あれ?
王子様だったっけ?
いや、王様が姫に恋をして、姫はロバの皮になって、でそのロバの皮に王子様が恋をするんだ。
まぁいいや。
舞台に立つと後退っちゃうアト・ズサリオの話をします。
ズサリオには彼女がいます。
うちの部で「女王」の名を欲しいままにしている(本人自覚なし)、沙織(仮名)という2年生です。
ほんとは部内恋愛ダメなんだけどね。
でも皆黙認してて、だから二人は付き合っています。
けれどそこは部内きっての女王。
荷物持たせるわ片付けさせるわ平手打ち(舞台で使う)の練習台にするわ。
あるとき、二ヶ月ほど昔のことですが、紫遠は彼らに言いました。
「まるで、女王とその下僕のようだな」
するとズサリオはおもむろに口を開き――
「王様ですよ」
と一言。
なるほど、確かに女王の伴侶といえば王だろう。
が、それは常にそうだと言えるのだろーか?
下僕は本当に女王の伴侶にはなり得ないのか?
今日、ズサリオは相変わらず沙織の衣装の片付けをさせられていました。
後ろから紫遠が
「それでよく‘王様だ’と大見得を切れたもんだよな」
と言ってやると、さすがに返す言葉もなかったのか彼は苦笑いをしていました。
にしても沙織の人使いが荒い。
ズサリオ限定だけど。
ていうか、今の話だけだとズサリオがかわいそうなだけですが、実際二人、部活中にもやたらくっついてるんでこちらとしてはもうそんな気も起こりゃしません。
こないだお昼に「バカップルどこ行ったー?」って訊いたら普通に「なんかさっき食堂でイチャついてましたーっ」て返ってきたし。
正直、皆の目の敵。
いやいや、羨望的な意味でね。
王子様だったっけ?
いや、王様が姫に恋をして、姫はロバの皮になって、でそのロバの皮に王子様が恋をするんだ。
まぁいいや。
舞台に立つと後退っちゃうアト・ズサリオの話をします。
ズサリオには彼女がいます。
うちの部で「女王」の名を欲しいままにしている(本人自覚なし)、沙織(仮名)という2年生です。
ほんとは部内恋愛ダメなんだけどね。
でも皆黙認してて、だから二人は付き合っています。
けれどそこは部内きっての女王。
荷物持たせるわ片付けさせるわ平手打ち(舞台で使う)の練習台にするわ。
あるとき、二ヶ月ほど昔のことですが、紫遠は彼らに言いました。
「まるで、女王とその下僕のようだな」
するとズサリオはおもむろに口を開き――
「王様ですよ」
と一言。
なるほど、確かに女王の伴侶といえば王だろう。
が、それは常にそうだと言えるのだろーか?
下僕は本当に女王の伴侶にはなり得ないのか?
今日、ズサリオは相変わらず沙織の衣装の片付けをさせられていました。
後ろから紫遠が
「それでよく‘王様だ’と大見得を切れたもんだよな」
と言ってやると、さすがに返す言葉もなかったのか彼は苦笑いをしていました。
にしても沙織の人使いが荒い。
ズサリオ限定だけど。
ていうか、今の話だけだとズサリオがかわいそうなだけですが、実際二人、部活中にもやたらくっついてるんでこちらとしてはもうそんな気も起こりゃしません。
こないだお昼に「バカップルどこ行ったー?」って訊いたら普通に「なんかさっき食堂でイチャついてましたーっ」て返ってきたし。
正直、皆の目の敵。
いやいや、羨望的な意味でね。