冬桃ブログ

下町だねえ


 小さい頃、いつも素足に下駄を履いて遊んでいた。
 町には下駄屋があった。
 でもいま、下駄を履く人は少なく、下駄屋もあまり見ない。

 だけど、うちの近くには、ちゃんと下駄屋がある。
 三吉橋商店街の余川履物店。



 「この時期、品物が少ないんですよ。
もう、下駄そのものがあんまり作られてないし。
需要がなくなりましたからねえ」
 と、言いながら、おかみさんが見せてくださったプロの道具。

 くじり棒。下駄に鼻緒の穴をあけるもの。


 うづくり。細い茅の穂を束ねてきっちり縛ったもの。
 これで下駄の面をこすって、きれいにする。


 蝋。別名「いぼたろう」。これも下駄の面を磨くものだが、
たいへん高価なのだそうだ。


 つぼ伸ばし。ちょっとわかりにくいかもしれないが、二種類の金具で
鼻緒の付け根を伸ばす。
 もはや、この道具を持っている店も少なくなったので貴重なもの。


 きれいな鼻緒の数々。その中になぜかブロマイドらしき写真が……。


 じつはすぐそばに、横浜最古にして唯一の大衆演劇常打ち館「三吉演芸場」がある。
 一般の需要は少なくても、そこに出演する役者さん達が下駄を買いに来る。
 店内には大衆演劇一座のポスターがいっぱい。


 向かって左が余川履物店のおかみさん。
 右が三吉演芸場の“おかあさん”本田玉江さん。


 うちの近所は素敵な下町だ。

 




 
 

コメント一覧

冬桃
下駄は気持ちいい!
http://members2.jcom.home.ne.jp/noa411/
 酔華さん

 おお、酔華さんはバンカラだったんですねえ。
 私も下駄、大好きです。
 でも残念ながら、いま着てる服とは合いません。
 かといって着物に総取っ替えするわけにも
いかないし(お金が……)。
 外反母趾に悩む私は、日本の衣生活が欧風に
変わってしまったことを、いまさらながら呪っています。
酔華
下駄
下駄屋さんがどんどん靴屋に転換していますよね。
店の片隅に少しでも置いてくれる嬉しいのですが、
最近は全く見かけなくなりました。

私はむかし、高下駄を履いて学校に通っていました。
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