のびのびのぶログ

水彩画や好きな音楽について語ります。なんでも伸び伸びと書いていきます。でも忙しくて更新が延び延びになるかも。

郵便配り

2010年12月03日 21時52分51秒 | 学校
「はいこれは、郵便配りで配ってね。」
・・・
・・・
この配り方は、2学期の初めに子どもたちが命名しました。

学級では、よく使う教材や教具などは、児童個人のものでも、
家庭に持ち帰らずに教室のロッカーなどにまとめて入れておくことがあります。
また、提出物を担任が預かっている場合、どのように配っていますか。

ある日のこと、
総合的な学習の時間にポートフォリオのファイルを使うことになりました。
「ファイルを準備してね。」
その言葉を聞くなり、子どもたちがロッカーに殺到しました。
みんな自分のファイルを探そうと必死です。
狭いロッカーの前は大混雑。
押し合いへし合い。
なかなか見つからない前の人に対する
言い争いも始まりました。
私はしばらくそれを黙って観ていました。
かなりの時間をかけて子どもたちがそれぞれにファイルを準備し、
席についたのを見計らって私が言いました。

「まるで、地獄のテーブルの食事のようだね。」
「えっ!」
私は、そこで有名な「天国と地獄の長い箸」の話をしてあげました。

昔々中国にとてもいい人がいました。
彼はとても優しく、毎日よい行いをしていました。
そんな彼もやがて歳をとり、やが天国に召されました。
かれは、そこで神様に会いました。
神様は彼に
「お前は死ぬ前によい行いをしたから最後に一つだけ願いを叶えてやろう。」
と言いました。
そこで彼は
「是非天国と地獄を見てみたい。」
と願い出ました。
神様は優しくうなずき彼をまず天国へと連れて行きました。
やがて着いた天国には、山のようなごちそうが乗った大きなテーブルを囲んで
和やかに笑みを浮かべた人達が長い長い箸を使って食事をしていました。
彼は、(なるほど天国はいいところだ。)と思いました。そこで次に
「今度は地獄が見たい。」
と願い出ました。そして着いた地獄を見て彼は驚きました。
地獄にも天国と同じ山のようにたくさんのごちそう乗っているのですが、
テーブルを囲んだ人達を見て不思議に思いました。
その人達は痩せ細り、目はつり上がり今にも殺し合いをするような顔つきで食事をしていたのです。
彼は神様に尋ねました。
「同じテーブルに同じ箸で同じ料理を食事しているのに、どうしてこんなにも違うのですか?」
ポカンと口を開いたままの彼を見ながら神様は笑いながら答えました。
「よく見なさい、天国の人達は長い箸を使って他の人達の口に料理を運んでお互いに満腹になれるが、
地獄の人達は長い箸で自分の口に入れようとするから争いが起きて食べられないのじゃよ。」

「いいですかみなさん。そこを天国にするか地獄にするかはそこに住む人たち次第なのです。」

「さて、」
「天国の人たちのような配り方はできないかな。」
「・・・」
「誰のでもいいから選ばないでファイルをとってその人のところに配って、席につけばいいんだよ。」
「さあファイルを戻すからやってみよう。」

子どもたちは、キツネにつままれたように言われたとおりにやってみました。
すると・・・
時間をかけずに争いも起きませんでした。

・誰かのためにしてあげたことが必ず自分に返ってくる体験。
・相手を信じて待つ体験。

ぜひ、教室を地獄ではなく、天国にしてあげたいものです。

「先生この配り方を郵便配りと呼んでいいですか。」
「いいよ。これからも郵便配りをいっぱいやろうね。」

その後郵便配りは、提出物(ノートなど)を子どもに返す時などいろいろな場面で活用されています。
・私は名前も見ないで列ごとにでたらめに配っていきます。
・後ろに回したノートは、でたらめに子どもたちの元に届きます。
・それを子どもたちがそれぞれに配達します。
・配達し終わって席について待っているとちゃんと自分のノートも配達されます。
・何より教室があったかい雰囲気になります。












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2 コメント

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心1つで (Nitti)
2010-12-05 00:10:13
ごぶさたいたしております。
担任の心ある一言で
すてきなことが
生まれるんですねえ。
見習わせていただきます。

広がれ、郵便配りの輪。
返信する
そんなそんな (NOB)
2010-12-05 06:54:05
Nittiさん
いつもコメントありがとうございます。

学級経営って大事ですよね。
Nittiさんも
こんなことしたらうまくいったなんてのがあったら私にも教えてくださいね。
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