私の成人式は 半世紀以上前でした。
そろそろ お振袖が出て来た頃です。
姉は 訪問着と袋帯を誂えたのを 覚えています。
成人式・・・
でもね、私、美容師だったから
お店は 前日から泊まり込みで準備して天手古舞なの
判っていたから、先生にお休みくださいと言えずにいました。
其の頃の勤め人は権利とか、有給とか 言えない立場ですし
だから 何も用意してなくて・・・。
12月半ば頃 町から成人式の招待状が届きました。
私達は 団塊世代の最後で とても人数が多くて、
文化会館に入りきれず 午前と午後の二部式でした。
私の住居地は午後の部
勤務先の地区は午前の部
「Yさん~成人式行ってもいいわよ」って先生が言うの。
まっ~と 思ったけど、一生に一度の記念だから
仕事が終わってから、先生に髪を結い上げて貰い
水色にピンクの花が散った小紋の小振袖に
(これは 美容学校の卒業パーティーで着たものです)
帯だけ新調し、朱に金糸の扇の刺繍の名古屋帯を〆
帯揚げ、帯締めは淡いピンクでした。
会場に行くと、
ご家族に付き添われた振袖の娘さん達でにぎわっています。
私は地味な小振袖に名古屋帯にちょっと引け目を感じつつ
でも・・・
「ああいうのも いいわね。」
「袖を詰めれば 長く着られるわね」と
ささやく声が聞こえて来て
頬が赤らむのがわかります。
先生の妹さんは黄色に大きな蝶の振袖をきていました。
式典が終わり、先生に着付けを治して頂き
妹さんと一緒に写真屋さんに行くと、
沢山並んでいます。
私の番です
絨毯の中央にすっと立ち小さな前簪が見えるようにポーズ
「わ~綺麗ね」 「一番綺麗ね」
背中にそんな声をききながら
ライトを浴び
ちょっと微笑んだところで シャッター音
着物は着付けの練習で着慣れているので
多分 初めての振袖の方よりこなれていたのでしょう。
付き添いも無く、寂しかったけど
嬉しかった
半世紀以上前の成人の想い出です。
あの写真は 何処へいったかしら?
昨今は 物騒な成人式のニュースばかりで悲しいですね。
子供を卒業して 大人への一歩なのに
これから少子化で、学歴も上がり、成人式も変わることでしよう。
みんな やさしい大人になってね。
みんな ご両親に無理を言わず 成人式を祝ってね。
犯罪の無い 社会を作る大人になってね
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