はしだてあゆみのぼやき

シナリオや小説を書いてる橋立鮎美が、書けない時のストレスを書きなぐる場所

映画『魔女見習いをさがして』試写会

2020年10月30日 | Weblog
だめもとで申し込んでいた試写会に当選したので、一足先に鑑賞してきました。

鑑賞後は自分でも驚くくらいに満足していました。
『おジャ魔女どれみ』シリーズには極めてうるさいファンだと自任しているので、期待が高すぎる故に「細かいところを気にして勝手に失望するかもしれない」と心配していたのですが、そんなのは杞憂でした。むしろ「こんなに贅沢なものを見せてもらっていいんでしょうか?」と、謎の申し訳なさを感じたくらいです。
それくらい、かつての視聴者、どれみファン向けに最適化・カスタマイズされている映画でした。

ストーリーは“しんどい”です。2020年に生きる若い女性にとってのしんどさを、実に生々しく描いています。例えるなら、も~っと!のかよこちゃん三部作2本分くらいのしんどさが120分に詰まってます。

そのストーリーのしんどさに反比例するかのように、画面は楽しくてコミカルに動きまくります。主人公3人の抱えてる問題はそれぞれ重く、しんどいのに、全体として楽しい雰囲気で展開していくのです。
この温度差が生み出す摩訶不思議な緊張感は今までにない映像体験でした。
しんどいストーリーとゆかいな画面のアンバランスが、おジャ魔女どれみシリーズが紡ぎあげてきた共通認識の中で綱渡りしてるようでした。いつ、どちらに傾いて落下するかわからないヒヤヒヤ感を感じさせつつ、見事に渡り切ってくれました。

こんな難しいバランスの作品を作ろうとするなんて、正気の沙汰ではないと思います。
そんな、しんどくて楽しい映画を完成させたスタッフには感謝と尊敬の念すら抱きました。
とにかく、かつてのファンは必見です。

これ以上書くと、ネタバレしそうなので今夜はここで自重します。