
さてさて「昔、たけしさんに撃たれた!」お話です。
もちろん映画の中での話です。
もう17年も前の1995年のことなので
ちょっと記憶が定かでないこともあるのですが・・・
1995年、俺は当時28歳、
松竹映画「GONIN」(ゴニン)の撮影に
俺の所属していたWILD STUNTSがアクション・スタントで参加しました。
擬斗(アクション指導)はWILD STUNS代表の柴原孝典さん、
俺は柴原さんの助手としてほぼ全てのアクションシーンに携わりました。
「GONIN」、脚本・監督は鬼才!石井 隆
美しくも残酷なスタイリッシュバイオレンスアクション映画!
出演は今では実現不可能とも思えるかなり凄いキャストです!
佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、椎名桔平、竹中直人、ビートたけし・・・と超豪華!
詳しくは「GONIN」のウィキペディアを読んで下さい → http://ja.wikipedia.org/wiki/GONIN
WILD STUNTSメンバーの角 秀一くんが本木雅弘さんのスタントダブル(吹き替え)を演じ
柴原さんは“擬斗”として全てのアクションシーンの指導やりながら
自らも根津甚八さんのスタントダブルを華麗に演じていました。
俺も少しだけですが、目立し帽を被って本木雅弘さんの吹き替えで
車を急発進、急停車させるシーンをやったのですが・・・その時、NGを連発してしまって・・・
ほんと思い出すだけでも恥ずかしくて情けなかったです(泣)
1995年に製作された「GONIN」は
1994年にあのバイク事故で重傷を負った、たけしさんの“映画復帰第一作”だったのです。
事故の後遺症でまだ顔面麻痺が残っていたと思われるたけしさんは
眼帯をつけたまま“殺し屋”京谷一郎役を演じられました。
この眼帯姿が、より一層不気味さを増して怖かった・・・
殺し屋の相棒は木村一八!
で、俺が“たけしさんに撃たれるシーン”なのですが、この画像です。
(近所のレンタル屋にDVDがなかったのでYouTubeの画像ですが)
ビニール傘をさして銃を撃っているのが、たけしさん
画面奥のパトカーを運転していたのが俺なのです!
画面には俺の顔も衣装もぜんぜん映っていませんが・・・w
ちゃんと警官の衣装も着ていたと思います。
「嵐のような大雨の深夜、
暴力団事務所の前で銃撃戦をくりひろげるヤクザと殺し屋、
そこへ駆けつけるパトカー・・・」というシーンだったのですが
このシーン、けっこう大がかりな撮影でした。
ロケ場所は東京都内の某所、雑居ビルやその付近の道路を借り切っての撮影。
大雨のシーンなので放水車で大量の雨を降らしての撮影でした。
大規模な夜間撮影なので照明の数も凄かったと思います。
リハーサルを数回やっていよいよ本番・・・
「ヨーイ、スタート!」
俺はパトカー(劇用車)に乗っているのでトランシーバーを通じて合図をもらいます。
「はい、パトカー、スタート!」
助監督さんの声がトランシーバーから聞こえると
俺はパトカーを発車させ
カーブを曲がって暴力団事務所の前で急停車!
パトカーに気付いた殺し屋(たけしさん)は「バカヤロー!」と絶叫しながら銃を発砲します!
放水車で大量の雨(水)を降らしているし、
照明があちこちから照らしているので
視界が極端に悪くてめちゃめちゃ緊張したのを憶えています。
たしかこのシーンも一発でOKがでなくて何度かやりました。
石井監督はなかなか“一発OK”って出さない監督だったと思います。
目の前に、
ビニール傘をさしてスエット姿で「バカヤロー!」と叫びながら
銃をブッ放つ眼帯をしたたけしさんが!
映画の撮影とはいえそんな異様な姿のたけしさんはめちゃ怖かったですよw
(今よりかなり痩せてますね~)
次のカットではたけしさんは銃を乱射しながらパトカーに向かってきます!
パトカーは後ずさりするようにバックしますが・・・
俺の文章では伝わりにくいので・・・
YouTubeの映像を見て下さい! (6:10あたりで俺の運転するパトカーがでてきます)
石井 隆監督の映像美&バイオレンスを観よ!
↓ ↓ ↓
A Scene From Gonin, 1995
で、たけしさんとは何か話したのか?って?
ふふふ、大物すぎて何も話せませんでした・・・
「おはようございます!」「よろしくおねがいします!」「お疲れ様でした!」くらいは言いましたよ。。。
またいつか「元テレ」のことも書きますね~
追記:2022年6月
石井 隆監督のご冥福をお祈り申し上げます。
私の居たところの先輩も、何人か出てた気がします!
私はいけませんでした(T_T)
あの頃、よく一緒に仕事したり
稽古もしましたね~
またあの頃の懐かしい話いろいろ書きます~
あの現場にいらして、スタントされたなんて、そしてたけしさんに撃たれただなんて、本当に素晴らしいですね!羨ましいです!
新作サーガでは、その撃たれたパトカーの警官の息子も出てくるようですね。
楽しみですね!
「GONINサーガ」は
根津甚八さんも出演されたみたいだし
ほんと楽しみです!
GONINサーガの予告がきっかけでGONINを知りました。
初めて万代の接吻を観た時は(こういうのを描く映画なのかよ。)と思いましたが、レンタルしたDVDで早送りせずに真面目に観ると「本当は万代も三屋も人の命を奪うような道具なんて持ちたくなかったんじゃないか?)と考えるようになりました。
前作の登場人物のせいでサーガの子供たちが他人から恨まれる側の人間になるのかと思うと切ない気持ちになりますが、(自分が万代と同じ立場になったらどうしよう?)と考えてしまいます。
コメントありがとうございます。
GONINの男たちにそれぞれの物語があり
時には激しく、時には凄惨に、時にはエロティックに
奇才・石井隆監督は描いているのでしょうね。
俺は映画は人生の教科書みたいなものだと思っています。
映画を観て、自分ならどうしよう?とかはいつも考えますよ。
もちろん映画と現実は違うけど
俺は映画から夢と勇気をたくさんもらいました。
映画、大好きです!
シンジンさんはまだまだ若い!
いい映画をたくさん観て素晴らしい人生を歩んで下さい!