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トンデモ八分@謎学の日々

気が向いた時に、いろんな謎や秘密を考えてみたい(とうぶん仮)

北朝鮮は主権国家?

2005-05-10 16:24:15 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
『ライス米国務長官は9日、モスクワで、CNNテレビと会見し、北朝鮮の核問題に関し、「米政府は明確に北朝鮮を主権国家と認めている」とあらためて表明』
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 「北朝鮮は主権国家」ライス米国務長官が改めて表明

ライスさんのこの「北朝鮮を主権国家と認めている」という発言。
同記事では、
『北朝鮮を対等の主権国家として認めることで、協議復帰に向けた北朝鮮の柔軟姿勢を引き出そうとするものだ』
としているが、はたしてそれだけのものなのだろうか。
思えば、かつての朝鮮戦争は、北・南とも“祖国統一のための戦争”として戦ったのであり、建前的な一側面とはいえ、いわゆる主権国家同士の戦争ではなかった。
休戦後も(現在も休戦中である)、同一の領土、同一の民族における北と南のふたつの政権という建前は変わらないはずだ。
おまけに休戦時、韓国の李承晩政権はこれを不服として署名しなかった。
休戦協定は従って、国連軍(実質アメリカ)と北朝鮮・中国との間でなされている。
(ちなみにこれをもってすれば、中国は(義勇軍とカムフラージュしたにせよ)国連に対する戦争当事国=敵国であることになる)

それが、いまになって米国は“北が主権国家である”というメッセージを出したわけだ。
これで南北分断・対立は、国家の分断ではなく二つの主権国家の対立ということになる。
また仮に、国際社会やアメリカが北朝鮮を制裁、あるいは攻撃したとしても、韓国の主権を侵したことにはならない、ということになるのだろうか。
昨日取り上げた、韓国・盧武鉉政権が韓国の主権侵害だとした『北朝鮮でのクーデター発生など有事に備える米韓共同軍事作戦である「作戦計画5029」』の廃棄要求についても、影響があるのではないのだろうか。

主権国家と認めることで、6カ国協議再開に向け、単に北朝鮮を“おだてなだめて木に登らせる”だけではないと感じるのは小生だけだろうか。
かつて、朝鮮戦争のひきがねとなったのは、当時の米国国務長官アチソンの「アメリカが責任をもつ防衛ラインは、フィリピン~沖縄~日本~アリューシャン列島までである。それ以外の地域は責任をもたない。」という発言だった。
それほどダイレクトで安直ではないが、今回のライスさんの発言にも、なにか額面以上のメッセージがあるのではないかと思ってしまう。
さてどうなのだろうか。ムチの前のアメであることは確かだと思うが、どれほどのアメとなるのだろう。

核実験秒読み? ~危険な半島のゲーム

2005-05-09 17:52:06 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
GWも終わり、日本では皆が日常に復帰。
それにしても、今年のGW中のテレビをはじめとしたマスコミ報道は、JR西日本のあら探しに終始し、ついには記者会見場を舞台にしたマスコミ自体の、相変わらずのおまえら何様や!の姿をさらすまで至った次第である。
産経新聞 - 「罵倒だけ…恥ずかしい」「客観報道」へ自戒
大事故、大事件の尻馬に乗って、いかにも犠牲者を代弁しているかを装い、迷惑をまき散らす。自分のモラルや企業体質は棚に上げ、特権意識を振りかざして他人の体質(企業体質)を責め立てる。JR西日本とそれを暴き散らすマスコミのとほほ合戦のGW。

そんな、国内騒ぎをよそに、北の核をめぐる情勢は動いている。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 北朝鮮、6月にも核実験…韓国紙が報道
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 北朝鮮、5―6個の核兵器保有か…IAEA事務局長

はたして北の核実験はあるのか。
6カ国協議の再開を巡って、北おとくいの瀬戸際演出=ブラフとの見方も根強い。
実際、核実験をカードに、6カ国協議の枠組みのなかで米国との2カ国間協議を行ないたい北の目論見を示唆する報道も伝えられている。
Yahoo!ニュース - ロイター - 北朝鮮、6カ国協議に復帰する可能性を示唆

「6月にも核実験の可能性」を伝えたとする韓国・朝鮮日報のウェブサイトでは、8日付のこんな記事が載っている。
朝鮮日報 - 北核専門家10人中5人「北、核実験に踏み切るだろう」

ちょっと長いが、北核専門家とされるその10人のコメントを全文引用しよう。

▲国策機関研究員(匿名)=「北朝鮮は核実験に踏み切るだろう。現在、北朝鮮の行動は北朝鮮式の論理通りと見るべき。金正日(キム・ジョンイル)総書記は核が体制を保証する最も確実な方法だと考えている。30年以上国力を注いできたのに、中断することはないはず」
▲国防研究院・キム・テウ教授=「核実験はするだろう。北朝鮮は米国が攻撃すれば2次、3次、4次の核の報復攻撃ができるという能力を誇示しようとするはず。北朝鮮が米中を恐れて核実験ができないだろうというのは妄想だ。何でもするだろう」
▲ソウル大学・国際大学院・白珍鉉(パク・ジンヒョン)教授=「体制基盤がしっかりしていた金日成(キム・イルソン)主席であればここでUターンできるが、金正日総書記はそうできない。北朝鮮は内部的に何か示しをつけなければならない時点に来ている。核実験のリストもあるが、核を公認された方がプラスになると考えるだろう」
▲世宗(セジョン)研究所・ソン・テソン首席研究委員=「フィフティーフィフティーだ。しかしどちらかに比重を置かなければならないとすれば、核実験をする可能性が高くなっているという状況だといえる」
▲駐韓米軍関係者=「北朝鮮は数週間以内にも実験をする可能性があるというのが我々の判断」
▲外交安保研究院・キム・ソンハン教授=「49対51程度で、しない可能性が高い。核実験をすれば国際社会は金正日政権に対する認識を根本から改めることになるだろう。それをよく知っている北朝鮮政権が簡単に核実験に踏み切ることはできないはず」
▲外交安保研究院・ペク・スンジュ教授=「核実験をすれば中国はこれ以上北朝鮮を保護する名分がなくなる」
▲成均館(ソンギュングァン)大学・キム・テヒョ教授=「米国で中間選挙が行われる11月まで北朝鮮は状況を悪化させ続け、ブッシュ政権を刺激すると思われるが、核実験までは行かないだろう」
▲鮮文(ソンムン)大学・鄭玉任(チョン・オクイム)教授=「短期的に見た場合、北朝鮮の最近の動きは交渉用」
▲駐韓米大使館情報関係者=「核実験をするためには幾つかの兆候があるべきだが、現在は必須的な幾つかの要素が表れていない。デモンストレーション的な性格が強いと見る」
(以上、引用おわり)

10人中5人が「核実験を行う」としているが、その理由は、『核が体制を保証する』『核の報復攻撃ができるという能力を誇示しようとする』『(体制基盤が弱い金正日は)内部的に何か示しをつけなければならない』ということのようだ。
つまり、
◇自らのしょうもない“体制を維持”するためには、
◇敵対国におどしをかけられる“能力”を持つ必要があり、
◇外交能力や経済能力はもちろんのこと古びた通常兵器でもとうてい無理なので
(イラク戦争までは無理ではないと思っていたふしがある)、
◇核しかないと結論し、
◇これまで30年間も核開発でブラフをかけてもたせてきたが、それもきかなくなり、
◇核保有を宣言してもあまり相手にもされず、
(なかでも“一番好きな?”アメリカに1対1で相手にされず)
◇内部基盤もかなり弱体化し、
◇内外に“示し”をつけるためにも、もう核実験に踏み出すしかない
ということなのだろう。

産経新聞では、9日付でこんな観測記事が出されている。
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 北の核実験現実味 保有を国際社会黙殺 「認知迫り強行」専門家分析

『国際社会は「北朝鮮の核開発、『核保有』はすでに織り込み済みだ」として、各国とも六カ国協議への復帰を繰り返し促すだけで、「核保有」の認知はもちろん、北朝鮮が推進しようとする“核外交”も歯牙にもかけてこなかった。
(中略)
「関係五カ国のこれまでの対応では北朝鮮は今の路線から降りないだろう。米国が武力行使できないとみて核能力を最大限に増強し実験も辞さないとの強硬姿勢を貫くと思う。実験の可能性は想定すべきだ」とヤン・C・キム米ジョージワシントン大名誉教授はみる。
(中略)
とはいえ、六カ国協議開始時点(二〇〇三年八月)から、金正日総書記が対米交渉で核放棄に応じるとの見方はほとんどなかったのも事実だ。
金正日政権が核開発に体制維持と自らの生き残りをかけてきたからであり、核保有宣言後は、「金正日(総書記)は、米国に北を『核保有国家』と認知させることが体制保証と考えている」と、韓国の北朝鮮研究者は指摘する。このまま米国が北の核保有を無視し続ければ、実験という動かぬ証拠を突き付ける可能性があるというのだ。
 韓国外交通商省の金塾北米局長は六日、「北朝鮮は核を保有しながら核放棄の対価を得ようとしているのではないか」と述べ、「交渉力を高めるというよりも厳しい状況だ」との認識を示した』

女の子に相手にもされず、わるさばかりしてきらわれ、それじゃみんなで話し合おうといってもわがままを言って終いには参加もせず、ストーカー行為や嫌がらせを続け、ついには「無視されたくない」「相手にしてほしいから」と重大な犯罪を犯してしまう、情けないストーカー男みたいではないか。
取り返しのつかないことを犯したあとに「ストーカー行為や嫌がらせをしているときに何とかしておけば」と悔やんでも、もう遅いのである。

そんな北と対峙しているはずの、南の盧政権ではこんなことを言っているという。
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 北有事の共同作戦 韓国、米に廃棄要求 盧政権「核施設攻撃」を懸念

またまた産経の久保田るり子記者の記事だが、ようするに、
『北朝鮮の核施設攻撃も含まれる可能性の高い作戦の統制権が米軍にあることを韓国側が懸念し、韓国の「主権侵害」を主張して作戦の廃棄を求めている』
のだということである。
本来、半島での有事の際、相互防衛条約によって作戦統制権は米軍にあるわけだが、
『盧武鉉政権は「北の緊急事態」を「非戦時状態」と主張し、この場合の米軍による作戦統制権に異論を唱えている』
のだという。

米軍による予告なしの北の核施設攻撃の可能性を完全には否定できないし、国家主権の観点から、仮に半島を1国と考えれば“北の緊急事態(内戦や核・生物化学兵器、ミサイルなどへの統制力の喪失、大量脱北や災害などのシナリオがあるという)”に対して、自国に統制権があるべきではあるが、そもそも韓国の成立や半島の戦時状態の継続という、それこそ“歴史的経緯”や現在の情勢から考えても、韓国はいまこのような意義を唱えるべきではない。
盧武鉉くんは今年に入り、何かというと自分でゲームをしたがるが(何回も書いた“バランサー論”や日本との“外交戦争”発言など)、それこそ危険で幼稚なゲーム表明だということを自覚した方が良い。

きょうは引用が多くなってしまった。
さてさて、北の核実験が果たしてあるのか。
これからが注視すべき段階に入るのだろうが、金正日に加え(有形無形に)盧武鉉がサポート役になって、世界に重大な迷惑をかける危険な半島ゲームを行ってほしくはない。

北のミサイルとかけて何ととく

2005-05-02 15:39:15 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
メーデーの朝、また北朝鮮が、日本海に向けてミサイル1発。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 北朝鮮が短距離ミサイル発射、新型?日本海に着水
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 北、ミサイル発射 米確認、日本海に向け1発

これについて米政府は『カード首席補佐官は、北朝鮮のミサイル試射の目的について、「世界に対する脅しをねらったものと思う」と語った』
ロイター - 北朝鮮の短距離ミサイル試射、情報を分析中=米政府

日本政府は細田官房長官が『2日午前、北朝鮮が日本海に向けて短距離ミサイルを発射したとの情報について、「(ミサイルは)公海をわたっていくような、何百キロも射程のあるようなたぐいのものではないと理解している」と述べ、ミサイル発射実験の停止を約束した日朝平壌宣言には抵触しないとの認識を示した』
毎日新聞 - <北朝鮮ミサイル>「国内軍事訓練」の認識 細田官房長官

各新聞記事によると、北朝鮮が発射したミサイルは、射程100キロから150キロ程度の「シルクワーム改良型」といわれる地対艦ミサイルのようである。
「シルクワーム」は、旧ソ連の技術をもとに中国が開発した艦艇攻撃用のミサイルで、本来の射程距離は50キロから80キロだが、北朝鮮はそれを改良して射程を100キロ以上に伸ばしたとされている。
従って、今回のミサイルがシルクワームであるのなら、巡航高度は数10メートルから300メートル程度の低空をロケットエンジンで飛ぶ誘導ミサイルで、産経新聞の記事に、

『「シルクワーム型」とみられる改良型地対艦ミサイル(射程約百キロ)か、短距離弾道ミサイル「スカッド」より小型の弾道ミサイルとみられている』

とあるように、「ノドン」「スカッド」などの弾道ミサイルとはまったく種類が異なり、同列に並べてはいけない。ちなみに、弾道ミサイルとは高々度に打ち上げ、慣性飛行を行って着弾するミサイルのことである。
このようなミサイル(地対艦誘導弾)は日本の自衛隊も持っており(88式地対艦誘導弾)、射程距離は百数10キロとみられる。

で、なぜこの時期、北朝鮮はこのようなミサイルを発射したのか?
連休明けには日米政府の公式見解がでるのかも知れないが、小生の勝手な想像をならべてみる。

☆6カ国協議や安保理付託へのけん制(このミサイルじゃ、あまり迫力ないなぁ)
☆米政府の「北朝鮮によるミサイルへの核弾頭搭載能力」発言への反応(ウリ国のミサイルは健在である!という意味かなぁ?)
☆ブッシュと金正日のアホ&危険人物・言い合い合戦に勝つため(本気でケンカしたら勝負は見えてます)
☆メーデーのお祝いの花火の代わり(なにせ『反米反日闘争精神を抱き、重大な局面が訪れれば祖国防衛の聖戦に立ち上がることができるよう万端の準備をすべきだ(1日付共同通信)』だからね)
☆サッカーの対日本戦が国内でできなくなったことへの腹いせ(サッカーで対日戦が負けても、ミサイルでは勝利する!)
☆北朝鮮産アサリが思うように日本に売れなくなったことへの腹いせ(なにしろ、対日輸出は軍の資金源であるからして、アサリ買え!の一発)
☆最近、反日騒ぎで日本では中国・韓国の報道ばかりで、北朝鮮話題が少なく寂しいから(ウリ国も忘れないで、かい?)
☆日本はゴールデンウィークとかで浮かれていることだろうから、一発脅すか(浮かれてる人はニュース見ないでっせ。それに日本人の関心はJR事故だし)
☆プサン・博多間の高速船が(海中の)何かに衝突したことへの関連性(怪しいトンデモ説か!?)
☆北朝鮮軍部がたまに金正日に喝っ!を入れるため(こういうことも、どうもたまにあるようだ)

さてさて、どれが正解でしょうか。(全然違うかもね)
いずれにしろ、たとえ地対艦ミサイル程度でも、いくら軍部にはお金が集まっているとはいえミサイル1基を消費するわけで、お金のない北朝鮮としては大きな意味を込めているはずである。それが試射や訓練としての意味もあっても。
とかく軍事関連の出来事は、一般人には本当の理由や真相は見えにくいもので、今回のミサイルもよくわからないまま終わるかも知れない。表に出てきたピースの一片だけでは、全体像や裏にある意味は理解できないものである。
どうしても軍事的なことに関しては、戦後の日本人やマスコミはそれを考える訓練や基礎知識が欠如しがちだから(知りたくもないことをみんなで勉強しましょうなどとは言わないが)、きっと今回の出来事も忘れ去られていくのでしょう。

安保理改革をめぐるスポイラー(つぶし屋)

2005-04-30 14:52:15 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
国連改革をめぐる動きがいよいよ加速してきた。
日本は、『29日午後(日本時間30日朝)、ニューヨーク市内のホテルで国連加盟国の代表を招き、国連安全保障理事会常任理事国入りへ支持を訴える国連改革会合を開いた』。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - NYで日本主催の国連改革会合、165か国が出席

『会合には、国連加盟国191か国のうち、165か国の代表が出席。町村外相は、常任理事国と非常任理事国双方を拡大する枠組み決議案を、ドイツ、インド、ブラジルと作る4か国グループとして、6月にも国連総会に提出する考えを表明した。
(中略)
決議案の採択には、加盟国191か国の3分の2にあたる128か国の賛成が必要だ。この日の出席国はこれを大きく上回った。ただ、会合には、日本やドイツなどの常任理事国入りに反対、あるいは慎重な姿勢を示すイタリア、パキスタンなどのグループも出席。中韓両国も参加した。
国連改革に関して、日本など4か国グループが開催した3月31日の会合には134か国が参加。日本などの常任理事国入りに反対するイタリアなどが呼びかけた4月11日の会合には116か国が出席している』

日本に対しては、ここにきて中国、韓国が歴史問題などを引っぱり出して実質的に反対を表明しているわけだが、日本に同じく常任理事国入りを目指すドイツ、インド、ブラジルを加えた4か国グループに対して、同記事にあるようにイタリア、韓国などが反対グループをつくり、4月11日に会合を行っている。
毎日新聞 - 常任理事国の拡大反対、動き加速 イタリア・韓国など会合、119カ国参加

『グループの中核を成すイタリアからフィーニ外相、パキスタンからハク大統領特使をはじめ韓国、メキシコ、アルゼンチンからも副外相(級)が出席する熱の入れようだった』
とあるように、反対グループの中心はイタリア、韓国、メキシコ、アルゼンチンなどのようである。
日本に対して中国、韓国が反対するのは、この間の両国の動きや言動、はたまた反日騒ぎなどで、日本人にはだいぶわかってきているとは思うのだが、なぜイタリアやメキシコが?
実は、日本に中・韓両国が反対しているように、ドイツにはイタリアやスペインなどが、インドにはパキスタンが、ブラジルにはメキシコやアルゼンチンが、それぞれ反対しているのである。
この辺の事情については船橋洋一氏の解説がある。
asahi.com - 船橋洋一の世界ブリーフィング

ようするに、『自らが常任理事国になれるとは思っていないが、これらのライバル国にだけはさせたくない』国たち、ということのようだ。
「なんだ、みんな韓国と同じじゃん」ということなのでした。
これらの国々を『“スポイラー諸国(spoilers)”、つまり“つぶし屋”連合』というのだそうである。
ついこのあいだイタリアではベルルスコーニ首相が内閣を解散し、あらたに中道右派連合による新内閣を組閣したので(よく内閣が変わる国だ)、国連大使も替わったのかも知れないが、昨年12月時点での船橋氏の解説によると、
『パオロ・フルチ・イタリア国連大使が司令塔だった。
彼は、「もし、日本とドイツが入った場合、イタリアも常任理事国入りしてしかるべきだ」と主張した。
「なぜなら、イタリアも第2次世界大戦で敗れた国だから」と言って、笑わせ』たという。
冗談にせよ本気にせよ、イタリアらしい、おおらかで、間抜けで、くやしがりの理屈である。
イタリアとドイツは気質も正反対。ドイツ圏とイタリアは(国としてはスイス、オーストリアを挟んでいるにせよ)実は隣り合っている。
歴史的にみても、仲もあまりよくないし、だいたい第二次大戦で枢軸国を結成したこと自体、そのときのヨーロッパの多国間関係の結果であるにせよ不思議なのである。

ところで、細かい事情や関係性は違うにしても、やっぱりどこかのご近所国と似ているよなぁ。
とかく半島国家は短気で熱しやすい、という通説が世界にはあるそうだ。
それが正しいのかどうかはともかく、妙に気になる(気にくわない)国が近く(となり)にあって、いつも一歩先を行っているようでなかなか追い越すことができない、くやしい、ゆるせない。あんな国を常任理事国などに絶対させるものか‥‥‥てな具合なのかなぁ。
とにかく、こういう風にみてみると、イタリアと韓国は“スポイラー国”としてはうってつけの役回りだよね。バランサー論もいいけど、スポイラー国家論でも主張して「国際スポイラー連合」でも結成するか。まあ、がんばって下さい。

ところで、同じく反対国の立場にあるカナダの主張は少し異なるようだ。
『カナダは世界のどの国よりもPKO活動による戦死者が多い。それほど貢献しているのに、自らは常任理事国にはなれない。カナダのプライドがどうにも許せないのである』(船橋氏の記事より)
北米には北米の事情があるだろうが、あえて安直にいえば、日本はカナダやオーストラリアもグループに取り入れて6カ国グループとすべきではないだろうか。

子供に声をかけたら‥‥‥犯罪者?

2005-04-28 14:50:19 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
奈良県で、奈良県警、県教委などでつくる「安全やまとまちづくり推進本部」(本部長、菱川雄治・県警本部長)が、昨年11月の奈良市・小1女児誘拐殺害事件を受け、「子どもを犯罪の被害から守る条例」(仮称)案を発表した。
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <奈良県条例案>子どもへの「声掛け行為」も処罰

記事によると
『悪意を持って子どもに声を掛ける行為なども処罰(罰金など)の対象とし、他地域で既存の生活安全条例から一歩踏み込んだ内容。
県警によると、子どもの安全を目的とした、処罰規定付きの条例が実現すれば全国初という。子どもを惑わす行為、販売目的外の子どもポルノの所持・保管禁止も初。条例案は6月県議会へ提案、今秋施行を目指す。
条例素案によると、対象の「子ども」は13歳未満。想定する状況は、「通学路や学校周辺、公園など公共の場所・施設で、保護者らが身近にいない子ども」としている。違反行為には、罰金などで処罰するほか、県民に通報の努力義務も課す.
推進団体内にも「声を掛ける行為」の線引きを巡って賛否があり、5月2~20日、一般から意見を募り罰則の内容などを調整する』

この条例案については奈良県警のホームページでその概要が掲載され、県民の意見を聞くかたちになっている。
奈良県警 - 「(仮称)子どもの犯罪の被害から守る条例(案)」の概要

そこで、毎日の記事にある処罰対象に関する事項を見ると、次のように記載されている。

1.何人も、公共の場所又は施設において、保護者等が 身近にいない子どもに対して、正当な理由なく話しかけ、又はつきまとい等の行為を行ってはならないこととします。
2.何人も、正当な理由なく子どもを使用したポルノ(以下「子どもポルノ」という。)を所持し、又は保管してはならないこととします。
3.1又は2に違反したと認められる者を発見した者は、警察官等へ通報するよう努めなければならないこととします。

賛否があるとする“子どもへの声かけ行為”についてとは、1.の『何人も、公共の場所又は施設において、保護者等が 身近にいない子どもに対して、正当な理由なく話しかけ、又はつきまとい等の行為を行ってはならないこととします』という一項である。

うーむ、確かに判断が難しい。
公共の場所で、たとえば子どもが(13歳未満と規定されている)まわりのひとに迷惑をかけるようなことをやっていても、むやみに声をかけると、仮にそれが“正当な理由なく”と判断された場合、条例違反となって罰則(『禁止行為を行った違反者に対しては、罰金等に処すこととします』)がかけられてしまう。
それは明らかに“正当な理由”じゃないか、といっても、いまの世の中は怖いのです。
いきなりどこかで遊んでいた親が出てきて「うちの子に何言うのっ!!」とかいって、子どももしらっと「このおっちゃんが、いきなり声かけてきたんや。気色わるっ」とか言ったら、捕まるんでっせ。変質者のレッテル貼られて。おーこわっ。
もう奈良県内では、他人の子どもにはいっさい関わらないでおこっ、てことにもなりかねない。

毎日の記事でも専門家が慎重に指摘している。

『澤登俊雄・国学院大名誉教授(刑事法)の話
子どもを守るための法的規制は必要だが、抽象的に声を掛ける行為や子どもポルノ所持を禁じてしまえば、自由を極端に束縛することになりかねない。刑罰を用いるなら、犯罪の構成要件を相当具体的に示す必要があり、技術的な難しさがある。不必要に行為を抑制しないような規定の工夫ができるかに成否がかかる』

欧米、特にアメリカなどでは、「いくら子どもが可愛いからといって、知らない子どもを(特に男性が)じっと見てはいけない。変質者と見られるからだ。のんきな海外旅行者の日本人は特に気をつけたほうがいい」というような話を聞いたことがある。
その忠告の真偽はともかく、古くから子どもへの変質的犯罪が問題になっているアメリカでは、いかにもという話だ。
ただ、“声をかけたら罰せられる”という話は聞いたことがない。実際はどうなのだろう?そのたぐいの法律などがあるのだろうか。
先の忠告の話は、要するに不文律やマナーの話である。社会が、ある危機や異常事態を防ぐために、守るべき不文律やマナーを持っているということなのだろう。

確かに奈良県をはじめ各地で、子どもを狙った犯罪が目立っている。
地域社会が神経質になるのも無理ないのかも知れない。
奈良県の教育委員会、奈良県警のウェブサイトでは「不審者情報」や「不審者情報マップ」が掲載され、日々情報をアップしているようである。
4月付けの情報でも「小学生(5年生男子)が、前方から自転車に乗って来た男に腕を掴まれた」「幼稚園職員が、家庭訪問途中に下半身を露出している男を目撃した」など15件ほどの情報が記載されている。
奈良県教育委員会 - 不審者情報

しかし、やはり、条例案は慎重に検討してほしい。小生は奈良県民ではないけれど。
むやみやたらな“不審者狩り社会”になったらなさけない。もちろん、子どもを狙った犯罪者は根絶しなければならないのだが。うーむ、難しい。

もし、このような内容で条例が施行されたら、とりあえず奈良県のひとや奈良に旅行に行くひと、特に子どもを叱りたがるにいちゃん、おっちゃん、じいさまは気をつけましょう。あと、不審者に見られがちなひとは、子どもに近づかないようにしましょう。

Far East Risk(極東アジアのリスク)

2005-04-23 14:16:25 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
アジア・アフリカ会議50周年記念首脳会議がインドネシアで開催されている。
小泉首相の国際社会に向けたスピーチでの、過去に対する謝罪と反省が大きく報道され、今夜にも行われると思われる日中Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 韓国首相と金永南氏が懇談、「竹島」材料に協調演出

韓国首相と北朝鮮の最高人民会議常任委員長とのハイレベル接触、よいことだ。
かつてなら会おうともしなかったり、儀礼的に挨拶をかわす程度か、もしくは非難の応酬にすらなったかもしれない。
時代はかわっていくものだ。
しかし、この協調演出はなんだろう。
『韓国代表団によると、李首相が「南北が最近、独島(竹島の韓国名)での海上学術討論会開催で合意したのはよかった」と述べると、金委員長は「独島こそ南北が力を合わせて守り抜かねばならない」と応じた。
昨夏以降停滞している南北実務協議や、北朝鮮の核問題を巡る6か国協議の再開問題は話題にのぼらなかったという。南北は微妙な話題を避け、一致可能な反日の姿勢を強調することで、「民族協調」を演出したとみられる』

国際社会はこれをなんとみる。いまや世界最大のリスク国家であるはずの北朝鮮と、南北分断後相争ってきた韓国とが、領土問題をテコにして反日協調を演出したという。
いま現在、北朝鮮に対する国際社会の関心事は『北朝鮮が核実験の準備を進めている可能性』であるはずだ。
共同通信 - 北朝鮮が核実験準備か 米、中国に警告文書送付

この話題について韓国の首相がひとことも触れず(意図的に避けて)、北朝鮮も竹島を“南北が力を合わせて守り抜く”のだという。
竹島は漁業資源もさることながら、日本海における(つまり日本に対する)橋頭堡としての地政学的・軍事的位置づけが大きいのだろう。だから韓国は軍を駐屯させて実行支配を行っている。
軍事国家・北朝鮮としても、大いに関心のあるところを表明したに等しい。

中国での反日デモを受けて、国際社会はいわゆる“チャイナリスク”をあらためて感じた。
チャイナリスクとは、主に国際的な経済活動においていわれてきた中国市場に対する不安=リスクのことである。市場経済化がなされ、13億の消費者を抱え、世界の工場ともいわれても、政治体制上のリスクや国内の不安定要因には計り知れないものがある。
今回の反日デモは、中国国内のリスクの高さをあらためて知らされた。反日デモ騒動とは、国際問題ではなく中国国民の不満やいびつな社会構造を要因として、一党独裁の体制や経済活動を揺るがす国内問題なのである。
だから中国政府は、チャイナリスクが増大して北京オリンピック・上海万博に影響がでるのを恐れ、日本に対しては謝罪もしようとせずに、ここにきて中国国内での反日デモを押さえ込み、一方ではアメリカなどの海外での反日デモ演出戦術へと切り替えたと思われる。

東北アジアには厳然として、北朝鮮のどうしようもないリスクに加え、これをはるかに影響力でうわまわる中国のリスクがある。(当然、中国の対台湾政策のリスクも加わる)
韓国は、奇妙な“バランサー論”と“反日”の名のもとに(加えれば反米)、この地域のリスク要因に自ら加わろうとしている。
おまけに、領土問題や対外敵視(つまり反日)という、国際間において最も紛争要因を生み出しやすい事柄において、世界一リスクの高い独裁軍事国家と民族協調という美名のもとに、である。
もうこれは、中国・北朝鮮・韓国をつなぐ“極東アジアリスク”というしかない。(それでも、リスクのみで留まればまだ幸せである)
日本は、このご近所で結成されつつあるリスク・トリオの無謀なちょっかいや行動に、常に標的となって巻き込まれざるを得ない歴史的・地政学的な運命にある。
困ったものである。

ゆとりと人間力?

2005-04-22 14:54:22 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
子供の学力低下とゆとり教育の見直しがいわれるなか、中山成彬文部科学相が21日の水戸市・茨城大教育学部付属小、中学校での「スクールミーティング」で、ゆとり教育について「導入は拙速すぎた」とゆとり世代の中学生に謝罪した、のだという。
Yahoo!ニュース - 共同通信 - 文科相がゆとり世代に謝罪 茨城大付属中で
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <中山文科相>ゆとり教育は「反省すべき」と中学生に謝罪

ニュースソースをふたつ掲げたのは、毎日の記事では共同の配信にはない「総合的な学習の時間」に関してがあったからだ。

『「総合的な学習の時間は、人間力のある子を育てるために導入されたが、全般的な検証を始めたところだ」などと述べた』
『同日に訪れた茨城大付属小学校では、教諭から「総合学習の時間は必要だ。子供が荒れる原因は偏った学力による」などとゆとり教育の維持を訴える意見が相次いだ。これに対し、中山文科相は「総合的な学習の時間は労力や蓄積がないと取り組めない。『こんなことなら基本教科を増やした方がいい』という声も上がっている」と述べた』

「総合的な学習の時間」とは、小・中学校では平成14年度より、高等学校では平成15年度から本格的に導入された新しい学習活動の時間のことで、文部科学省では『これまでとかく画一的といわれる学校の授業を変えて』『[生きる力]の育成を目指し、各学校が創意工夫を生かして、これまでの教科の枠を超えた学習などができる』としてきた。
文部科学省 - 総合的な学習の時間

この「総合的な学習の時間」が、導入後“人間力や生きる力”を育成するという意味合いでどのような成果をあげたのか、また文科省のいう検証の結果により、今後どうなるのかはわからない。
茨城大付属小学校というような、大学付属のある意味、特殊な小学校では教師の言うように『総合学習の時間は必要だ。子供が荒れる原因は偏った学力による』という意見ももっとものようだが、一方で、一般の公立小・中学校では、「総合的な学習の時間」といっても教師が何を教えていいかわからない、とか、なにをテーマにすれば良いのか、といった現場の現状があるという記事も目にしたことがある。
このような、ゆとり教育が子供の学力を阻害してしまったのか、それとも導入時の意図のように『これまでの教科の枠を超えた学習などができ』たものなのか、少なくとも教育現場の“創意工夫”には、かなりの質の違いや格差が生じたことは事実なのだろう。
学習内容を極端にカットしたうえでの学力低下も問題だが、ゆとり教育というコンセプトや教育現場の“創意工夫”にゆだねた「総合的な学習の時間」という、言ってみれば理想主義的な手法が、結局、教育現場や教師の質の偏在や格差を暴き出してしまった、というところに問題があるのではないだろうか。

『学力低下は、何も小・中学校の生徒や高校生に限ったことではない。大学生の学力の低下も深刻な問題なのである。
1998年12月に大学入試センターが実施した「大学生の学力低下に関する調査」によると、学力低下はもとより、論理的思考力、理解力、表現力等の基礎能力の低下が指摘されている』
福島民報4月17日付論説 - 学力低下の現状と背景

この論説でも指摘されているが、子供の学力低下も問題だとしても、大学生の学力の低下はより深刻な問題なのだろう。
ゆとり教育や「総合的な学習の時間」といった、具体的な教育施策が始まる以前に小中学生だった大学生たちがすでに、『論理的思考力、理解力、表現力等の基礎能力の低下』を指摘されているわけで、単にここ数年の問題ではないのである。
そしてまたこのように指摘されたまま、大学生は社会に出るわけである。(もっとも自分では社会にでていないつもりのニートやフリーターということもあるが)

もうひとつの記事。
ZAKZAK - 新人先生、自殺のナゾ「複雑な教育現場、冷たい職場」
着任直後の千間台小学校=埼玉県越谷市の22歳の新卒教諭が、授業開始からわずか1週間、学校の図工室で首つり自殺した事件。

『恵まれた家庭、優秀な成績、大の子供好き…と自殺の動機は見つからない。だが、専門家は「瞬間性鬱(うつ)病(びよう)」を指摘。この教師だけでなく、新入社員にも増加傾向にある優秀ゆえの「心の迷い」が浮上している』
『精神科医の日向野春総氏は(中略)「みんなマジメで堅い家に育ち、本人が優等生だからトラブルなく生きてきた。だから、誰かの一言が引き金でポーンと竹を割るように『100%駄目だ』と思うことがある。経験がないから些細(ささい)なことが転換できない。新卒の1%ぐらいにみられる『瞬間的鬱病』が疑われる。ここ2、3日で何かのきっかけがあったのではないか」
(中略)
「世間が見るより、今の教育現場はグチョグチョしているのです。異常に冷たい職場で、どこの派閥に入るかパニックになっていたかもしれない」とも話している』

この新人教師個人の自殺の理由について云々することは小生にはできないが、大学生、社会人の学力や基礎能力の低下と、そして学力優秀なはずの教師の人間力の問題と“異常に冷たい”とされる教育現場の問題。
“人間力や生きる力”を育成するという「総合的な学習の時間」も満足にできず、学習指導要領や検定教科書に従ってようやく子供を“教える”教師。「極道」を“道を究める”ことと教える教師。韓国に修学旅行に連れていって生徒に土下座さる教師。
もちろん、全国の教諭たちのなかではごく一部のひとたちで、良い教師も数多くいるのだろうが。
今日付けの記事ではこんなのもある。
ZAKZAK - 酒気帯び”言わず始業式…式後に報告、担任交代

教諭という職業のひとにあえて言いたい。小さな閉じた世界のなかにこもらずに、もっと社会にふれて“人間力”を養いなさいと。
教師や教育現場の質的格差が、日本の格差のひとつを生み出す現実としてあるとしたら、これからどうなるのか。

親日=売国奴、親米=?

2005-04-20 17:06:29 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
最近の中国・反日騒動で影の薄い韓国話題。
その韓国ではいま、またまた盧武鉉大統領の発言をきっかけに論争が巻き起こっているという。
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 韓国大統領発言が波紋 「親米派」は悪玉!? 外交通商省“弁明”

盧武鉉さんの発言は、トルコのイスタンブールでの在留韓国人との懇談会の場での、

『優秀な韓国人なのに、米国人より親米的な思考の人がいるのが私には一番心配だ。韓国人なら韓国人らしく判断すべきだ』

というものだそうだ。
これをきっかけに、保守系メディアが
『親米は外国勢力依存で反米は自主という二分法的な単純な考え方は問題」(18日付朝鮮日報社説)』と批判したり、それを受けて
『外交通商省が「うちに親米派はおりません」と“弁明”する騒動』が起きたりと、なかなか忙しい。
以前も取り上げたが、
『韓国では目下、日米韓三角同盟は冷戦時代の秩序で、今後韓国は「北東アジアのバランサーを目指す」とする盧武鉉大統領の「バランサー論」の是非が論戦の的になっている。保守系メディアや野党は「米韓同盟を離脱するつもりか」と問題視』
している最中のこの発言の波紋は、まだまだ続くようだ。

『韓国で「親日派」は売国奴に近いニュアンスがあるが、「親米派」もイメージダウンが日増しに顕著になっている』
ということだが、韓国は今度は誰と仲良くしたいのでしょうか。まぁ、中韓接近といわれているが。
それにしても、この大統領さんはここにきてなかなか波紋を投げかけている。
乱暴にいえば、“民族主義的な発言を強めている”といえるのだろうが、東北アジアにおける地政学的国際関係を見誤らなければ良いけどね。
韓国メディアも“二分法=二元論で論ずるな”と批判しているようだが、なにしろ二元論の好きな国。ちょっとほっとくと、あっというまに極論に走りそうではある。
いまに親日派親米派、ひとくくりで売国奴になってしまうかも知れない。長い間の駐屯米軍の存在もあって複雑なのだろうが、米軍=侵略軍などと極端に定義してしまったら、北の同胞と結局は同じになってしまうし。

中国といい韓国といい、21世紀初頭のアジアは、愛国主義、民族主義の時代なのかなぁ。
日本も気をつけようね。

また儲けたね、ホリエモン

2005-04-19 16:46:32 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
さて、フジテレビとライブドアが和解となったわけだけど。
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - フジ、ライブドアと和解 ニッポン放送を完全子会社化
結局、どちらが得してどちらが損したのか。

本日の新聞各紙社説は、この話題を題材にしてます。
たとえば朝日(必ず社説の場合、当ブログでは朝日を出します。なぜか?それはいわずもがなです)
朝日新聞4月19日付社説-ライブドア これで「想定内」ですか

『ニッポン放送が大量の新株予約権を出してライブドアの攻勢をかわす奇手こそ裁判所にはね返されたものの、資金力に勝るフジ側の粘り勝ちのようだ。
とはいえ、この対立が人々の耳目を集めたのは、目先の変わったビジネス活劇だったからだけではなかろう。日本の社会や企業経営の将来にかかわる大テーマがいくつも盛り込まれていたからだ。
(中略)
新興企業が歴史も実力もある大会社の支配を目指し、その原資は米国の投資銀行から調達していた。
(中略)
ただ、ここにきての和解劇を見ると、ニッポン放送をもてあそんだだけに終わった感は否めない。だからこそ、堀江氏に対して「初めから売り抜ける狙いだった」との批判もくすぶる。
堀江氏が否定したいのなら、フジとの業務提携を形ばかりのものにするわけにはいかない。着実に収益を上げて社会に評価される事業を育てる。「マネーゲーム」などというレッテルを張られないためには、それしかないだろう。
フジにとっても、「勝ち戦」とはしゃいでいる時ではない。買い戻し価格は、公開買い付け(TOB)の水準を大きく上回った。会見でこの点を突かれたフジの日枝久会長は「内心忸怩(じくじ)たる思いはある」と語った。安値でTOBに応じてしまった企業の中には、株主から経営責任を問われているところもある。
(中略)
こうした無理が多額の費用や株主間の不公平を招いたのなら、「忸怩たる思い」ではすまされまい』

引用が長くなりました。正義漢の朝日らしい“両者に苦言”社説です。必ず最後に「ねばならない」とか「なるまい」とか「求められる」とか結ぶわけですが、今回は「ではすまされまい」ですね。(まぁ、そんなことはどうでも良い)
さて、フジとライブドアですが、朝日社説に『「勝ち戦」とはしゃいでいる時ではない』とあるようには、決して“はしゃいで”はいないでしょう。和解会見で『「内心忸怩(じくじ)たる思いはある」と語った』というように、忸怩たる思いなのでしょう。
何でも“不公平は許さないぞと言いたい”朝日社説が、『「忸怩たる思い」ではすまされまい』と無理矢理結ぶ以上に(ところで、誰を代弁して朝日は“すまされまい”と論じているのでしょうね。株で儲けたいひとを代弁しているのでしょうか)おそらく悔しいでしょう。
なんせ888億円も負担増、ということは損失を招いたのです。
通常の事業経営で888億円もの損失を出したら、即クビです。
おまけに、“想定外”の横やりであっというまに負担増を余儀なくされたのですから、普通なら笑って握手する姿など見せられないはずです。(バラエティで稼いでる会社だからしょうがないか、というはなしもある)
まぁ、“カネ払うから近寄るな!用があるときにはこっちから行くから”ってわけですか。
ライブドア株保有期限が切れる2007年が楽しみです。

一方のライブドアは443億円のプラスと勘定されました。
ニッポン放送株の売買では3億円のプラスですが、440億円もの出資金を獲得しました。
ホリエモンが「いいほうの想定内」と言ったとかなんとかですが、それが本音なのか強がりなのかはともかく、儲けたのは事実です。
ライブドアの昨年度の事業売り上げは、連結で約108億円ですから、ちゃんと事業を行って稼ぐより4倍の資金を手に入れるわけです。
結局、これが「いいほうの想定内」と白状したわけですね。

ただし、現在6億5千万近くあるライブドアの発行株がさらに膨れ上がるわけだから、一般の小口の株主さんは可哀想ですね。ホリエモン社長自ら、どんどん自社株を希薄化させているのですから。
で、当座の(といってもかなり大きな)資金を使ってホリエモンは、こんどはどこに横やりをいれるのでしょうか。企業は戦々恐々です。

さてさて、本当に儲けたのは、朝日社説が言うところの“米国の投資銀行”リーマン・ブラザーズ証券グループですね。日経新聞の推定では100億程度の利益を得たようです。
リーマンなどの主に米国の金融グループは、日本のマスメディア企業、特にテレビ局をターゲットにすれば金が稼げることを、かなり以前から目論んでいたようです。
そこに格好の代理人がいたわけです。ただあまりにも目立ちがり屋だっただけに、企業支配、コンテンツなどの資産の食いつぶし、売り抜け、といった、もっと儲ける仕掛けが成功に至らなかったということです。まぁ100億で良しとしてください。

ところで、今回の一連の騒動で小生がわからないのが“ホリエモンを応援する”一般のひとたちです。もちろん、誰を応援してもかまわないし、フジの日枝オヤジよりはホリエモンというのもわからんではないのですが。
新しい資本論理で行動するから?若い経営者だから?IT企業だから?ネクタイ絞めてないから?よくしゃべるから?‥‥それとも「儲けるが勝ち」だからなのでしょうか。
若い人だけでなく団塊の世代の支持も集めた、と日経新聞の巻頭コラムにありました。
(特に金銭的な)将来不安が言われるなかで、日経のコラムにもあるように“意味深長”なのかも知れません。

おまけ
今日でたこんなニュース。
デジタルラジオ放送、5年前倒し実施
なるほど、「見るラジオ放送」が5年前倒しの2006年からか。良いタイミングで発表だね。和解・収拾・排除を急いだわけだ。
ホリエモンはどうするのかな?

血液型のナゾふたたび~世界編

2005-04-15 15:38:17 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
以前、たしか2月に血液型性格判断について書いたことがあるのだが、4月14日付韓国発ロイターのこんなニュースで、血液型のナゾふたたび。
Yahoo!ニュース - ロイター - 韓国で血液型占いブーム、B型男性への偏見広がる

『韓国の雑誌やテレビ番組、インターネット上ではここ数年、血液型占いが大流行しており、B型の男性について「自己中心的で短気」とする偏見が広がっている』
のだそうだ。
さらに、
『これまでに「B型の男」というヒット曲やB型男性との交際術の本、B型男性とA型女性の恋を描くラブコメディー映画が世に送り出された』
という。

この韓国の現象は、どうも日本の血液型性格診断の第一人者であった、故能見正比古さんの説が輸入されて始まったようだ。
能見さんの著作などが韓国語に翻訳され、首都ソウル市内の書店にも翻訳本が並んでいるのだという。
能見さんといえば、彼の関係したNPO法人「血液型人間科学研究センター」(現理事長、能見俊賢氏)のホームページに、世界の血液型分布~世界各国ごとの血液型別のパーセンテージが紹介されている。
ABO WORLD

これによると、
日本人の血液型は、A:38% B:22% O:31% AB:9%
となっている。
よく言われるようにA型比率が高い。

そんでもって、韓国はとみると、
 A:32% B:30% O:27% AB:11%
なるほど、確かに日本と比べるとB型が多い。配分として日本ではB型が少ないともいえるのか。

それでは、中国はとみると、地域別に分かれていて、
 華北 A:30% B:29% O:33% AB:8%
 華中 A:32% B:26% O:35% AB:7%
 華南 A:27% B:23% O:44% AB:6%
と、北に行くほど、少しづつだがB型比率が高いことがわかる。反対に華南はずいぶんO型多い。
韓国は、というより朝鮮半島は華北に近接しているわけだから、比率構成が似ている。
残念ながら北朝鮮のデータがないが(あたりまえか、血液型より米よこせ、だ)、おそらく同じくB型比率が高いのだろう。
さらに北のモンゴルでは、
 A:22% B:34% O:37% AB:7%
とA型比率がかなり低く、B型比率がかなり高い。
寒いとB型の人が多くなるんでしょうか。

それじゃヨーロッパはどうなんでしょう、緯度的にもかなり高い地域だし寒いし。
ということでいくつか見てみると、
 イギリス  A:41% B: 9% O:47% AB:3%
 フランス  A:45% B: 9% O:43% AB:3%
 ドイツ   A:43% B:13% O:38% AB:6%
 オランダ  A:43% B: 9% O:45% AB:3%
 ノルウェー A:49% B: 8% O:39% AB:4%
 スエーデン A:47% B:10% O:38% AB:5%
と、総じてB型比率がかなり低く、A型とO型が同等の数を持っていることがわかる。
なるほど、寒いからB型が多いわけではないのです。
もちろん人類の発生と伝播からすると、ヨーロッパ人はアフリカに近いことから古いとされ、血液型はO型が基本であるとすると、O型が多いということになるのでしょうが。
ちなみに、アフリカのギニアでは
 A:17% B:17% O:64% AB:2%
と、圧倒的にO型の人が多い。

さてさて韓国でも
『韓国カトリック大学の精神医学研究者は、血液型と性格の関係を裏付ける科学的な証拠はないと明言し、こうした説を盲信する若い世代に冷静な対応を呼びかけている』
ということだが、もしも性格判断や偏見として言われるように「B型は“自己中心的で短気”」であるとすると、東北アジアは危ないなぁ。
世界的に見ると、東北アジアでは、AB以外のABO3つの血液型がバランス良くあるのではなくて、あきらかにB型が多いのである。(インドなどの南アジアや東南アジアも同じく多い)

今回の中韓反日騒ぎも、血液型に関係しているのだろうかねぇ。
ヨーロッパにまで血液型性格診断が広まって、“アジアのわがままや暴発は血液型のせい”とか“大人になれないアジア人の血液型”なんて言われたら哀しいなぁ。
もう一度、韓国の学者の言葉に関する記事文を、あえて“部分的”に引用しよう。
『こうした説を盲信する若い世代に冷静な対応を呼びかけている』