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冬桃ブログ

左義長(どんど焼き)

 本日は楽しみにしていた左義長。
 一般的に知られた名前で言うと「どんど焼き」。
 このあたりでは「ほんやり」ともいうそうだ。
 語源はよくわからないが、年神様を送る小正月の行事。
 老ドラゴンも私も、これに参加するのは初めて。

 村の中でも「組」に分かれていて、うちの組は
近くにある田んぼの一画で行われる。
 7時半ごろ、男性たちが集まり、竹や笹で大きな
やぐらを組む。老ドラゴンもそれに参加。
 女性たちはそれが組みあがった頃に集まるというので、
私は遅れて8時頃に。
 総勢20人ほどになった。
 「組」は、どこからどこまでかよくわからないが、
こんなに人がいたんだと嬉しいやら安堵するやら。 
 でも子供は少なく、中高年がほとんど。
 
 まずは火をつけた藁を投入。


 おお、燃えだした! 近隣でも別の組の「ほんやり」が
始まったらしく、パーン、パーンと竹のはぜる大きな音が響く。


 ダルマをつけた長い笹竹を、今年の恵方に向かって倒す。


 燃え残った火で餅を焼く。


 昔は、網ではなく、このように竹の先に餅を付けて焼いたという。


 切った竹はめいめいが家に持って帰る。
 屋根に置いておくと雷が落ちない、という言い伝えがあるそうだ。


 餅の他にお酒やつまみもふるまわれる。
 朝酒に顔を赤くしている老ドラゴンの腰のあたりを、
小さな手がトントンと突いた。
 四歳か五歳くらいの女の子。しかも双子。
 田んぼの脇を流れる水路に、つららができている。
 それを取ってくれと言う。


 いつもの彼は仏頂面に不愛想な口調。
 しかし彼女たちの愛らしさが、瞬時にして彼を変えた。
 老ドラゴンから老タツノオトシゴに。 

 「おお、つららか。きれいだねえ。うんうん、
いま、ジイジが取ってあげるからね。
 あ、っこちのも? いいよ、いくらでも
取ってあげるよ」
 へええ、どこから出るんだろう、あんな言葉、あんな表情、声。
 人はわからないもんだ。
 極度の手足冷え性に悩まされている身だと聞いたが、
極寒の水路に手を突っ込み、勇敢につららを採集。

 彼にとって本日のハイライトは、間違いなくこの瞬間。


 火が焚かれたとはいえ、朝の冷気は、体に、
とりわけ足にこたえる。
 行事がほぼ終わったのを見届け、家に駆け戻った。
 村営の温泉に行きたかったが、運悪く本日は休業。
 お風呂を沸かし、冷え切った体を温める。
 さあ、明日からは、しばし横浜!

 猫の足跡。


 
 
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