ようやく告知のOKが出たので、年末に決まったドラム仕事のお話しを。
わたくし、New York ブロードウェイミュージカル“RENT”のメインキャストである
Anthony Rappのミュージカル「WITHOUT YOU」来日公演で、ドラムを叩くことになりました。
そして!なんと、ウチの暁くんもベーシストで採用されまして。
二人とも、厳しいオーディションを経て勝ち取りました。
今回の来日公演では、ドラム、ベース、チェロで日本人ミュージシャンが起用され、他のパートはアメリカから来日。
期間は、3月3日(日)~17日(日)で、東京11公演・大阪4公演のトータル15公演でプレイします。
東京の会場は、東京ドームシティに先月オープンした吉本興業の新しい劇場・IMM THEATER。(名付け親は、明石家さんま)
大阪は、大阪梅田芸術劇場シアター・ドラマシティです。
特に、IMM THEATERは出来たばかりの大きな劇場なので、そこでドラムを叩けるのが、ホント楽しみです。
■厳しいオーディションを経て…
実は、コレが決まるまで、なかなかの物語がありました。
元々のきっかけは、海外の大物アーティストの来日ツアーマネージャーや、
アンセムのスタッフもやっているドラマーのルイスから話しを振って貰いました。
話しを貰った際に、ベースも探してる…と聞いたので、迷わず“ウチの岡田を使ってくれ!”と。
当初は、自分らで決まる前提で話しが進んでいたのですが、徐々に雲行きが…!?
アメリカ側のミュージカルディレクターから、“彼らの力量は認めるが、演奏がロック過ぎる…”と。
今回のミュージカルでは、ロックテイストの曲だけでなく、
ジャズっぽいフィーリングや、静かで繊細な表現が必要な曲も多くあり、
彼らがそういう曲に対応出来るのか、実際に聴かないと採用を決められない…となり、急遽オーディションの展開へ。
まぁ、でも普通に考えたら、ブロードウェイでバリバリやっているミュージカルディレクターからすれば、
何処の誰だか知らないアジア人と一緒に仕事するのに、そんな簡単にOKするワケがないだろうから、当然の流れではありますよね。
てっきりダメだと思っていた行政書士試験の直後で、メンタル的にも色々とヘヴィでしたが、
ドラムの仕事だけは落としたくない!と思い、必死でお題に取り組みました。
■2度に渡るオーディション
1回目のオーディション後、ディレクターから厳しい要求が…。
技術的なコトではなく、どちらかと言うとリズムの捉え方やフィーリング、
ダイナミクスに対して細かな注文があり、もう一度録音してくれ…となりました。
1回目の録音時に、これまでに持ったコトのない細いスティックで叩いたのですが、それでも音量が出るなぁと。
かと言って、力を加減し過ぎても、かえって手が縮こまって活きたグルーヴにならないので、写真にあるロッドを初めて導入しました。
ブラシとスティックの中間のようなヤツですね。
アメリカ公演のドラマーも、これを多用しているとのコトでした。
ナイロンのロッドは、ある程度ダイナミックに叩いても音量が抑えられるし、
ブラシに近い繊細なプレイも出来るので、2回目の録音はロッドでトライ!
数日の準備期間中に、たくさんのジャズドラマーの動画を見たり、
求められるフィーリングを掴めるよう、出来る限りのコトはやりました。
空気的に、コレで納得させられなければ、落とされるかな…と感じていたので、
暁くんと終電近くまでスタジオに籠って、納得のいくテイクを録りました。
そして!クリスマスのちょっと前くらいだったか、晴れて二人とも正式採用との連絡を頂きまして、
今回のツアーに参加することになり、ホントめっちゃ嬉しかった!!
個人的には、行政書士試験も、ミュージカルも勝ち取るコトが出来たのは、ホントに想定外の喜びです。
■大量の音源・譜面との格闘
大晦日の夜に、ミュージカルの音源と譜面が、ど~ん!と送られてきまして、本格的な準備に入りました。
譜面は実に50枚以上(-_-;)
フルサイズの曲だけでなく、セリフに絡んだBGM的なモノもあるので大変ですが、とにかく全てが新鮮で楽しいです!
もちろん、英語でのセリフやストーリーそのものも、色々と調べて理解しました。
本番では、譜面はあくまで諸々の確認用として置いておく…的な感じで、
基本的に楽曲を叩く時は見ないので、全てアタマの中で歌えるくらい聴きました。
これまで、色々なドラム仕事を経験させて頂きましたが、ミュージカルという形態は初めてなので、
いちドラマーとして、表現のスキルや経験値を上げるには最高の機会だなと。
何より、この年齢からでも、未知のジャンルのドラム仕事にトライ出来るコトが嬉しい!!
そして、経験としての大きさだけでなく、会場も含めた公演の規模や、
もちろん収入もデカいんで、行政書士試験の合格までに費やした資金も、このドラム仕事で叩いてガッツリ回収出来そうです。
切り崩した資金は、ドラムで取り返す!と。
■ドラマーとしての大きなチャレンジ
アメリカチームの来日が、公演の直前になるようですが、ゲネプロは何度かあるので、そこまでにある程度仕上げなきゃです。
1月の1ヶ月間で徹底的に聴き込んで、自分が叩くパートや楽曲は全て覚えたので、
あとはイメージ通りに叩けるよう、暁くんと二人でちょこちょこスタジオにも入っています。
オーディションでのやり取りからして、求められるレベルも高く注文も細かいので、
ちゃんと応えられるように…というところですかね。
この歴史あるプロフェッショナルなチームに参加させて貰えるのは、本当に光栄なコト。
本場のブロードウェイのアーティストを相手に、自分のドラムが、そしてLINXのリズムセクションがどれくらい通用するのか、
大きなチャレンジでもあります。
そんな機会に感謝して、1公演1公演を楽しみつつも、しっかり叩きたいなと。
ルイス、本当にありがとね!!
■「WITHOUT YOU」JAPAN TOUR 2024 公式サイト
※ツアーメンバーとして、名前も掲載されています。
この機会を頂けたコトが何よりラッキーでした(^^♪