合理的に考えれば、党内融和に動くと予想していたのだが、
どうやら菅氏は、この機会を生かして、
本格的に小沢氏のグループを潰すという選択肢を採用したようである。
注目の幹事長職には、岡田外相が起用された。
本人はまだ外相に未練があったらしく、
当初、要請があった際も固辞する姿勢を見せていたが、
最終的に「あなたしかいない」と口説かれて、覚悟を決めたとされている。
また、もう一つ、今後の展開を考えた時、
党選対委員長に渡辺周氏が就任したことも注目しておく必要がある。
渡辺氏は、前原グループに所属し、
「政治とカネ」をめぐる問題に批判的な立場を貫いてきた人物で、
当然、小沢氏との距離は離れており、今回の党代表選においても菅氏支持を明らかにしていた。
ここまで「脱小沢」を志向した閣僚人事と党人事を断行してしまった以上、
いくら口先で「412人内閣」や「有言実行内閣」と言ったところで、
党内調整が難しくなることは避けられない。
岡田氏が幹事長就任を渋ったのは、外相への未練だけではあるまい。
これから先、民主党は国会だけでなく、党内にも野党を抱えた状態になる。
特に小沢氏のグループは、一人の入閣も果たせなかったことから、
現執行部への反発をさらに強めるであろう。
そうした中で、各方面の調整をどうやって図っていけばよいのかと考えた時に、
思わず憂鬱な気分に囚われたとしても不思議ではない。
普天間問題から解放されても、岡田氏の胃が痛む日々は続くのである。
党内の不満分子と「ねじれ国会」という現実に直面する中で、
菅氏が採り得る選択肢は自然と狭まってくる。
一つ目は、党内で吹き荒れる「菅おろし」の動きに応じて、
彼らの言い分を丸飲みしていくことである。
だが、この選択肢は、今回の人事を見て分かるように、
最初に消去されてしまった。
二つ目は、「ねじれ国会」解消に向けて、野党との政策連携を進めていくことである。
すでに新党改革は、民主党との政策協議に応じる姿勢を明らかにしており、
両者が提携する可能性は十分考えられるのだが、
その他の野党に関しては、今のところ期待薄と言わざるを得ない。
そこで、三つ目として、衆参同時選挙という選択肢が出てくることになる。
とりわけ現在、国民的関心が民主党に引き付けられ、
菅政権の支持率も回復傾向にあるという現状を踏まえれば、
大きな政策上のミスが出る前に、国民に信を問うことも間違った判断とは言えないだろう。
ここで、選対委員長を石井一氏から渡辺周氏に代えた意味が発揮される。
石井氏も菅氏支持を明らかにしていた人物だが、
本妻があくまでも小沢氏であることは周知のことであろう。
今回、幹事長・選対委員長という選挙活動の中枢を牛耳ったことで、
170億とも言われる政党交付金は、実質上、菅氏の手中に収まった。
解散総選挙をちらつかせるだけで、小沢氏のグループに揺さぶりをかけることができるし、
もし総選挙になっても、党の金庫は押さえているわけで、
以前に比べて、小沢氏のグループをコントロールすることは難しくなくなった。
さらに、万が一、衆参で民主党が第一党を占めるようになれば、
懸案の「ねじれ国会」も解消される。
やはり来年1月の通常国会までが、一つのポイントになってくるだろう。
いやはや、それまでの間、果たしてどうなることやら。
どうやら菅氏は、この機会を生かして、
本格的に小沢氏のグループを潰すという選択肢を採用したようである。
注目の幹事長職には、岡田外相が起用された。
本人はまだ外相に未練があったらしく、
当初、要請があった際も固辞する姿勢を見せていたが、
最終的に「あなたしかいない」と口説かれて、覚悟を決めたとされている。
また、もう一つ、今後の展開を考えた時、
党選対委員長に渡辺周氏が就任したことも注目しておく必要がある。
渡辺氏は、前原グループに所属し、
「政治とカネ」をめぐる問題に批判的な立場を貫いてきた人物で、
当然、小沢氏との距離は離れており、今回の党代表選においても菅氏支持を明らかにしていた。
ここまで「脱小沢」を志向した閣僚人事と党人事を断行してしまった以上、
いくら口先で「412人内閣」や「有言実行内閣」と言ったところで、
党内調整が難しくなることは避けられない。
岡田氏が幹事長就任を渋ったのは、外相への未練だけではあるまい。
これから先、民主党は国会だけでなく、党内にも野党を抱えた状態になる。
特に小沢氏のグループは、一人の入閣も果たせなかったことから、
現執行部への反発をさらに強めるであろう。
そうした中で、各方面の調整をどうやって図っていけばよいのかと考えた時に、
思わず憂鬱な気分に囚われたとしても不思議ではない。
普天間問題から解放されても、岡田氏の胃が痛む日々は続くのである。
党内の不満分子と「ねじれ国会」という現実に直面する中で、
菅氏が採り得る選択肢は自然と狭まってくる。
一つ目は、党内で吹き荒れる「菅おろし」の動きに応じて、
彼らの言い分を丸飲みしていくことである。
だが、この選択肢は、今回の人事を見て分かるように、
最初に消去されてしまった。
二つ目は、「ねじれ国会」解消に向けて、野党との政策連携を進めていくことである。
すでに新党改革は、民主党との政策協議に応じる姿勢を明らかにしており、
両者が提携する可能性は十分考えられるのだが、
その他の野党に関しては、今のところ期待薄と言わざるを得ない。
そこで、三つ目として、衆参同時選挙という選択肢が出てくることになる。
とりわけ現在、国民的関心が民主党に引き付けられ、
菅政権の支持率も回復傾向にあるという現状を踏まえれば、
大きな政策上のミスが出る前に、国民に信を問うことも間違った判断とは言えないだろう。
ここで、選対委員長を石井一氏から渡辺周氏に代えた意味が発揮される。
石井氏も菅氏支持を明らかにしていた人物だが、
本妻があくまでも小沢氏であることは周知のことであろう。
今回、幹事長・選対委員長という選挙活動の中枢を牛耳ったことで、
170億とも言われる政党交付金は、実質上、菅氏の手中に収まった。
解散総選挙をちらつかせるだけで、小沢氏のグループに揺さぶりをかけることができるし、
もし総選挙になっても、党の金庫は押さえているわけで、
以前に比べて、小沢氏のグループをコントロールすることは難しくなくなった。
さらに、万が一、衆参で民主党が第一党を占めるようになれば、
懸案の「ねじれ国会」も解消される。
やはり来年1月の通常国会までが、一つのポイントになってくるだろう。
いやはや、それまでの間、果たしてどうなることやら。