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市民社会フォーラムに投稿した記事を主として掲載してゆきます

日本における富と貨幣の集中と私たちのめざすべき未来

2009-02-21 23:27:00 | Weblog
(1)
資本主義は、非民主的な経済だと思っています。
それは二重の意味で非民主的です。

一つは、企業内部で少数の幹部が決定権をもっていて、
働く労働者の合意を必要としないこと、
もう一つは、企業本社の幹部と投資家が決定権をもっていて、
それぞれの地域に住む人々が、
自分たちがどんな地域にしたいのか決定権をもたないこと
この二つです。

これによって富と貨幣が、少数の中央のものに集中することになります。
富と貨幣は有限ですから、
その富と貨幣の少数者への集中が、
現在の地方の疲弊と経済破局をもたらしていると思います。

地方の疲弊と今日の労働者の苦難を
二度と引き起こさない社会システムを
つくってゆかなければならないと考えます。

その柱は次の二点です。
一つは、労働者の合意を必要とする民主的システムにすること
もう一つは、それぞれの小地域の人々の合意を上に積み上げる社会運営方式にすること
(ぞれぞれの地域が可能なかぎり生活必需品が自給できるような再生産圏にする方向を追求します)

それは一言で言えば、
「人民の人民による人民のための動的民主主義経済」です。
「経済民主主義の追求」「数年に一度の民主主義から毎日の民主主義の追求」です。
資本主義を超えたシステムですから、これを社会主義ということもできます。

(2)
富と貨幣の集中は極端にアメリカに現れていることが知れ渡りました。
「たった400人が、全国民の資産の半分以上をもっている」
とテレビで寺島実郎氏が指摘していました。
マイケル・ムーアも今日の恐慌勃発前から指摘いたように思います。
(アメリカの少数の富裕者の資産は米国内だけでなく、
世界から絞りとってきたことは明らかで、
経済専門家の方に具体的に紹介してほしいと思います。)

(3)
日本の資本主義は、寺島氏はましといっていましたが、どうなんでしょうか。
『プレジゼント』2007年12月3日号は、「日本人の給料」という特集です。
2006年度の取締役の報酬が紹介されています。

日産自動車
 8・5人の取締役一人当たり平均年収は2億9623万円
しかし、これは会長・社長を1としてその下は半分から6割です。
日産のカルロス・ゴーン社長は、七億円以上を手にしており、
その上ルノーから4億円の年収があります。年収11億円以上です。

マツダ
9人の取締役平年年収は1億2666万円です。
マツダの取締役の退職金は一億円を超えます。

トヨタ自動車
25人の平均年収は、1億2088万円です。

個々人の報酬は日本は公表されないのですが
上述のように、会長、社長が1に対して半分から6割が普通ですから
トップの会長、社長の年収は2~3億円と考えられます。

彼らは自社株の配当金も莫大得ています。
トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎の自社株の配当額は、13億4064万円、
トヨタ自動車副社長の豊田章男は自社株からの配当5億4720万円、  
トヨタ自動車相談役の奥田碩は、自社株から768万円の配当を得ています。

トヨタ自動車は、今、派遣社員の首を切っていますが、
2006年当時には派遣社員を月収20万円そこそこで
働かせていました。残業を計算しないなら
年収250万円といったところでしょうか。
経営陣は数億円から10億円に至る年収を得ていて
自分の工場の労働者は250万円で働かせて、
不要になったらポイしているのです。
私にはそんなことは人間として恥ずかしくてできません。

富と貨幣は有限ですから
自分たちのところに集中するならば
当然、民衆の間をまわるべき貨幣が不足します。
このことが今日の経済難を世界的に生み出しているのだと
考えています。
他人の苦痛を理解できず
自分たちが必要とする以上に貨幣と富を蓄積しているのです。
このことを私は経済的「搾取」がひどくなっていると考えます。

(なお2006年度に自社株からもっともたくさんの配当を得たのは
任天堂の相談役山内 溥で、97億7385万円を得ています。)
そして、どの経営幹部たちも他社の株をもち、
その配当を得ているでしょうからもっと収入は多いはずです。

今日の経済の難局にあたって
経営幹部たちが率先して自分たちの報酬を具体的に
いくらからいくらに減らすと述べたことがあるでしょうか。
ワークシェアリングを言うならば、こられの経営幹部の収入にも
上限を設定することが必要だと思います。

自動車産業で労働組合の賃上げ要求を
これらの会社の経営陣は経営難だと拒絶していましたが
自分たちの高額所得を減らすべきだと思います。たとえば
経営幹部の収入は会社の平均賃金の3倍までというふうに
上限を法的に設定すれば、
その分が派遣の雇用をまもり、正社員の収入増になり
なにより賃金増と雇用の確保で内需拡大すると思うのです。

つけたしですが
このデータによると
自社株で儲けている人に
アイフル社長が40億4838万円
アコム会長33億8060万円
プロミス創業者19億5762万円
武富士代表取締役33億6651万円
三洋信販前会長 5億4354万円

こんな世の中でいいのでしょうか。
このお金こそ、日々の生活で人々の財布の中を
駆けめぐるべきお金ではないでしょうか。

最後に高校生が1時間7~800円でバイトする
日本マクドナルドを見てみましょう。
5人の経営幹部の平均は、1億0420万円です。
月に収入が1000万円近くあるわけです。

経営幹部は責任が重くたいへんなことはよくわかります。
3倍までがきつすぎるなら、一般労働者のせめて5倍までと法律で
上限を設定したらどうかなあー。と私は思うのです。

私には資本主義大企業は非人間的な組織に思えます。

年収が、会長、社長が1に対して半分から6割が普通ですから
彼らは、権力の座=金力の座をめぐって醜い争いを演じている
はずです。
社員には成果主義賃金の制度をもうけて、
優秀社員に高額報酬を与え、馬の口ににんじんをぶら下げるように競争に追い込みます。
だから、大手IT企業では30代でも600万円の年収の差がでてきます。
「業績不振企業は、優秀社員流をなすすべもなく見守るしかなく
やがて人的リソースが枯渇していくという悪循環に陥る。
年収の二極化がもたらす弊害が、すでに現実のものとなっている」57ページ。
と、非人間的な競争のもたらす弊害が指摘してあります。

貪欲な人々が動かすカネ中心の資本主義社会、
私はシステムに問題があると思うのです。
一部の人が決定権をもつ
非民主主義的運営から
民主主義的運営の企業に変革して
資本主義を乗り越えるべきだと思うのです。

徹底した経済民主主義こそ
めざすべきだと私は思うのです。
そして人間と人間とが協力、連帯する経済を
築き上げるべきだと思うのです。

ユニバーサル・スピリット・ジャパン会員
吉見道夫
http://www12.ocn.ne.jp/~kitsumi/
http://www12.ocn.ne.jp/~kitsumi/member/rightmem.htm


不正義に対して継続的に集合的圧力をかける必要

2009-02-21 23:14:35 | Weblog

志葉玲さんのパレスチナ・ガザ報告
http://www.ourplanet-tv.org/video/contact/2009/20090218_18.html
これが今朝、志葉さん本人から市民社会フォーラムに投稿されていました。
ユーチューブですが、イスラエルに攻撃されて人々がどんな様子か
よくわかりますのでクリックしてみられることをお勧めします。

以下の志葉玲さんの報告会に私は土曜日の夜の堺の部にゆこうと思います。
みなさん、お近くの取り組みに可能なら行かれることを勧めます。
(今、行って話をきいたところですが、これを読まれた方にも一度、話をきかれることをお勧めします)


サーカーの言葉です。
「状況的圧力によって搾取者や不正なもの、
反社会的要素に規制をかけることができます。
この点での集合的努力は継続的に常になされてゆくべきです。


しかし、これは一時的解決をもたらしても、恒久的解決をもたらしません。
同時に私たちは、人々が正しい道にそって進むように、
慈悲のスピリットと知性を結びつけることによって
人間の心にやさしい思考をひきだす努力をしなくてはなりません。

一つのアプローチだけではだめです。この両方のアプローチが必要です。
前者は一時的であり、後者は恒久的です。」


「社会的抑圧、搾取、不正義に対して集合的圧力を継続的にかけ続けて
抑圧、搾取、不正義に苦しむ人々を救いなさい。
しかし、その救いは一時的なものであり
人々の中に慈悲深い心が発達しなければ、恒久的な解決につながりません。
だから、そのためには、慈悲深さ、人間性を高めてゆくようなスピリチュアル・プラクティスを広めてゆくべきです。」
というふうに理解しました。