CD「cossam」発売日の10日前、
父親が他界しました。
実の父親ではありませんが、
彼はオレの事を自分の息子のように
可愛がってくれ、しかってくれました。
小学生の頃から、高校卒業までの時間のほとんどを、
彼の自宅で過ごして育ったと言っても過言ではないです。
オレも彼の事を「もう一人の父親」と思って、
慕い、尊敬していました。
なのに彼のお通夜にも、告別式にも参加できませんでした。
今回のCDリリースも、ワンマンライブも
「橋本優樹」の作業で「橋本優樹」が中心で動いていくのです。
メンバーが集まり、協力者が集まり、スタッフが集まり、
そしてファンが集まってくるのです。
「橋本優樹」というキーワードに集まってくるのです。
連日の深夜作業で続くリハーサルや、打ち合わせ。
メンバーの立て込んだスケジュールを、オレ自身が組み合わせ、
みんなは文句一つ言わずに、集まってくれる。
そんな状況下でオレは帰る訳にはいきませんでした。
彼に会いに帰れませんでした。
言葉で表現できへん、苦しさと、悔しさと、寂しさに、
自分が何をやってるのか分からなくなっていました。
それでも時間だけは前に前に進んでいきます。
オレは胸に一つの約束をしまいました。
「今回のツアーを絶対に成功させるぞ。
成功したら会いにいこう」
他の事には目もくれず、
ステージの事だけを考えて、突き進みました。
ファンの為、友達の為、協力者の為、家族の為、メンバーの為、
そして彼の為に頑張りました。
オレが一歩踏み出さないと、みんなも進めないのです。
そして結果、想像以上にいいライブができた。
会場にいたお客さん全員に、
満足のゆくステージを見せる事ができたと自負してるくらいに。
そして、そのまま彼に会いに行きました。
写真の中で笑ってました。
オレは悲しいのに、寂しいのに、涙一つ出てきませんでした。
彼が亡くなった事を、感じられなかったからです。
受け入れたくないのではなくて、
まだそこにいる気がしたからかも知れません。
後ろのドアから入ってきて
「お~い、優樹っちゃん、来とったんや!
コーヒー入れるから、一緒に飲もうよ!」
なんて言いながら。
もっともっと頑張って、
もっともっと良い曲を書こう!
ただ、他の何かに変わってしまうような変化はいりません。
これまでのように、そしてこれからも
「橋本優樹」っていうアホでいたいと思います。
そして彼に届くようなデカイ声で、
叫び歌おうと思ってます。
「オレはココや!!!」って。
おっちゃん、優樹です。
いつまで経っても成長してへんけど、
持ち前の楽しさやアホ加減は、昔のままやで。
今、音楽が楽しいんや。
もうちょっとだけ、この場所で頑張ろうと思ってんねん。
みんなも頑張ってんで。
竜人と健三、おばちゃんを見守っててください。
ずっと見守っててください。