橋本ゴリラ ひよこ日記

いつも ピーピー鳴いたります。

12月29日 和歌山 4

2005年12月29日 13時22分25秒 | Weblog
この後4日間、和歌山に滞在する事になるんやけど、
オレは各レコード店や、雑誌、ラジオ、友人や、協力者に、
挨拶回りに走り回った。
村松は釣り三昧を楽しんでた。

・・・ライブ前日、風邪に犯された自分に気付く。
認めるとヤバいので、只の体調不良って事にして、
1日中ベッドで過ごした。
その間も村松は釣り三昧を楽しんでた。
優しいのか冷たいのか・・・村松は謎が多い。。。
そのまま朝まで寝て過ごした。
明日、大丈夫かなぁ・・・。

12月29日 和歌山 3

2005年12月29日 12時44分57秒 | Weblog
紀南文化会館ライブの翌日。。。
ゆっくり寝たいが、そんな余裕はない。
星山君と栗ちゃんを空港に送って行く!
他のメンバーは夜の便で帰るので、まだ数時間の滞在。
メンバー全員で二人を「金属チェックコーナー」まで送った。
二人は妙にてれくさそうに笑いながらゲートの中へ消えて行った。
「お疲れさまでした」見えなくなっても叫んだ。

その後、残りのメンバーを「南紀白浜観光」に連れて行った。
旅行会社が組むプランより、濃厚なプランでスタートした。
機材を積み込んだままでは、定員オーバーなので、
途中でオカンが車で参加してくれた。

取り合えずは、海っしょ!南紀白浜やねんもん!!!
空港線から海までの景色は、これ最高のモノで、
白良浜(しららはま)が見えて来た時は、
「うわぁぁ~~~」って声が車内に広がった。
ここで菊地がアホな質問をして来た。
「うわぁぁ~橋本さん、海ですねぇ~~」
そうです。海です!
「海、広いですねぇ~~~」
海は広いのです!

白良浜(しららはま)に到着。
真っ白な砂浜が、ドドド~ンと広がってる。
ビーチに着くと、みんな急いで車を降り、
裸足で砂浜に降り立ち、波打ち際までダッシュ!
波打ち際では、みんなは戯れ暴れてた。
中でもキッシーが大暴れ!!!
こいつは子供よりはしゃいでたし、
押し寄せる波が、足を濡らそうと追いかけてくる時、
どんくさい内股で、「キャッ」っと叫びながら逃げてる。
「もうええやろう!!」って言うのが面倒くさくなるまで、
その動作を狂ったように繰り返してた。
そして挙げ句の果てにはズボンの裾を濡らしてしまい、
この寒さの中、中途半端に裾を目繰り上げ、
また押し寄せる波に挑戦してた・・・アホです。

ビーチでワイワイやってると、東京から来たファンとばったり遭遇。
万吉に言わせると「人あたりバッタリ」です。
多分「行きあたりばったり」と勘違いしてるのでしょう・・・アホです。
面食らったオレは、そこでもなんだか嬉しかった。
オレの生まれ育ったこのビーチに、ファンが居る事に、
笑いが込み上げてくる不思議な感じがした。
・・・キッシーはまだ挑戦中・・・。
昨日のライブの事や、CDの話しや、写真を撮ったりした。
「こうなったら!」一緒にファンの子達も連れて観光する事にし、
急いで万吉に連絡。車で来てもらう事にした。
・・・キッシーはまだ挑戦中・・・。
そんなキッシーを見て、オカンが一言。
「昨日の格好ええピアノを弾いてた人と、同じ人なんか?
あの人、結構アホやなぁ。いつになったらあの行動は終わるんや?」
そんな事、オレに分かるかい!神様でも分からんと思うわ。。。

万吉が白良浜に到着。
車3台を使った、贅沢でリッチな「南紀白浜ツアー」再スタート。
マジで遠足気分・・・って言うより遠足だった。
事細かく書くと長くなるからこの辺にしとくけど、
ホンマに地元人ならではの、完璧な案内ができた。
みんな大喜びしてた。キッシーの次に・・・。

飛行機の時間がもうそこまで迫ってた。
最後に「円月島」って島の前で記念写真を撮ったり、
ジュースを飲んでタバコを吸ったりしてた。
夕日がみんなの笑顔を照らしてた。

家族全員でメンバーを空港に送って行った。
村松だけは大阪ライブを共にするので残った。
楽しかった。みんなありがとう!!!
「金属チェックコーナー」まで送る時、ふと気付いた事が!
キッシー、朝ビーチで目繰り上げたズボンの裾が、
まだそのままになってた。
おいおい、もうとっくに乾いてるやろう!!!
そのまま「DANCE to the BEAT」の振りで
ゲートの向こう側へ消えて行った・・・。

最高のメンバーだった。ホンマにありがとう!!!

12月28日 紀南文化会館 8

2005年12月29日 00時44分57秒 | Weblog
終わった~!終わったよ~!!!ふぅマジで疲れた~!!!
控え室に戻り、速攻でCDの物販テーブルに走った。
会場の精算は「竜二」にお願いし、オレはファンとの触れ合いタイム。
沢山のCDが売れて行った。
サインと握手と御礼の言葉を沢山のお客さんに手渡しした。
ホンマにありがとう。ホンマにあざぁ~っす!!!

落ち着く余裕もなく、会場の片付けを始めた。
もらった沢山の花と、楽器、機材、荷物を、
「バンドメンバー」「竜二会メンバー」
「万吉ファミリー」「庭工房パワーズ」のみんなで車に運び込んだ。
向かうは「橋本邸」だ!!!

まるで正月みたいに沢山の人でにぎわってた「橋本邸」
30人くらいのお客さんがダイニングと応接室に溢れていた。
テーブルにはオカンがケータリングしてくれてた寿司や中華で、
ワイワイしてた。「こんなにも食えんのか」ってぐらい沢山!!!
ビールだ酒だシャンパンだジュースだで、パーティーが始まる。
橋本5人兄弟が1列に並ばされ、
長男の「保人」から順番に長女の「舞子」まで1人づつみんなへ挨拶。
丁寧な御礼を言葉にし、さぁ~カンパ~イ!!!
ライブに負けないくらいの大騒ぎが始まった。
全員が酔いに酔いまくって、大騒ぎの打ち上げ!!!
最高!ホンマに最高!!今までの苦労の10倍分、最高の気分!!!
オレの親友や家族と戯れるバンドメンバーを見て、
すごく不思議な感じがした。あ~楽しかった。
ホンマに「頑張り」の先には楽しさがあるんやなぁ!!!
コレを味わったら、次の試練にも立ち向かえる気がした。
宴会の中盤、メンバーをホテルに送る事になった。
星山君と、栗ちゃんが、次の朝一番の飛行機で帰る為、
この続きはホテルでって事になった。

ホテルの13階のベランダから、南紀白浜の夜の海をみんなで眺めた。
片手にはビールとタバコ!!!
みんながみんなを讃えるように乾杯をした。
最高のライブと、最高の景色と、最高の酒。
もう今夜は何もいらない。
これ以降、何かを要求するとバチがあたるよ!!!
・・・この辺りから、あまり記憶がない。
あ~もう~、最高~~~~~~~~~~~~~~~~~~~でした!!!

12月27日 紀南文化会館 7

2005年12月28日 01時09分30秒 | Weblog
ステージを降り、少し離れた控え室までの廊下を歩く。
控え室にはメンバーが拍手で迎えてくれた。
「優樹っちゃ~ん、お疲れさまでした!」
汗だくのオレを、一人一人全員が抱きしめてくれた。
みんなの笑顔は優しさに満ちていた。
そしてまだ震えが止まらないまま、床に座り込んだ。

ノドが乾いた。あ~~~ノドが乾いたぁ!
前回の失敗を勉強して、今回はウーロン茶を飲まず、
クリスタルガイザーをゆっくりと少しずつ飲んだ。
もう中国四千年の歴史にドロを塗れなかったからだ。

・・・そして少し休憩をして、アンコールの声を待つ。
ステージからは、まだ鳴り止まない拍手が・・・あれっ!
拍手どころか、アンコールの声も聞こえない!!!
あれっ良いのかなぁ~これで終わっても!?
なんかあっけに取られた感じになり、でもスッキリした感じあり・・・。
「アンコールのない終わりもいいやんねぇ~、あっさりしてて!」
面食らったメンバー全員を納得させるように言ってみた。
・・・そうすると!!
ちっちゃい拍手が聞こえて来たかと思うと、
津波のようにドンドン大きくなって来た。
「今度はなんだ?何が起きてんねや!?」
拍手に促されるように、オレ達はステージ脇に集合。
あきらかに「アンコール」の拍手が沸騰してた!
そしてオレはステージに上がる事にした・・・なんだコレは!!!

客の手には色とりどりの「風船」が!
そしてそれは客席ビッシリに膨らんで、プルプル揺れてる。
コレが原因で・・・アンコールの拍手も出来ないワケだ!!
まだ膨らませている人達が大勢居た。
驚きと同時に目頭が熱くなって、
せっかくの風船で埋め尽くされた美しい会場がにじんできた。
この時、何度も何度も「ありがとう」ってつぶやいてた。

「早くみんなに見せたい!」
そんな思いでメンバー全員を急いで呼び込んだ。
その時のメンバーの表情は、今も鮮明に覚えてるよ。
まるで小学生の遠足で「カマキリ」を見つけた時の表情だった(笑)

ファンは疲れた様子もなく「早く続きを!」って雰囲気。
オレが最後の曲のタイトルを叫んだ時、
メンバーはアドレナリンを鼻から垂れ流してた。
もう声の艶が失われてた声で叫んだその曲は「フロンティア」。
中国4千年の歴史の結晶とは無縁の今回のライブ。
「完全にイッテしまえ」状態でプレイしてた。
このとき、今オレは持ってる全ての悩みから解放され、
ただひたすら目の前の沢山の人達と、ライブを楽しんでるだけだった。
声帯から血がでるんと違うか!?ってほど「フロンティア」叫んだ

冷める事なく、最後の最後まで大盛りで幕が降りた。
橋本優樹の集大成がここに凝縮された感じだった。
過去、最高のライブを無事に終える事が出来ました。
最高の夜と共に!!!

12月27日 紀南文化会館 6

2005年12月27日 22時25分04秒 | Weblog
「Python」「空をみて」「ハンドル」に続いた。最高に。。。

そして今回のライブの為に書き下ろした新曲へと突入すんねんけど、
ここで客席を爆発させてくなった。
もう客をあおりまくった!!!
イントロからガツガツに攻めまくって、まくしたてた。
座ってる人達を全員立たせ、みんなで踊り始めた。
更にこの勢いに火をつけたかったオレは、
ある一つの事を思いついた。
ステージに、兄の「竜二」を呼び込み、
ディスコで磨いた「竜二ダンス」を披露してもらった!!!
客席は爆発した!ドガ~~~~~~~~~~~~~~ンっと!!!
みんな「肉」を揺らせてた。ブルンブルンと(笑)
やっぱり、やっぱり、この曲は盛り上がった。
曲の完成度、クオリティーはもうオレを満たしてた。
客がそろって「肉」をゆらしてるのを見て感じたのは、
ステージと客席が1つになれる事の凄さだった。
そして「エゴの花」で完全にみんな立ち上がった。
すでに立ってはいるんやけど、心の底から立ち上がったって感じ!!!
オレが歌うというより、客が歌ってた・・・歌わした(笑)
踊って踊って、踊り狂った(笑)
とにかくお祭り騒ぎで・・・楽し~~~~~~~~かったよ~~~!
全員が出し惜しみする事なく、パワー全開だった。

最後の「リフレイン」は、オレと星山君の2人で演奏しました。
長い間またせた和歌山のファンの心の奥深くに届くよう歌いました。
先の見えないトンネルに響かせるようなジャンベの音。
ド~~~ン。ド~~~ン。ド~~~ン。
どこまでもどこまでも、遠く響くような音でした。
今までの思い出が一気にフィードバックして来て、
「リフレイン」の中に、色んな景色が見えました。
この曲のおかげで出会えた沢山の人達を目の前にし、
大切に大切に歌いました。
さっきまでとは一気に空気感が変わり、
あれだけ暴れたてファン全員は、
演奏が終わるまで、各々がもつ「景色」を静かに眺めていました。

・・・またや!東京と同じ症状に見舞われた。
演奏が終わっても、プルプルプルプルと震えが止まらない。
立ってるのがやっとの状態になってた。
そして、もうとっくに「リフレイン」は終わってるのに、
ファンの拍手が鳴り止まない。
そしてオレは動けず、立ちつくしてる。
やっとの思いで動き出したのは、
演奏が終わってからしばらくたってからだった。
更に大きくなっていく拍手の中、オレらはステージを降りた。

12月27日 紀南文化会館 5

2005年12月27日 21時50分40秒 | Weblog
ステージと客席の呼吸が整ったのは、
アコースティックコーナー中盤だった。
ホンマに「ホッ」とした。
このまま行ききったら死ぬんとちゃうかと思うくらいの激流だったから。
ここでようやく気付いたんやけど、
小学生にも満たない子供がめちゃめちゃ沢山いて、
「優樹君!優樹君!」っと騒いでた・・・っていうより合唱してた(笑)
一人が言い始めると、他の子達も負けまいとオレを呼ぶ。
村松とのMCに割って入る「優樹コール合戦」がしばらく続いた(笑)
オレの話しを聞く事よりも、誰がどれだけ大きな声で
「優樹」と叫ぶかの損得勘定抜きの大会となってた!!!
親の見てない所で、ホッペタをギュ~ってしてやりたい気分を抑えた(笑)
「ウェンディーズの前で」「スタイル」「cossam」。

アコースティックコーナーが終わるとキーボードの「キッシー」から
演奏が始まり「Python」へと入る。
前回でも書いたけど、今回の「Python」のアレンジは、
オレの想像を超えたモノに仕上がった。
自分が作った歌詞で一番好きなのは「Python」の
「恋も 空も 苦しみも 胸も 涙も 強がりも
にじんだ君の足跡を辿った 愛の言葉」
って所やねん。余談でした。。。
「良かったぁ~」またまたファンを喜ばす事を忘れ、オレが感動(笑)
火のついた客を「暴れ馬」とするなら、
ダンダンと乗りこなせるようになってきてるの感じた。
そして「主導権」はオレにがあった。
何故「主導権」がオレの手中にあったか分かるかなぁ!?

オレは「カミサマ」だからです。

ジョークです。

ごめんなさい。

12月27日 紀南文化会館 4

2005年12月27日 21時40分57秒 | Weblog
・・・心臓の音が続く。・・・心臓の音が続く。
・・・不思議なくらい心が落ち着いてる。
薄暗いステージでメンバーを見渡した。
みんなの目つきが変わった。
オレはエフェクターを「オン」にした。
「優樹、マジで楽しいわ!」っと山ちゃん。
星山君がみんなに見えるように手を高く上げ、合図を送る。
みんなは小さくうなづく。
そして心臓の音が終わった・・・。

星山君のカウントで和歌山ワンマンライブが始まった。
カウントと同時にドデカイ幕が上がった。
エゲツナイ数の「人」が見えた。すんげ~~~人集り!!!
オレのテレキャスが「サバチャン」を掻きむしる。
感覚が鋭い!!!動きが柔らかい!!!でも全てが映像化されてる感じ。
幕が上がると一気にステージ前に客が押し寄せる。
「バックドラフト現象」。
東京でのライブの、およそ3倍もの勢いで、客席が火の海となった。
更に更に、火の勢いが大きくなる。
ここはオレの生まれ育った故郷や!
客に押されるようじゃ応援してくれてるみんなの期待を裏切るだろう。
でもこの「火」の勢いはハンパやない!!!
客は「期待」というプレッシャーをステージにぶつけてて、
オレはそれ以上のレスポンスをぶつけかえす!!!
「火」となった客は、狂った「嵐」みたく暴れる。暴れる。暴れる。
そのまま「Hemp」「僕の・・・」「size of」と進む・・・
「あれっ~~!」エラい事に気付いた。
次の「sign」で使うはずのカポタストが見当たらない。
そしてもうそろそろ「size of」のアウトロまで来てしまってた。
内心、大慌てしてたんやけど、一切の焦りを表情に出さず、
キッシーに合図を送る・・・キッシーはオレの合図を勘違いし、
笑顔をオレに送り返してくる。
「アホ~キッシー!違うて、違うて!今ピンチなんや!!
この曲終わったら、ピアノでつないでくれ~!!!」
オレの悲痛な心の叫びもむなしく、
キッシー、今度は笑顔にプラスして、親指を立てて「グッド」ポーズ。
こいつは~~~~~・・・アホ~~~。。。
割れんばかりの笑顔で「size of」が終わった・・・。アホ~~~。
・・・すかさず状況を察知した山ちゃんがキッシーに伝えてくれ、
ようやく状況を把握したキッシーは、自分のオデコをたたき終わると、
ピアノ・ソロでつないでくれ、オレは控え室にカポタストを取りに戻る。
全然バレる事もなく、ステージに戻って来て「Sign」を始めた。
この時、キッシーは既にトラブルの事を忘れていたと思う(笑)
東京ワンマンと同様に、ハッキリ言って何をどうやったのか覚えてない。
客席とステージとの押し問答が繰り返されて行く。
あれだけ落ち着いてた筈やのに、オレが前のめりになってた。
「おい優樹、東京でどの程度のアーティストになってきたんや~?」
って試されてるようなバカでかい歓声が、響く。響く。響きたおす!!!

12月20日 紀南文化会館 3

2005年12月20日 15時23分44秒 | Weblog
昼食後の朝礼も終わり、リハーサル開始。
たっ~~~ぷりとリハーサルに時間を費やし、
余念のない状態まで徹底的にサウンドチェック。
ステージと客席との間を行ったり来たりし、
ホールのどこから聞いても気持ちよく聞こえるように走り回った。
これにはエンジニアの「栗ちゃん」が大活躍。
「最高の音作り」に熱を入れ始め、
気付いたらメンバー全員でサウンドチェックのキャチボールをしてた。
熱い!みんな~熱いよ~!いいリハーサルや~!!!
それと同時進行で照明にも力を入れた。
サウンドチェックの熱いやり取りに感染され、
照明さんも激熱なやり取りがなされた。
このやり取りを、実に5時間30分くらいやってた。

もう思い残す事はない状態まで作り上げたリハーサルも終了。
ライブまでの時間を、みんな各々が自己チェックに。。。
オレはこの時点で、もうノドの痛みを忘れていた。
むしろ良い状態にまで回復していた。
さすがライブマジック。「病は気から!」みたいなモンかもですけど(笑)

・・・いよいよ開戦10分前。みんなの目つきが変わる。
っとそこへ「橋本竜二」が控え室に飛び込んで来た。
「おい、優樹!!!開演をもうちょっと待ってくれ!!!
 客がまだ行列を作ったまま、ホールに入れてないんや!!!
 入りきれんかもしれんぞ!!!えげつない行列や~!!!」
焦ったオレは、すぐさまステージに走り、
ステージスタッフに事の説明をして「10分押し」の確認を取りに行った。
ホールには席を450席用意した。
万が一、立ち見が出ても600人は収容できるキャパシティーなのに、
入場出来ないとはどういう事や!?
いったい何人ぐらいの客が来てんのやろう!!??
「竜二」と「万吉」にナビゲートしてもらう形で、
まだ入りきれてない客を急いで入れる手伝いをしてもらった。
会場側からクレームも出て来たので、もうヤバいと言う事で、
メンバー全員をステージ裏に集めた。
「みんな、客席ではエラい事になってるらしいぞ!
 満員御礼らしいわ!!!
 この状況でオレらがやる事は、最高のステージっしょ!!!
 今日はオレの集大成のステージにするから!!!
 マジで頼んだで~~~!!!」

メンバー全員は大きくうなずいた。
5分前・・・ステージ裏のオレ達に急に会話が少なくなる。
一人一人が、自分に成功を祈るように天井を仰いだ!!!
そして円陣を組み、割れるような大声で怒鳴り合った。

「心臓の鼓動」のSEが始まる・・・。

12月20日 紀南文化会館 2

2005年12月20日 14時58分55秒 | Weblog
みんなは自分達の楽器のメンテをしていた。
オレは和歌山市内から呼びつけた照明さんとの打ち合わせをし、
今度は大阪から呼びつけたレンタル会社の誘導と、搬入をしていた。
紀南文化会館に常備されている機材では間に合わなかったので、
ほとんどの機材をレンタルしたんやけど、
まぁ~助かった。大阪からわざわざ呼びつけただけの安心があった。

ステージ周りの準備がほぼ整い、いったん休憩する事にした。
オカンが用意してくれた「幕の内弁当」をつついて、
さぁ~全員が集まった所で朝礼。

和歌山「紀南文化会館」でのメンバーを紹介します。
ドラム「星山 哲也」
ギター「山田 真史」
キーボード「岸田 修治」
コーラス「村松 寛茂」
ベース「菊地 透」
エンジニア「栗原 kurichan」

ホールスタッフ「橋本 純子」
       「橋本 竜二」
       「橋本 万吉」
       「片上 彩」

レセプション・スタッフ「川畑 勇人」
           「川井 康平」

最高のメンバーに恵まれた事を、改めて感謝してます。

12月20日 紀南文化会館 1

2005年12月20日 14時41分58秒 | Weblog
11月18日(金)和歌山ワンマンライブ当日の朝6:30。
いつもより目覚めが良かった。
なにせ紀南文化会館でのライブは10年以上ぶりやからなぁ。

マラソンをして、シャワーを浴び、洋服に着替えて朝食。
寝る前に荷物の準備を済ませてたから、
さっさと車に積み込み、庭でコーヒーを飲んでいた。
透き通るような空から、冬の太陽が惜しげもなく降り注ぐ。
「あ~ポカポカして気持ちいいなぁ。海へ行きたいなぁ(笑)」
ダメです!今から闘いです!ステージという名のリングへ!!!(笑)

ホテルにみんなを迎えに!
そしていよいよ会場へと到着!
「で~~~ん!待っていたぞケンシロウ!!!」って感じだった(笑)
みんなでそのデカイ会場を見上げ「うわぁ~っ」ってこぼす。
ドカドカと入館し、控え室に荷物を突っ込むとホールの中へと入った。
みんなは、まるで会場になじもうとするかのように、
隅々までウロウロと歩き回ってた。

オレは荷物を搬入すると急いで「紀伊田辺駅」に星山君を迎えに行った。
星山君は京都からの登場になり、始発電車で和歌山に向かってくれた。
そして改札からツイスト・スパイラルヘアーが登場!!
いつもの「あっざっざっざぁ~っす」で登場!!
星山君をピックした後、そのまま会場に戻った。

午前11:00、これでメンバー全員がそろった。
後は自分流にステージを作るのみ。

12月19日 和歌山 2

2005年12月19日 17時49分24秒 | Weblog
和歌山2日目、朝6:00に目が覚めた。
なんだかノドが痛い・・・。
飛行機の室内はハンパなく乾燥してるから、
いつも通りマスクをして搭乗したんやけど、
どうやらマスクの効果があまりなく、少し痛めたかも・・・。

ダイニングキッチンに下りると、もう誰もいない。
自営業をやってるオレの実家の朝は早いのだ。
朝4:30くらいに家を出発してるみたいなので、
この時間に起きてもオレ一人だった(舞子はまだ寝てるけど)
まだ薄暗い部屋をストーブで温めた。
軽いマラソンの後、シャワーを浴びて、ボイトレとリハーサル。
それから今日1日のハードスケジュールに目を通す。

支度をして、今日最後のプロモーション。
各レコード店、関係者、サポーターへの挨拶回り。
お昼に生ラジオに出演し、また挨拶回り。
そして会場である「紀南文化会館」へ最終打ち合わせ。
楽器&機材のレンタルを頼んでる、大阪のレンタル会社に確認。
和歌山市内の照明会社との打ち合わせも終了。

時計をみると、もう17:30。1日が早過ぎる。。。
バンドメンバーを迎えに、南紀白浜空港に車を走らせた。
サラリーマンや観光客に交じって、
明らかに異色な団体がゾロゾロ群れをなして下りて来た。
そして一人一人、オレを見つけ手を振ってる。
ちょっと照れくさかった(笑)
楽器類を車に積み込み、ホテルへと移動。
オレが知ってる南紀白浜の最高のホテルを用意した。
そしてその中でも最高の部屋を用意した。
みんなは感嘆の声をだして喜んでくれ、オレも大満足。
荷物を部屋に押し込み、オレのいとこがやってる
中華店で決起会をして、前夜祭を始めた。
高校卒業まで育ったオレの地元に、メンバーがいるのは変な気分で、
しょっちゅう会ってるみんなとの食事が、新鮮に思えた。
そこにまた「橋本純子」が登場!「万吉」と「舞子」まで!!!
オカンはとりあえず焼酎をオーダーし、メンバーに絡み始めた。
オカンのパワーに押される感じで、メンバーの緊張も解け始め、
ノリの良い前夜祭となった。

食事が終わり、ホテルに帰って明日のライブの最終チェックを始めた。
打ち合わせと言うほどの事をしなくても、既に体に入ってしまったる為、
もう「確認」程度の話し合いだけだった。
ドラムの星山君は、明日の朝一番の電車でくるので、
星山君以外のメンバーで、
ワイワイ、ワクワクしながら明日を待つのみとなった。
少しノドが痛い・・・。

オレはホテルを出て家に帰る。
明日の準備に問題がないかチェック。
その後、東京ワンマンライブのDVDをみながらウトウトしていた。
気付いたら3時を回っていた。
ベッドに入り、明日のライブの成功を祈って電気を消した。
・・・ノドが痛い・・・。

12月16日 和歌山 1

2005年12月16日 03時27分50秒 | Weblog
次の日、落ち着く暇もなく和歌山の準備に忙しかった。
「あ~忘れ物!取りに帰らなくちゃ!!!」
なんてのんきな距離じゃない和歌山。
細心の注意で準備物のチェック。
ホンマに何度も何度もチャックした。

そして11月16日。羽田空港から南紀白浜に飛んだ。
到着してゆっくりする暇もなく、あっちこっちに挨拶回り。
ホンマに落ち着く暇がない。
良い事ではあるんやろうけど、あまりにも過密過ぎる。
お膳立てが出来てる場所へ行くのではなくて、
飛び込み状態でお願いして回った協力者達なので、
メンタル的に辛い場面が何度かあった。
それでも和歌山の連中は熱くて、
今回の協力者は「強力者」でもあった。
車での挨拶回りなんやけど、何度かオレのポスターを見かけた。
凄い!やっぱり和歌山!そしてやっぱり和歌山のサポーター!
オレの居ない時にでも、完璧に環境づくりをやっててくれてる。
ホンマに和歌山全体が、オレのマネージャーみたく・・・(笑)

朝、家を7:00くらいに出て、飛行機で和歌山に来て、
夜、実家に到着したのは午前1:00くらいだった。
次の日に仕事があるのにも関わらず、
オレのオカンは起きて待っててくれてた。
やっぱり実家はいいなぁ~
帰る場所があるって幸せな事なんやなぁ~!!!
焼酎で酔っぱらってるオカンは
もう何を言ってるのか分からないくらい出来上がってて、
「オカン語」でピーチクパーチクいいながら、
熱いお茶を入れてくれました。
その熱いお茶をすすりながら、心の決意を再度確認するように
声にだしてみた。
「和歌山ワンマンまでのあと1日かぁ、
残りがわずかな時間でも、出来る限りのプロモーションをやるぞ!!!」
その後、「オカン語」でまくしたてるオカンは、
意味不明な事を言って笑ってました。幸せそーに。
「ウチは酔うてないでぇ、ホンマに酔うてないでぇ!!!」
橋本 純子(54歳)看護婦 趣味は「ヒョウ柄」

12月15日 Deseo 4

2005年12月15日 17時37分08秒 | Weblog
控え室に戻り、ぐったりとした。。。
全力を出し尽くし、もう動けなかったが、
メンバー、そして横浜国立大学のスタッフの
最高の笑顔を見たら疲れがスーっと消えて行った。

控え室を出て、客席フロアーに戻る事にした。
すんげ~沢山のお客がザワザワとしてて、
異様な光景に見えた。
この人達全員が、オレのライブに来てくれたんだと思うと、
目頭が熱くなった。
ファン以外にも、オレの有志に賛同してくれた友達も沢山いて、
話せる限り「ありがとう」のお礼の声をかけて回った。
そしてオレのサインを待つファンの行列ができ、
一つ一つ丁寧にサインを書いた・・・。

最後、ライブハウスの前に全員が集合し、
小さな打ち上げ&お疲れさまの挨拶をした。
ホンマにみんなの笑顔がキラキラしてて、
「音楽やっててよかったぁ~」って心底思った。

解散後、オレは車で家路をたどってた。
なんだかさっきまでの景色が映像化されて目に浮かぶ。
静かな車内で思わず独り言をつぶやいてた。
「東京ワンマン、成功したぞ」

12月14日 Deseo 3

2005年12月15日 03時34分43秒 | Weblog
まだ鳴り止まない拍手を背にしながら、
ステージのドアを締めた。
メンバーみんなの表情はハチキレソウな笑顔。
「優樹、お疲れさま!」汗だくのオレを、
一人一人全員が抱きしめてくれた。
まだ震えが止まらないまま、座り込んだ。
もう脱水症状にちかいくらい汗をかいてた。
「とにかく水分を!!」
オレは控え室に置いてあったウーロン茶2リットルを、
ペットボトルのまま、一気に飲み干した・・・。

客席からのアンコールが聞こえる。
そしてそれはドンドン大きくなってきた。
「よし行こう!!!」
オレが先にステージに上がり、メンバー全員を呼び込んだ。
ファンは疲れた様子もなく、むしろ「これから!」って雰囲気。
「よっしゃ~、最後の最後はお腹いっぱいにさせるぞ~!」
オレも最後の力を振り絞って、最後の曲のタイトルを叫んだ。
沢山の思い入れのあるその曲は「フロンティア」。
全員の息はピッタリ。
曲自体が流れるように漂ってた。
この「フロンティア」の歌は、非常に高い。
小手先では届かない「キー」になってて、
本気で歌わないと気持ちいい場所まで到達しないのだ。
余力を振り絞り、Aメロ、Bメロを歌い上げ、
さぁ~サビの一番気合いのいる所に差し掛かった!
「うぁ~りゃ~!!!」
そんな気合いで出だしを歌い出したその瞬間!!!
今までステージで聞いた事のない音がマイクから響いた・・・。
っと次の瞬間!!!見た事もない液体が宙に漂ってた・・・。
よく見るとそれは、中国4千年の歴史の結晶「ウーロン茶」。
オレは目を疑った・・・と同時に何が起きたのかまだ分からなかった。
演奏はそのまま続いてて、サビは歌無しで進んでいた。
「ひょっとして、このオレがリバースしたのか・・・」
まるでシャー・アズナブルのような台詞で自分をごまかした・・・。
ようするに「ゲロった」って事です(笑)
ステージに上がる前に、一気飲みした「中国4千年の歴史」が、
あまりに気合いを入れた腹式呼吸によって「こんにちわ」したのだ。
ファンはもとより、メンバー全員が「何が起きたんだ?」
って感じで焦ってた。。。
東京3回目で、コレだけの熱いファンに見守られながら、
初のCD発売記念ワンマンライブの、最後の最後で、
「ゲロ」をしてしまいました。
それはまるで、夏の甲子園の決勝戦、
9回の裏2アウト満塁のピンチに、
打ち上げられた、嘘みたいな凡フライを落球した気分に似てた・・・。
でもオレが今いる場所は、まだ1番が終わって間奏に入った所・・・。
「くっそう~負けるもんか!」
まるで落球したボールを拾い、
ありもしない3アウト以降のゲームのルールを
強引に作り替えてしまうかのような
「くっそう~負けるもんか!」だった(笑)
もう恐れるものは何もない!
この瞬間からオレは「無敵」になった。
こうなるとオレは自分でも知らなかった「力」を発揮する。
たいした気合いを入れなくとも、
どこまでも高い所まで自由に行き来できるようになってた。
それにファンもメンバーも、便乗するかたちで熱くなる。
かえってステージが良くなったとも言える。。。

大盛り上がり。大盛り上がりで幕が降りた。
最高の最高の最高~~~~~~~~~~のライブが、
今、終了した・・・中国4千年の歴史と共に・・・。

12月13日 Deseo 2

2005年12月14日 01時27分52秒 | Weblog
自称ドラマ仕立ての「Python」の演奏が終了(笑)
「空をみて」「ハンドル」に続いた。いい具合に。。。

そして今回、初の披露となる新曲がスタート!
この時の、みんなの表情が今でも思い浮かびます!
「あれ~っ何だこの曲? ひょっとして新曲!!??」
みたいなキョトンとした表情を(笑)
最高の仕上がりになった「DANCE to the BEAT」。
オレが世の中の女性に物申したかった事を、
ふんだんに押し込め、要約した歌詞に仕上がった。
テーマは「ダイエット」。。。
女性にする質問で「体重は何キロあるの?」は、
ケンカを売ってるって事の代名詞になってる世の中ですもん!
歌詞でしか言えない恐ろしいキーワードでもある。
女性にとっては、ある種「永遠のテーマ」やね。
って知ったような口を聞いてすみません。。。(笑)

話がそれたけど、まぁ~~~この曲は盛り上がった。
曲の完成度、クオリティーはどの程度のモノなのか分からんけど、
客の反応を見てる限りでは、喜んでもらえたんとちゃうかなぁって思う。
そして極めつけに「エゴの花」で完全に爆発した。
みんなの動きが面白かった。オレもつられて面白い動きをしてた(笑)
とにかくお祭り騒ぎで・・・楽し~~~~~~~~かったよ~~~!
燃え尽きるまで大暴れしてた気さえする。

最後の曲に「リフレイン」を用意しました。
オレも星山君も、たいした打ち合わせが無しでできる唯一の曲。
肌で感じながら、お互いの「呼吸」がピッタリ合わさる曲です。
大げさかもしれんけど、この曲を演奏してるときは、
ホンマにお互いの考えてる事まで分かるくらい1つになれます。
目をつぶると、リズムが水の波紋みたいに広がってるのが見えます。
深く静かで無音の「深海」の中で演奏してるみたいです。
そしてこの曲を作ったときの気持ちがそのままダイレクトに
ファンの心まで伝わった事を確信した演奏ができた。
・・・演奏が終わっても、プルプルプルプルと震えが止まらない。
例えが間違ってるかもやけど、
正座の時に足がしびれて動けないのと少し似た感じで動けない。
もうとっくに「リフレイン」は終わってるのに、
ファンの拍手が鳴り止まない。
そしてオレは動けない。
必死のパッチで体を何とか動かし、ヨロヨロしながら
まだ鳴り止まない拍手の中、オレらはステージを降りた。