ふくふく日記

絵本・紙芝居作家のよこみちけいこのブログです
子育てに家事に音楽に創作のことなどなど,マイペースでのんびり更新中

「はじめてのおつかい」のトラウマ

2014-06-28 13:44:04 | 絵本あれこれ
私が大好きな、というかもう絵本を作るにあたって、
「こんな絵本がつくりたい」
と昔から心のバイブルになっている絵本。

「はじめてのおつかい」筒井頼子作 林明子絵


テレビでやってる「はじめてのおつかい」の番組も元はこの絵本らしいです。

「『この本で何か作ってみよう』という話になって。ちょうどカメラが小型化してきた頃で、それをたくさん使えば、絵本と同じような画が撮れるかなという発想からスタートしました。絵本は、今でもお母さんに番組の趣旨を説明するときに使っています」
(テレビジョンより抜粋)

へええ!そうなのねえ。

私が子どもの頃からこの絵本は読んでたんですけど、子供の頃の記憶として
「おつかいに行って、途中でころんでお金を落としてしまう絵本。最悪だ!」
という記憶しなかったのね。

で、大人になって再び絵本の勉強を始めた時に改めて読んで
「あれ?こんな話だったっけ?」
っていうね。

おとしたお金は見つからなかったっていう私記憶だったんだけどね。
ちゃんとみいちゃんはお使いをやりとげていたのだなあ。なんて素敵な絵本なんだ。

そして、この「ころんでおとす」というのが、私の中でトラウマ的なんですわ。


小学生の頃なんですけど、ひとりでの帰り道にふとこの絵本のことを思い出して
「みいちゃんみたいに転んでみよう」
ってふと思いついたんですよ(おばかな私)
このシーン。みいちゃん見事な転びっぷり。


で、「えい」ってわざと転んだら、川の横だったせいで転んだ拍子に持っていた学校から
借りた本を落としてしまったのね。

「わああーどうしよう~~」

そのまま川に流れていく本を見て諦めて家に帰った私。
家に帰っても様子のおかしい私に母が
「どうしたん?」
って聞いて
「おかあさん・・・悪いことをしたら、心がざわざわするんだね・・・」
って言ったのね。

そうなの。あの時の心がなんとも言えない感じのざらざらざわざわした感覚。忘れない。

もう母びっくりよ。
「何があったんね!!!!」
と詰問されて、泣きながら真相を話してすぐに川まで走って行って絵本を探しましたよ。
そしらた、下流に行ったところの草のしげみに本がうまいことひっかかっていて
「入ってとってきなさい」
「えー!?川にはいるの?」
「あたりまえでしょーが!!」
って怒られながら、本を無事回収。

その時の本のタイトル、今でも覚えていて「ぞう」っていうちょっと図鑑っぽい本だった。

母がびしょぬれの本をかわかして、テープで補正してきれいにしてくれて、
「はい、これで返しとき」
って何食わぬ顔して、学校の本棚に戻しといたというね。はい、一件落着~~~。

ちなみにさすがに「絵本のマネしてわざと転んだ」とは母に言わなかったわ~。そんなこと言ったらもう、こてんぱんにしかられるのが目にみえているものねえ。

そんな「はじめてのおつかい」の絵本の思い出でした。

こんないいんだか悪いんだかな思い出を抱えつつも、今もやっぱりこんな絵本が作ってみたいなあって、すみずみまで絵を眺めては心が揺さぶられています。