『ライス米国務長官は9日、モスクワで、CNNテレビと会見し、北朝鮮の核問題に関し、「米政府は明確に北朝鮮を主権国家と認めている」とあらためて表明』
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 「北朝鮮は主権国家」ライス米国務長官が改めて表明
ライスさんのこの「北朝鮮を主権国家と認めている」という発言。
同記事では、
『北朝鮮を対等の主権国家として認めることで、協議復帰に向けた北朝鮮の柔軟姿勢を引き出そうとするものだ』
としているが、はたしてそれだけのものなのだろうか。
思えば、かつての朝鮮戦争は、北・南とも“祖国統一のための戦争”として戦ったのであり、建前的な一側面とはいえ、いわゆる主権国家同士の戦争ではなかった。
休戦後も(現在も休戦中である)、同一の領土、同一の民族における北と南のふたつの政権という建前は変わらないはずだ。
おまけに休戦時、韓国の李承晩政権はこれを不服として署名しなかった。
休戦協定は従って、国連軍(実質アメリカ)と北朝鮮・中国との間でなされている。
(ちなみにこれをもってすれば、中国は(義勇軍とカムフラージュしたにせよ)国連に対する戦争当事国=敵国であることになる)
それが、いまになって米国は“北が主権国家である”というメッセージを出したわけだ。
これで南北分断・対立は、国家の分断ではなく二つの主権国家の対立ということになる。
また仮に、国際社会やアメリカが北朝鮮を制裁、あるいは攻撃したとしても、韓国の主権を侵したことにはならない、ということになるのだろうか。
昨日取り上げた、韓国・盧武鉉政権が韓国の主権侵害だとした『北朝鮮でのクーデター発生など有事に備える米韓共同軍事作戦である「作戦計画5029」』の廃棄要求についても、影響があるのではないのだろうか。
主権国家と認めることで、6カ国協議再開に向け、単に北朝鮮を“おだてなだめて木に登らせる”だけではないと感じるのは小生だけだろうか。
かつて、朝鮮戦争のひきがねとなったのは、当時の米国国務長官アチソンの「アメリカが責任をもつ防衛ラインは、フィリピン~沖縄~日本~アリューシャン列島までである。それ以外の地域は責任をもたない。」という発言だった。
それほどダイレクトで安直ではないが、今回のライスさんの発言にも、なにか額面以上のメッセージがあるのではないかと思ってしまう。
さてどうなのだろうか。ムチの前のアメであることは確かだと思うが、どれほどのアメとなるのだろう。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 「北朝鮮は主権国家」ライス米国務長官が改めて表明
ライスさんのこの「北朝鮮を主権国家と認めている」という発言。
同記事では、
『北朝鮮を対等の主権国家として認めることで、協議復帰に向けた北朝鮮の柔軟姿勢を引き出そうとするものだ』
としているが、はたしてそれだけのものなのだろうか。
思えば、かつての朝鮮戦争は、北・南とも“祖国統一のための戦争”として戦ったのであり、建前的な一側面とはいえ、いわゆる主権国家同士の戦争ではなかった。
休戦後も(現在も休戦中である)、同一の領土、同一の民族における北と南のふたつの政権という建前は変わらないはずだ。
おまけに休戦時、韓国の李承晩政権はこれを不服として署名しなかった。
休戦協定は従って、国連軍(実質アメリカ)と北朝鮮・中国との間でなされている。
(ちなみにこれをもってすれば、中国は(義勇軍とカムフラージュしたにせよ)国連に対する戦争当事国=敵国であることになる)
それが、いまになって米国は“北が主権国家である”というメッセージを出したわけだ。
これで南北分断・対立は、国家の分断ではなく二つの主権国家の対立ということになる。
また仮に、国際社会やアメリカが北朝鮮を制裁、あるいは攻撃したとしても、韓国の主権を侵したことにはならない、ということになるのだろうか。
昨日取り上げた、韓国・盧武鉉政権が韓国の主権侵害だとした『北朝鮮でのクーデター発生など有事に備える米韓共同軍事作戦である「作戦計画5029」』の廃棄要求についても、影響があるのではないのだろうか。
主権国家と認めることで、6カ国協議再開に向け、単に北朝鮮を“おだてなだめて木に登らせる”だけではないと感じるのは小生だけだろうか。
かつて、朝鮮戦争のひきがねとなったのは、当時の米国国務長官アチソンの「アメリカが責任をもつ防衛ラインは、フィリピン~沖縄~日本~アリューシャン列島までである。それ以外の地域は責任をもたない。」という発言だった。
それほどダイレクトで安直ではないが、今回のライスさんの発言にも、なにか額面以上のメッセージがあるのではないかと思ってしまう。
さてどうなのだろうか。ムチの前のアメであることは確かだと思うが、どれほどのアメとなるのだろう。