睡眠以外に脳を休ませる方法はない

　今年、夏場の睡眠に関しお話しを伺った白川修一郎博士（国立精神神経センター老人精神保健研究室長）のインタビューがある研究雑誌に掲載されていました。

　記事の中に「人間の脳はつねに休息が必要ですが、睡眠以外に脳を休ませる方法はないんです。起きていながらたんにリラックスしているだけでは脳を休ませることになりません」とありました。「精神的なストレスは睡眠以外で除去することは不可能」とも。

　それだけ睡眠が大切なのに、なぜ睡眠の基礎知識が教えられないのでしょうか。日本は先進国内では睡眠学の研究、教育の後進国だそうです。理由のひとつは、医学部で睡眠学が教えられないこと、さらに、睡眠障害が保健医療から外れているため、病院外来に「睡眠科」のような窓口がないこと。

　しっかり正しく眠れていないことに目を向けず、起きてからの行動でそれを埋め合わそうとする。だからビタミンや栄養ドリンクを取って、身体にカツを入れようとする。悲鳴をあげている身体に興奮剤を注入し、疲労回復を補おうとする。

　本末転倒ではないですか？
　アメリカでは1兆7千億円の国家予算を投入し、国民の睡眠健康問題に取り組んでいるそうです。国に期待してもこの国は動かないから、我々民間が率先していかねばなりません。ウェブサイトも、グーグルも、iPodもアメリカにやられた。日本人、寝てないからじゃないですか？

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