コルセットに温湿布さらにマッサージで養生したおかげか、
朝には腰が楽になっていた。
夜は野毛の萬里放題亭にて大道芝居仲間の結婚パーティー。
ああ、出席できてよかった。そうそう調べ物があるから図書館にも
行きましょ、とパーティー開始より一時間半早く野毛に着くよう出かけた。
なのに図書館は早々に閉館。なんで？ 月曜日だけど開いてることを
ちゃんと確かめて行ったのに！ 普通は八時半まで開いてるでしょ？
ＡＰＥＣだから？ 一時間半も、どこでどう時間をつぶしゃいいのよ。
こうなったらＡＰＥＣの警備状況でも見学するしかないと、
桜木町駅に戻り、みなとみらい側へ。
駅周辺は警察車両の赤い灯がたくさん点滅している。
ランドマークタワーはいつもに較べて人が少ない。
警備員の数は思ったほど多くなかったけど。
通路のソファに腰掛け、吹き抜けのクリスマスツリーのライトアップを
時折眺めながら、キオスクで買った週刊誌を一冊読む。
ようやく七時近くになったので、また野毛へ。
このあたりから再び腰が痛み出した。まずいわね、こりゃ。
でもパーティーは楽しかった。久しぶりに会う野毛大道芝居の仲間達。
雑然とした中華料理屋「萬里」の宴会座敷で、みんなたちまち「あの頃」
に戻る。
八歳の時、「美空ひばり」を演じたアヤカちゃんという少女は
二二歳の美しい女性に成長していた。
親戚の子の成長を見るようで、ちょっと目が潤む。
一方で、亡くなってしまった仲間が恋しい。
平岡正明さん、元次郎さん、元市長の高秀さん、拍子木一筋の大内さん……。
さて本日の主役。新郎は野毛のサンバチーム「エスコーラ・ヂ・サンバ・サウージ」の
リーダー、石山和男さん。このチームは今年、浅草で行われたサンバカーニバルで
見事優勝した。
新婦は大道芝居の名弁士だった松本玲子ちゃん。 
野毛のプロデューサーで萬里のご主人でもある福田豊さんと
大道芝居芝居の座長、高橋長英さん。 
この日の司会をつとめた落語家、金原亭馬治さんと、
大道芸プロデューサーの大久保文香さん 
ＡＰＥＣで警戒厳重な地域だというのに、とんでもない衣装で
現れた荻野アンナさん。
超ミニに網タイツ、牛柄のパンツというメイド姿。
この恰好でまじめなシンポジウムの司会もやったそうだ。 
新婦とメイド・アンナのツーショット。 
餃子、焼き蕎麦、鶏の唐揚げなどを食べながら、楽しい三時間が瞬く間に過ぎていった。
途中、新郎の石山さんのことを好きだったという女性が号泣するというハプニングあり。
これもまた野毛らしい光景。
で、立ち上がると、腰は完全に最悪の状態に戻っていた。
山形県警や長崎県警のおまわりさん達が、そこここに立つ地下道に
降り、よろよろと地下鉄へ。
一夜明けた今日も、厳重なコルセット状態。
困った。週末に嬉しい観劇のお誘いが入ったのに、これではどうなることか……。
