'夜スグリ'

  …悪魔の果実は夜の色――

梯子を外す話

2010-10-30 13:25:03 | 日記
わかってるよ。
君は俺がその梯子を上っている最中だってことを忘れてるんだろ?
目の前に新たな問題が現れたり、問題があったことに気付いて、
そっちに梯子を架けて上らなきゃってことに気を取られちゃうんだろ。

それで、俺には一声も掛けずに梯子を外すんだ。

既に君の中ではそのことはなかったことになっているから、
落とされた俺がいくら声を荒げて言及しようが暖簾に腕押し、糠に釘。
だって君は気付いていないんだからな。俺が梯子から落ちたってことに。
若しくは落ちたことには気付いているのかもしれないが。
だけど、俺が「落とされた」と思っているのに対し、君の認識は「落ちた」だ。
それも君とは無関係の、全く別のトラブルでもってだ。

わかってるんだよ。わかってるんだ。
君に悪気がないことも、もっと言や罪の意識すらないことも。
そりゃ、俺が折れた腕抱えてたって何とも思わないよな。
だからといって許せない、心の狭い俺を笑えよ。
悪気のない君に目くじら立ててがなり立てる俺を哀れだとでも思えよ。
梯子から落ちていない君には折れた腕の痛みはわからないんだから、
それを一笑に付すなんて、さぞや造作もないことなんだろう。
違うかい?

***

本人を怒鳴りつけてもよかったのですが。
あんまり怒っても仕方ないかなと思ったので、厭味ったらしく書き起こすことで憂さ晴らし。
俺の心の中にはタイプライターでも住まわそうか。
じゃないと俺が、あんまり子供じみた馬鹿みたいじゃないか。
しかし、だったら最初からもっと言い方あったと思うけどなあ。

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