さよなら玄海原発の会・久留米

佐賀県玄海町にある九州電力玄海原子力発電所から福岡県久留米市は直線距離にして65km。久留米から発信!さよなら原発!

小坂正則さん講演会「電力自由化で原発ゼロへ!!」を聞いて

2016年03月29日 00時36分07秒 | 原発に関する映画・イベント情報


1 再稼働されても諦めてはいけない

 安倍首相は「原発は重要なエネルギーである」と言い、石炭や石油後のエネルギーとして語られるが、原発はエネルギー問題ではないことを認識すべきだ。原発でなにができるか?プルトニウムと原子力潜水艦である。原子力マフィアの金の問題もさることながら、最近の安保法制などの政治の動きを考えると、見逃しにできない。
 現在、玄海2号・伊方1号・2号など5基が廃炉に決定されているが、世界最高レベルの安全性どころか、甘い規制基準や避難計画の丸投げといった状況もある。原発の必要性がなくなるので九電は太陽光発電を止めると言っている。
 福島の子供の甲状腺ガンは、現在167人の患者がいるが福島県医師会や福島県立医大では原発との因果関係はないと言っている。等々・・・悲観的になるようなことが多い。歴史的な運転差し止め訴訟での福井地裁樋口判決を記しておこう。

「原発の運転停止によって多額の赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である。」

 また、敗訴した川内原発運転差し止め訴訟判決でも「住民や世論による安全性への要求が高まれば厳しい基準値が実現される」と最後に述べられている。だから「皆さん頑張ってね」というメッセージが込められているのでは?
ドイツでは2011年に原発を止めた。電気代が高いか安いかで無く、福島の現状をみて倫理的に判断された。
 日本でも「国民が原発は要らない」と、政治に反映できたら原発を止めることが実現できる。私たちが、諦めずにもっと声を大きくしていこうと、脱原発の運動を続けるための示唆を頂いた。私達の力で政治を変えよう。



2 電力自由化について

 先進国の中で電力自由化になってないのはメキシコと日本くらいで、やっと日本も先進国並みになったということか。今から77年前までは電力は自由であった。発送電会社は、戦争で効率よく電気を使うために作られたが、そのまま今も続いている。(戦争政策である)
小坂さんが応援している新電力会社は、東京ガス・大阪ガスなどである。現在ガスの値段が下がっているので発電単価も下げることが出来る。そうすることで今まで独占していた既存の電力会社に圧力をかけられる。
もう一つがイイレックス(アメリカのスパークエナジーの電力資本が参入)である。
 アメリカが参入することで、日本の電力会社の既得権益を守るのはおかしいと圧力をかけられる。自由競争になり価格が下がることになる。みやま市、山形県とか地方自治体の会社は安心して契約出来る。また、地産地益(地域で得た利益は地域に還元する)の考え方が、必要である。【小坂さんは、九州ではまだまだ選択できる会社が少ないので、じっくり考えて選びたいそうだ。】
現行の自由化では、送電線の使用料が高すぎる、電力市場が作られていない、発送電分離(2020年)は資本分離へ、原子力を守る制度(核廃棄物処理費・減価償却費用・原発の電力価格保証制度などが送電線の使用料を通してこっそり電気料金に上乗せ)など、多くの問題は残される。
自由化で見えてくるのは安い電力料金を選ぶことに留まらず、脱原発へのシフトをも考えてこれからの日本をどう変えていけるかを、私たちに問われていることになることだ。
(藤木 繁美)





■■■ 参 加 者 の 声 ■■■
■冒頭の「原発の問題は、エネルギーの問題ではなく原子力潜水艦の問題だ」ということが印象的でした。原発=核ということなのですね。 技術があるから核武装もでき、外国から脅威に思われているという入り方がさすがだと思いました。 講演の内容もさることながら、三十年も前から原発について考えてこられたことに脱帽しました。何がきっかけだったのか、お聞きしたかったです。(四十代 男性)
■日本の電力事業が世界から遅れをとっているということに衝撃を受けました。「日本の規制基準は世界最高レベルだ。」と安倍首相は述べていましたが、実は先進諸国の中でも立ちおくれているということがわかりました。一刻も早く電気事業を並みにして自由化しやすいようにしてほしいと願っています。(五十代 女性)
■ 本当の電力自由化にはならないのではないかと危惧しています。現実的に完全には無理なのではないかと。何か裏があるのではないかとも思ってしまいます。今の自民党は大企業の側に立っていますから、本気で国民のことを考えて自由化をしようとしているような気がしないのです。本当の意味での自由化になっていってほしいと思います。(六十代 女性)
■理想と現実行動が一致している方の話はほんとに心に沁みました。(六十代 男性)