できない限り、
 国民からの大きな信頼を勝ち取ることはなさそうである。
 さらに、現在取り沙汰されている鳩山首相の母親から9億円の贈与があったとする疑惑は、
 鳩山首相への信頼を追い打ちをかけるように失墜させている。
 さすがにこれだけ巨額の資金移動を「知らぬ存ぜぬ」では通用しないだろうし、
 万が一、本当に知らなかったとしたら、普段、無駄遣いをあれだけ指弾しておきながら、
 自らの脇の甘さを大いに露呈したことになってしまい、
 やはりその言動に対する信頼を失うことになる。

 それでも鳩山内閣の支持率が何とか70%近くを保っているのは、
 事業仕分けの評価が思いのほか高かったからである。
 それも今や終わってしまったことを考えると、
 これから鳩山首相にはイバラの道が待ち構えているのみである。
 
 打開策は極めて見えづらいが、国内問題は、年金・福祉、少子化対策、雇用改善、景気回復など、
 いずれも時間と手間がかかり、しかも成果が一気に現れるものではないため、
 ここに力を入れるよりも、外交案件で勝負に出る可能性が高い。
 実際、小沢幹事長は北朝鮮訪問に前向きな発言を行なっていることから考えると、
 来年春~夏にかけて、鳩山訪朝は決して絵空事とは言えないように思う。
 
 不利な立場から始まる外交がどんな結果をもたらすのかは、多くの歴史が証明している。
 その轍を踏むことになるだろうか。